今日のお話は相談者さんから「例の件、もう公開しても大丈夫です」と許可がでたお話です。
それは、もうその子が取り上げられてしまう心配が無くなったから。
それはつまり、あの子が虹の橋へ向かったという報告で、とても複雑な心境ではありますが、いきなり本題に入ります。
- SNSで○○(団体名)より里子をお迎えしました!と宣伝して下さい
- この譲渡の内容については一切他言してはいけません。
- もし、どこかや誰かに話たら生体は没収します。
というような里子の譲渡契約書を皆さんはどう思いますか?
あの子の誓約書はまさにこのような内容でした。
活動内容の報告や宣伝として「SNSで発信してください」は分かります。(※長くなるから省きますが、いたちのおうちでは私の考えでそれをしていません。)
「譲渡の内容について他言するな」も分かります。(※その前段階での約束事などがあって公開できない事情がある子はいますから)
「約束を破ったら返還してもらいます」も分かります。(※誓約書とはそういうものですから)
これだけだったら別にそんなに目くじらを立てて嚙みつくような事は何もありませんが、「その内容」が明らかに不審でしかない場合があるので、今日はそんなお話をさせて頂こうと思います。
あやしい保護(愛護)団体ボランティアの特徴

@JDY9et2iKGChiow
まずはじめに、そのボラ団体が何をもって「保護」としているのか、きちんと確かめて下さい。
例えば、「飼い主さんが体調不良で飼いきれなくなったフェレットを保護しました。」って、見た事はありませんか?
これについては、ボラ団体というより、優しい気持ちで誰かの役に立とうとした個人さんが間違って使っちゃっているというか勘違いしちゃってる場合がとても多いのですが、これは、体調不良で飼いきれなくなった子の里親探しも自身では出来ない(終生飼養の義務が果たせない)方の人助けであって、フェレットの保護ではありません。
なので当然、保護活動のための支援金を募ったりは出来ません。保護ではありませんから。
この場合にかかる費用は「飼い主さん」に、いたちのおうちは請求しています。
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もちろん、金銭的な事を理由に手放される方もいますので、その時にはお金の請求はしませんが、きっちりまた別の誓約書を巻きます。
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いたちのおうちはフェレットの保護活動をしているのであって、人助けを活動にしているわけではありませんから、そこはきちんと区別しておかないといけないのです。
ただこれだけは間違って欲しくないのですが、「譲渡費用がかかる」事自体はおかしい事でもあやしい事でもありません。
ボラ団体からの里子譲渡は「無料ではない」のが普通の事です。
ただし、その内容をきちんと説明しない団体は「あやしい」です。
譲渡費用の内訳の中に「その他」がある時には「これは何のお金ですか」ときちんと聞いて下さいね。
明細を出さずに医療費を請求する保護(愛護)団体は意外と多い…?

@trueblue_369
今日の主役である「あの子」は、譲渡費用が3万円だったそうです。
「医療費、マイクロチップ埋込費用、その他」と手書きの領収書で、病院から発行されている医療費の明細書は見せてももらっていないとの事。
いたちのおうちは、病院の領収書は必ず里親さんにお渡しして、「この子はこれまでにこういう治療や投薬をしました。その医療費はこちらになります。」と、それまで立て替えてくれていた一時預かりさんにそのままお渡しします。
だから、こういう場合は
うちに限っての話しなのかもだけど、領収書を「思い出として残しておきたいから精算しなくて良いです」と言ってくれる預かりさんと、(この子はもううちの子ですからとして)「うちの子にかけて頂いた医療費なのだからこちらが負担するのが当然です」と言ってくれる里親さんが多いからマジで分からん。
— 滝川🌻いたちのおうちの中の人 (@MaikoTakigawa) October 27, 2022
泣けてくるほど困っちゃいます。ありがたいです。
また、譲渡にかかる交通費を頂く時には募集の時にきちんとお伝えしています(※こちらから請求する事はほとんどないです。)ので、「その他」のお金を里親さんに請求する事は一度も無いのですが、この「その他」って何なんでしょう…
「その他」の請求内容をきちんと説明しないボラはあやしい

@nagi_kotokoto
例えば、外から野良猫を保護して里親さんに繋げる事を活動主旨としている猫ボラさん。
例えば、収容犬を保護して里親さんに繋げる事を活動主旨としている犬ボラさん。
彼らははっきり言って「お金がいくらあっても間に合わない」のが現状です。
そういう団体さんは、「施設には他にも多くの子たちがいます。その子たちへの支援金として○○円を里親様からも頂く事としています。」って、きちんと説明してくれます。
「その他」で終わらせたりは絶対にありませんので、きちんと「その他とは何のお金ですか?」と聞いてみて下さいね。
で、
マイクロチップ埋込費用って…嘘じゃん

@namekosupu
あの子だけに限らず、今までにも数件ほど、もともと入っていたマイクロチップを「こちらで入れました」っていう団体がありました。
もちろんAIPOに確認はしているのでしょう「飼い主登録はない」って。
けどね、フェレットはそこじゃないんですよ。って、そういう事を知らないでそんないい加減な事をしている団体があるだなんて知ってしまったら黙っているわけにはいきませんので、当然「どういう事ですか?」って私は凸ります。
先ほども言いましたが、私は「里親さんにお金を請求してはいけない」だなんて思ってないです。
ただ「譲渡費用の請求で嘘をつくのはダメな事じゃないですか?」「フェレットを使っていい加減な事をしないで欲しいんですけど」って、そういうお話をさせて頂くだけなので、きちんとフェレットの事情を説明して「だからそれは通らないんです。里親さんにきちんと訂正して本当の事情を改めてお話しして下さい」って言ったら、ほとんどの所は「そうだったんですね。フェレットのことが分からなくて、知らずにすみませんでした。今後はきちんとそのようにします。」って終わります。
大体は、他の子たち(ワンコスやニャンコス)と同じに扱っていたから起きた、ちょっとした、なんて言うか、ほら、悪気とかそういうんじゃなくて、なんて言ったら良いのか分からないけど、怒ったり揉めたり大騒ぎにするような事じゃないんです。
フェレットの事を知らなくても、「よく知らない生き物なのに保護してくれた」ってそれは、とても有難い事ですからね。
ただ、「おかしな事をやってる」って、全然認めようとしない1ヶ所の団体さんとは揉めにもめて大モメしました。
「うちはおたくと違ってフェレットだけを扱ってるわけじゃないからお金がかかる保護っ子が他にもたくさんいるんです。分かりませんか?」
「いや、ですから、ほかの子達に使うお金ですって、きちんとそう説明したら良いだけじゃないですか?って話しを先ほどからしてるんですけど」
「なんでそんな事をいちいち一人一人の里親さん説明しなきゃいけないんです?」
「えっ?そんな事?いちいちそんな事ってそれ本気で言ってるんですか?やってもいない事をやったとしてお金を請求している理由がそれですか?」
「はい?」
「いや、はい?じゃなくて、きちんと答えて下さい。これ大事なことですから」
「何が聞きたいんです?さっきから」
「いや、ですから、どうしてやってもいない医療費をやった事として里親さんに請求してるんですか?」
上に戻って一生ループ
フェレットのマイクロチップには犬や猫とは違う事情があるって事も知らないで、そんないい加減な事をしたらすぐバレるんだってばよ…
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まとめ

@Yuina_ferret
保護ではない行為を「保護」と言う活動者(団体)
野良猫や野犬といったような「外で生まれた子」がいないフェレットでは、保護っ子は必ず行政機関(警察、保健所等)を経由していますので、「フェレットを保護しました」の場合には担当行政機関がきちんと記されているかを確認して下さい。
※担当行政機関からの指導や、フェレット泥棒対策で「詳細」は出しません。ざっくり「警察署から」とか「保健所から」とか「愛護センターから」っていうような書き方になっていると思います。
また、一般への公開はしていなくても、「詳細」ですから里親さんにはきちんと書類を見せて説明するのが常識ですので、里親さんになられる時にはきちんと「どこからの子か」は聞いて下さいね。
ちなみに、いたちのおうちでは「その子に関するものは全部」里親さんにお渡しするので、(こちらに保管の義務があるものはコピーになりますが)行政と取り交わしたその書類もお渡ししています。
譲渡費用の内訳の説明をしない、請求内容の明細書を明かさない活動者(団体)
「原本は渡せない」と言われても(なぜ渡せないのかは分かりませんが)、それはその子が受けた医療の証拠、すなわち、死なないように頑張ってあなたのお迎えを待っていた、その子が頑張った証なのですから、「コピーで良いから下さい」と言いましょう。
大々的に寄附金を募っているのに、収支報告を公開していない活動者(団体)
論外です、そんなところは。あやしいでしかありません。
大体こんなところでしょうかね。
時々「保護団体は里親の条件が厳しすぎる」と言う投稿を見かける事があるのですが、それはもう…いや、私が見ても確かに「それに何の意味があるのかしら?」って思う訳の分からない条件を設けている所もあるにはあるのですが、基本的には「その子に幸せになってもらうため」に定められている条件なはずですから、その詳細はこちらなどお読み頂けたらと思います。
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今日のお話は
「何も説明してくれなくて不信感しか持てないあやしい活動団体があるという注意喚起はして欲しいけど、うちの子が特定されたり矢面に立たされるような大ごとになるのは怖いです…」という相談者さんの希望通り、これまでに積もり積もったあっちこっちのお話しを混ぜこぜにしてあります。
が、「あの子」を保護して頂いた保護団体さんとはきっちりお話はつけさせて頂いています。ご安心ください。
もう、キミと同じようにパパママがお迎えしてからずっと不安で「どういう事なのか分からない、どうしてあげたら良いのか分からない」ってなっちゃう子が出ないように、これからもいたちのおうちは頑張るからね。
次は真っ直ぐパパママの所に帰っておいでね。
今回の記事に登場してくれている皆は「あやしいボラとは?ってぶっちゃけ記事を書くのでモデルさんしてくれませんか?」に応じてくれたニョロ達です。
可愛く彩ってくれてありがとう♡
健やかなニョロニョロ生活を☆彡