当ブログサイト「いたちのおうち」を開設して早3年になるのですけど、先月はじめて「一度も更新できない月」となってしまいました。
もちろん、やるべき業務はきちんとやっていたし、むしろ忙しいくらいだったので、それらについて書きかけになっている記事は何個も溜まっているのですが、いかんせん私ったら、その都度、感情に任せて書き綴ったりする癖があるので、続きを書こうと思っても、数日単位で間が空いてしまうと感情の辻褄が合わなくなってしまうんです…
だから今回のお話は、状況報告として随時書き留めていた件の続きを書いて仕上げました!ではなく、「幸せになりました」とご報告できる子達の事を振り返って改めて今、思うことを書いてみようと思います。
んー、、、、
「幸せになりました」…では無いか。
「ちゃんとずっと幸せでした。」
「これからもずっと幸せでいられる事をここでご報告します。だから安心して下さい。」
のご報告です。
これはそのままの意味で、二方向へ向けてのご報告という事になります。
今日もまたいつも通り少し長くなるかとは思いますが、どうか最後までお付き合いくださいね。
飼育放棄された可哀想なフェレットなんてそこにはいませんでした
本来であれば、この部分を一番先にお話ししなければいけないのかもしれませんが、今日のところは“そこ”を省かせて下さい。
状況報告として下書き保存にしてある記事の見出しには「飼育放棄に至った理由」という項目があります。
それは確かに当初はそうだったはずなのですが、そこには一般的な認識と保護活動者ならではの言葉の使い方というかそういう少しのズレがあって、それについても一度きちんと「こういう事です」とご説明させて頂かなければ、今回のようなお話しの時には特にこんがらがってしまう部分でありまして…
なので、今日は「そういう事」として下さい。
なんだか腑に落ちないなって思われる方は、私たち「保護活動者が介在した事」がその理由として挙げられるとお考え頂けたらと思います。
そしてこのお話について「これってあの件じゃない?」と思い当たる何かがあっても、今日のところはそれ以上の詮索をしないで下さい。
日を改めてきちんとお話しをさせて頂きますから、どうかどうか今日は、この子達がずっと幸せだったこと、これからもずっと幸せでいられること、そのご報告だと、いたちのおうちに免じてくれぐれもどうかよろしくお願い致します。
そこへ至った経緯
- ペット不可物件で大家さんにバレてしまった
- 出張が増えてしまった
- それまで忙しい時などに代わりにお世話をしてくれていた人が引っ越してしまったので、今後、出張が増えるのに頼る先がない
と、一番最初に人伝で聞いた「以上の理由で飼育放棄案件です」の理由はこんな感じでした。
多分これらは本当の事なんだろうと思います。
これはどんな事にでも言える事ですが、何かしらの些細なきっかけたった1つで、それまで「なんとなく上手く回ってきたこと」が崩れる事はよくあります。
いっぺんに降りかかってきた「あれもこれも」の全部を伝えきれないと判断した時、人は相手に分かってもらいやすい表面的な事をその説明としますからね。
里親募集でパッと目に付くところに書いてある「手放す理由」が揃いもそろって通り一辺倒なそれなのはそういう事だったりもする場合があるのですよ…
まあもちろんそれだけじゃないですし、それ以外の場合の方が多いんですけど、それはそれとしてまた別のお話なので本題に戻りますが
今回の件は完全に、誰が聞いても既に飼育継続が不可能な状態に陥っている状況ですのであれこれ策を練っている猶予はなく、この案件は「一刻も早く」が最重要課題として私が直接お引き受けに向かいました。
その詳細
その日はもう7月だというのに少し肌寒く感じる小雨が降っていました。
「目的地周辺です」とカーナビの案内が流れた場所で、大切そうにキャリーを抱え、自分の体よりキャリーが濡れないように傘を差してその人は立っていました。
電話でお話しした時と同じ感じ、真面目そうな丁寧な口調でご挨拶を頂いた後、早速、本題
「あなたの口からもう一度、私に直接、この子達を手放す理由をお聞かせ下さい」
(これは意地悪ではなく必要な作業の一つです。)
ご自身が経営者だったこと、その事業がダメになってしまったこと、だから現在はいくつも仕事を掛け持ちしていること、一緒にお世話をされていたご家族はもういないこと、今はもうそのお家では暮らされていないこと…
「もう前みたいに遊んであげる時間を全然とってあげられなくて」って唇を噛みしめながらゆっくりゆっくりでもきちんと私の目を見て話されているのに、聞いている私の方が目をそらしてしまいました。
分かりますか…ね?
私が聞いていた上記に書いた3つの「他者に分かりやすい表面的な理由」のこれが詳細です。
この子達は、バレなきゃいいやといい加減な考えでペット不可の物件でずっと内緒で飼われていて、そこへ至ったわけでは無くて、致し方なく、その状況になってしまっただけだという事。
出張が多いお仕事に就くことになった理由。
それまで忙しい時にお世話をしてくれていたその引っ越していってしまった人というのは多分、ご家族の事なのではないかと…
これが『今日のところは“そこ”を省かせて欲しい』の部分なのですが、「飼育放棄された子はいません」と今は言わせて下さい。
というか、その時の私は「これは飼育放棄とは…」って、ちょっともうこらえられなかったんです。
※それはただの私の個人的な感情論です。
後日また別でお話しますが、例えそこにどんな事情や理由があろうとも、飼育を放棄したのならば、それを私たち活動者は全て「飼育放棄案件」として扱います。
それまでのこと、これからのこと
中を覗き込みながら「それでは…どうかくれぐれもよろしくお願いします」と手渡されたキャリーにいたこの子達は
「今朝、お風呂にいれてきました」って爪もちゃんと切ってもらってありました。
二人の性格についてお聞きした時、
「こっちの子はこうで、少しこうしちゃう時があるかもしれません。でもそれはこうでこうでこうだからなんです。」みたいな答えが返ってきました。
これ…分かる方にはすぐにピンとくるかとは思いますが、この説明の仕方ってば、愛情をかけてきた対象へのそれだし、もっと言ってしまえば「最低限、自分と同じ目を持って愛してあげて下さい。その愛し方はこうです」って言っているのと同じなんですよ…愛されている証拠なんです。
もう一度、言います。
この子達は(飼育放棄された)可哀想なフェレットではありません。
大切にずっと愛されてきた子達です。
「自分が言えたあれじゃないですがどうか幸せにしてやって下さい。お願いします。」と頭を下げられました。
「必ず幸せに繋ぎます」とお約束したこの子達
絶対、幸せになれちゃうって里親様へ繋げましたのご報告
実はですね、そうは言っても最初にちょっとトラブル…というか、まあ、あったわけです。
トライアル初日、お届けにあがった私たちが見ているその目の前で一人の子が里親さんを本気で噛みました。
興奮して手がつけられない状態に陥って、引き離す私が正直ちょっとヒク勢いで何度も飛びついて行ってゴリゴリに噛みつきました。
結果、出血を伴うケガをお顔にされていました。
その様子ってばもう、帰りの車の中で「トライアル継続不可能(里子受け入れお断り)のお申し出は覚悟しておこう」と真面目なトーンで話し合ったほどのそれでした…
のに、
里親さんになられた方ってば「そりゃ初めてきた家で初めて会った人間にびびらんわけないよな。ゆっくり仲良くなってもらおう」って事もなげにあっけらかんと呟いていました。
それを見た時、私はちょっと泣きました…
そういう風に思ってくれる方にご縁が繋げられたって事、ちょっと誇らしくさえ思っています(例のごとく、私は何もしてないけど)
元親さん、見てくれてると良いなぁ…
こんなにもうすっかりリラックスして幸せに暮らしていますよ!!
この記事を書くにあたり「お写真を貸して下さい」と連絡をしたら、即座にジャンジャン送って下さいました。
こちらは、察するに某所へお風呂に連れて行ってもらったお写真かな?
先住ちゃんがいるお家ですが、なんやかんやで皆で仲良さそうに、パッと見ただけで、どの子もみんなが同じように愛されてるなって丸わかりなお家なのですよ。
だから、どうか安心して下さい。
この子達を
「飼育放棄された可哀想なフェレット」と思って(それはそう思ってしまってやむなしな状況でした。その事については冒頭でお話しした通り別の機会にお話しさせて頂きます)心配して下さったあなたにありがとうございます。
その子達はどうなってしまったんだろうと気に掛けてくださっていたあなたにありがとうございます。
この子達は今までもこれからもずっと幸せな鼬生を送ります!!
取り急ぎのご報告まで。