「フェレットがかかりやすい」と言われる
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- 副腎疾患
- リンパ腫
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いわゆる
「フェレットの三大疾病」のこれらは全て「腫瘍」です。
他にも
- 肥満細胞腫(皮膚型・内臓型)
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- 脊索腫
- 皮膚腺上皮腫
- アポクリン腺の腫瘍
なども
フェレットの腫瘍として知られていますが、
稀なものも含めれば、
「フェレットの腫瘍」はこの子達のほぼ全身で見られるものだとされています。
「腫瘍」とは?
生き物の体を構成する最小単位は「細胞」です。
細胞の1つ1つがそれぞれ決まった規則性(ルール)に従って増殖や分化することで、生き物の体は成り立っています。
ところが、
何らかの理由で細胞分裂するさいに、遺伝子のコピーミスが起こり、
細胞が本来のルールを無視して過剰に増殖する事があります。
この増殖した組織のかたまりが「腫瘍」です。
腫瘍には
その場所だけで増殖し、比較的ゆっくりと大きくなったり、あるところで増殖が止まったりする良性腫瘍と
増殖の仕方が早く、いわゆる「癌(がん)」と呼ばれる悪性腫瘍の2つのタイプがあります。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
良性腫瘍の場合
増殖した組織は一塊になっていて、周囲の健康な組織との(限定的)境界がハッキリしています。
転移や再発の心配もほとんど要らないとされているので、
摘出手術をする事で「完治」が可能と言われています。
一方、
悪性腫瘍の場合
周囲の健康な組織との境界がハッキリせず、周囲を侵しながら増殖していきます。
また、血液やリンパの流れなどに乗って
離れた場所にも転移し、そこで更に増殖を続けます。
そして、
「再発しやすい」という厄介な特徴があります。
いわゆる
「がん」は、この悪性腫瘍の事を指すのですが、
【漢字の「癌」という表記は本来、ガンの中でも上皮性由来のものを指し、「肉腫」と呼ばれるものは非上皮性由来の悪性腫瘍の事を指す】
というような、教科書にある専門的な使い分けは、ぶっちゃけ、どうでも良いと思っています。
当ブログ「いたちのおうち.xyz」の中では
「がん」は「癌」または「ガン」です。
がんという平仮名の表記では読みづらいかな?という私の考えやパソコンの変換で、漢字だったりカタカナだったりの表記になりますが、
そういう細かい使いわけでは無い事をご了承下さいm(_ _"m)
フェレットの癌(がん)とは?
心臓を構成する心筋の細胞は細胞分裂をしないので、
「心臓はガンになりにくい臓器」と言われています。
それでも、0ではありません。
体内のほとんど全ての場所で発生する可能性があるのが癌(がん)です。
冒頭で記述したように、この子達に多いのは
インスリノーマ、リンパ腫、副腎の腫瘍で
呼吸器の腫瘍はあまり多くないとされています。
癌(がん)になる要因について
私たち人間も、遺伝だけでなく環境や生活習慣が癌と関わっているんじゃないかと言われていますが、
この子達が癌になる要因も
- 遺伝
- ウィルスや細菌
- 環境(化学物質・紫外線・放射線など)
- 食生活
- ホルモン
- ストレス
- 年齢
など、さまざまな物がそうじゃないかと考えられています。
癌(がん)の治療について
最近では
早期発見、早期治療によって克服される方(人)がどんどん増えてきているので
「癌はもう不治の病では無い」などとテレビCMでも言われるようになってきました。
それは、動物たちにおいても同じで
完治の難しい病気である事は変わらないものの、昔に比べたら
癌と積極的に、前向きに向き合ってくれる獣医の先生がすごく増えてきているんじゃないかって…
ペットに癌の疑いが持たれたら、その場で直ちに安楽死を勧められたり、
それしか選択肢がないかのような説明しかしてもらえなかったという経験を何度もしたり聞いたりしてきた世代の私としては
実体験として心から本当にそう思います。
具体的な治療方法には
- 外科療法(切除手術で癌の組織を取り除く)
- 化学療法(抗がん剤での治療)
- 放射線療法(癌細胞を死滅させ、その増殖を抑える)
などがありますが、その治療方針は
信頼できる獣医さんと納得いくまで充分に話し合って慎重に決めていってあげて欲しいと思います。
癌の治療で誤解されがちなこと「標準治療」について
上記の3つの治療方法が、人でも動物たちに対してでも
「標準治療の3本柱」とされています。
程度や症状の差やご本人やご家族、ペットの場合はその飼い主様の考えなどによって、
これらを組み合わせたりして「治療」していくのが基本です。
ところが、この
「標準治療」という言葉を何か誤解しているんじゃないかって思わざるを得ないような発言を時々、ネットなどで見かけます。
標準治療は「最低限の治療」という意味ではありません。
「標準」という言葉尻だけを感覚的に捉えた、
それらメディアなどによるミスリードによって、
何か他に特別な治療方法があるんじゃないかとか、もっと優れた別の治療方法があるんじゃないか
みたいな思い込みは持たないように気を付けて下さい。
そういう思い込みを持ってしまった結果は
「いつまでも治療方針が定まらない」という、決して良いとは言い切れない状況を招きかねません。
どんな時でも、冷静に判断出来るよう
正しい知識を持っていてあげて下さいね。
※「がんの遺伝子治療」などについては上記の三大標準治療との相乗効果が見込めると言われ「混合治療」と言います。
フェレットの治療方針を決めるにあたって
必ずしも完治だけがゴールとされない事も多い病気です。
だから、
「何を目指すか」が大切な心構えになる事を頭にいれておいてあげて欲しいと思います。
そうは言っても、
「とにかく完全に治す方向でのみの治療」を考えてあげるという飼い主様もおられるでしょう。
「少しでも進行を遅らせることに専念してあげたい」という考え方もあります。
「とにかく痛みがないように」などと、症状を抑えるだけの治療を最優先にしてあげたいと望む飼い主様だっています。
それは本当に、それぞれの考え方なんじゃないかって思います。
そして、その全てが、その子のために考えてあげる
「前向きな治療」であると私は思っています。
ですが、具体的な治療方法については、
癌の状況(発生部位や種類、進行具合など)や
その子の年齢や体力
によっても変わってくる事だと思いますし、
第一に、
飼い主である我々人間の置かれた状況や立場(経済的・時間的・心理的な負担などをどこまで負えるか)によって
それぞれ、その時々によっても
まったく変わってくるお話しだと思います。
「病院」の物理的な問題(通える範囲やその施設の設備など)すべて含めて、どこまでの治療が可能かという環境の事も考慮して
これら全てを総合的に判断して決めていってあげなければいけない大切な事です。
誰でもが最高レベルの治療を望み通りいつでも我が子に受けさせてあげられるばかりではありません。
だけど、
飼い主である我々がその子を大切に思って決めた方針。
それがベストな判断なんだと私は考えています。
そうなった時に全てをきちんと相談できる獣医さんを見付けておいてあげて下さいね。
その時は
納得いくまでとことん話し合い、決して諦めたり目をそらしたりせず
その子が満たされた幸せな時間を
あなたとの大切な時間を一緒に過ごしていけるよう、最期まで前向きに寄り添ってあげて下さいね。
客観的で心強い実体験からの言葉
医療関係のお仕事をしていた、ニョロリストの知人に
この記事を読んでもらい、意見を聞かせてもらいました。
癌は完全に治すとは言い切れないかなぁ。治癒とか完治っていうよりも寛解かなぁ。悪性腫瘍は十年後二十年後にも再燃しちゃうことがあるし完治した、治癒したって簡単に言えないって感じがね…。特にフェレットは人間ほど高度な治療が受けれるわけじゃないからどうしても完全に取り除くことはできないし、完治させるっていうよりは寛解に向けての治療って感じがする。再発再燃の可能性もあるけど、死ぬまで大丈夫かもしれないし、完治、治癒、寛解、再発、再燃のどれを選ぶべきか私にはよくわからないんだけど。個人的な意見です←
との事。
こうした話を書くにあたり表現で悩む私へ向けてのアドバイスとして
「完治という言葉は変に期待をさせてしまう事もあるから」という配慮からの言葉です。
そして、こう続けてくれました。
病は完治させることにこしたことはないんだけど、完治させることが絶対じゃないし、癌はどう付き合っていくかが大切かなって私は思ってるよ!
とても心強い実体験に基づく生きたお話しです。
有難いです。
癌(がん)の予防
癌を完全に予防する方法なんてものはありません。
ですが、
ニョロリンに合わせて、フェレットに適したきちんとした飼育方法で
なるべくストレスの無い生活をさせてあげることで
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私は、若い頃ちょっとした軽い事故が原因で、後にきちんとした病名がつくまで約5年以上もの間、病院を何度も変えて、その都度、 ...
癌になる可能性を低くする事は出来るんじゃないかと言われています。
また、例え癌になったとしても
早期発見であれば、末期のそれよりも治療の選択肢はぐんと広がり、
よりベストな治療を受けさせてあげる事も考えられます。
だから、
そういう事もあるからこそ、
定期健診は欠かさずに受けさせてあげて下さいね。
「ずっと元気で一緒にいようね」という思いと共に、
「もしそういう事になったら」も現実的な問題として考えや資金面の事などもきちんと備えておいてあげて下さいね。
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健やかなニョロニョロ生活を☆彡