「気になって」って、ちょくちょく「まこちゃん」の記事を見に来て下さっていた方々にはもう周知済みですが、先月末に、まこちゃんの里親募集の受付は終了とさせて頂きました。
多くの皆様から「良いお家が見つかりますように」と見守って頂き感謝しています。ありがとうございました。
その姿の初お披露目から約3ヶ月、正式に里親募集を開始してから約2ヶ月、「可愛い」というお声が過去一じゃないかというくらいの勢いで届き、幸先はとても良かったのですが、どうしても「お迎えとなるとハードルが高い」と皆さんがなってしまわれるようで…
勘違いしないで下さいね。それは私たち活動者にとって嬉しい言葉ですからね。
まこちゃんの事をよく知ろうとご質問をくださったり、ご自身の暮らしにあてはめて、まこちゃんのためにどこまで環境を整えてあげられるだろうかと何日も何日も悩んで考えてくれた、まこちゃんのためにたくさん時間を使ってくれた、それはとても嬉しい事ですから、どうかどうか「すみません」だなんてもう言わないで下さいね。
今回、ご縁へ繋がらなかったその「ハードルが高い」を、今後あなたが出会うことになる誰かちゃん(保護っ子に限らずです。まこちゃんのような保護を必要とする子はもうでない事を願っています。これは「まこちゃんのような症状の子」という意味です。)のために少しでも下げられたら良いなと、まこちゃんの事がその時のために少しでも役に立てたら、という気持ちでこの記事を書いてみようと思います。
フェレットに更年期障害みたいな症状とは?まこちゃんの例
まず先にこちらの記事をお読み頂けますでしょうか
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フェレット【里親募集】副腎腫瘍その他ちょっとだけ注意してあげて欲しい事があります
※里親募集の受付を終了します※ きちんと記事にしてお話させて頂きたい事がありますので少しお待ちください(2024/9/2 ...
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詳細は記事にありますように、まこちゃんは外科的アプローチができない(危険すぎて選択肢にそれがない)タイプの副腎腫瘍です。
それは、フェレット歴が長かったり慣れている飼い主さんたちにとっては「大した問題ではない」です。
決して珍しいことではなく、そういう子はたくさんいますから、もし、あなたの子が同じ症状だと言われて、不安になってしまった、経験者さん達の声が聞きたいと思った時にはどうぞSNSなどで声をあげてみて下さい。
たくさんの「うちもそうだったよ!」「大丈夫よ!」の声が届くことと思います。
大丈夫ですからね、安心して下さいね。
ただ、外科的なアプローチが出来ないの子の場合でも「何もできない/する事がない」わけではなく、定期的に腫瘍が大きくなっていないか、浸潤が進んでいないか、などの検査は必要です。
腫瘍ができている位置やその大きさによって血管がどのような状態になっているのか、その進行具合によってなどなどで「抗血栓薬」が処方される場合があります。
副腎腫瘍で抗血栓薬が処方された子はその先ずっと(一生です)投薬が必要で、まこちゃんはまさにそのタイプでした。
抗血栓薬というお薬の特性上、日常生活の中で気を付けてあげなければいけない事は多少ありますし、お薬ですから副作用の心配もあるし、そういった事がハードルになってしまうのかなっては思いましたが、それについてはもう「慣れです!」としか…
まこちゃんのお迎えを考えてくださったあの時には急すぎてそれはハードルになってしまったかもしれませんが、「そういう場合があるんだ」って今ここから心の準備にして頂ければ、次に出会う誰かちゃんのために、きっと役に立つと思いますから、お薬についての詳細は記事の中にありますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
副腎腫瘍=ホルモンのバランスが崩れる病気だから
副腎腫瘍についてはこちらの記事で詳しくお話させて頂いています。
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副腎疾患【フェレットの三大疾病】副腎腫瘍とは?
今日のアイキャッチ画像は「副腎腫瘍予備軍(グレー)」と診断された女の子の外陰部です。 すごく驚きました。 フェレットの三 ...
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まこちゃんは、「副腎腫瘍の特徴」といわれるものはほとんど全て出ていました。
副腎腫瘍の特徴
- フケが出る
- 脱毛
- 皮脂の分泌が過剰になるため被毛や体がベタつく
- 攻撃性が高まる
- 体臭がきつくなる
- 生殖器の腫大(外陰部の腫れ)
- 乳頭や乳腺の腫れ
- 肌がゴワゴワ厚く(固く)なる
- など
男の子はこの他に、他の子にやたらとマウントを取るようになったり、マーキング行動に出たり、なんかもするようになったりします。
もちろん、これらは全て、ホルモンバランスの乱れによってでる症状ですので、個体差によって出るもの出ないもの、出方の差、などはその子その子によって違います。
また、これらの特徴が出ていないから腫瘍が小さいとか、特徴がたくさん出ているから腫瘍が大きい(より深刻な状態)といった事ではありません。
覚えておいて下さいね、副腎腫瘍の特徴は「出ている症状と、腫瘍の大きさや病気の進行具合とは比例しない(まったく関係ない)」です。
ホルモンバランスのコントロールはしてあげられる…はずなんだけど
副腎腫瘍を「治す」事には繋がりませんが、投薬によって、性ホルモンをコントロールすることはしてあげられます。
一度くらいは皆さん誰でもが聞いたことがあると思うんですけど、それが「リュープリンの投与」です。
早い子は1回目の投与で「外陰部の腫れがひいた」とか「毛が生えてきた」とかとか嬉しい報告はSNSでもたくさん見かけることができるのですが、まこちゃんは4回目の投与時点でやっと、それまでゴワゴワに厚くて掴むのも可哀想なくらい固くなっていた皮膚が「保定ができるくらいまで柔らかくなってきた」です。
こちらがその4回目の投与後なのですが、見えますでしょうか?
乳頭の腫れは一目瞭然ですが、その周りのボコボコした腫れ、これが「乳腺の腫れ」です。
ちょうど今は換毛期ですから、発毛はワンチャンあるかななんて思っていたのですが、それは兆候すら今のところ(5回投与)ありません。(※私はそこまで毛に重要性を感じていませんが、ケガ防止のためだったり、これから寒くなるから、生えてきてくれるなら生えてきてあげて欲しいな…くらいには思っています。)
ホルモンバランスの乱れ=「更年期障害のような」
まこちゃんは時々、丸一日ケージから出てこない日があります。
食欲が落ちるとか便に変化があるとかは一切なく、ケージから出してもそのままお部屋にスタスタ帰って寝てしまうみたいな。
本当に「スタスタ」なんです。「今そういう気分じゃないから!プイ!」みたいな。
前日がちょうどそうだった事、まだいまいち見た目に分かりやすい変化が出ない事などについて先生に聞いてみました。
若い方にはピンとこないかもしれませんが、私と同世代、昭和の方にはきっと私のこの「っああ!そうなんですね!」がめちゃくちゃ分かって頂けるかなと思います。
ここをずっとのお家にしませんか?
所用があって病院の帰りにちょっと友人宅で時間を潰させてもらう事にしたある日、そこには他にも数名のお友達たちがいました。
みんな、まこちゃんの事を気に掛けてくれていました。
今日の可愛いアイキャッチの写真を撮ってもらったりしている時、まこちゃんの話を聞いてもらい
本当にこんな感じで、同世代のお友達と若いお友達とでは反応が違うっていうか。
まぁ、そうですよね。実体験からくる「つらいよね」はまだ経験していない世代には分からない事ですものね(笑)
私と同じ(更年期障害と同じ)状態だと聞いたからというだけではありませんが、あの日から、可愛い可愛いまこちゃんを「同士」のように思い「私と一緒にゆるゆると生きていきませんか?」という気持ちになったのは事実です。
その日までご縁に繋がるお話がなかったという事は我が家とのご縁だと受け取って良いのかなって。
なので、このまま、まこちゃんを我が家の娘としてお迎えさせて頂くことに決めました。
これからも、「副腎腫瘍」や「皮角」「抗血栓薬」など、まこちゃんと同じ症状をもつ子のお父さんお母さんの少しでもお役に立てるよう、
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「良いお家へ」とご縁を祈って下さっていた皆さんの期待を裏切らないよう、
まこちゃんに「良いお家に来た」と思ってもらえるよう、
精一杯、頑張りますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡