保護フェレット

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違法行為に寄り添わざるを得ない保護について 誰が悪い論よりどこを正せば無くなるのかを考えていこう

2024年7月12日

先日、Twitter(現X)でこのような

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カミツキガメが8体届けられたので保護した。
このカミツキガメは、鉈で首を切断して料理して食べた数日前のYouTube動画に異論を唱えた人が「知っている場所ですが、あまりにも残酷です」ということで、違法を承知で捕獲し、匿名でこちらに届けられたカミツキガメです。

投稿がされました。

投稿から4日目の今日現在で152万を超える閲覧数に400件近いリツイート数ですから、その数だけを見ても大変な物議を呼んでいる事がお分かり頂けるかと思います。

投稿主さんは、「特定外来生物・特定動物保護許可施設 一般社団法人ワニガメ生体研究所」の方です。

ワニガメやカミツキガメといった誰でもが簡単に扱える対象ではない生物たちを、ものすごい数、収容している施設を一人で、やっておられる。だけでなく、引き取った大型犬(も数頭いる)に咬まれて時々、大怪我をしている…などなどでもともと話題に事欠かないというか賛否両論ずっとある方なので、今回の騒動のうち3割くらいは「またか」と言った内容に見られますが、7割くらいは「違法を承知で」に強く反応している内容に思います。

それについては、多少の誤解があるというか、もちろんこれまでの諸々の末にそう至っているのではないかというものも含まれます。が、ご本人から「これ以上「違法!」と騒ぐ輩がいるのなら、威力業務妨害罪で県警か顧問弁護士にしかるべき処置をしてもらう事となっている。」として、きちんとそのご説明をされていますので、こちら《「届けられたので保護した」について」》よりご本人のお言葉をお読み頂ければと思います。

今回の研究所さんのように、私たち活動者は時々、「犯罪行為や違法行為や条例違反、そこまでではなくとも常識の範疇を大きく外れた不適切飼養者に寄り添う形であわせなければ保護に至れない現場」に遭遇します。

今日は、皆さんにも「どうしたら良いか」について、「ご自身なら」を考えて頂きたいお話しです。

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違法(条例違反)に寄り添わざるを得ない形の「保護」とは?

まず初めに、誤解がないようにお伝えしておきますが、上記のワニガメ生体研究所さんやiZooさんなどのようにきちんと「法人」としてやっておられる所は、例えば無許可の飼育者からの相談でも、県庁や保健所などといった行政でのきちんとした手続きが比較的スムーズに踏める立場であったりその土台があるので、正式な形にして保護とすることが出来る場合があります。

(※「法人ならすべての案件を正式に保護できる」という意味ではありません。)

これは「あなたが違法にしていた事でも、こちらでは正式に保護してあげられる方法があります。だから、外に捨てないで下さいという話」として聞いて下さい。

それが良いとか悪いとかそういう話すら出来ない苦肉の訴えであると思って欲しいのです。

かく言う、いたちのおうちも法人です。

「私は保護に関してちょっと詳しいです。色々な方法を知っているし、あなたが悪いようにはならないやり方でやってあげられるはずですからまずは相談してください。だから、外には捨てないで。」って、ずー-----っと言ってきています。

実際にご相談下さった方にはお分かり頂けていることなのですが、一見なんでもかんでも明け透けにぶっちゃけまくっているように見える当ブログサイトでも、記事は全て、書ける話を、書ける時がきたら、書いて良い形にして、書いているものだけだったりします。

例えば、「依頼者本人から、いたちのおうちには知られたくないという強い要望が出ているのでそのようにお願いします」という多種多頭飼育の崩壊現場のフェレットの引き受けとそれに付随する事務手続きなんかも、いたちのおうちが“そのように”やっていたりするのですけど、それは“そのように”したお話なので、当然、そのまま書く事はできません。

もう何件も何十件も、他動物のボラさんからの案件や個人ボラさんの手には負えない案件は、“そのように”して、やってきていますが、書けません。

“そのような”お話は意外とたくさんあったりします。

「死なせない」を優先させたら違法行為に寄り添う形になってしまう

カミツキガメは特定外来生物なので、いわゆる「ペット」の子達とは諸々が違い過ぎてあれなのですが、極端な例は時に説明として分かりやすいという一面がありますから、このまま例として続けさせて頂きます。

特定外来生物は法律(外来生物法)で『輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止』とされています。

なので、今回の件でいうと、生きたままの状態で研究所へ届けた(譲渡した)人が違法です。(その前の状態(飼養等について)はどうなってるのか分からないのでここでは言及しません)

届いたカミツキガメを譲り受けた場所は研究所として正式に飼養等の許可を得ている“そういう”場所ですし、届出などの手続きも済んでいるとご本人がおっしゃっていたのでそこから先は何も問題はありません。

ではなぜここまで炎上しているのか、ここで問題とされているのは

  • 違法行為に寄り添う形で行った行為を『保護』と言って良いのか
  • それを許して受け入れ(続け)ることを良しとしていいのか

つまりは、

そこから先は問題がないにしても、そこより以前は完全な違法行為なのに、そこには何も言及せず美談のように「保護した」だけで終わらせて良いのか?研究所として!

って、心配からだと思うのです。

店の前に捨てられていた(犯罪)フェレットの話

そんな今日、某ペットショップの前にプラケースに入れられた状態でフェレットが捨てられていたというショッキングなニュースが飛び込んできました。

この暑い中、よくぞ無事でいてくれた…本当に良かった。

思うところは色々あるし、そんな状態でそこへ置いていった人に対して言いたいことは山ほどあるけど、今日のお題はそこでは無いのでグッとこらえて話を続けます。

ペットショップさんはこのような声明を出されていました。

捨てられたフェレットに対して

誰よりもフェレットを大切にしているはずの場所に、その大切なフェレットが、一歩間違えれば死んでしまっていたかもしれない状態で置き去りにされていたのです、どんなに悔しくて悲しくて腹立たしい気持ちでこれを出したのか、皆さんにはお分かり頂けますね?

そして、皆さんご存じの通り、動物の遺棄は犯罪です。

「犯罪行為として通報しました。捜索への協力要請があれば防犯カメラの映像も提出します。」って、言えば良いのに言わ(え)ないのは、その子のことをちゃんと知ってあげられる唯一の手段がこう呼びかけるほかに無いからです。

これを見て、なんだかおかしな感性でうちに問合せをしてきている方がいましたけど、分かりませんか?

これは、同じようにその場所へ置いていっちゃえば良いと考えている人がいるかもしれないから、せめてその人たちへは「捨てないで」を伝えたいって、苦肉の訴えだと感じ取れませんか?

「犯罪行為を許容しているように見える」って、それはあなたの目がおかしいです。

あなたの目はおかしいと思うけど、言ってることは分かります。

本当は、あなたの言っていることが「ごもっとも」であることは私だって分かっています…

でも、保護活動者としてこの問題にはずっと、思うところはあってもそうせざるを得ないって、だって、そうしないと死なせてしまう命がでるから…って。

「じゃあ、どうしたら良いと思いますか?」が今日のお話なのですけども…

じゃあ、どうしたら良いと思いますか?って話

今回のカミツキガメの件に関しては、正直、私はよく分かりません。

食用にするなんて可哀想だというお話から始まっているのだとしたら、ヴィーガン問題として私の考えはこちらの記事を添付するに留めます。

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違法行為による捕獲だと知っていながらそれを引き受ける行為については、その後のこと(手続きなど)をしっかりやれて「正式な保護の形」を取れるのに、なぜあのような文言を使った投稿にしたのだろうか…とは思いますが、研究所として、啓発や何かそうする事の意味や目的があったのかも知れないなとも思います。

現にこれだけ多くの方の所へ、カミツキガメについて、これは問題だとして広まったのですから、問題提起として大成功です。が、先ほども言ったように、そもそもの問題とされる箇所が分からないので、その先にあるべき「解決」については言及できませんので、カミツキガメについてはここまでとさせて頂きますが、問題は“そういう事”への考え方というかなんて言いますか…

プラケースのフェレット件、「同じ目に遭わせてやりたい」などなどいくつもきていますが、もちろんその怒りは分かります。

でもそれを私に言われても、私は遺棄者を捕まえることも同じ目に遭わせることもできません。

DMをくださる時にはもう少し感情を抑えて、もう少し建設的なご意見みたいな形で書いて頂けるとお返事がしやすいかなって思います。

先ほど例に挙げた飼育崩壊トラブルだって、「いたちのおうちには知られたくない」って崩壊者がいえば、私は関わっていないていで作業をするし知らない顔をして生きていくしか出来ないのですよ。

フェレットのために。

あ、どうしてそういう風にするか(合わせる必要があるか)かと言うとですね…

そういう事を言いだす人というのは、「いたちのおうちに知られるくらいなら」って、おかしな行動(こっそり遠くに捨てに行って二度と誰とも連絡がつかなくなる等)に出たりするんです。

これは活動者たちの経験則から導き出されているほぼ確の事実で

  • 正式な手順を踏む事を嫌うのは何かしらやましい事をしている自覚があるかそもそも一般常識を理解できていない人
  • 筋の通らない要求やおかしな交換条件を出してくる人は一般常識を理解できていないか精神的に不安定な状態にある人

要するに、「おかしな事を言っている=普通ではない状態だからそうなっている」と判断して、生体の命を優先するために、いったん誰かが寄り添う形をとらないと保護に至れなかったりするのです。

プラケースのフェレットの件もそうです。

次なんてあってはいけない事だけど、万が一にでも同じことが起きる可能性がある以上、せめてこうして欲しい、「死なせないために」です。

良い悪いの話しではなく、『生体を無事に確保するまでは常識や法律はいったんちょっと後回しにせざるを得ない現場はある』という事を知っておいて欲しいんです。

そして、そのために、行政などと連携をして違法のままにしないで済むよう、その子達を宙ぶらりんにさせないよう、私たちがいるって事も頭の片隅にで良いので覚えておいて欲しいです。

※いたちのおうちは法令順守が絶対です

ここを読んで下さっている皆さまはよくご存じの通り、いたちのおうちは、おかしな事を言っている人に優しく寄り添うことはありません。

だ、か、ら、遺棄という犯罪をおかす前にいつでも連絡してきて下さいね!って言ってるんです!!!

で、ギリギリ目をつぶれるのは、「知られたくない」という案件を知らないふりしてあげる事くらいまでですからね。

それでも私は保護活動者だから、公開しても大丈夫なくらい時が経ったら「こういう事がありました」と公開しても大丈夫な範囲まで大分ボカした内容ででも、せめて啓発になるように、そういう事を記事として書きます。

皆さんは、今、何を思っていますか?

ご自身がそれを目の当たりにした時、どうする事が正しい行動だと思いましたか?

ご自身にはそれが出来そうですか?

もう二度とそういう事が起きないようどうしていけば良いと考えますか?

もう二度とそういう事が起きないようにあなたは何をしますか?

今、いろんな事を考えて下さっている皆さんと、これからも一歩ずつ確実に解決へ向けて進んでいけたら良いなっていたちのおうちは思っています。

一匹、一匹、全てのフェレットの幸せのために…

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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