うちの子がゲリをしたのでちゃんと病院へ連れていきました。
そこで2週間分も薬を出されたんですが、そんなに飲ませなくちゃダメなんでしょうか?
というのも、もともと食欲が無いとかじゃなくて、ちょっとゲリしただけなんで、次の日にはゲリも直ってたし、私は薬は副作用の方が怖いって思ってるから、出来ればなるべく薬は飲ませたくないんです。
頂いた薬はいちよお、またゲリをした時用にとっといてるんですが、それで大丈夫でしょうか?
A. 何に対して「大丈夫か」と聞かれているのかがちょっと分かりかねますので、何ともお答え出来ませんが、以下の事など参考にして頂けたらと思います。
これまでも何度も何度も何度も何度も…書いてきている事ですが、私は獣医でもなんでもありません。
そして、見たことすらない「その子」の事について「それはこうです」というお話しは出来ません。
「フェレットについて、よくある一般論」しかお話しできない事をご理解頂けたらと思います。

その一例はこちらなど
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フェレット【誤飲・誤食】スポンジを食べちゃった?!獣医さんに相談してみた!その対処法、他。レントゲンには写らない物って?
私はいつもこう言っています。 このサイト内でも、その都度それは欠かさず書いてきている事です。 「みんな」と言われる、その ...



抗生物質(抗菌薬)は「飲み切らないといけない薬」と覚えておこう!
お医者さんから処方されるお薬にはザックリ大きく分けると
- 症状が治まったら服用を止めていいお薬
- 処方された分は飲み切らなければいけないお薬
の2パターンがあります。
これは人間用でも動物用でも同じで、「勝手な素人判断で止めていい薬」なんてものはありません。
「症状が治まった状態」は患者側でも分かる場合もありますが、「病気が治ったかの判断」はお医者さんがする事です。
メール主さんが処方されたお薬が単なる下痢止めだった場合には、下痢の症状が治まった時に服用を止める分には何も問題は無いんじゃないかと思います。
他にも、(人間用でいうところの「咳止め」や「鼻水止め」などといった)、対症療法薬(発症中の症状を和らげ、自然治癒の手助けをするための薬)である場合は、人間用のお医者さんでも獣医さんでも、必ずそう言って処方してくれると思います。
「症状が出ている間は飲み続けて下さい」=「治まったら飲まなくて良い」です。
服薬の中止時期(症状が治まったとされる状態)は、お医者さんからの指示に従って下さい。
薬の反跳作用(リバウンド現象)
反跳作用(はんちょうさよう、rebound effect)とは、同じ薬の服薬を中止するか、服用量が低下した時に一過的に出現する、症状の発症や再発である。再発の場合、その重症度はしばしば治療前より悪化している。リバウンド現象ともいう。
人間用では、睡眠薬や抗不安薬を中止したことによる不安や不眠の亢進などが、その例としてよく挙げられるので、「精神的な病気のお薬にだけ起きる現象」と思われている方もいるようですが、
例えば、高血圧のお薬を血圧が下がって安定したからといって、勝手に服用をやめた後、血圧が反動的に上昇し心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす事なども、この「リバウンド現象」です。
また、これからの時期は特に服用される方が増える花粉症などのアレルギー薬にステロイドが使用されている場合、その症状が治まったからといって使用をやめると、かえって症状が悪化することがあります。
ステロイド剤は反跳作用が特に出やすいお薬だと覚えておいて下さいね。
この子達のインスリノーマのお薬(ステロイド)を勝手に止めてはいけない理由の1つでもあります。
理由はこのリバウンド現象だけではありませんので、インスリノーマで闘病を頑張っている子への投薬は決して、絶対に、勝手に止めたり、飲ませ忘れたりしてはいけません。
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俗に言う「インスリ」 これは副腎疾患・リンパ腫と並ぶ、フェレットの三大疾病の1つで、別名「膵島(すいとう)細胞腫」とも呼 ...
抗生物質(抗菌薬)の反跳作用
抗菌薬(抗生剤)については、こちらでその詳細を少しだけお話しさせて頂いていますが、
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以下は、病院で治療の説明をされたけどあれは何だったっけかな?ってちょっと思い返してみた時や、 「病院から処方されたお薬が ...
要は、「病原性のある細菌を殺す働きを持つお薬」のことです。
抗生物質を飲む(投与)
↓ 一発目
その抗生物質に抵抗力のない菌をやっつける
↓ 次に
その抗生物質に少し抵抗力のある菌をやっつける・抗生剤に耐性を持つ菌が現れ始める(耐性化)
↓更に
その抗生物質に抵抗力がある菌(耐性菌)に立ち向かう
↓どんどん頑張ってくれて
菌を全滅させる
という順で効果を発揮してくれていきます。
多くは抵抗力のない菌なので、一発目(※1回目という意味ではありません)で大抵の菌がやっつけられて、症状が治まることが多いです。
でも、それは「症状が治まった(ように見える)」だけで、細菌が全滅した状態では無い(病気が治ったわけでは無い)場合がほとんどです。
だから、「ぶり返す」という症状が出るのです。
抵抗力を持った菌で再発する(重症化)
服薬を途中で止めて「ぶり返した」その状態は、症状が「振り出しに返った」わけではありません。
一発目二発目(※投薬回数の数字ではありません)では殺しきれなかった(=抗生物質に抵抗力を持った)強い菌での発症なわけですから、「リバウンド現象」で言われる
治療前より重症での再発
となってしまうのです。また、それが
薬剤耐性菌を生みだすきっかけになる
のが、怖いのですよ。
薬剤耐性菌とは突然変異で発生し、本来その菌に効果のある抗生物質に対して抵抗力を持った菌のことで、抗生物質による効果が薄くなったり、まったく効かなくなったりする菌、
または、抗生物質を使い続けていく事によって、細菌の薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなるという、薬への耐性を持った細菌のことを言います。
厳密にいえば、発生原因のニュアンスに多少の違いはありますが、要するに「その抗生物質(抗菌薬)が効かない菌(細菌)」の事です。
「全く薬が効かない、とても強い菌」とは、いつだったかに大きなニュースとなったので、覚えておられる方も多いかとは思いますが、「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)」などがそうです。
今日のお話しとは関係無い(無くは無いけど、そこまで掘り下げるつもりは無い)ので、その詳細に興味がおありの方は⇒NIID 国立感染症研究所「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症」(人間用)等でご確認頂ければと思います。
話しを戻しますが、上記の流れ通りに、しっかり服用していれば、やっつけられていたはずなのに、
例えば、2週間飲むべき抗生剤を、症状が治まったというだけで、「よくなった」と思い込み、たったの1日でやめてしまったり、
本来は1日3回飲まなければいけない抗菌薬を1日に1回ずつしか飲まないなど、
として、抗生物質(抗菌薬)が中途半端に効いた状態を続けるという事は、その薬に弱い菌がいなくなっただけで、その抗生物質(抗菌薬)に対して抵抗力を持った菌が生き残った状態で、更に耐性菌の出現を促すという、非常に厄介な状態に体がなっていってしまうという事です。
当たり前の事ですが、その状態になってしまったら、同じ抗生剤は効きません(効きにくくなります)。
だから、抵抗力を持った菌や耐性菌が増え過ぎないように、増殖しないうちに、連続した抗生剤の投与で、それらを叩き続けるのですよ。

えるちゃんのお薬は継続中です
こちらの記事の続きとなりますが
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新入りシャシュケとエルちゃんのケージ越しじゃない顔合わせを済ませてからの数日間は、それぞれの放牧時に 一緒に遊びたいエル ...
うちの可愛いエルちゃんは、とっくに下痢は治まっていますが、お薬は毎日今も飲んでいます。
下痢した
↓
病院で注射
↓
翌朝(下痢の症状はこの時点で治まる)、お家でお薬を飲んで
↓
夜は病院で注射
↓
それから毎日、朝晩のお薬
↓
一週間後、病院で診察してもらう
「10日分追加しますので、飲ませ切ってあげて下さい」←今ここ
=何事も無く、飲み切ったら治療完了
飲ませ忘れが怖いから
私はもらってきたお薬には、こうして全部に服用させる日にちを最初に書いておきます。
撮影日時:2月10日 18:30
時間は朝の7:00と夜の19:00って決めています
「決めてる」ったって、多少前後しちゃう時があったりしたら「あれ?今日もう薬飲ませたっけ?」みたいにきっとなってしまうので、そうなった時の飲ませ忘れや重複を防ぐために、こうしておきます。
今日の体重720g
この前…本当に、ついこの前まで760~780gだったから、ずいぶん軽くなっちゃった気がして(抱っこだけでも「軽くなった」って分かります)心配で心配で、「こんなに軽くなっちゃって大丈夫なんでしょうか?」と病院で聞きました。

じゃあ、下痢は治まってるから大丈夫だと思います。
体重の減少もそんなに心配する範囲じゃありません。
このまま様子を見ましょう。
何か心配な事があったら、いつでもまたすぐに来てください。
ってお医者さんに言ってもらって初めて安心しました。
これは、自分がちゃんとしていると言いたいわけでは決して無いのですが、少なくとも、「ちゃんと病院に行く」って言うのは、こういう事を言うんじゃないかなって思います。
お終いに…
一言で「ゲリ」と言っても、その状態はもちろんの事、原因だって実にたくさんあります。
「下痢」というのは、命にかかわる某かの症状である場合もあるし、それ自体が命にかかわる症状になってしまう事だってあります。
「ちょっと下痢しただけ」って、あまり、軽視して良いばかりではないって事もある事を、少し頭に入れておいてあげて下さいね。
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健やかなニョロニョロ生活を☆彡