寄生虫の薬(レボリューション)とフェレット

フェレット【フィラリア(犬糸状虫)症って?】予防はいつから?

2017年4月3日

フィラリア症というのは、フィラリア(犬糸状虫)という線虫の寄生によって起こる病気で、犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)症ともいいます。

蚊による媒介で動物に寄生する病気で、1990年頃までは「主な犬の死亡原因」とまで言われていた事もありましたが、あの頃のワンちゃん飼いさん達から、その予防薬が開発されるや否や皆さんが徹底的に予防してこられたのでしょう。

今ではフィラリア症でなくなるワンちゃんの話はもう滅多に聞きません。

で、これはそのままフェレットにも感染する病気なので、フェレ飼いさんも必ず予防をしてあげて下さい。

蚊に刺される可能性がある季節(初夏~秋)の前後一か月を含んだ時期に(東京で4~12月くらい、地域によっては一年中)

月に一度、ミクロフィラリア(フィラリアの子虫※)を殺す効果のある駆虫薬を投与する事で予防してあげられる病気ですからね。

今日のお話はすっごく長いです。

詳しく伝えたい気持ちが強すぎて、その分だけ長くなってしまいました…

なので、こちら『フィラリアに寄生されたフェレットの心臓(写真)予防薬と注意事項』に簡潔にまとめましたので、取り急ぎでしたら、そちらをお読み頂ければと思います。

こういう↓のをチョイチョイ挟むから長くなっちゃうんですけど

「お前、本当は分かってないな?」

某ペットの飼育方法を教えます系のサイトに、「フィラリアの原虫」と表記しているのを見ました。

内容的には「フィラリアの子虫」の説明をしていたので、完全に”分かってない人”が書いてるんだなって。

「原虫」というのは生物の種類の名前の1つです。

我々が日常的に使っている「フィラリア」という表記は「フィラリア原虫」という生物の名前を略してそう呼称してるだけですから。

「フィラリアの原虫」から「成虫」になります

フィラリア原虫は「子虫」から「成虫」になります

よく分からない(見たことない)生き物で説明しても、このおかしさが伝わらないと思うので…

昆虫のカブトムシ(成虫)は大型甲虫の一種です

カブトムシ(成虫)の昆虫は大型甲虫です

ほら、おかしいでしょ?

発した時に日本語として違和感あるでしょう?この違和感がないのがもう…「さては知ったかぶって書いてるな?」なのですよ。

ちなみに「寄生虫」というのは生存の手段に着目した呼び方で、フィラリアのように「原虫」と「寄生虫」両方に属する生物もいますが、必ずしもそれが一致しているとは限りません。

普通は、こんな事を分かってなくても別にどうでも良い事なんですけども、「教えます」系のサイトでそれはマズいんじゃねーの?って。ね。

まぁ、いいや。

とにかく、2015年に発行された資料によると、日本では、蚊がいない地域やフィラリアが発生していないという地域はほとんどありません。

ニョロリンが他動物と接触する機会がある場合、屋外に連れて行く機会がある場合には必ず、予防薬の投与を済ませてからにしてあげて下さい。

東京にある、いたちのおうちでは4月~12月までをその時期としています。

フィラリア症は予防が大事!寄生されてからの治療は困難とされています

困難とはされていますが、早期に治療を開始することで状況がよくなる可能性がないわけでは無いそうです。

この歯切れの悪さから察して下さい。

そうなる前に予防しておいてあげて!!って事です。

何せ、「早期に治療を開始する」のが難しいのです。

フィラリアってやつはさ…

フィラリアの成虫(♂10~20cm、♀25~30cm)は心臓の前大静脈、右心室、肺動脈に寄生して、うっ血性心不全(ポンプとしての心臓の働きが低下すること)を起こさせたりします。

何十匹も寄生されていたという犬の例を私も実際に何件か知っていますが、フェレットでは通常1~2匹程度の寄生が普通だと聞きました。

そりゃそうです。だって、ニョロリン達の心臓は直径約2.5cmしかないのですから。

こんな可愛らしい小さな心臓に、そんなバカみたいに長い線虫(素麺を少し太くした感じの線(糸状)みたいな形状です)が「1~2匹程度」とか言われたって、そんなもん…それだけで命取りになりかねません。

予防してあげなければいけないのです。

ちなみに、一般的な予防薬は「第4期子虫(下記参照)に対してのみ」効果がある物が多いです。

フィラリアの寄生があるかどうかは、病院によって、予防をしているかの問診や症状での判断、抗原検査、血液の顕微鏡検査、超音波検査で診断するなど様々なようですが、一般的な抗原検査にかんしては、フェレットのように1~2匹程度の寄生でははっきりした結果が出ない事が多いです。

フィラリアの検査

すでに成虫がいる時に予防薬を飲ませるとアレルギー反応などを起こして危険なので、犬の場合は投与前に必ず検査をします。

が、フェレットに詳しい病院などではその症状から寄生しているかどうかの判断をし、未検査で予防薬を投与する事も多々あります。

フェレットでは上記の通り、抗原検査はあまりあてにならない事もあるので、その検査しか方法が無い病院ではそれで良いかと思います。獣医さんの診断を信じましょう。

どうしても「ちゃんとした検査」をしてもらいたいならそういう風にしてくれる病院を選べば良いだけの話しです。

色々な検査をしてくれるだとか、症状や検査結果などを総合的にみられるだとか、そういう事できちんと判断してくれる

「信頼できる、かかりつけの動物病院」をちゃんと先に用意しておいてあげて下さい。

寄生しているかの検査がどうこうという事より、させないように予防をしておいてあげる事を「今」考えてあげて欲しいのです。

フィラリアの感染経路と成長過程

  1. フィラリアに感染している動物の血中には、フィラリアの子虫(体長約300μm(ミクロフィラリアたる所以)の第1期子虫)が循環しています。
  2. 循環しながら、吸血されやすい時間(蚊の活動時間※)になると、吸血されやすい抹消血管に移動したりしてるのです。※イエカは夜、やぶ蚊は昼←これ豆知識
  3. まんまと血液と一緒に蚊の体内に入り込んだミクロフィラリアは、約2週間のうちに2回も脱皮して(1回目の脱皮で第2期子虫)感染能力を持つ感染幼虫(第3期子虫)に成長します。
  4. 体内にフィラリアの幼虫がいる蚊が他の動物を吸血する時、逆にその幼虫は蚊の体内から出て行き、その吸血されている動物の体内に侵入するのです。
  5. 小さな蚊の体内から大きな動物へと移り住んだ幼虫は、今度はその動物の皮下や筋肉内で成長を続けます。約2週間ほどで第4期子虫に、2ヶ月で第5期子虫に成長します。
  6. そこから心臓や肺動脈に移動して成虫になり、感染後約6カ月で性成熟して上記の大きさになり、ミクロフィラリアを放出するようになります。
  7. ミクロフィラリアは…上に戻ってエンドレスリピート

その間のフェレットの状態(主な症状)

はっきりした症状がないままの事もあるそうですが、上記の「6.」後半になると

  • 元気がない
  • 疲れてダルそう
  • 咳をする
  • 嘔吐や吐出
  • 息苦しそう
  • 食欲がない
  • 体重が減る

等などがみられるようになります。

この時にはもう腹水や胸水がたまっていたり、聴診すると心臓の雑音があるそうです。

突然死したフェレットを病理解剖した結果、「フィラリアの成虫が肺動脈を塞いでしまっていた」という例を聞いた事があります。

症状が出てからでは遅い事がある!でも、病状が出ないと気付かない!検査しない(病院に連れて行かない)!

これが「早期に治療を開始する」が難しいと言われている理由です。

要するに「フィラリアで死んでしまう事がある!」という事です。

本当に「予防してあげる事」が一番大切なのです。

フィラリア症の治療

駆虫薬を用いた治療が一般的とされていますが、上記の通り、フィラリアの成虫はこの子達の体に対して「大きすぎる」のです。

勝手に駆虫薬を投与するなどは絶対にしてはいけません。

死んだフィラリアの残骸が血管に詰まるとフェレットも死んでしまいます。

駆虫薬を投与する際にはショック状態を緩和するステロイド剤の投与も必要とされる場合だってあるのです。

「駆虫の後は4~6週間程度の安静が必要」などの注意事項があります。

必ず、獣医師さんの指示に従って下さい。

予防してあげれば良いだけなのですから、今の時期から予防しておいてあげて下さい。

フィラリア症の予防薬を処方してもらってきました(2017.04.02)

フィラリア予防薬

お薬入れには「フィラリアの予防は、蚊の発生時から蚊の発生終息一か月までの間です。

投薬開始は通常4月~6月頃から、終了は11月下旬~12月まで行って下さい。

投与に際しては、必ず指示事項を守り、投薬前または投薬後何らかの症状が見られた時はご連絡下さい。」と書いてあります。

フィラリアの予防薬についての誤解

超厳密にいうと、「フィラリアの予防薬」なんて物は無いのです。

フィラリアを防ぐ唯一の方法は定期的に予防薬を投与することです。
予防薬といっても、フィラリアの予防薬はワクチンのように抗体を持たせるものではありませんので、一回与えて終わりという訳にはいきません。正確にはフィラリアを駆除するお薬となっており、月に1回の定期的な投薬で成虫になる前の幼虫を一掃し、フィラリア症の発症を防ぐというのがフィラリア予防の仕組みです。

それらは、フィラリアが「成虫になるのを予防する」あくまでも駆虫薬なのです。

多くの病院では犬と同じ薬剤を使用する事が多いです。

小型犬用の錠剤を潰して「その子の体重に合わせた量」を処方してもらったりします。

2018年は2匹分

エルとサスケ、ちゃんとそれぞれの体重に合わせてお薬を処方してもらってきました。

今日のアイキャッチ画像は体重1280gのワサビ君用のお薬「レボリューション」です。

※写っているのはエルちゃんです。

2匹の体の大きさはこんなに違います

フェレットの大きさ比較

お薬はそれぞれに合わせて処方してもらっています

レボリューションについては、以前、こちらの記事でも少しお話しさせて頂きました

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レボリューションはフィラリアの予防薬

ノミやダニの予防薬として知られるレボリューションは「フィラリア症」の予防(駆虫)薬でもあります。

治療費(お薬代)はスタッフがレシートを捨ててしまったので分かりませんが、いた家では、どちらもそれぞれかかりつけの病院で処方してもらっています。

以前、別の病院で別の治療でエルちゃんがレボリューションを処方してもらった時の金額はこちらの記事にあります。

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この時は確か…小柄なエルちゃんに合わせて全量を使用しなかったんじゃなかったかな?みたいな記憶があります。

うろ覚えですが。

レボリューションはネットでも購入できるうえ、点薬タイプなので気軽に、医師の診察を一度も受けずに投薬されている飼い主さんのお話しを耳にした事がありますが

絶対に止めて下さい!!

アレルギー発作がでる事があります。

「首の後ろにチョンチョンと塗るだけ」のお薬ですが、皮下や血液に染み込むことで効果をだすお薬です。

「虫よけ効果」があるものではありません!

レボリューションの主成分である「セラメクチン」はフィラリア第4期子虫(上記参照)に対して有効なのです。

子虫が体内に入る事を予防するのではなく、成虫になるのを予防するという予防駆虫薬です。

虫よけスプレー感覚でホイホイ使用してはいけません。

内臓に重篤な副作用が出ることがあります。

「犬猫用レボリューションの副作用」でググって頂ければ、「死亡例」がある事もお分かり頂けます。

まとめ

このように、フィラリアに効くお薬というのは「フィラリアの予防薬」であって、「フィラリアの予防薬」ではありません。

勝手に投薬期間をずらしたりしてはいけないのです。

空白の期間を作ってしまうときちんと駆虫出来ません。

いずれにしても、まずは一度、きちんと病院で「その子に合ってる(合わせてもらった)お薬」を処方してもらってあげて下さいね。

その子に合わせたそのお薬の説明をきちんと先生から聞いて下さい。

いかなる場合にも用法用量は必ず守って、正しく使ってあげて下さい。

あなたとニョロリンが元気で楽しい毎日を一日でも長く一緒に過ごしていけますように☆彡

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