私たちのような保護活動者ならずとも、ペットを飼われている方なら薄っすらとでも一度は耳にした事があるんじゃないかと思われる「ペットのおうち」というサイト
「月間150万人が利用する国内最大のペットコミュニティー」が、そのプロフィールとして掲げられています。
犬・猫だけに限らず、小動物も魚も鳥も爬虫類も「ペット」なら何でも取り扱えて、無料で使えるペットブログやサイト利用者同士でのお悩み相談コーナー等も充実しています。
迷子札の推奨や譲渡会イベントの告知などにも力をいれていて、それまでに届けられた「自身は里親にはなれないが、せめて動物たちのために何か出来ないだろうか」という多くの声に応える形で、
今年(2018年)の初めには、ペットのおうち協賛企業の商品購入やサービス利用のその一部を「全国の保護団体に提供します」という、保護活動支援活動「おすそ分けプロジェクト!」も始動しています。
これは、要するに平たく言うと、ペットのおうちを通して、その協賛企業の商品を皆さまが購入されたりサービスを利用されたりした場合、その売り上げの一部で、
今度はペットのおうちがその協賛企業からペット関連商品などを購入して、全国の保護団体などに提供しますという、かかわる皆が気持ちよく、全てが丸く収まっている、総合(相互ではなく「総合」)win&winな「保護活動の支援活動」 です。
ペット保険はもちろんの事、キャットフードやドッグフードなども扱っていますので、これまで何気なくだった「普段のペットフードの購入」でも、そういう活動のお手伝いに繋がる事があるって、是非これを機に知っておいて頂けたらなって思います。
ペットのおうちはあくまでも「ペット」のサイトです。
保護活動がメインの場所ではありません。
だから、というか、なんというか…その場所で一番、利用者が多いのは「里親募集」のコーナーです…
善意の「里親募集」を勘違い・悪用する人は居なくならない
そこには、「保健所収容ペット」も含め、たくさんの子達が掲載されています。
貰い手がなく、保健所に連れ行かれたペットは、たった数日で殺処分となる場合もあります。ペットの購入や飼育を検討されている方は、是非「里親になる」という選択肢もご検討ください。
里親募集ガイドとして書かれている、応募者のルール(規約)全項目にきちんと目を通して全容を正確に把握して、応募する段階にたどり着く前までに、「ちゃんとしようと思ったら」それなりの時間を要します。
私は動物取扱責任者でもあり保護活動者なので、そういう言葉や文章、文言に慣れているうえ、譲渡のなんたるかの基礎知識も経験もそれなりには持っています。
それでも、途中で「はいはい、こういう事ね」ってサラッと読み済ませてしまおうかと思うほど長いです。
それくらい、ゴチャゴチャと書かれています。
正直、面倒臭いです。
でも、それが当たり前なんですよ、
命のやりとりなんだから
「面倒くさい」とか言ってはダメなんです。
ちゃんとしなくちゃいけない時なんです。
こちらの記事でも、そのお話しはさせて頂きましたが、そこで面倒くさがっているような人は里親には、まずなれません。
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里親募集に応募して選ばれない人の特徴!「里親に決まりやすいポイント」って何?
これは保護活動をしている側からのお話しではありますが、あくまでも私個人の考えです。 今まで、経験してきた事の中からさせて ...
「面倒臭がったなこいつ」っていうのは、こちら側には100%バレてるんです。
譲渡する側はそこを見ていますからね。
そんな大事な時にそんな大切な事を面倒くさがるような人に命を託す事なんて出来ませんから、当たり前の事なのですよ。
「ちゃんとする」のを「面倒くさい」と思う人に合わせなきゃならない事態…
ペットのおうちを利用する時は確か一時的にでも会員にならなければいけなかったような気がします。
「会員になる」とは言っても、身元をきちんと登録するというだけの、命のやり取りの場に参加するには「当たり前」の手続きです。
会員種別は、その「一般会員」と「保護活動者」があり、その保護活動者は更に、「非法人」かNPOまたは社団などの「法人」であるかで分かれているので、全部で3つです(※団体か個人かでの種別分けはありません)。
ちなみに、いたちのおうちは「非法人の保護活動者」として登録されています。
そこで、掲載されているその子達は、ほとんどが個人ボラさんやボラ団体による、上記でいうところの「保護活動者会員」からの投稿でした。
その子の里親になろうと思ったら、「ちゃんとしている」活動者さんと「正式なやり取り」をしなければいけません。
上記のように「面倒くさい」は一切通用しないのです。
一から十まで形式通り、きちんとしなければ掲載されている子のお迎えは出来ません。
だからというだけではありませんが、そうやって、「きちんと」お迎えが決まった子達は、その後の幸せが「きちんと約束されている」という流れになるばかりだったはずなのですが、
この事が湾曲して広まったというか何と言うか、ある時から、会員種別が「保護活動者」になっていると、お問合せが減るという事態を受けて、わざわざ、一般会員に登録をし直して投稿する「隠れ保護活動者」さん達のお話しを聞くようになりました。
だそうです。
って言っていました…
彼女達は、よくある「保護活動者と名乗る自分にウットリ」するタイプでは無いので、「自分の肩書なんかはどうでも良い」「なんとしてでも命を繋げてあげなくちゃ」な一般会員という肩書きを持つ本物の保護活動者なのです。
その行為が、そもそものサイトの主旨から外れた本末転倒である行いだという事は分かってるうえで、でも、そうせざるを得ない彼女達の活動に私は文句なんか言えません。
思うところはあったとしても、声がかかれば微力ながら出来る事はお手伝いさせてもらう事も時々あります。
もちろん、そういう投稿をコツコツと続けられている一般会員さんもたくさんおられます。
これは、あくまでも私が見聞きしてきた経験から判断しているだけの事ですが、そういう事情もあるからなのか、収容施設からの引き出しが多いペット、またはそこに至る前に行動を起こさなければならなかったペット(どちらの場合も要するに「犬」)に関するやり取りは、第一段階をクリアしてから先は、終始きちんとしていて「正式なもの」が多いです。
今、言ったように、頼まれれば「お手伝い」をする事が私もあります。
だから、この目で見てきて思う事なのですが、収容件数、もしくは収容施設に至る件数が少ない(要するに一般家庭から里子に出される)小さな生き物たちが増えてきたあたりから、
急激にその決められたルールを無視するようなやり方をする横着な不届きものが増えたような気がします。
ちゃんとしてる人にばっかりいくシワ寄せ…
ペットのおうちにおける里親募集のそれは、
事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主と、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている方が交流できる場所を提供しているのが「ペットのおうち」です。ペットに関する情報や譲渡に関する質問は、掲載者に直接お問い合わせ下さい。
として、あくまでも掲示板としての機能しかない事はきちんと明記してあります。
もちろん、そこには、「会員利用規約」や「譲渡のルール」の記載があります。
当然、そこでのやり取りに何かがあった場合には注意や警告をサイト運営者であるペットのおうちからします。
ですが、仲介しているわけでは無いので、その場を離れられてしまったら、ペットのおうちとしてはもう関与する事が出来ないのです。
だから、「ちゃんとしようとしない」人は、最初から、ペットのおうちの応募機能以外での応募受付を誘導したりします。
ちゃんとするのが面倒くさいからなのか、法にふれるような(条例違反になるような)取引を持ち掛けるつもりなのか、はたまた他に何か理由があるのかは分かりませんが、とにかく、ペットのおうちが関与できない、誰の目にも触れることが無い場所での直接的な応募を促すのです。
模倣防止のために、よくある手口は載せませんが、代わりにこちらの記事などをお読み頂き、ご理解頂ければと思います。
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飼えなくなったペットを買い取って欲しい!は違法?【法律・条令】生体販売・転売について本当の話
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日 法律 第 105号)最終改正 平成26年5月30日 動物の愛護及び ...
新設されるルール
まず、譲渡誓約書の仕様が変更になりました。
保護活動者会員がこれまで使用してきた、それぞれが持つ独自の譲渡誓約書(同意書等)も、今回をもって一度、ペットのおうちへ申請して「それを使っていいですよ」って認めてもらえなければ、使用する事が出来なくなりました。
昔の仕様が手元に無いので、比べられませんが、こちらが今回からの物です。
画像クリックでpdfファイルがダウンロード出来ます
項目が随分と細かく増えたように思います。
ただし、今回新たに設けられた今までの誓約書には無かった項目に関しても、「きちんとしたやり取り」をされている方達の間では、それまでだって普通にチェックしていた物ばかりです。
ちゃんとチェックをされているような「ちゃんとした方」達にとっては、項目が多かろうが少なかろうが誓約書は単なる誓約書でしかありません。
誓約書なんかあっても無くても「ちゃんとした譲渡」がそこでは行われてきたのです。
言い方を変えます。
誓約書を取り交わさない譲渡が横行している以上、誓約書がいくらきちんとしていても、何の意味も無いのです。
誓約書の取り交わしを完了してからペットを譲渡して下さい。
相手が応じない場合は即時やりとりを中止し管理者に通報してください。
お分かり頂けますでしょうか?
「誓約書の取り交わしに相手が応じない場合は管理者に通報」を逆手にとり、
「双方が合意の上なら、誓約書を取り交わす必要が無い」と解釈しているバカヤローがいるのです。
いや、良いんですよ。
「ちゃんとしてる譲渡」また「普通の譲渡」だった場合は、誓約書があっても無くて、別にその事自体に違法性はありません。
ただし、ペットのおうちでは
譲渡誓約書を取り交わさないペットの譲渡は動物虐待です。
と、ペットのおうち内での定義をきちんとそう定めています。
「ペットのおうちを利用してペットの譲渡をする時は、元親さんと里親さんとの間で譲渡誓約書を交わして下さい。交わさなければ動物虐待扱いします」って明言しているのですよ。
でも、やらない…って、一体、どういうつもりなんでしょうね?
でもって、そういう人達に限って、色々と問題がある。
いや、問題がある人同士だから、こんな簡単で当たり前に定められたルールさえ守れないというべきなのか…な?
誰が誰の首を絞めてるのか
そんなこんなで、譲渡誓約書が厳しめになるだけでなく、これまでは、普通に行われていた「掲載する里親募集情報について、直接応募の誘導を禁止する」というルールの新設を検討中だと、ペットのおうちからいたちのおうちへもその案内が届きました。
上記でも述べたように、「ちゃんとしない人」がそれを悪用するケースが増えすぎてしまって、もう、そこを禁止にしないと手がつけられなくなってきているからだって事は分かってるんですけども…
これね、例えば、ここ、
いたちのおうちで里親さんを見付けてあげたいニョロがいたとして、
その情報をペットのおうちに掲載して、「お問合せはいたちのおうち(ホームページ)から♡」
っていう、それまで普通に行われてきた普通の里親探しが、出来なくなるかもしれないって事ですからね。
いや、いたちのおうちは良いんですよ。
もともと、ペットのおうちを、そういう使い方はしていないっていうのが一番ではありますが、そんなにしょっちゅう、そんなにたくさん、里親さんを探してあげなければいけないニョロが集まる場所では無いですから、その都度、言われた通りに順応してやっていく事くらい、なんて事は無いです。
ただ、そうでは無く、里親募集フォームとかそういうのを自身のサイトや何かで一括管理されてる活動者さん達だっているのです。
そういう方達からしたら、すごく大変な作業が増えちゃうだけなんですよ、これ。
ちゃんと普通にやってきた方達の手間が増えるだけだって、お分かり頂けますよね?
だって、これ、そうする事によって、期待できる効果は
・当サイトが問題視している人物の直接応募を未然に防ぐことができる
・応募・里親履歴が記録される事で、不適切な応募者の把握が容易になる
って、事なんですけどね…
そもそも、問題視されるようなルールを守らない人や不適切な応募者に値する人がいなければ、まったく必要が無い新設ルールなんですよ。
どう思いますか?
「誰が悪い」じゃなくて…
ここまでお読み頂いている多くの常識ある「普通の」方達には、もうお分かり頂けていると思いますが…
いや、逆か…
普通の常識ある人には分からないですよね…
結局、どうしたら良いのか?
だって、ほとんどの人は、ちゃんとやっているんだもの。
これまでだって、ちゃんとやってきていたけど、それを無視する非常識なごく一部の人がいて、ちゃんとやってきた人達とは関係無い、そういう非常識な人のせいで、ちゃんとしている人達への色々と誓約やら何やらが増えて…
でもこれからだって、誓約が増えようが何だろうが、私たちはちゃんとやっていきますよ、それが動物たちの為なのだから。
だけど、ちゃんとしない人はきっとこれからだって、ちゃんとなんかしない。
ちゃんとしなくて良い方法を見つけ出してコソコソと上手い事やっていくんです。
「いたちごっこ」
どこかにすごい大悪党が一人いて、そいつのせいでどうのこうのというのなら話は早いです。
でも、そうじゃ無くて、こういう時はいつだって、
里子集めのような事をする人、それを見抜こうとしない人、それらを利用しようと思いついてしまえる状況、それがいけない事だと気付けなくなるような環境…
そこへ至るまでには、
少し責任感が欠けた人が、少し無責任な人の口車に乗って…そうやって少しずつ「きちんと」から外れたそれが、いつのまにかそこでは「外れているという認識」ではなくなって…
そうやって少しずつ薄れた責任感の先で悲しい思いをする被害者は「ペット達」なのですよ。
これは別に、「ちゃんとしている側が窮屈な思いをさせられて…ムッキー!」なんて次元の話では無いんです。
「誰が悪い」なんて簡単な犯人探しで終わらせられる事態では無くなってきているのです…
そういう中で「振り回される動物たちを減らす」には、どうしたら良いと思いますか?
いたちごっこを終わらせるには
一人一人がちゃんとしなきゃいけない時がもう来ているのです。
そろそろちゃんと、「みんなが」考えようよ!って思うんです。
今までずっと、「私はその話には乗れない」「考えるまでも無い」として、参加してこなかった「元栓を一度しめる」活動について…考えなきゃいけないのかなぁって、少しぐらつくなぁってならざるを得ない感じだったりしています。
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ペットショップでの生体販売を禁止させる活動に参加しない動物愛護活動者はアッチコッチから非難される。けどさ…ってお話し
毎年この季節になると悲しくなります。 「クリスマスセール」と銘打たれた子達。 「生体販売を禁止にする活動に協力してくれな ...
「ペットのおうち」に限らず、動物たちの事を思って作られた何かを利用する時は、きちんと、一人一人が動物たちの事を思う気持ちで利用して頂きたいと思います。
まずは、目の前のその子を大切にしてあげて下さいね。
今日のアイキャッチ画像は「つむぎ君」グダグダ愚痴っぽいお話しを帳消しにしてくれる無邪気なニョロ♡ありがとう