「顆粒細胞」「マスト細胞」とも呼ばれる肥満細胞腫。
おデブちゃん体型を表す「肥満」とは全く関係ありません。
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肥満細胞腫は「高齢になると多くなる」と言われていますが、皮膚型肥満細胞腫の場合、飼い主さんが「何かな?」って様子を見ている間に治ってしまったり、または、全く気付かないうちにできたり治ったりする事も多いそうなので、飼育経験があっても「耳馴染みがない」という方も実は結構多かったりする病気の1つです。
そして肥満細胞腫というのは、フェレットの腫瘍の1つです。
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肥満細胞腫について
粘膜下の組織や結合組織(体内のさまざまな組織を結び付けたり、隙間を埋めたりしている組織)に存在し、免疫やアレルギー反応に関与してヒスタミンなどの化学物質を放出する
いわゆる
「生体防御の働きをする細胞」の事を肥満細胞と言います。
この肥満細胞が増殖することで肥満細胞腫が起こります。
この肥満細胞腫のうち皮膚型といわれるそれは、
頸部や肩、胴体(体幹部)の皮膚に「特にできやすい」と言われる腫瘍で、消化管や脾臓や肝臓などの内臓にできるものを内臓型肥満細胞腫と言います。
フェレットでは、そのほとんどが「皮膚にできるもの」だと教わりました。
そして、犬や猫、特にワンちゃんでは悪性な事も多いとされる腫瘍ですが、フェレットでは「一般的に良性である」とされています。
※内臓型肥満細胞腫は外見からは判断できません。
フェレットでも内臓型の場合は悪性である場合が多いです。
今日は皮膚型肥満細胞腫のお話しです。
症状は?
皮膚に境界のはっきりした2mm~2cm程度の毛の生えていない丘疹(きゅうしん)が出来ます。
早期に気付いた場合、その大体は1cm以内の小さなポッコリしたものです。
1つだけの事もあれば、一度に何個もできたりもします。
が、その状態では飼い主さんが気付かない事も多く、そのまま治ってしまうという事も「たくさんあるんじゃないか」と動物病院の先生が言っていました。
こちらの画像の子はかなり大き目なので
結構、目立ちますね
また、痒みを伴う事も多いようで、その場合には、掻き壊して、黒いじくじくしたカサブタ状になっていたり、
赤く充血した状態になって、初めてその症状に飼い主さんが気付くという事も多いそうです。
治療方法
「気付かないうちに治っている」事も多いとされ
そのほとんどが良性(腫瘍)であるとされる皮膚型肥満細胞腫。
慌てて病院へ行く必要はありません。
行ったとしても炎症を抑えるお薬(大抵の場合は塗り薬)を処方されて
「経過観察」です。
この時、一週間くらい抗生剤の服用をして
「効果があれば良性。効果がなければ悪性。」
というような治療を兼ねた判断をする事もあります。
ただし、
丘疹(ポッコリ)があまりに大きくなって自壊の心配があったり、ポッコリが全然治まらないような場合、または気にして掻きむしる行為が続くような時には
その部分を切除する手術をしたりもします。
人間がイボをチャチャと切除するような簡単な手術とは違い、ニョロリン達は全身麻酔での手術となるので獣医さんとよく相談して決めてあげて下さい。
もし手術を受ける事に決めた
その時には、念のために良性か悪性かの確認をする細胞の検査もしてあげるべきだと思います。
多少、お金がかかったとしても全身麻酔の手術までして、切除したその子の一部です。
余すところなく検査をしてもらい、完全なる安心を手にしてあげて欲しいって思います。
細胞診という検査
腫瘍によってできた腫物(はれもの)と膿や脂肪、血液などが溜まってできた腫物とは、外見上の見た目や簡単な触診検査では、区別が付かない事がほとんどです。
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なので、病変に細い注射針を刺して、患部の細胞を吸引し、顕微鏡などで直接、検査する事を細胞診と言います。
生検と細胞診の違い(人間用の例)
生検とは疑わしい病変の一部を切り取って、菌や腫瘍の存在を詳しく調べて病気の診断を行うものです。
例えば、胃カメラを飲んで潰瘍が見つかったら、がんかどうかを確認するために組織の一部を採取して、見やすいように染色して顕微鏡で観察します。
組織の形を見ることで潰瘍ががんであるかどうかを診断するのです。
「組織を採取する」と言っても、採取するのは1~5㎎程度ですので苦痛のあるものではないと一般的には言われています。
一方、
細胞診とは、ある組織の細胞をバラバラの状態で観察するものです。
がん細胞の場合はいびつな形をしているので、まずそのいびつな細胞があるかどうかを見ます。
例えば子宮頸がんの場合、子宮口や子宮頸管の一部をヘラや綿棒でこすり取って細胞を集めます。
肺がんでは痰を取ります。
そうして集めた細胞を観察することで、がんの有無を検査することが出来ます。
「細胞診の方が生検より苦痛が少ない」と言われていて、人間ドックや集団検診などで広く行われている検査なのです。
ただし、細胞診だけでは決定的な診断は難しく、さらに精密検査が必要になる場合も出てきます。
予防法は?
「確実な予防法」はありません。
そのほとんどが
「良性の腫瘍」と言われているので
慌てたり、過剰に心配をする必要はありませんが、長時間、放置しておくことで痒みがひどくなってしまってはニョロリンのストレスになってしまいます。
また、様子見の間の気付かないうちに自壊してしまったり、
掻き壊してしまった箇所から、ばい菌が入ってしまう事もあります。
くれぐれも様子見は慎重に続けてあげて下さいね。
一番は、やはり、毎日のお世話の中で、体をナデナデとマッサージしてあげたり、ブラッシングの時には丁寧にしてあげるなどして、早期に見付けてあげて
気になる症状がある場合には、ためらわずに何度でもかかりつけの獣医さんとよく相談して、注意深く見守ってあげて下さいね。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡