現在、私の住む地域では新型コロナウィルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が再び出たうえ、その期間がつい先日、延長されました。
日本国民全員がこんなに長くそれが続くだなんて思ってもいなかったまだあの当初、もう昭和から生きてきている私たちでさえ初めて聞いた一度目の緊急事態宣言。
「不要不急の外出は控えて下さい」
その宣言が明けたからと言って、全てが元に戻ったわけでは無かった事は皆さん周知の事実です。
大手を振って外出する事が憚られ、まだまだ続く色々な初めてに、何をどうしたら良いのか日常のそのルールが皆の中で探り探りだったまだあの時に、遠い地から入った「捕獲機にフェレットが入ってました。どうしたらいいですか」のSOS。
その声は東京からはだいぶ距離のある猫ボラさんから上がっていました。
無責任に外出を促すような「お近くの誰か!行ける人お願いします!」が言えず、かと言って何もしないなんて選択肢があるはずも無く、「すみません、行って頂けますか」とピンポイントで、東京の私よりはまだ近いというだけの理由で個人ボラさんにお願いをしました。
保護フェレット「ことは君」のこと
「お願いします」と頼って任せたのですから、私からその後の事について口を出す事はありません。
距離があるので手を出す事(お手伝い)も出来ませんし、いつも通り「何かあったら報告だけ下さい」です。
なので、「ことは(仮)と名付けました」ってそこから全部、ことは君の事は逐一、報告をもらっていたのですが、そのことは君が先日、保護主さんの元から天に帰りました。
今日はそのご報告となります。
ことは君の最後の一週間
「こっちゃんがちょっと調子悪そうだったんで病院に行ってきました」
「ちょっとって?」
「いつもなら他の子たちよりも長く飛んだり跳ねたりしているのにちょっと早く離脱して…ケージから出せ出せ攻撃もなかったし、抱っこしたらちょっと熱があるかなって感じだったので…」
「それだけですか?」
「念のためにフルで検査してもらったんだけど、ちょっとの発熱と白血球の数値以外にはこれといった異常なしでした」
「白血球の数値は発熱の影響かもしれませんしそれは様子見を続けてもらうとして、下痢や嘔吐症状のでない風邪とかかもしれませんね。っていうか、それで病院に急行してフル検査って(笑)」
「まぁ、念のためにです。これで何もなければ御の字ですし(笑)」
「後で大げさだったねって笑い話にしましょう(笑)」
自身の子の急死を経験されていて、そういう面では少し神経質なくらいの心配性かつフェレ飼いとして大ベテランのその方じゃなければ気付けなかったような小さな異変。
すぐによくなると思って、その報告時、私たちは笑っていました。
だってまだ(推定)1歳前後の若い健康な男の子で、「特にこれといった異常の見られないちょっとした発熱」、回復しない理由なんて何も無いと私達はそう信じて疑っていなかったから。
回復しない理由が分からないんです…
解熱剤の処方や、体力を落とさないための点滴などの処置を受けて、もう翌日にでもすぐに元気になるかと思っていたことは君が
「回復しない…」
と、報告を受け、保護主さんは翌日も病院へ行ってくれていました。
その次の日も次の日も「何かがおかしい」と、考えられる全ての可能性を一つずつ潰していくような丁寧な検査・様子見を続けている報告をもらいましたが、その都度、私から言えるのは「原因が分からない以上、出た症状に対しての対処療法でいくしかないですもんね、後はこっちゃんの体に頑張ってもらうしか…」って、それだけでした。
だって、「助かってくれれば何でも良い」って、本当にそれだけを祈って願って、毎日毎日、退勤後はもちろん、昼休みも、早朝も、あーじゃないこうじゃないと駆け回っている保護主さんを見ているから、私から「こういう可能性は考えられませんかね?」なんて一つも出てきさえしませんでした。
「ちょっと病院に行ってきました」からちょうど一週間後
「ごめんなさい 助けてあげられなかったです」と連絡が入りました。
保護主さんがことは君の事をブログ記事にされているので詳細はこちらで…
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ことはの生きた証 | もなかおばさん家のいたちっこ
ことは君は、去年の関西の緊急事態宣言が明けてすぐの頃に関西から少し離れた地域で猫ボラさんの捕獲器に入っていたフェレットで ...
ameblo.jp
お金のこと(ご報告)
一番最初にお伝えした通り、ことは君は、いたちのおうちから「お願いします」と言った保護っ子です。
(これまで、ことは君に使わせて頂いてきたご支援金のご報告はその都度してきているので、過去記事を参考にして頂ければと思います。)
最後の一週間の病院代です。
お葬式の代金については、「これでやっとうちの子として安心して我が家に居てもらえます」と、それまでの「保護っ子」からそうなる儀式というわけではありませんが、保護主さんから「そのお金は私に出させて下さい」とお申し出があったので、病院代だけ
皆さまからご支援頂いているお金から出させて頂きました。
ありがとうございました。
支援物資分配のご報告
また、「保護っ子ちゃんに使って下さい」と、お送り頂いたフードは、それぞれの保護主さん宅へ分配済みです。
保管期間内のため、保護っ子達の写真や詳細がまだ出せませんので、検品作業中のえるちゃんをご覧頂こうと思います。
まとめ
私たち保護活動者は命を繋ぐためにその活動をしています。
でもこうして「次へ」繋げない命もあるのです…
こっちゃんからはたくさんの事を学ばせてもらって、私達は「ありがとう」だけれど、保護活動という視点から考えたら「繋げなかった」という事実はやはり無念なのです…
保護主さんは私に「ごめんなさい」と言いました。
私も保護主さんに「すみません」と言いました。
これは…
どう説明したら良いのか上手く伝えられるか分からないのですが、「自分が悪かった」という思いをお互いが持っているから、お互いに発したというわけでは決して無く、「無力でごめん」と命に対して出る言葉です。
旅立ちのその時にはきちんと「ありがとう」とだけ言いたいから、その前に人間同士でその気持ちにケリを付けるみたいな「ごめん」です。
お見送りの日
そろそろかな…
キミは多くの皆に愛されていたよ
皆がキミを大切に思って皆がキミに一生懸命だった
迷わせた事はごめんね
もう今度は迷わせないから
キミ達が迷う事が無いようにそういう世界になるように私達は頑張ってるからもっともっと頑張るから
見ててね
こっちゃん
ありがとう
行ってらっしゃい pic.twitter.com/3LBruQidkf— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) February 7, 2021
まだ…というか、新たにまた保護っ子がいます。
あれからもずっとご支援くださっている皆さま、ありがとうございます。
全ニョロしっかり繋げていけるよう頑張ります。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡