こんなメールが届きました。
はじめまして、先日の子猫とフェレットとコクシジウムと感染症という日記を拝見してメールをださせて頂きました。
(略)
私はもしうちの子がうつされたらどうしようと思うとどうしても怖い思いが消えません。
どのような事をしたらそう思わずにいられるのか、また、どうしたら、はなこ様のように『ちっとも怖くない』なんて思うことが出来るんでしょうか?ご教授いただけますと幸いです。
A. ただの経験則です
あのですね、感染症には感染源を突き止めてそこからビタッと対処しなければいけない時があります。
例えば集団食中毒のような場合、どこの何が原因でそうなったのかを調べて、それ以上、広がらないようにするにはどうするかを考えて対策しなければいけません。
パーティーで振る舞われた貝からノロウィルスが検出されたとしましょう。
ノロウィルスは感染力の非常に強いウィルスですから二次感染を防ぐためにどうちゃらこうちゃらってなるんですけど、これが、風邪だったら、どうです?
誰もが一度はかかったことのある風邪(感冒)は、最も一般的な感染症です。正式には「風邪症候群」といい、鼻やのどなど上気道の粘膜に病原体が感染して起こる急性の炎症性疾患の総称です。原因となる病原体は、ほとんどがウイルスで、細菌・マイコプラズマ・クラミジアなどもあります。消化器に感染して下痢や嘔吐などを引き起こすウイルスもあり、いわゆる"お腹の風邪"といわれています。病原体がインフルエンザウイルスである上気道感染症のインフルエンザ(流行性感冒、流感)は、風邪とは区別して扱われます。風邪もインフルエンザも、主に接触感染や飛沫感染で他の人に感染します。
大幸薬品「身近にある感染症【風邪】」より
風邪菌なんて毎日どこかでもらってるんです。
手洗いうがいをおろそかにしたり、いい加減な食生活や夜更かしやなんかで体力や免疫が落ちた時に「風邪ひいた」ってなるんです。
そんな時にどこの何から感染したのか誰にうつされたんだなんて考えずに、「まず治そう」じゃありませんか?
そして、もう風邪をひかないように気を付けようってなりません?
でも、何度もひくじゃん?その都度ちゃんと治すじゃん?
そのままこじらせて(重篤化させて)大変な事に(肺炎とか最悪死に至ったり)なったりしちゃう事もあるのが風邪じゃん?
だから気を付けようねって上に戻って永遠にループじゃん?
それと全く(同じように私は考えているの)です。
コクシジウム(その他の感染症も)について正しく知れば何もビビる事なんかないっつうかビビってる暇なんか無い
外にいた子を保護した時には「まず検査」です。
それはもちろんその子のためでもありますが、家にニョロ(や他の動物)が家族としてすでにいる場合、ノミ、ダニ、マダニの駆虫と糞便検査が終わるまでは「絶対に」会わせられません。
ケージ越しの接触すらさせられないので、ケージごと完全隔離です。
外にいた子はお腹が空っぽな事が多く診察までにウンチの用意が出来ない場合もありますが、そんな時はお尻に綿棒を入れて採取か翌日にウンチだけ持って病院へ行くとかして、とにかく「ウンチをみて」もらわなければ一歩も先へは進めません。

そう、このこはねは外で保護された子です。
糞便検査で「コクシジウムは出なかった」との報告書が残っています。
外にいたんだから「(コクシは)いるだろう」とは思っていますが、出なかったんだから「出なかった」で良いんです。
「コクシではなかった」でも「コクシはいなかった」でもなく「出なかった」。
コクシジウムってそういうものなんだから、それで良いんです。と私は思っています。
ビビるにもまず敵(感染症)をよく知ることが大切
まず、「感染症」に対する心構え(対策)としては、「身の回りを清潔に保つことや、免疫力を低下させないことが大切です」ってこれは人間のお医者さんでも獣医さんでもそう言います。
体にはもともと、感染症を起こす病原体に対して、免疫の働きによって感染を防御したり、症状を治したりする機能が備わっていますからね。
だからまず、
免疫を低下させない()内はフェレット用
- 十分な睡眠をとりましょう(好きな時に好きなだけ眠れる環境を整えてあげてください)
- バランスのとれた食事をとりましょう(きちんとフェレットフードをあげていれば極端な栄養不足にはまずなりません)
- 適度な運動をしましょう(「遊ぶ時間」は毎日作ってあげてください)
- できる限り規則正しい生活をしましょう(あなたの不規則な生活に可愛い子供たちを付き合わせてはいけません)
- 時々ストレス発散しましょう(思いっきり遊んであげてください)
感染症と一口に言っても、原因となる病原体や感染経路が異なれば、それぞれの感染症に対する予防対策が異なります。
これは例えば人間用でいうと、インフルエンザやその他のウィルスなどなら、手洗いうがい、換気や湿度、予防接種やマスク着用などだし、食中毒対策なら新鮮な食材選びや適切な保存方法と適切な調理法とかだし、性病予防にはコンドーム必着、とにもかくにも何に対しても「乳幼児や高齢者といった免疫力の低い方は特に気をつけましょう」ってなるんですけど、フェレットも同じです。
ベビやシニア、闘病中の子は免疫力が落ちてる(低い)状態にありますので、特に注意してあげて下さい。
コクシジウムで気を付けること
何度も何度も何度だって言いますけれども、コクシジウムに感染させない方法は「無い」です。と私は思っています。
発症していなくても寄生されている子はどの子も皆が感染源となるコクシジウム。
1回の検査じゃ寄生されてるかどうかが分からない事も多いコクシジウム。
その辺のアルコールや消毒剤は効かないのがコクシジウム。
放っておいたら数ヶ月はその場で生きてるオーシスト(コクシ菌とかコクシ虫とかって言った方がイメージ湧きやすいと思いません?)
こんなもの感染させたくないとか無理なんですよ。と私は思っています。
多くのフェレットが集まる場所へ行く時には「寄生されてる子はいるだろうな(=うつる可能性がある)」と思って行くくらいの方が後々のトラブル回避にはちょうど良いです。と私は思っています。
だって、「一回の検査では出ない事の方が多い」ってこれだけ知れ渡っているコクシの検査を健康な子に(発症していない状態で)2回も3回も「それでもしてる」って聞いた事ありますか?
周りにいる古参ニョロリストに聞いてみたら良いですよ、年一の詳しい健康診断の時でさえ、「一回やって出なかったらOK」って言いますよ、きっと。
発症してなくても検査ででたらお薬を飲んでサクッと駆虫。
それで良いんです、コクシは。って私は思っています。
じゃあ、何を気を付けるのよって話しなんですけど、それは「発症してから」です。
抗原虫薬や駆虫薬の投与、(下痢による)脱水症状を起こさせない、それだけで十分だし、それしか無いんです、コクシ対策なんて。って私は思っています。
子猫を保護したらコクシが出ました…ってだけ。
ここまででお分かり頂けましたね?
それが猫だろうとフェレットだろうとやる事やってあげられる事は一緒。だと私は思っています。
お薬の投与と脱水を起こさせないって事だけなのですけど、この子は幸い発症はしていません。
あくまでも糞便検査で「コクシが出た」ってだけで症状は何も出ていないんです。
そしたらもう恐れるべき事「脱水を起こさせない」もありませんから、何にも怖い事なんて無いんです。
もちろん、自分の手で他の子にうつさないよう最大限の努力はしますが、何べんでも言いますけど、コクシジウムに関しては「そうじゃない」んです。
最大限の努力:コクシの子猫がいる時のお世話スケジュール
5:00 フェレット解放
↓ フェレットの ケージの掃除
6:00 フェレットご飯、フェレットをケージに戻す
↓ 猫にお薬をあげてからキャリーに入れてご飯はそこで食べてもらいながら猫のケージの掃除と消毒
7:00 ゴミをまとめるなどしてから
↓ ゴミ出しから帰ってきたらお風呂場にタオルを敷いて猫と遊んだり、ブラッシングしたり
8:00 猫をケージにいれて
↓ お風呂場の掃除をしながら自分もシャワー、布もの全部を洗濯
9:00 フェレットを出す
ここでひと段落
14:00フェレットをケージにしまって
↓ 猫のお薬、キャリーに入ってもらってご飯を食べてもらっている間にケージの掃除と消毒、お風呂場にタオルを敷いて猫と遊ぶ
15:00 猫をケージにしまって
↓ キャリーの消毒をしながらお風呂掃除と人間もシャワー
16:00 フェレットを出す、ケージのトイレ掃除
ここでひと段落
18:00 フェレットのご飯
22:00 フェレットをケージにしまって、猫のお薬 猫のご飯
大体こんな感じです。
「ご飯」の時に我が家はフェレットはお肉ご飯、猫はウェットフード、いつでも食べられるようにと置き餌しているカリカリはそのタイミングで残っている物(残し方で好みを把握していたりもします)を全部捨てて新しいものと入れ替えています。
コクシがでている子とは床の共有ができません(うつります)ので外に出してあげる事はまだ出来ませんが、日中にちょっと家の中を抱っこで見せてあげたり、ケージの中でじゃらしで遊んであげたりもします。
闘病中の子や感染症の子がいる場合には「お世話の順番」に気を付けてあげて下さいね
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「うつされたら」なんて考え”で”はダメ
例えばこれで、うちの子たちの誰かがコクシジウムを発症したとしましょう。
「コクシの猫なんか家にいれるからだ」は無能の戯言。
以前、コクシジウム症を発症したフェレットのお世話をした時、えるやさすけは同じ家の中にいました。
出来る限りの対策をしていたけど、もしかしたら、あの時に感染していたのかもしれません。
そうだとしたら、私の対策がダメだったという事、私が感染させたんです、あの子にうつされたんじゃない。
えるやさすけが外へお散歩に出た事は一度や二度じゃありませんから、もしかしたら、その時にどこかで感染していたのかもしれません。
こはねは外を放浪していた事があります。
その時に感染していたのかもしれないし、もしかしたら、ファームから持って来ていたのかもしれないし、もしかしたら、そのこはねから二人に感染したのかもしれないし、もしかしたら、二人が持っていたものにこはねが感染したのかもしれない。
それがたまたま、今回、新しい子がきた事でお迎え症候群的な何かを起こしたとか、もしかしたら、気圧の影響で体調を崩したとかで免疫が下がってコクシを発症したというだけ。
こんなにたくさんの「もしかしたら~かもしれない」が考えられるのに、今回たまたま検査でオーシストが見られたというだけの子猫のせいにするだなんてマジで無能。
保護活動者と二度と名乗るなレベルの戯言です。
※我が家の飼育環境では一人が発症したらその時点で全員が持っていると思われます。
発症するかしないかは分からないけど、コクシとはそういうものです。と私は思っています。
免疫が下がったからって必ず発症するってもんでもないから、もう本当に「そういうものなんだ」って思っていないとやっていられないんですってば!!ってしつこいくらいに「私はこう思ってるからこうなんです」って書いてみたんですけどいかがでしょうか?
私の意見や個人的な感想じゃなくて「ちゃんとした」コクシジウム症についての「まっとうな」お話しはこちらで。
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おしまいに
今のこのコロナ禍で「感染症」について、実に色々な考え方の人がいるんだなって思いませんか?
「コロナは単なる風邪」という考え方についてはどうこう言うつもりはありませんけど、「単なる」って言い方はどうなのかなとは思います。
風邪で亡くなる方だっていますからね。
ちなみに私は今日までに「知ってる人」が5人(うち2人はご夫婦です)ほど、それぞれに関係はありませんがコロナウィルス感染症で亡くなっています。
感染症については正しい知識を仕入れたうえでなら、そこからはもうそれぞれの考え方で良いと思います。
そうやって色々な考え方があって良いとは思うのですが、私はこのコロナ禍で色々な約束時に「(誰が無自覚感染者か分からないから)うつされたら困る」と言う人より、「(自分が無自覚感染者かもしれないから)うつしたら困る」と言う人の方が、好きだなって思いました。
まぁ、好きか嫌いかはさて置くとしても、うつされるのもうつすのも無いに越したことはないですから、私はどこでうつされても困らないようにワクチンを打つし、誰にもうつさないよう配慮していますのアピールとしてマスクの着用も続けます。
って、しまらない終わりになっちゃったけど毎日こんな感じで過ごしていますのご報告。
とりあえず、次はコクシの検査で「でない」をもらう事が今の目標です!
皆さんも「ちゃんとお薬を飲んで、ご飯をいっぱい食べて、お腹の虫なんか早くやっつけちゃおうね!」って応援よろしくお願いします。
毎日すくすく成長してくれているこの子を見ていると、たかがコクシの、こんな簡単な治療すら受けられず、発症してそのまま力尽きて亡くなってしまう子猫が外にはあとどのくらいいるのだろうかと、たまらない気持ちになります。
皆さんそれぞれの考え方とやり方で、どうかそういう命が少しずつでも減らしていける、いつか全ての命が安全で幸せを約束された社会になるよう、どうかどうかよろしくお願いいたします。