入院中のフェレット

入院中のフェレット【シスチン体質/会陰尿道造瘻(ろ)術】ご支援を募っている子の経緯と今後

2023年2月11日

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いたちのおうちでは現在、フェレットのためのご支援を募っています。

【ゆうちょ銀行】

記号10110 番号58217451 イタチノオウチ

【店名】0一八(読み ゼロイチハチ)

【店番】018

【預金種目】普通預金

【口座番号】5821745

ありがたい事に「PayPayは無いんですか?」という温かいお声を頂き、(いたちのおうちでのアカウントは作っていないため)「私個人のIDしかないのですが」とお伝えして、そちらへ個人的にご送金頂いた方が何名かおられます。

信用してくださりありがとうございます。

そちらのご報告も【収支報告】でさせて頂いております。

入院中のフェレットの引取り経緯

感情を入れて書くと、いつも通り超長文になるので、当日のメモを見ながら、そのままを文章にしようと思います。

「膀胱結石」「尿道結石」で2度の開腹手術をしたが、その時に「水腎症」が発覚。

金銭的な事情で、これ以上の治療(手術)は支払いが困難であると告げたら、獣医師から「では、このままのお返し(カテーテル繋ぎっぱなし)になる」と言われた。

その際、「治療をしてあげられないなら安楽死を考えてあげなければ」と…

なんだか調子が悪そうだからと病院へ行ったら、即、手術、手術と、わずか数日のあっという間に数十万円の請求になった治療費。

経済的にもうどう頑張ってもそれ以上の手術費用を捻出する事は出来ない、だからといって、そのまま(カテーテルを繋いだまま)退院させるのは怖い(感染症等)から今はまだ入院させているけれど、毎日の入院費用を考えるとずっとというわけにもいかない。

「お迎えしたのが自分じゃなければもっと生きられるかもしれないのに、浅はかにお迎えした自分が悪いのは重々に分かっています。どうかあの子を助けてあげて頂けませんか?」

という電話がありました。

そこまでの病院代は分割にしてもらって、自分で頑張って払い続けますという気持ちを聞かせて頂いている間もずっと「自分が飼い主じゃなければ生きられる可能性があるんです。お迎えした私が悪いんです。」って何度も何度も自分を責めていました。し、「まだ一才なんです。私が飼い主じゃなければもっと生きられるかもしれないのに…。どうか、どうか助けてあげて頂けませんか…」って本当に、食いしばって振り絞るような声でおっしゃっていました。

いたちのおうちは気軽で便利な引取り屋ではありませんので、原則として「個人からの引取りはお受けしていません(よっぽどの事情がある場合は除く)」です。

と、ここで、お話を先に進める前に大切なこと。誤解を招かないよう先に書いておきますが、この獣医さんは非道でも何でもないです。

治療費がないなら治療は受けらない。

手術をしないと治らない、治らなければ死んでしまう病気の手術をしなかったら、そのまま死んでしまう。

苦しい闘病時間が長くなればなるだけ苦しい時間が長い。

これらは全て当たり前のことです。

それら当たり前を踏まえた上で、「苦しむ時間を短くしてあげるための選択」というのは個人の考え方や宗教観の違いなどで賛否両論は当然ありますが、「選択肢にある」のです。

いや、でもだからって、「それがお迎えした人間の飼い主責任というものです。保護活動とは関係ないんで知りません。」とか言えるわけないじゃないですか?

だって、この飼い主さんから出てきた言葉は全部、よくある「飼い主である自分を助けて(援助して)下さい」ではなく、「あの子(フェレット)を助けてあげて下さい」だったから。

これは、「よっぽどの事情」として、「お引き受けします。」一択です。

もちろん、お引き受け時には、もう二度と同じことを繰り返さないためのかなり厳しい所有権放棄という誓約書を「この子に誓ってください」と書いてもらっています。

そのお話はひとまずおいておくとして(記事最下部「読んで?」を参照してください)、まずは大急ぎで、緊急(手術になる事を前提)で受け入れてくれる病院を探して、車をだしてくれる移送ボラさんをお願いして、あれしてこれして、どうにかこうにか病院から病院への引継ぎは無事に完了しました。

※こちら「お引き受けした時の写真」は傷口の写真になりますので、苦手な方は閲覧(クリック)をお控えください。

検査の結果「遺伝子疾患がある」と分かった

結論からお話すると、水腎症ではありませんでした。

それまで、緊急手術が必要な子の受け入れとして大慌てだったわけですが、その必要はないと分かってほっと一安心、ではありましたが、私的に、どうしても気になる事があったので、こちらの病院できちんと検査をお願いした結果、遺伝子疾患を持っている事が分かりました。

それは再発を繰り返す症状をもつ疾患です。

その病気に対する唯一の治療薬はコロナ禍より、「原材料供給に問題が生じ、生産不可能になっています。また、供給再開の見通しも立っていない」とのことで…

シスチン結石(チオラ)

今現在、その病気で闘病中の子達はみんな「病院にある限りの在庫で頑張って病気と向き合っている」状態なんだそうです。

予防に効果が期待できるとされている薬も販売終了予定となっていて、2023年3月末日が経過措置終了予定日です。

経過措置とは

「需要がない」などの理由から製薬会社が供給を停止したり、
医療事故防止等を目的として名称表示が変更された医薬品等を緩やかに廃止・変更をするための期間のことです。

「水腎症」「シスチン結石症」について

水腎症は未経験、シスチン結石症についてはこの子が初めてのことで、私にはまったく知識がなく、今回、先生と話し合うためのベースさえペッラペラの「ちょっと聞いたことがある」程度でしかなかったため、大急ぎで情報を集め、経験ある飼い主さん達にリアルな知識を教えてもらいながら猛勉強中です。

多くの皆さんが貴重な時間を割いて、この子のためにと教えて下さった知識と情報は全部、いつか時間を作ってより多くの皆さんと共有できるようきちんとまとめたいと思います。

それまで少し時間を下さい。

なので、今日はそういう事(病気についての詳細)はかなり上澄みだけの説明となりますが、この記事はこの子に起きていること、この子についての記事という事でご理解下さい。よろしくお願いします。

「結石」についてはこちらなど参考にして頂けたらと思います。

ベッドからこぼれ落ちて寝てるフェレット
フェレットに結石(尿石症)が増えてる?ストルバイト尿pHシュウ酸カルシウム値

ワサビ君の病院の先生が言っていました。 「最近、フェレットの結石がすごく増えてる」って。 どうしてだろう… その理由は1つじゃ無いんだろうし、単純に「その分だけフェレット人口が増えたから」って考えたら ...

続きを見る

が、この子は「ストルバイト結石」でも「シュウ酸カルシウム結石」でもなく、「シスチン結石」でした。

シスチン結石というのは酸性尿では溶けにくいという特徴があるのですが、一度でもその結石ができたという事はその子が「尿が酸性になる遺伝子を持ってる」ということで、一生付き合っていく必要がある遺伝子疾患、簡単にいうと「お腹に石がたまりやすい体質」という事です。

シスチン体質の子は会陰尿道造瘻(ろ)術を必ずしもするべきなのか問題

会陰尿道造瘻(ろ)手術とは簡単に言えば、石が流れやすい尿道と出口を新たに作ってあげる手術です。

私が聞いた限りではありますが、経験者さん達から

フードや生活習慣で対策してあげたら再発しなかった

精一杯、対策していたけれど数ヶ月で再発した

どちらのお話も聞けました。

また、ずっと投薬でコントロールをし続けるという方法でも同じように、効果があった子、効果がなく再発した子、どちらのお話もありました。

その手術を受けるタイミングや、受けようと思った理由、思わなかった理由、いろんな考え方も聞かせて頂きました、し、その手術を受けた後、日常生活にちょっと工夫をしてあげる必要がでた子と、まったく問題なく元気に過ごしている子、どちらのお話も聞かせて頂くことができました。

シスチン体質の子達は一生、フードや投薬などで石ができにくいように対策してあげる必要があります。(※「フードで改善できるような疾患ではないのでフードにこだわる必要はないと獣医さんに言われました」というお話もありました。)

どんなに対策していても、石ができてしまう事はあります。

石ができやすいのは体質だからどうしてあげる事もできません。

その時、開腹手術に至ることになるまでの確率を少しでも下げてあげるための手術です。

早々に手術を受けさせてあげなければ!という判断に至った過程

私は最初「次に石ができて開腹手術になった時、その手術もその時にやってあげれば良い」と思っていました。

だって、この子はもうすでに2回もお腹を開けているのだから、これ以上、お腹を開ける手術はできるだけしないであげたい、対策していたら再発しない可能性だってあるのだからワンチャンそれに賭けて、開腹が必要となった時に一緒に、で良いじゃないかって思っていたのですが、皆さんのお話を聞いて、その手術は「どこの病院ででも簡単にできる手術ではないこと」が分かりました。

しかも、それまでの頼みの綱のお薬の供給は現在まだ不安定で、この先いつ安定するのかすら未定。

(追記)チオラ錠について

ちょうど、このタイミングで「目途が立ちそうだ」と日本肝臓学会より報告がありました!

チオラについて

が、「人間用から優先になるので、動物たち用に回ってくるのはまだまだずっと先でしょう。正直いつになるのか分からないと言った方が正しいです。」と先生に言われました。(追記ここまで)

シスチン尿症に強い病院がまだ少ないという現実

この子を引き取りに行った時、あちらの先生に「これはシスチン結石ではありませんか?」と聞いたら「僕はこれまでフェレットでシスチン結石なんて聞いたことも無いです」とおっしゃっていました。

シスチン結石(フェレット)

念のために石も一緒にお引き受けしてきて、こちらの病院で分析をしてもらった結果がこちらです。

シスチン100%

経験者さん達も、病院を何件も回った、セカオピした、サードオピニオンでやっと、東京の病院へ紹介状を書いてもらった、等々と、シスチン尿症というのは、まだそれだけ珍しい病気なのかもしれないのですが、この子が今お世話になっている病院は、幸いにも、シスチン尿症をきちんと診てもらえる病院です。

更に、こちらの病院の先生は、会陰尿道造瘻(ろ)手術で「開腹はしない」んだそうです。

開腹しないで手術ができるなら

経験者飼い主さん達数人に

「あなたが活動者の立場であったら、手術をしてあげてからの譲渡、そういう可能性があるという前提での譲渡、経験者として、どちらがあの子にとって良い選択だと考えますか?」

「里親さんの立場であった場合、経験者として、どちらの方がよりお迎えのハードルが低く感じますか?」

という相談をした時、ほぼ全員が、どちらの立場であっても「手術をしてあげる方」とおっしゃいました。

中には、「せっかく、その先生に診てもらっているなら私なら何も迷わず手術をお願いしますね」とおっしゃった方もいました。

「尿が酸性になる(石ができる)のは体質なので今後再発する可能性は高い、というより、再発することを前提に考えておいた方が良いです。そしてまだその若さですから、その度に外科治療(開腹手術)をしていたら体が持たないです。」と、服薬でコントロールできれば一番良いのかもしれないけど…としながらも、やはり多くの状況からこの子の事を考えて経験者ならではの「手術をしてあげる方」を答えてくださった方々もいました。(同じアドバイスを下さった複数の方の発言を一つにまとめさせて頂きました)

偶然にも、今この子がお世話になっている病院は、様々な意見や先生と合う合わないなどの色々はあったとしても、なんやかんや言っても「外科手術となったら」と定評のある病院だという事がその理由の上位にあるように感じました。

毎日、皆さんに教えて頂くこと、考え方の参考になるアドバイス、私の頭のキャパの問題もあり全部をその時いっぺんにとはいかなくても一つも取りこぼす事がないようメモをつけたりしながらしっかりと自分の中に落とし込んで、それを持って先生に相談。

この子をお引き受けしたあの日から今日までずっと毎日「この子にとって最善」を考えてきた結果、「手術を受けさせてあげてから里親さんを探す」事に決まりました。

その手術代までを皆さまからのご支援に頼り、少しでも健康状態の不安を解消してあげてから、次の幸せにお繋ぎできたらと考えています。

今後の予定

今この子が入院している理由はあくまでも「引継いだ状態に合わせた対応で」です。

カテーテル処置中であった事はもちろんですが、お引き受けした時の状態があまりよくなく、「病院できちんと回復を待った方が良い」という先生の判断もあってその通りにお願いしているだけの状況なのです。

最初の数日はこのようにずっと毛が逆立った状態で

術後のフェレット

「この状態は、お腹が痛いからなんですよ」と説明を受ける毎日でしたが、それもようやく無くなってきたみたいで、目に輝きが戻ってきて、とっても良いお顔を見せてくれるようになってきました。

会陰尿道造瘻(ろ)術は術後、最低でも一週間から10日は病院で安静にしていなければならないそうで、この子は、前の病院から考えると今日まででもう20日以上も入院生活を送っています。

なので一度(抜糸をして1日程度は様子を見てからになりますが)個人宅での療養に切り替えても問題はなさそうだと先生からのお墨付きがでたら、一時退院という形をとり、久しぶりにオモチャで遊んだり、広い場所を散策したり、ゆっくりのんびり過ごして心と体調を整えながら、その手術に向けての体力作りをしっかりしてあげようと、

毎日、時間をみて少しずつ記事を書きかきなので、途中も時系列がおかしいところがありますが、ここまで書いて日が空いてしまい、一時退院の許可が出ました。

現状

病院代

お預け日の領収書

病院代

入院治療費明細領収書

尿石症の看護経験のある方に手術までの一時預かりをお任せできたらと考えていたのですが、若いこの子にはまだまだ生命力がみなみなぎっているお陰で傷の治りが早かったから、この子が頑張ってくれたから、先生や看護師さん達が手をかけ手を尽くして下さったから、「うん、もう大丈夫かな」が早々にでて退院が決まりました。

一時預かりさん募集

次の手術へ向けて心を休め、体調を整え、体力を付けてあげる大切な時間のお世話となります。

できたら、他のフェレットがいない環境が一番望ましいです。

が、ここを見て下さっている皆さまの中に「フェレットはいません」という方は少ないと思いますので…

こはね
いたちのおうちからの一時預かりというより、病院からの一時預かりと捉えて頂くと分かりやすいかと思います

トイレやケージはこの子専用の用意が出来る環境でお願いします。

手術直後でまだ体調が万全ではないため、他の子と遊ばせてあげたりは出来ません。(放牧スペースは共有で構いませんが放牧時間は完全に別、偶然にでも会わないようにお願いします。)

フードは療養食で、こちらで選んだ用意がありますが、経験のある方にはもちろんこの子のために良いご飯を選んであげて頂きたいです。

しっかりと空腹の時間を作ってあげる必要があるので、ご飯の時間は朝晩の2回(12時間ごと)その際にはシリンジでの投薬もあります。

空腹時と満腹時のpHを食前食後(一日4回)記録してあげてください。

その際に異常が見られた場合、すぐに野村動物病院へ行ける方(ご自身のかかりつけ医は別ですという方でも私から先生に直接事情をお話しますのでご安心ください)

診察とお薬をもらいに約10日前後ごとの通院が可能な方(次回の通院日は2月20日前後です)

期間は1~2ヶ月の予定ですが、先生の判断で短くなったり延びたりする可能性があります。

上記以外にも経験がある方からの「これもやってあげた方が良い」「こういう事に注意してあげて」などのアドバイスを頂けたら有難いです。

その際には、他の方へのアドバイスにもなりますので、この記事のコメント欄をご利用頂けたらと思います。

また今回の募集は、いつもの「保護現場からの緊急要請」ではありませんので、その点だけはご安心下さい。

投稿先(Facebook、Twitter)のコメント欄は気付けない事が多く見逃してしまうので、一時預かりをお引き受け頂けるという方は当サイトのお問い合わせフォームをご利用下さい。(折り返しのご連絡が届きますよう迷惑メールの設定もしくは電話番号のご記載をお願いいたします)

余談となりますが…

前の飼い主さんは、この子に誓って下さいとお渡しした誓約書に「もう一生、動物のお迎えはしません」と自らの意思でそう書かれていました。

ご本人から直接、頑張って治すという類のご病気ではない事を伺っていたので、どれくらいの時間を要するのかは分かりませんが、いつの日にか、ご自身の体調や生活が整って余裕が出来たら、いたちのおうちのお手伝いをして下さいとお約束をしました。

この子のこれからの幸せは、いたちのうちが責任を持って保証しますと、こちらも誓いました。

この子の幸せのために、皆さまどうぞご協力をお願いいたします。

1匹1匹、全てのフェレットの幸せをいたちのおうちは願っています。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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