先日、知人との待ち合わせにちょっと早く着きすぎて+知人が遅れるというハプニングで、30分ほど街中にヌボーっと突っ立って時間を過ごしていたのですが、そこで恐ろしい光景を目の当たりにしました。
駅の近くのデパートの前で街路樹に括りつけられた小さなワンちゃん。
通り過ぎる皆さんに「こんにちは!」「こんにちは!」ってシッポを振って立ち上がってご挨拶をしたりして、とっても人懐っこくて可愛らしい子でした。
あんなに可愛くて人懐っこかったら、さらわれてしまうのではないかと心配で仕方なかったのですが、ちょっとしたら飼い主さんらしき人がきて、抱きかかえて写真を撮って、その子を降ろして去っていきました。
「は?」
あの人は飼い主さんでは無かったのかしら…?だとしたら何をしたの?何が起きたの?全く理解ができずまた一人になって皆に「こんにちは!」しているその子をただ見ていることしかできずにいたら、今度はまた別の人がカメラを構えながら寄っていって、また、その子を抱き上げて写真(だか動画)を撮って、またもやその子を置いて去っていきました。
「…え?」
以下同上って、そんなこんなで私が見ていた間だけでも4人、その子を抱きかかえてわちゃわちゃやって気が済んだら何事もなかったかのように去っていく…だけの人だったから良かった(本当は全然よくない)ですけど、どうりで犬の連れ去り事件が世の中から無くならないわけだなぁって、妙に納得しちゃいました。
まぁ、フェレットとお散歩をしている時に急に買いたい物を思い出したからといって、その辺に括り付けて買い物へ行ってしまう飼い主さんなんて多分いないかと思いますので、今日のお話しには当てはまらないこのワンちゃんの件は「次はないと思いますから安心して下さい」で〆させて頂きます。
では、本題。
フェレット泥棒/連れ去りの目的は○○!!
その昔、
ペットのフェレットを虐待し、その様子を撮影したビデオを2ちゃんねるを通して公開していたソニー社員、森山慎一容疑者が動物愛護法違反の疑いで逮捕された。「仕事のストレスのはけ口としてやった。ミニウサギなどの小動物を20〜30匹殺し、ごみと一緒に捨てた」と供述しているという。
動画にはフェレットの頭を何度も手で殴ったり、のどを押さえつけて呼吸困難にさせたりして虐待した様子が映されており、映像を見た全国の人々から神奈川県警に1,100件に上る通報があったことから、県警が捜査に乗り出し今回の逮捕につながった。
※リンク先には痛ましい写真がそのまま掲載されています。閲覧される方は自己責任でお願いします。
引用:痛い2ちゃんねるニュース『フェレット虐殺→2ちゃんねるに虐待動画 ソニー社員を逮捕』
という事件がありましたが、この彼は虐待して死なせたフェレット達は「自分で購入した」と供述内容にはそうあったと記憶しています。
もう長いことフェレットの保護活動をしていますが、「虐待目的でフェレットを盗んだ」という話は多分聞いたことは無かったように思います(私が直接、聞いた事が無いだけでどこかではそういう事件が起きていたかもしれませんが…)。
また、この子達を「繫殖目的で」盗む人はいません(理由は皆さんご存じの通りです)。
っていうより、そうだ、まず先に、
私たち活動者が「フェレット泥棒」のお話しをすると、「そんな事が本当にあるのか?」と驚かれる事が時々あります。
もちろん先ほども言ったように、この子達をどこか外に繋いでおいたら「連れて行かれちゃった」みたいな例は少ないです(0ではない)。
では、どういった時に「盗まれていくのか」
フェレット泥棒のリアルな話
私がこれまで実際に直接見聞きした事があるフェレット泥棒は、ざっくり大きく分けると3パターンに分類されます。
- それが泥棒行為にあたると分からない(知らない)で、泥棒してしまったパターン
- それは泥棒行為だと分かっていても欲しい気持ちが抑えられなくて盗んでしまったパターン
- それが泥棒行為だと分かったうえで「でも自分は正しい事をしてるんだ」と犯罪行為の正当化で盗んでいくパターン
一つずつ詳しくいきます。
泥棒になっちゃうなんて知らなかった例
ここをお読み頂いている皆さんにとっては、私は「保護活動者」「いたちのおうちの人」ですが、その辺をウロウロしているだけの普段の私は単なる「その辺をウロウロしている人」です。
何かの拍子にせいぜい「フェレットを飼っている人」になる事はあっても、名乗る必要がない場面でいちいち「保護活動者です」とか言いませんので、単なる会話の流れから
「フェレットを飼っています」
「へー、自分も昔飼ってたんですよ。実家の庭にちょこちょこ遊びに来てた子がいて、野良にしておくのも可哀想だったから家族で飼っていました」みたいな、勝手にそのまま自分の子にしちゃったパターンのお話しを何度か聞いた事があります。
「いや、それダメなやつですよ」って言うと、皆さん「えっ?そうなんですか?(泥棒になるなんて知らない)」とか「そうみたいですね(=その当時は知らなかった)」って…
フェレットというのは必ず飼い主さんがいる動物だから野良猫を保護する感覚で勝手に飼い始めちゃったら泥棒になっちゃうよって、もっともっとしっかり広まっていったら良いなって思います。
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フェレットを保護したら【そのまま飼える(預かれる)としてもトラブル回避『まず』すべきこと】迷子か遺棄か分からないから
街中にポツンとフェレットがいたとします。 その子は100%、誰かの所有物(ペット)です。 例えばそれが街中ではなく、山の ...
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泥棒だと分かっていてもどうしても欲しくて…
こちらも出会いは上記のパターンと大体同じ、捕獲したら、抱っこしたら、可愛くて可愛くてたまらなくて、いけない事だとは分かっていても警察に届けずに自分の子にしてしまった。
その気持ち、分からなくはないですよ。
だってフェレットは可愛いですもん。
でもね、「財布を拾ったら20万円入ってた、いけない事だとは分かっていても警察には届けずに自分のお金として使ってしまった。」ら、ダメじゃないですか?
拾得時にどんな感情が湧こうが「それをやったらアウト」なのですよ、人として。
「逃がしちゃった飼い主が悪い」って言いたい気持ちも分かりますけど、「財布を落とした人が悪い」って気持ちも分からんでもないけど…ダメなものはダメなんです。
って、ダメなんですけど、どうしても、それが分からない人がいるようで…
泥棒が正義だと思ってる泥棒
「遺棄された可哀想な子」という勝手な決めつけや、「外に逃がしてしまうような無責任な飼い主に返す必要はない」っていう勝手な言い分とか、「警察に届けたらそのまま殺処分される」という勝手な思い込みとか、で、「だから警察には届けない」って言う人が時々います。
なんなら、それが自分の保護活動だとして、そんな事を言う人もいます。
完全に、愛誤の精神です。
時々、「単純にフェレットが欲しい」からなのか、「警察から救いだしてあげなきゃと思った」のか、何を考えてなのかは分かりませんが、嘘をついてまで警察署から持ち去ろうとする人もいます。
参考:『実際にあったフェレット泥棒のお話』等々…
そしてこれは、外にいたフェレットを捕獲して下さった方に保護活動者を名乗る人から届いたというdmの抜粋です。
(略)いたちのおうちという保護団体から連絡があるかもしれませんが、絶対に渡さないで下さい。フェレットが外にいたということは虐待されてた可能性が考えられますのにあそこはそのようなことを考えずにただ飼い主に返すことを美徳としてます。飼い主に返すということは次は最悪殺されてしまうかもしれません。(略)私が信用できる確実な里親さんを探しますから次に連絡するまでそのまま飼っててもらうと助かります。(略)念のためtweetは消去してもらえると助かります。
懸賞リツイートしかしていないサブ垢でこんなめちゃくちゃな言い分を送りつけるとか、どうかしてるとしか思えませんが、こういう人は本気でこう思っているんです。
ペットショップや動物園の動物たちが可哀想だという理由で動物たちを盗んでいくという保護(愛護)の人の事件なんかも一度や二度くらい皆さんも耳にした事があるかとは思いますが、世の中には(自分勝手な)正義感から盗みをはたらく人が”いる”って事だけは知っておいて下さい。
脱走フェレットの捜索期間中、目撃情報がある日突然パタリと途絶えたら「連れていかれちゃったのかな」と思うほかなかったりするのがフェレットの現状です…
フェレット泥棒を防ぐために
ここからは私の理想論のお話をします。
これまでたくさんの場所で「こうしたら脱走しちゃったフェレットは皆お家に帰れるんです」「遺棄もなくなるんです」って話しをしてきて、ずっとずっと「それは難しいです」と協力を断られたり、「完全に理想論ですね」って鼻で笑われたりしてきた話です。
でも、今ここをお読み頂いてるあなたには分かってもらえると思うから…
法律が変わった今なら、
今ここからなら、
1人でも多くの方が「そうだよね」って思ってくれたら、少しずつでもそうなっていける未来が見え始めたから、聞いて下さい。
マイクロチップを”全場所で”正しく活用できる世の中を目指したい
犬、猫は購入時にマイクロチップの装着が法律で義務化されましたが、フェレットは現状まだです。
そんなこんなな色々な事を全部すっ飛ばして、まずは私の考え(理想)を聞いて下さい。
- フェレットも全ニョロにチップを装着してあげて
- 販売時には飼い主(購入者)との紐づけ
- AIPOや国際フェレット協会に飼い主登録(2022年9月現在、環境省からは「フェレットの登録はまだ受け付けてない」と回答がありました)
- 病院でもカルテの管理にチップ番号を使用してもらう
- それらが全て連携している仕組みになれば
動物の遺棄は軽々しくできなくなります。(しても犯人はすぐに突き止められるようになります)
迷子や脱走ちゃんは保護してチップをよんで照会をかけるだけですぐにお家へ帰れるようになります。
泥棒された子でも「あなた(飼い主)じゃない人が連れて来院されてるけどどうなってますか?」って、してもらえる仕組みができたら、「(勝手な思い込みによる)可哀想な子は自分のものにしてしまおう」という泥棒思考も通用しなくなります。
※①の「全フェレットにマイクロチップ装着」に関して
「チップが入っていない子にも入れてあげるべきでしょうか?」「わざわざ入れるのはどうなんですか?」というお話は今日の話題からは遠くなるのでここでは控えさせて下さい。
今日は、『販売時に飼い主となる人(購入者)との紐づけをそこでしっかりしてもらう事で「軽はずみな遺棄」が無くなると思う』という私の考えのお話なので、「犬や猫と同じように購入時の装着がフェレットも義務化になれば」というつもりで書いていると捉えて頂けたら幸いです。
ただ、現状として私自身は、今もう7才を超えたうちのえるちゃんの体に異物を入れる事を前向きに検討しているのか?と問われたら、二つ返事で「イエス!」とは…なりません。とだけ…。
今日はもう長くなってきましたので、これより先の、というか、これより深い、というか、これらがなぜ「難しい」と協力してもらえないのか、なぜ「理想でしかない」と笑われてしまうのか、その辺りのお話はまたいつかじっくり聞いて頂きたいなと思います。
おしまいに
フェレットのマイクロチップついてのあれこれにつきましては、こちらの記事をお読み頂けたらと思います。
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フェレットのマイクロチップ登録について【法改正後の最新版】
追記というのは本来、文末につけるものなのですが、この記事に関しては頭に付け足し付けたしで書いています。 それは、チップの ...
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健やかなニョロニョロ生活を☆彡