以下は、病院で治療の説明をされたけどあれは何だったっけかな?ってちょっと思い返してみた時や、
「病院から処方されたお薬がどういう成分なのか知りたいな」とか
「回った病院でそれぞれ処方されたお薬が違うんだけど」って不安を感じているあなたの参考にして頂きたいものです。
間違っても、これらの薬を「安いから」などと言った理由でネットで購入したり、
友達が使った「残り」をもらったり、手元にあるからなどといって
勝手にフェレットに与えたりする事は絶対にしないで下さい。
あなたに安心してもらうためだけの物です。
また、ここに書かれているものだけが、それというわけではありません。
その子の体を診た担当獣医さんが決めた事が正解の治療法、正しい投薬です。
その先生から受けた指導をきちんと順守して下さい。
これはあくまでも「参考資料」です。
現場で使えるエキゾの薬用量
著:田園調布動物病院 田向健一 院長 インターズー「エキゾチック診療」 より
経路(IM:筋肉注射、SC:皮下注射、IV:静脈注射、PO:経口投与)
回数(sid:1日1回、bid:1日2回、tid:1日3回、qid:1日4回)
抗菌薬(抗生物質と合成抗菌薬)
抗菌薬とは
細菌の感染によって起こる病気の治療薬で、病原性のある細菌を殺す働きを持つお薬の事です。
抗菌薬として最初に発見された「ペニシリン」それが、アオカビから作られた抗生物質だというのは義務教育の理科の授業で習う事ですが、そうやって、
「微生物が作りだす抗菌作用を利用」したり、
「その仕組みを利用」して作られた物を「抗生物質」と呼び、またそれとは別に、
「最初から人工的に」作られたそれを「合成抗菌薬」と言います。
抗菌薬には、特定の種類の細菌にのみ効果があるものと、多くの細菌に効果があるものがあります。
これは当たり前の理屈ですが、
細菌の種類がハッキリ特定できない時には、多くの細菌に効果がある物を投薬するのが一般的です。
だから、
「同じような症状」「同じような病気に見れる」などであっても、処方される薬が違ったりするのです。
その子を診たお医者さんが処方してくれたそれが「その子のお薬」なのです。
勝手な飼い主判断での投薬は本当に危険です。
絶対に止めて下さい!!
抗生物質の種類
薬剤名 | コメント | 用量 | 経路 | 回数 | 備考 |
ペニシリンG | ペニシリン系抗生物質。副作用には食欲不振、肝障害などが知られている。 | 40000IU/kg | IM | sid | - |
アンピシリン | 広域ペニシリンであり、主に尿中に排泄される。緑膿菌、エンテロバクターには無効なことが多い。 | 5-30mg/kg | SC,IM,IV | tid | - |
アモキシシリン | ペニシリン系抗生物質。静菌性抗菌剤との併用で効果が減弱する。 | 10-30mg/kg | PO | bid-tid | ヘリコバクターでは30mg/kg tid 21日間 |
アモキシシリン・クラブラン酸カルシウム | ペニシリン系抗生物質。クラブリン酸のβラクタマーゼ阻害作用の相乗的な抗菌作用を示す。 | 12.5-25mg/kg | PO | bid | - |
テトラサイクリン | 犬猫領域では、ヘモバルトネラ、リケッチア、スピロヘータなどに使用される。長期投与で骨の成長阻害が知られる。 | 25mg/kg | PO | bid-tid | - |
塩酸リンコマイシン | ブドウ球菌や溶連菌などグラム陽性菌、嫌気性菌に抗菌力を持つ。 | 11mg/kg | PO | bid,tid | - |
クリンダマイシン | リンコマイシン系抗生物質でブドウ球菌や溶連菌などグラム陽性菌、嫌気性菌に強い抗菌力を持つ | 5.5-10mg/kg | PO | bid | 嫌気性菌感染症、骨および歯牙疾患 |
クロラムフェニコール | エキゾチック領域での副作用は不明であるが、若齢動物への投与は感受性が高いので注意する。 | 25-50mg/kg | IM,PO | bid | 増殖性腸炎では最低2週間必要 |
セファレキシン | 第一世代セフェム系抗生物質。 | 15-30mg/kg | PO | bid | - |
硫酸アミカシン | アミノグリコシド系抗生物質。 | 10-15mg/kg | SC,IM | bid | - |
硫酸ゲンタマイシン | アミノグリコシド系抗生物質。緑膿菌に有効。 | 5mg/kg | SC,IM | sid | 聴覚毒性及び腎毒性 |
エンロフロキサシン | エキゾチック領域で最も多用されるニューキノロン製剤。若齢動物において関節軟骨障害が知られる。 | 5-10mg/kg | SC,IM,PO | bid | もしくは10-20mg/kg |
タイロシン | マクロライド系抗生物質。静菌的に作用するが高濃度では殺菌的に作用する。 | 10mg/kg | PO | bid | - |
トリメトプリム・スルファ | スルフォンアミド系抗生剤。原虫性疾患で使用される事が多い。 | 15-30mg/kg | SC,PO | bid | 消化管コクシジウム30mg/kg sid2週間 |
メタロニダゾール | ジアルジア、トリコモナスに対する抗原虫薬であるが、嫌気性菌、炎症性腸疾患、肝性脳症などの治療に用いる。 | 15-20mg/kg | PO | bid | ヘリコバクターでは20mg/kg |
詳細(出典)はこちらなどでご確認下さい。
よくわかる フェレットの健康と病気【飼育本】 フェレット/書籍/飼育本/本/田向健一/病気/ |
いたちのおうちで処方されたお薬※上記の先生、病院ではありません
- 「風邪気味かな」と診察された時、
- 下痢が続いていた時
ラリキシンドライシロップ 20% (3g/30ml)
勝手に服用を中止してはいけません
薬、特に抗生物質(抗菌薬)には反跳作用(リバウンド現象)と呼ばれる、服用を止めた後に「重症化を招く」恐れがある場合があります。
その詳細はこちらの記事でご確認頂ければと思います。
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