今日のお話しは、「結果、大丈夫だった」というだけのお話しです。
最初に「どうしたら良いんでしょうか」と泣きながら電話がきた時、ぶっちゃけ血の気が引きました。
怖かったです。
数日後に「全然、大丈夫でした」と報告をくれた相談者さんから、「このお話しをブログに書いてもらえませんか?」と言われました。
「今後、どなたかに同じような事が起きた時の事ではなく、そういう事にならないように、それを徹底してもらえるよう注意喚起になれば…そのようにお願いします」との事でした。
だから、その「それ」からそのようにお話しさせて頂きます。
「フェレットがゴキブリ駆除剤で遊ぶ」
フェレットを飼っているお家で普通に暮らしていたら、そんな事にはまずなりません。
今回の件は、お盆の帰省で彼女が実家へ帰った時に起きた事でした。
誰にでも起きうる可能性がある事です。
彼女は、新しく家族に迎えたフェレットを実家のご両親にも紹介してあげようって初めて連れて帰ったそうです。
最初はもちろん綺麗に片付けられたリビングのみでの放牧。
翌日には放牧エリア拡大⇒ほぼ家中全エリアで放し飼いのような状態。
その様子を見て、彼女は「両親に見てもらっていれば大丈夫」と判断。
旧友と会うために彼女が留守にした時、訪ねてきたお孫さん(彼女の姪っ子さん)に見せてあげるためにご両親が放牧を許可する。
フェレットを知らない姪っ子さんは何が危ないのか分からない。
で、帰宅した彼女が目にしたのが、キッチンで可愛いって嬉しそうに見ている姪っ子さんの足元でブラックキャップを抱えてスリゴロしているその子(フェレット)だったという事でした。
これが危険
- ゴキブリ駆除剤は家具や家電の隙間に仕掛けています。
- 家人が仕掛けている事を忘れている場合もあります。
- パッと見渡した時、それは我々人間の視界には入りません。
- 「ちょっと気を付けて見渡してみた」だけでは分からないのです。
- フェレットはそういう所にある、そういう物を見付けるのが得意です。
- この子達はそういう物で遊ぶ事があります。
フェレットを飼っていないお家に遊びに行ったときは、確実に安全な場所以外では遊ばせないように徹底してあげて下さい。
フェレットを知らない人はこの子達が隙間に入っていってしまう事も、この子達の遊び方も何も知りません。
フェレットにとって何が危険なのかも分かっていなかったら、何が「安全」なのかも分からないという事です。
「確実に安全な場所」は、飼い主である「あなたが」徹底して管理してあげて下さい。
今後、旅行などに行かれる時には、是非そういう所も十分に気を付けるべきポイントとして頭に入れておいてあげて欲しいと思います。
こういうヒヤっとが1件でも少なくなりますように☆彡
ブラックキャップ(ゴキブリ駆除剤)について調べてみた
初めに電話がきた時、彼女はネット環境が十分には整っていない環境にいたようでした。
だから…という訳ではありませんが、私が私なりに調べてみた事をここに記しておこうと思います。
ブラックキャップ製品詳細
例として、上載写真(真ん中)スキマ用の記述を公式サイト(以下参照)から持ってきました。
製品名 | ブラックキャップ スキマ用 |
---|---|
内容量 | 16g(16個) |
生産国 | 日本 |
有効成分 | フィプロニル0.05%(w/w) |
成分 | 液糖、濃グリセリン、水飴、安息香酸デナトニウム、香料、黄色4号、その他8成分 |
効果・効能 | ゴキブリの駆除 |
効果持続期間 | 約6ヵ月間 |
この有効成分「フィプロニル」が何なのかを調べてみました。
有効成分:フィプロニルとは?
1985年から1987年にかけてフランスの化学薬品会社ローヌ・プーラン(バイエルクロップサイエンス (de:Bayer CropScience) の前身)が開発したフェニルピラゾール系殺虫薬の1つ。神経伝達物質であるGABAの作用を阻害して、ノミ、ゴキブリ、アリ、アルゼンチンアリ、シロアリなどの害虫駆除に用いる。遅効性であることから、本剤を餌と共に摂食した個体は致死までに帰巣が可能なことが特徴である。ゴキブリやアリの場合、本剤を摂取して帰巣した個体の糞や死骸を他の個体が摂食することで、巣の集団全体へ効果が拡散するドミノ効果が期待できる。
引用:Wikipediaをちょっとまとめ(端折っ)てみました。
そんな事はどうでも良いですよね。
とにかく「生き物を殺す成分」が怖いんだから、殺し方や死ぬまでの時間なんか詳しく知ったところで何にも安心できない!
でも、ちょっとこちらを見て下さい
フィプロニルの毒性
PRTR法で第1種指定物質(政令番号22)に指定されている。ネオニコチノイド系殺虫剤とともに、ミツバチの蜂群崩壊症候群の原因仮説の1種とされる。
経口摂取による半数致死量であるLD50は、ラットで92mg/kg、マウスで49mg/kgである。ヒトの中毒は、0.14mgの経口摂取による軽度意識障害が報告されている。
体重1kgあたりの一日許容摂取量であるADIは0.00019mg/kg/dayで、日本の登録農薬で最も低い値である。
日本の家庭用ゴキブリ駆除剤が本剤を用いる場合、1個当たり0.5から1mgを含有しておりADIの約2,500倍から5,000倍にあたる。
引用:Wikipedia
言葉の解説
PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(とくていかがくぶっしつのかんきょうへのはいしゅつりょうのはあくとうおよびかんりのかいぜんのそくしんにかんするほうりつ;平成11年法律第86号)
半数致死量:物質の急性毒性の指標、致死量の一種としてしばしば使われる数値で、投与した動物の半数が死亡する用量をいう。" Lethal Dose, 50%"を略してLD50と書く。
はなこの解釈
フェレットの体重を大体1㎏って事で考えるとして…
って事は、一日の許容摂取量(ADI)は0.00019mg/kg/day
ゴキブリ駆除剤での含有量は1個当たり0.5から1mg(これはADI(一日許容摂取量)の約2,500倍から5,000倍)
アース製薬の成分表にある『%(w/w)』は重量パーセント(%(w/w))を表す表記なのですが、計算式は…
いやいやいや、計算なんかしてる場合じゃない!!アウト!!
でもって、ラットやマウスを使う動物実験をもうしなくて良い世界に早くなってくれますようにと心から願っています!
「データ」がまだ足りないのですか…?
もう良いじゃないですか…
ペットが食べてしまったのですが、大丈夫?
アース製薬の公式サイトにはこうありました。
<容器を触ったり、なめてしまった場合>
容器を触ったり、なめた程度であれば問題ありません。
<食べてしまった場合>
万一誤って食べた場合はすぐ吐き出させ、 直ちに成分名(フィプロニルを含む商品であること)を 医師(または獣医師)に告げて、 診療を受けてください。
容器を食べた場合は破片などで食道や内臓を傷つける心配もありますので、吐き出させずに医師(または獣医師)に告げて、 診療を受けてください。
出典:アース製薬>ブラックキャップに関するよくあるご質問>Q.子供が容器を触っていた(なめてしまった)のですが、大丈夫?ペットが食べてしまったのですが、大丈夫?
※これは「お子様用」です。
フェレットの応急処置は
か
・獣医師に相談
のどちらかだけにして下さい。
と獣医さんに確認を取りました。
とも言っていました。
そもそも、
簡単に食べられるものなのか?
比較のために、明治モッツァレラ6Pチーズの1pと並べてみました。
硬いプラスチック容器なので、バリバリこれごと食べるような事は多分、お子さんもフェレットもしないと思います。
だからと言って、丸のみ出来る大きさでもありません。
そんな事をしたら、成分云々の前に窒息の方が心配です…
とことん調べた!
中の成分を摂取…要するに「食べる」ためには分解しなければいけないような気がします。
または、某かの力を加えて「中身が外にこぼれる」状況にならなければ「食べる」事はできないんじゃないか…と。
ビニール袋に入れてブリンブリン1分間ほど振り回してみましたが、外から見た限りでは何も変化はありませんでした。
ならばと思って、力ずくで開けてみようと思いましたが、簡単には開きませんでした。
もともとの私は非力な方ではありませんが指先の力は落ちてきているかもしれません(老化現象)
ので、マイナスドライバーを使って、4つの爪の部分を均等にてこの原理でおし開けてやっとでした。
※1つを無理やり壊すようにこじ開けても残る3つが閉じているのでパカっとは開きませんでした。(あくまでも私の手元にあった物でのみの検証結果です)
パカッ!
このチョロンとなってる矢印の部分は、振り回した結果こうなったのか、開ける時にこうなってしまったのかは分かりません。
この薬剤部分、ブニュブニュしていますが、それなりに硬いです。
液状ではないので「液だれ」は起きません。
それなりに硬さがあるので「もれる」ような事もめったに無いんじゃないかと思いました。
ちなみに、こんな風に
上部が切れてしまっていますが、これは手を放した状態です。
少しの力でスーッと刺さりますが、この楊枝は手を放しても刺さったままで落ちることはなく、また楊枝を刺した事で形が崩れるようなこともありません。
なので、ちょっとやそっと横にした程度で「こぼれる」事は無いんじゃないかとも思います。
結果
ちょっと容器に外側から触れてしまったり、容器を少しなめてしまった程度であれば、大慌てで病院へ行く必要は無いと思います。
抱えてスリゴロ遊んでいたとしても、「その子の様子に変化がなければ」一先ずは大丈夫かと思います。
少しでも体調がおかしいと思えば速やかな診察が必要となってくる事ですが、まずは、落ち着いて下さい。
落ち着いて、病院へ電話をして「フィプロニルを含有する製剤で遊んでしまった」と獣医師に伝えてその後の指示を仰いで下さい。
その時も
「ええぇぇ、何でそんな事にぃ…でも落ち着いて下さい。まずは落ち着きましょう…えーっとえーっと」って全然、私が落ち着けるわけなんかなくて超テンパりながら、ネットが使えないという彼女に変わってネット検索していただけですからね。
※その子は大丈夫だったそうです。後日、病院でも「何も問題は無い」と言われたそうです。
まとめ
重複になりますが、大切な事なので、もう一回きちんとまとめさせて頂きます。
ゴキブリ駆除剤『ブラックキャップ』に関しては、上記の通りです。
容器にちょっと外側から触れてしまったり、容器を少しなめてしまった程度であれば、大慌てで病院へ行く必要は無いと思います。
が、
何も症状が出ていなくても病院へは行くつもりで、きちんと獣医師に「フィプロニルが入った薬剤で遊んでしまった」とすぐに相談だけはして下さい。
で、一番肝心な事は
そんな物で遊んでしまう状況にならないよう、そこを、きちんと、くれぐれも気を付けていてあげて下さい。
毒物が入っている容器には、ちょっとも触れるような事がないのが一番良いに決まっています。
例え容器であっても、ちょっとでも舐めちゃったら飼い主として怖くて怖くてたまらないですよ。
こうして公式サイトからその文言を抜粋してきて、自分でも確かめたけれど、それでも安心なんかできなくて、
「もしこぼれてしまったら」
「もし蓋が外れてしまったら」
「もし…」
「もし…」
って、万が一の事が起きたらばっかり考えちゃって、想像すると震えがきます。
事故ってそういうものじゃないですか?
何かあった時、「不幸な偶然が重なって」とか、そんなの、何の慰めにも言い訳にも私にはなりません。
何かがあってからでは遅いって思っています。
だから、防げる事故は全部、未然に防いであげて欲しいんです。
この記事が注意喚起となりますよう、金輪際、そんな怖い思いはもう誰もしなくてよくなりますよう…
健やかで穏やかなニョロニョロ生活を☆彡