前回、保護ニョロたけちゃんがコクシジウムを発症したため、里親募集を一時中断する旨をお知らせ致しました。
とても多くの「たけちゃん、頑張って!」のお声を頂いています。
中には…
想像していた通り、過剰なまでに心配されてる方からの「大丈夫ですか?」も届いています。
それについての言いたいことは後ほどにして、
一先ずは、ここで「ありがとうございます。たけちゃんは今、めっちゃ頑張っています!もっともっと応援してあげて下さい」と言わせて頂きたいと思います。
たけちゃんに、お掛けいただく言葉は
- 「たくさん食べて、体力つけよう!頑張って!」
- 「体力つけて、お腹の虫をやっつけろー!」
でお願いします。
あと出来ましたら、預かりさんのお家の子達やうちの子達にも
「コクシジウムなんか跳ね返せっ!元気があればっ、何でもできるっ!(アントニオ猪木さんの顔で)ダーっ(大丈夫だよ)!!」って、お声がけ頂けたら嬉しいなって思います。
コクシジウム感染を防ごう!…ばっかりに気を取られるから一番肝心な事が見えなくなる
いきなりのぶっちゃけ話で申し訳ないのですが、「多頭飼育でコクシの感染を100%防ぐなんて無理」ってこれが私の本音です。
だって、「感染」を防ぐには、最初から会わせない・共有スペースを作らない・それでもその都度、全て(家の中から飼い主ごと全部)を徹底的に薬剤か熱湯で消毒するだけなんですよ…極論ですけど。
何度も言ってきましたが、「一ニョロが発症した時点で、そこにいる全ニョロが感染してる」って思っておいた方が良いのがコクシジウムです。
発症しているしていないに関わらず、寄生されてる子なら誰でもが感染源となる病気で、誰が寄生されているかも分からない状態の中、たまたまそのうちの1ニョロがそのタイミングで発症したというだけ。
誰かに症状が出てからあたふたしたって「もう遅い」んです。
多頭飼育下において、「感染を防ぐ」のは発症してからでは間に合いません。
飼い主として、してあげられる事は、せめて
「それ以上、大事にならないように徹底的に注意する」
「発症させないように皆に頑張ってもらう」
くらいしかないのです。
徹底的に注意するとは?感染を広げないために「正しく動く」
多頭飼育で病気の子が出た場合、感染を防ぐためには必ずその子は一人用のケージに隔離して下さい。
同時に数匹が病気になった時、病気の子同士を一緒にさせるのは横着とかそんな事より何よりも、お互いでピンポン感染を続ける事があるので、いつまでも完治させてあげられなかったりします。
「ケージは一人が1部屋ずつ」が絶対的な基本条件です。
-
フェレットの飼育【ケージの正しい使い方】「持ってない」が虐待行為になる理由
この子達のお部屋となる小屋は「ゲージ」では無く、「ケージ(cage)」です。 ✕ 〇 読み方(日本語) ゲージ ケージ 表記(英語) gauge cage 意味 計器、標準寸法、など (鳥)かご、(獣
ferret.xn--n8jel7fkc2g.xyz
基本的な絶対条件は飼い主として当たり前にクリアして頂くとして、お次は、一番、気を付けなければいけない「お世話の順番」です。
これを間違えると、「飼い主の手で」感染を拡大させる事になります。
絶対に知っておいて下さいね。
-
フェレット【多頭飼育ではお世話の順番に注意】シニアの介護・闘病の看護・お迎えしたばかり…どの子から先にする?
これは『衛生面』における一般的なお話しです。 お迎え症候群について、私個人としては、「精神的な要因が大いにある」と思っていますが、今日ここでは、あくまでも「飼養における衛生管理」としてのお話しをさせて
ferret.xn--n8jel7fkc2g.xyz
いやいやいやいや、怒るとこ!そこ!!
冒頭であげた「過剰なまでに心配してくれる」方のお一人から、こんなコメントを頂きました。
衛生管理のとこも飼い主が媒体にならない様に世話する人を変えるか着替え必須で足にもつくから掃除って日に何回着替えて家中の掃除を何回したらいいんだろう?
何やらどこかのサイトに脅かされて恐怖心でいっぱいになっちゃったみたいです。
可哀想に…
何が書いてあるのかそのサイトを見に行ってみたら、超もっともらしい事を超絶適当に書いてるのが秒で分かったので、そっ閉じしました。
覚えておいて下さい
- コクシジウムは肉眼では見えません
- コクシジウムは一般的なお世話で使う普通の消毒薬では死滅しません
だから、
- コクシジウムはウンチにツブツブが混じる→消化不良か何かと間違ってるだけ
- 適当な消毒薬を買わせようと勧める→アフィリエイト目的
って事です。
今後、同じような文言を見かけたらそれは、フェレットの事もコクシジウムの事も何にも知らない人が書いてるって判断して下さい。
そしてですね…
病気の子のお世話の仕方を教えますって言ってるのに、「飼い主が媒体にならない様に世話する人を変えろ」だなんて言われたら、そこは怒らなきゃダメですよ!
うっかり口車に乗って不安になってる場合じゃありません!
兄弟・姉妹がいるご家庭で、お子さんが一人インフルエンザにかかったら、「お母さんが媒体にならないように世話する人を変えて下さい」って言われて、「はい、分かりました」って納得するお母さんなんかいないでしょっ?!
自分の可愛い可愛い我が子が病気と闘ってるんだからさ、治療をお医者さんに任せるのは絶対として、あとのお世話は全部、自分がしてあげたいでしょ!?
もうさ…
そんな事を平気でいう所には何一つ有益な情報は無い!って切り捨てちゃって下さいね。
二度と開く必要がないサイトリストでも作って、永久に見なくてオッケーですよ。
※「ウンチにツブツブが混じる」については、こちらに写真付きで詳しく説明しています。
-
フェレット【ウンチの種類と仕方で健康チェック】病気のサインとは?
ウンチというのは、この子達の体の調子を知る事が出来る重要なアイテムです。 毎日、健康かどうかを教えてくれている大切な物です。 だからと言って「こういうウンチだったら○○(病気)です!」等といった、絶対
ferret.xn--n8jel7fkc2g.xyz
私の手順
簡単な流れ
- うちの子達にご飯を食べさせたらケージ入れる
- たけちゃんにご飯を食べさせたらキャリーに移す
- たけちゃんのケージやトイレに高圧洗浄のスチーマーをかける
- たけちゃんのハンモックをハイター
- たけちゃんの投薬や補液処置、その他のお世話
- たけちゃんのケージをスタンバイして戻す
- たけちゃんのキャリーにスチーマーをかける
- 自分の服をハイターにぶっこんで、シャワーを浴びる
- うちの子達をケージから出す
こんな感じです。
どんなに頑張っても、私にはこれ以上の事はできません。
でも、これだけは最低限の事として必ずします。
でもって、たけちゃんが起きるたびに
- 強制的に(シリンジで)水分を摂らせます。
これは、体力が落ちている子なんかでは特に気を付けてあげて欲しいのですが、給水ボトルのボールを押す力が弱くてお水が十分に飲めていなかったり、その行為自体に疲れて飲むのを止めてしまう事があります。
そうなったら脱水症状まっしぐらです。
脱水状態が続くと、多臓器不全を起こしたり、そのまま衰弱して死んでしまいます。
一度にたくさんじゃなくて、ゆっくりゆっくり何度でも飲ませてあげて下さいね。
※超衰弱状態に陥った、たけちゃんは、それだけでは足りないため、栄養剤入りの補液もしています。
※「ハイター」「ハイター」言ってますけど
「一般家庭用にあるもので使えそう且つ効果が多少ありそうな物」がハイターっていうだけで、それだって、効能としては「△」評価です。
やらないよりはマシってレベルです。
って、知人が教えてくれました。
参考サイト:飼鳥情報センター『殺菌と消毒』
って、この友人はお医者様系のお家のお嬢様で本人もそういう系の中の人です。
徹底的な消毒とは?
詳細は後述しますが、コクシジウムは感染動物(寄生されてる子)の便が感染経路です。
だからと言って、トイレだけを綺麗にしてれば良いってもんでもありません。
目に見えていないだけで、そっこらじゅうに飛び散っているんです。
そしてそれは数か月間は感染力を持ちます。
「寄生されてる子が歩いたあとは、足の形でコクシのオーシストが残ってるくらい言っても大げさじゃない」って笑う獣医さんもいます。
徹底的に消毒するなら、それを踏まえてその全てをきちんと効く消毒薬や熱湯をかけ続けなければ意味がありません。
使い捨て手袋だの防護服だのでも良いんですけど、それをするなら、最初っからケージを完全隔離で部屋も分けて、入退室の度に取り換えなければ意味がありません。
例えばですね、
元気な時に寄生されても何も症状が出ていなければ飼い主は感染に気が付きません。
その間にあっちこっちに飛び散りまくるオーシストは数ヶ月間そこらじゅうにいるわけです。
もちろん目に見えないし普段の掃除や除菌では死滅しないから、数ヶ月間は感染力を持ったままそこにいるって事です。
で、何かの拍子で体力が落ちた時に、数か月前からそこにあったそれに感染して発症したりするのがコクシジウムの特徴なんです。
発症してから急いであれこれするのは、「少しでもそれを減らしてあげるためだけ」です。
他の子への感染を徹底防止のためではありません。
徹底的に感染を防いであげたい気持ちはもちろんありますが、上記のようにそれはほぼ不可能(遅い)なんです。
「コクシはベビなら全員持ってる」なんて言われてたあの時代からのニョロ飼いさん、フェレットに詳しい人達は皆、分かっている事です。
外へお出かけする時も、新しい子のお迎えも、その覚悟を持ってやってきているんです。
傍目からは、ふわぁ♪っと楽しいだけに見えるその奥にはきちんとした知識があっての事なんですよ。
「他の子への感染を避けるために世話人を変えましょう」なんてバカな話しが出来るのは、フェレットを飼った事すらないから言えるんじゃないかとさえ思います。
何を寝ぼけた事を言ってるんだよ!って本気でイライラしています。
怖がるところを間違えちゃダメ!
コクシジウムに限らず、病気なんてものは感染・寄生されないのが一番良いです。
防げるものは全部、防いであげるのが飼い主の努めだと私はいつも言っています。
が、上記でも述べたように、コクシジウムに関しては、「誰かが発症した時点で、他への『感染』は防げない」と思っています。
そこから「感染」を怖がっても遅いのですから、次にやる事は「他の子で発症させない」です。
これはもう、その子達の免疫力や体力に任せるしかないんですけどね…
かつ、発症したら迅速な対応あるのみ!です。
本来、若くて健康な子ならコクシジウムは発症しません。
発症したという事は、「弱っている」からです。
もちろんそれは、季節の変わり目や環境の変化によるストレス※なんかのちょっとした体調不良も含まれますので、あまり大げさに考える事ではありませんが、それでも、「コクシジウムを発症するほど体力が落ちている」という事ですから、そこへ下痢などといったコクシジウムの症状が出たらダブルパンチです。
あっという間に衰弱して、最悪の事態にまで一直線って事だって無きにしも非ずです。
それでも体力があるうちなら、正しい投薬でちゃんとやっつけてあげられる病気ですからどうか安心して下さい。
コクシジウムを発症したら、様子見をしていて治ることはありません。
すぐに病院で正しい処置を受けさせてあげて下さい。
※お迎え症候群は「環境の変化によるストレス」もあるって知っておいて下さいね。
-
原因不明の下痢や脱毛もしかして…「フェレットのストレス」って何か知っていますか?
フェレットだけに限らず動物の体は 自律神経系 内分泌系 免疫系 という3つの機能でコントロールされ、守られています。 これらの機能は恒常性を維持しようとする体の働きによって保たれていますが、ストレスに
ferret.xn--n8jel7fkc2g.xyz
コクシジウムは「感染」を怖がるのではなく、「発症させない」「発症したら迅速な処置」を考える病気です。
一番良いのは「発症前に検査で気付いて速やかに駆虫してあげる」です。
いずれにしても、怖がる事は何もありません。
いたちのおうちでやってる事
最初に「体調が悪そう」と聞いて用意した特別室は大急ぎで全とっかえしました。
-
保護フェレットたけちゃん【里親募集一時中断のお知らせ】コクシジウム発症
松竹梅ちゃん達の里親さま募集を開始してから、お問合せをポツリポツリと頂いています。 その応対は全て預かり主さんにお任せしていますが、報告は逐一もらっています。 どんな内容だったかも全てです。 優しい気 ...
続きを見る
下に敷いたシーツは使い捨てられるシートに変えて、食器はその都度、熱湯消毒できるように陶器に変更です。
トイレも砂では無くシートに変えました。
排泄の度にシートを捨てるのはもちろんですが、その度に熱々の雑巾(使い捨てる)でトイレパンを拭きます。
ふかふかのハンモックや寝袋は一日に一回、熱湯で流し、消毒薬に付けて天日干し。
私は使い捨て手袋は使いません。
上記の通りコクシは手袋を付けたくらいじゃ気休めにもならないので、それだったら直接たけちゃんに触れて毛並みや肌の調子や体温を確かめたいから。
自分の手は「40秒以上流水で洗い流す」
コクシジウム対策はこれだけしかしていません。
今は、たけちゃんの体力を回復させる事が最優先です。
お薬をどんなに飲んでも体力がなければ病気に負けてしまいます。
だから、冒頭でお願いしたたけちゃんにかけて欲しい言葉は「たくさん食べて」が最初なのですよ。
コクシジウムで怖いのは「感染」なんかじゃありません。
衰弱させない事です!覚えておいて下さいね!!
今後のこと
見て下さい!!
今日のアイキャッチ画像は今朝のたけちゃんです。
ずっとお腹を丸めて縮こまったような姿勢で眠っていたたけちゃんがお腹を伸ばして、しかもへそ天!
これはあくまでも、素人考えではありますが、お腹が痛いとか不快感とかそういうのが無くなってきてるんじゃないかと思うんです。
※コクシジウムでお腹が痛くなるのかは知りませんが、フェレットも人と同じで体調が悪い時は丸くうずくまるような姿勢でじっとしている事が多いです。
あれからウンチも安定している、体重は右肩上がり、食欲も出てきて、少しずつだけど自分の口からちゃんと食べようともする。
たけちゃん!偉い!!
素敵なご縁と繋げてあげられる日はもうすぐそこまで来てる!頑張れ!頑張れ!!
という事で、
里親様募集再開につきましては、もう少しお待ちくださいね。
おしまいに「コクシジウム」のこと
コクシジウムという病気については、もう一度、こちらで、きちんとご理解頂けたらと思います。
ウンチの変化はもちろん大切な事ですが、ツブツブがどうしたこうしたなんて言ってるようでは、お話しにならないって事を知っておいて下さいね。
⇒フェレット【コクシジウムとは?】ウンチの変化で見る症状と予防するには?
健やかなニョロニョロ生活を☆彡