フェレットの発情行為について質問です。
今年3歳になるオスフェレットがいます。
お気に入りのぬいぐるみがあるのですが
いつもそれに抱きついてずっと離しません。
長いときは2時間ぐらいずっとクックックって言いながら抱きついたり噛み付いたりしています。
まさか発情?と思ってペニスをみたら
ポコッと膨らんでいました。
ぬいぐるみを離したらペニスは戻ります。
去勢をされていても発情する事ってあるのですか?
これは放っておいて大丈夫なのでしょうか…
ストレスになるならぬいぐるみも可哀想ですが処分しようと思います。
もう一匹オスがいるのですがそんな事しないし
過去にいたオスフェレットもそんな事しなかったのでとても不安です。
調べても出てこないのでもし何か知っていたら助言お願いしたいです。よろしくお願いします。
というお問い合わせが届きました。
A. 発情のことなどフェレットの体に関する重要なことは、ここ、いたちのおうち含めその他のただのブログ(素人が運営しているサイト)などでその情報を得ようとしないであげて下さい。お問合せにあるこの内容はそのまま病院で先生にご相談下さい。
以上です。
不妊去勢手術済みのフェレットに発情行動が見られた時、まず疑うべき点はそこじゃない
メール内にあります「去勢をされていても発情する事ってあるのですか?」についてですが、去勢をされている子に「発情」はありません。
ですが、去勢手術をしたのに発情行動が見られるというのは、ワンちゃんや猫ちゃんを飼われている方たちの間ではよく知られていることで、これといって別に珍しい現象ではなかったりもします。
前にも「これは発情行為では?」として問い合わせがあった時に、そのお話しはさせて頂いているので、まずはこちらをお読み頂ければと思いますが、
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フェレットが首の後ろを噛む・上に乗る【マウンティング】去勢手術の失敗で発情?ホルモン異常の病気?ポジション決めの大事な儀式…だと?
フェレットの発情期について教えて下さい。 生後一年弱のパスバレー♂を飼っています。 先日、生後4ヶ月の同じパスバレー♀をお迎えしたのですが、見るといつも馬乗りになっています ...
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「まったくそういう事じゃないから安心して下さい」の場合の方が確かに多いとはいえ、中には時々、本気で命にかかわるような大変な問題だったりする事があるので、まずは一度、必ず、病院へは連れて行ってあげて下さいね。
特に、何かしらの症状が体に出ているのなら、なるべく急いだ方が良いかなって私は思います。
救急で行くような事では決してありませんが、「次のお休みには」くらいの「急ぎめ」で連れて行ってあげて欲しいんです。
というのもですね…
ホルモンバランスが崩れている疑いが強い
きちんとした獣医学的根拠の資料を私は持っていませんが、これまで見てきて、春先…いわゆる動物たちでいうところの発情シーズンに副腎疾患の症状が出るフェレットが多いように思います。
副腎というのは、ホルモンの分泌を担う臓器です。
本来であればそうならないはずの手術済みの体で発情行動が見られるという事は何かしらの理由でホルモンバランスが崩れているということ。
ホルモンバランスが崩れているという事はその分泌を促す臓器に何かが起きているということ。
それはすなわち、「副腎疾患を疑うべき」という事です。
その辺りの事についてはこちら『春先に副腎疾患が増える理由』などお読み下さい。
性ホルモンによる特徴的な症状
脱毛や乳頭・乳腺の腫れ、女の子なら外陰部の腫れ等もその特徴とされていますが、それ以外にも
- 攻撃性が高まる
- 体臭がきつくなる
- マーキングをする
- オスがメスに求愛する
などとして、発情行動とまったく同じ特徴が見られることがあります。
これらが見られたら、「発情してるのかしら?」ではなく、「副腎疾患による症状ではないか?」と疑うべきなのです。
すぐに治療を始めなければいけない段階かもしれませんので、とにかく一度、なるべく早めに病院へ連れて行ってあげて下さいね。
副腎疾患はフェレットの三大疾病の一つ!多いんです!
睾丸の取り残しなど、手術ミスの個体が絶対にいないとは言いません。
実際に何例か知っていますし…
でも、上記のような場合、「手術ミスによって発情している」より、「副腎に何らかの異常が起きてる」事の方がずっとずっとずーっと多いです。
「100倍くらい多い」と言っても言い過ぎではないくらい多いんです。
それでも「発情」を疑う人が多いのは、某フェレットのサイトにそう書いてあるから致し方が無い事なのかもしれませんが、一言だけ…
「あのサイト運営者はフェレットについて全然詳しくないですよ」とだけ言っておきますね。
話を戻しますが、ここでもう一度、今日のアイキャッチ画像(一番上の写真)を見て下さい。
この子は見たまんま、外陰部の腫れ、乳頭の腫れ、触診により「副腎疾患の疑いあり」と診断された女の子です。
既に一度、副腎腫瘍の手術をしている事、リュープリンの副作用(アレルギー)が強く出過ぎる事などから、どうしたら良いかなと経過観察をしながら過ごしているうちに、「この症状が治まった」というビックリする症例の持ち主です。
先ほども書きましたように、「春先…いわゆる動物たちでいうところの発情シーズンに副腎疾患の症状が出る子が多い」です。
ただしその症状は、この子のように一過性のものである場合もありますし、すぐに治療を始めなければならない状況かもしれません。
それはお医者さんにその子を診てもらわなければ分からない事です。
だから、必ず、病院へ連れて行ってあげて下さい。
今日のおさらいとして、そもそも「副腎疾患・副腎腫瘍とは?」はこちらになります。
お大事にしてあげて下さいね。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡