脾臓とは、胃の下側に隣接する三日月型の臓器です。
この子達の
血液をろ過し、老化した赤血球を破壊して除去する
血液(特に血小板)を貯蔵しておく
リンパ球(免疫機能に欠かせないもの)を作る
といった働きをしてくれる場所です。
胎子(たいじ:生物学上は胎生の動物の母体の中で胚が器官原基の分化が完了してから出産までの成長中の子を指す)の時期には造血機能(血液を作る)を持っています。
これは、母ニョロリンのお腹の中にいるベビベビニョロ達の脾臓には
造血機能も備わっている
んだよー。すごいよね♡可愛いね。って事です。
※胎児(たいじ)は人間の赤ちゃんに使われる言葉です。動物たちの赤ちゃんは胎子または胎仔と表記します。
フェレットの脾臓は腫れやすい?
「胃の下側に隣接する」ったって、そもそも私には、胃がどこにあるのか分かりません。
実習や研修でニャンコスやワンコスがたくさん体を貸して(触らせて)くれたけど、いつも
「ここ…かなあ…????」でした。
だから、今でも私は、自分の触診技術を1μも信用していません。
でも、大事な事ですからね!!
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なので…
ジャン!!
④心臓
⑤横隔膜
⑥肝臓
⑦胃
⑧腎臓
⑨脾臓
⑩膵臓
⑪十二指腸
⑬尿管
⑭膀胱
これは、
羊毛フェルトでワサビ君を作っている途中、エルちゃんがオモチャにしだして
(※フェレットには羊毛が好きな子が多いです。お気に入りの作品は、この子達の手が届かない所に保管しましょう!)
気付いたら、シロクマみたいになっちゃいましたけど、一応、フェレットです。
脾臓腫大(腫れあがる)の原因は?
リンパ腫
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腸炎
慢性の炎症
感染症
など、様々な原因があります。
それほど多い症例ではありませんが、
脾臓自体に腫瘍ができる
こともあります。
そして、なんの症状も見られないのに脾臓の腫大だけが起きているという症例が実は結構多いのです。
これは、脾臓の組織を検査すると
髄外造血(本来血液を作る場所である骨髄以外の場所で血液が作られる)
を起こしている事がその原因では一番多いと言われています。
ある日突然、脾臓がそういう働きを始めるわけでは無く、胎子の時にはそういう働きもあったわけですから
それ自体は、そんなに驚くような突然変異的な事を心配して恐れる必要はありません。
ただ、髄外造血を起こしている子は多血気味なので、そちらへの注意が必要となってきます。
また、
脾腫(脾臓の肥大)は脾臓機能亢進症(脾臓が老化した赤血球のみではなく正常な血球まで破壊してしまうようになること)の原因とされていますが、これはフェレットにはまれな病気です。
でも、血液検査で貧血や白血球の低下が見られる時には、脾臓機能亢進症の疑いもあるので獣医さんとよく相談して充分に考えてあげて欲しいと思います。
症状は?
脾臓が腫大している事によっての症状というのは特に見られない場合が多いです。
これは、
「脾腫を起こしている原因の病気に関連した症状が見られる」という意味です。
例えば、
左右対称の脱毛という症状が見られる場合、
「脾臓が腫れているから」ではなく
その症状によって
「脾臓が腫れている原因は副腎の疾患だという事が分かった」というような感じでお考え頂ければと思います。
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また、
- 元気がない
- 食欲がない
- 歩行が困難である
などの場合は、相当、激しく腫大していて
他の臓器を圧迫している可能性から出ている症状です。
ちょっとぶつけた程度で破裂するなどの危険性も考えられるので速やかな対処が必要となります。
Twitterで頂いた大変に貴重なお話し
ゴエモンは脾臓摘出してから3ヶ月間だけ走ることができて、その後、白内障になってしまってまた足を引きずるようになってしまって… 脾臓摘出してから1年間頑張って生きてくれました 自慢の我が子です
とのママの言葉通り、
本当に優しい孝行息子さんだって思います。
ママと一緒にいられて楽しかっただろうな…
今もこうして思ってくれるママで嬉しいだろうなって、本当に、氣でそう感じます。
大切な資料である病理検査の結果も見せて頂きました。
ゴエモンくん、
皆の役に立つ大事な事を教えてくれてありがとう。
これは、みんなが
「ありがとう」って思う大切な事なんだよ。
本当にありがとう。
飼い主様のおまめさん、ありがとうございました。
こちらフェレット専科にてspecial thanksです。
治療方法は?
状況によってさまざまですが
まずは、脾腫の原因となっている病気の治療から始めます。
そちらが治れば脾臓も縮むことがあるからです。
他に原因(治療を要する病気)がなく、腫大していても何も症状がみられない場合は特に治療をする必要はありません。
ただ、上記のように、
原因がなくても、危険性がある症状がでていたり、腫大が続くような時には摘出手術を検討してあげて下さい。
脾臓機能亢進症の場合は即摘出手術となります。
脾臓を摘出しても日常生活には支障がないと言われていますが、
リンパ球製造工場が1つなくなるので、免疫力が低下する可能性があります。
感染症にかかりやすくなったりするので摘出後の生活では
それまで以上にそういったところにも気を付けてあげて下さい。
※リンパ球は脾臓以外でも作っているので0になってしまうわけではありません。ご安心下さい。
脾臓が大きくなっているフェレット
実は、いたちのおうちのワサビ君は
「脾臓が大きくなっている」と診断されています。
今日のアイキャッチ画像でへそ天で(ひっくり返ってお腹を出して)寝ている方の子です。
もちろん個体差はありますが、
フェレットの脾臓は年齢とともに大きくなると言われています。
その原因は分かっておらず、
「加齢による現象」とされています。
こういった場合、他に何も原因がないときには、
一年に一度程度の検診で異常な肥大化が無ければ心配するような事ではありません。
比べてみると
確かにお腹がふくれているように見えます
比較が
ヒョロヒョロ女子のエルちゃん
だから余計にそう見えます
が、何も問題はありません。
ワサビ君はもともと
マヨネーズみたいな体型なのです。
可愛いでしょう♡
ワサビ君のように元々の体型によっては分かりづらいです。
※普通にパッと目視で確認できる程の腫れでは無いというだけで、見る人が見たら分かります。
プロの触診では一発です。
アイキャッチ画像には一番それっぽく見える写真を載せました。
「そういう目」で見たら
「こんな感じか」と思われるんじゃないかと思います。
が、元々がワサビ君のような体型でパっとした目視でそれと分かるほどの
「お腹のふくれ」が見られる場合は歩行困難などの明らかな症状が出ていることが多いです。
すぐに病院で検査をしてあげて下さい。
※痩せ型ニョロリンでは、それほど重篤な腫大ではなくても分かりやすいかもしれません。
こちらは
「脾臓が腫れてる」と診断された
標準体型のニョロリンです
あーん♡可愛い
フェレットに詳しい飼い主様が
「なんか最近、お腹だけがポッコリしてきた気がする」として病院へ連れて行った結果なのだそうです。
この子も
「加齢によるもの」という診断なので、心配は要りません。
皆さまも、少しでも気になったら早めに受診してあげて下さいね。
現在7歳のワサビ君はつい先日の検診でも
「悪いところ何もなし!まだまだ元気!」のお墨付きを頂いています♪
そのお話しはこちらで
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