フェレットというのはもともと
「そんなに視覚に頼っていない生き物」だと言われています。
その分、「嗅覚や聴覚に優れている」からだということらしいのですが…
本当にそうなのでしょうか?…みたいなお話しはこちらにも
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進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)症とは?
読んで字のまま
網膜の組織が変質して萎縮することによって、視力が衰えたり失明する病気です。
網膜(下図⑦)とは、眼底にある薄い膜のことで、瞳孔(下図③)から入った光を感じ取り、視神経(下図⑧)を通じてその刺激を脳に送ります。
①結膜
②角膜
③瞳孔
④虹彩
⑤上直筋
⑥硝子体
⑦網膜
⑧視神経
⑨強膜
⑩下直筋
⑪水晶体
⑫毛様体小体
⑬毛様体
脳がそれを認識すること=「物が見える」という状態です。
網膜という場所には明暗を感知する桿体(かんたい)細胞と、明るい所で色を感知する錐体(すいたい)細胞が集まっていて、「物を見るため」には非常に重要な組織といえます。
その辺の詳しいお話しは
⇒視力回復の研究ノート:視細胞とは?(人間用)などでご確認頂ければと思いますが、
とにかく、
もとは夜行性※と言われるフェレット。
本来であれば、薄暗いところでも物が見える目の作りなはずですが、この病気を発症するとまず「夜盲症(俗にいう「鳥目」)」になり、暗い中で物が見えなくなってきます。
トイプードルやミニチュアダックスなどの人気小型犬種で一時期その発症例が特に多かったので、ご存知の方も多いかとは思いますが、
このPRA(進行性網膜萎縮症)は、遺伝性じゃないかとされ、予防法はおろか、発症したら治療法もありません。
※夜行性かどうかのお話し
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症状
最初の(慣れない)うちは、薄暗い所で物でつまずいたり、不安そうな様子を見せるようになったりします。
進行すると、徐々に明るい所でも物が見えなくなっていきます。
ニョロリンがこちらを見ているので、こちらは「見えてるんだ」と思い込んで、体を急に触ったりした時に一瞬でも驚いた様子を見せるという子は
もしかしたら、目がよく見えていない状態なのかもしれません。
ただし、それは本当に一瞬の事です。
もともと、嗅覚や床の振動などの感覚でその情報を得るのが得意で、人の声を聞き分けられ、物事を瞬時に判断できる賢くて可愛い生き物。それがフェレットですから、
徐々に目が見えなくなっていく中で、きちんとそれに順応していくので、それまでの生活と極端に何かが変わる事は無いため、飼い主さんがそれに気付かない場合がほとんどなのだそうです。
明らかに目が見えていない状態になっても、病院でそう指摘されるまで「飼い主さんは全くそれに気づいていない」という事もあまり珍しい事では無かったと獣医さんから聞きました。
獣医さんによっては、一般的な通常の検診の範囲内では、目が見えてるか見えていないかだけを積極的に調べる事をしない場合もあると聞きました。
その奥に重大な疾患が隠れているという事は少なく、「目が見えていない」というだけの場合、それくらい、日常生活に何も支障が無いという判断だからだと思います。
私がこれまで聞いてきたお話しの中から推測してみても、やはり、何か他の疾患があって、調べてみたら「目も見えていない」という診断に至る事が多いような気がします。
それがPRAかどうかは、目が見えていないことによる支障がこの子達にはほとんど無いという事と治療方法が無いという2つの理由から、
「検査をする必要は無い」という判断がほとんどだと聞いています。
治療法も予防法も無い
「遺伝性の可能性が高い」と言われるこの病気。
一時期、とあるファーム出身ニョロに多く見られたという話しがあり、そこでは「この病気のフェレットを繁殖に使わないように」というお達しがあったとか無かったとか言われていますが、海外での事なのでその詳細は分かりません。
が、確実にその数は減ってきているという現状から察すると、まあそういう事なのかなっとも思います。
それでも、その数は0ではありません。
仮にこの病気だとしても、またそうでは無いにしても、「目が見えていない」というフェレットは少なからずいますので、そうだと分かったら、なるべくしっかりと対策をしてあげて欲しいと思います。
対策とは?
ケージやお部屋のレイアウトを変えない
体に触れる時は声をかけてあげてからにする
床をトントンするなどして、こちらのいる場所を知らせてあげる
勘も頭も良いこの子達は、すぐに環境の変化にも慣れてくれるとは思います。
ただ、目が見えていないという事に配慮してあげるのなら、模様替えは少しずつにしてあげた方が良いんじゃないかと思います。
ご飯とお水の位置関係だけは出来る限り変えないでいてあげて下さい。
また、
急に抱き上げたからと言って、それが大好きなあなたの手だという事はニオイや氣ですぐに察する事が出来るこの子達なので、これもそんなに支障は無いかとも思いますが、
(これは、目が見えてる見えていない関わらず)
その子を「驚かせない」ためには、やっぱり抱っこをする時は、ちゃんと名前を呼んで一声かけてからにしてあげて欲しいと思います。
目が見えなくてもちゃんと分かってる
今日、登場してくれている「もずくちゃん」は
「目が見えていない」と診断されています。
※PRAかどうかは分かりませんが、「ただの加齢」だと言われているそうです。
つい数ヶ月前にやってきた新しい家族(赤ちゃん)をいつもこうして見守っているそうです。
目が見えていないのに、「見守る」という表現はおかしいかもしれませんが、どう見ても見守っているように見えます。
飼い主様のお話しでは
「何だかんだいつもそばにいる」のだそうで、優しく寄り添うように「一緒にお昼寝してる」事が多いそうです。
飼い主様がそうするのでは無く、「自分からそうする」んだそうです。
上載の写真はウトウトしたお顔ではありますが、普段はこうして、
物音がする方にちゃんとお顔を向けるし、何よりキリっとしたお顔で元気いっぱい!
遊びに行くと、いつも「こんにちは」って、近寄ってきてくれるもずくちゃん。
実は私も、飼い主様に教えてもらうまで目が見えていないだなんて全く気付きませんでした。
ちなみに、赤ちゃんが着ているこの可愛いフェレットロンパースはママのTシャツとお揃いなんですよ。
可愛い♡
ただいま夏休み中で販売も一時停止しておられるそうですが、9月にはまた予約受付を再開して下さるそうです。
しかも!Tシャツのデザイン(商品)が増える予定だそうです!!
ご購入はこちらから⇒chubbyferret ブックマークして、今から楽しみに待っていようと思います♪
こちら(フェレット専科)では、私が知る限りの少ない情報ではありますが、他にもフェレットの作品を作ってらっしゃる作家さんをご紹介させて頂いております。
おしまいに
病院でもし、
進行性網膜萎縮症だと診断されたとしても、あなたは何も不安になったりしないであげて下さいね。
間違っても、可哀想だと嘆き悲しんだりしないで下さい。
その子は「可哀想な子」なんかではありません。
あなたとの幸せな時間を「楽しいね♪」ってずっと寄り添って生きてくれるのは、それからだって変わらない事実です。
他に何も病気が無いのであれば、少しだけ日々の生活に気を付けてあげれば良いだけの事です。
今日のこの、もずくちゃんを見て頂ければ「目が見えていない」からって「それが何だ?」という事はハッキリ確信できる事だと思います。
気付かない事も多いくらいの事なのです。どうぞ安心して下さい!!
だから…という訳では無いけれど、
「目が見えなくなったから」は、その子を手放す理由になんてならないって事だけはくれぐれも…
本当にくれぐれも…よろしくお願いします。
ちなみに、
このPRAは防いであげようがありませんが、同じ目の病気でも角膜炎は私たち飼い主の心がけ次第でその多くを防いであげられるんですよ。
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