動物の保護(愛護)活動にはザックリ大きく分けて2つあります。
「野生動物の保護」と「愛玩動物の保護(愛護)」です
愛玩動物とは
そばに置いてかわいがったり、姿やしぐさ、声などを楽しんだりすることを目的に飼育される動物。犬、猫、小鳥、金魚などさまざまな動物が対象となる。
=ペット
フェレットやハリネズミ等ももちろん含まれます。
ペットショップ等で購入できる…この表現には、多少の語弊がありますが、「人に愛される事が目的として生まれてきている動物たち」の事だと認識して頂けたら、分かりやすいんじゃないかと思います。
長く、「動物の保護活動」に携わってきましたが、私は最初から今日までずっと「愛玩動物」のそれです。
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もちろん「保護」活動ですから、「死んでしまった動物」は対象ではありません。
でも、今日のお話しは保護とか愛護とかそんなの関係無く、また、動物が好きとか嫌いとかそういう次元のお話しとしてでも無く、「一般的な事として多くの方に知っていて欲しいこと」です。
もちろん「必ずこうしろ」という物ではありません。
屋外で死んでいる動物というのは、それが例え野生の動物であっても元はペットと思われる動物であっても、その原因が明らかに事故だと分かる状態でも、はたまた何か病気なのか老衰なのか原因がよく分からない状態であっても、それらは「屋外で死んでいる動物」として、その全てが同じ扱い・扱われ方となります。
…だから、知っていて欲しいこと
…だから、こうしてあげて欲しいって思うことです。
道路で動物が死んでる!するべき事・してあげて欲しい事
車の運転中に、轢かれてしまった動物を見付けたとします。
そのまま「あっ…今、何か轢かれてた?ま、良いか」って通り過ぎてしまっても罪悪感は感じないで下さい。
それはあなたのせいではないし、ずっと、その事に罪の意識を感じて生きていくのなら、是非、「今、生きている動物たちに、同じような思いを2度とさせないように」「そういう世界になるように」そういう事を少しでも考えてみる、その為に何かできる事は無いかと考える機会を持って頂けるよう…
そういう風に意識を変えていくきっかけにして頂けるようにと、そんな風に私は保護活動者として思っています。
道路は国土交通省の管轄
運転中に、そういう子を発見したからといって、急ブレーキをかけたり、道路の真ん中で駐停車したりは、当たり前にダメです。
必ず、迷惑にならない場所に安全に駐車(または停車)して下さい。
できる範囲で構わないので、出来たら…その子が、もう轢かれる事が無い、安全な場所に移動させてあげて下さい。
その時、直接、その子に触れる事はなるべくないように気を付けて下さい。
人畜共通感染症などの心配があります。
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血液や体液はもちろんの事、その子の体自体にもなるべく直には触れないように、タオルやビニール袋(コンビニの袋で構いません)などで包んであげるようにして運んであげて下さい。
上記は出来なくても、もちろんしなくても構いません。
してあげて欲しいのは以下の事です。
通報する(道路緊急ダイヤル)
道路は国土交通省の管轄です。
そこで「異常を発見した場合」には国交省の通報システム「道路緊急ダイヤル」に通報して下さい。
- 道路の穴ぼこ、路肩の崩壊などの道路損傷、落下物や路面の汚れなど道路の異状を24時間受け付けています。
- 電話番号 全国共通 #9910(24時間受付・無料)
「落下物があります(=動物が死んでいます)」と通報して下さい。
通報の仕方
- ♯9910に電話をすると ⇒ 自動音声が始まります
- 自動音声のガイダンスに従い、道路の種類(高速道路かその他か)の番号をプッシュします。
- オペレーターに繋がったら「道路で動物が死んでいます」と伝えて下さい。
- その場所を聞かれます。詳細な住所が分からない場合がほとんどかと思いますが、この時は大体の場所で構いません。
- おおよその場所の特定が出来たら、そのまま、その場所の(都道府県、市区町村など)の役所など適切な関係施設に繋げてくれます。
- 転送時には、おおよその内容は伝わっていますが、さらに具体的な場所を聞かれますので、上記「5.」までの間に電柱や表示のある信号機、近くにコンビニがある場合には○○店までを出来たら確認しておいて下さい。※分からなければ「分からない」でも大丈夫です。
- オペレーターさんの質問に答えていくだけで、そのまま「通報」は完了します。
- 稀に、場所の特定が出来なかった場合などに、担当者から折り返しの連絡がある事があります。その際には「分かることだけ」を伝えて下さい。うろ覚えの曖昧な目印を伝える事はただ混乱を招くだけなので「分からない」「それは記憶していない」と答えて下さい。※「それは見ていない」では無くです。
通報の実例(2019年追記)
以前に通報した時とは、だいぶ様子が変わっていたので、実際に私が経験したお話しを最新の実例として載せておこうと思います。
- ♯9910に電話をすると ⇒ 自動音声が始まります
- 自動音声のガイダンスに従い、道路の種類(高速道路かその他か)の番号をプッシュします。
- オペレーターに繋がり「道路で猫が死んでいます」と伝えました
- 場所の確認はかなり念入りでした。
- 電柱に書いてある住所を伝えると「地図で確認します」として、「近くに○○はありますか?」「道路のどちら側ですか?」と、ここできっちり特定までしてくれました
- 「そこは区の管轄になるのでそちらへ連絡します。ご連絡ありがとうございました。」と、そこで通報が完了しました。
私は一応、亡骸が回収されるまで、そこにいましたが、通報だけなら「誰でもが」「そこがどこであろうと」「すぐに出来る」事ですので、どうか、覚えておいて下さい。
これは、「動物たちのために覚えておいてあげて下さい」なんて話ではありません。
それによって引き起こされる可能性がある第2の事故やその他を未然に防ぐためにも必要な「落下物の撤去」だとご理解頂き、車に乗られる方、いや…「道路を使う人」全員に覚えておいて頂きたい事です。
これ以下が、もっと丁寧な「知っていて欲しい」
…もっと言えば、動物たちのためにも知っておいてあげて欲しいやり方になります。
公園や街中は市(区)役所
こちらのお話しにその詳細は記しましたが
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「動物の死骸は一般廃棄物」という扱いで、その引き取りは市や区など役所の「清掃局」が担ってくれます。
その地域の市(区)役所のホームページから「清掃事務所」や「清掃センター」などと書かれた所
また、それが国道の場合には、地域の「国道○○出張所」等と書かれている所(分からなければ清掃局で大丈夫です)
へ電話をかけて「動物が死んでいる」と伝えて下さい。
補足情報を頂きました。


最近ではホームページが複雑で「該当部署が分かりづらい」というお話しを聞く事があります。
そんな時には「○○市(地区) 動物 死骸 引き取り」と検索すると一発かと思います。
こちらは、緊急ダイヤルでは無いので営業時間があります。
その際には、上記の道路緊急ダイヤルでも構いませんし、最寄りの警察署という方法もあります。
経験談 活動者の例
これは、私の知人のお話しになりますが、迷子フェレットの目撃情報を聞いて捜索に出た結果、間に合わなかったという事が有りました。
深夜の出来事です。
「生きてる子の保護」に駆け付けた先で、車に轢かれて内臓が飛び出たその子を発見して「どうしたら良いのか分からなかった」そうです。
高速道路を飛ばして向かったその場所で、最寄りの警察署を調べ、事実を伝えたところ、担当の方がその子の引き取りに来てくれたそうです。※何の担当だったのかが分からないので、この場合の「担当部署」は書かずにおきます。
彼女は保護活動者ですので、新聞紙に包んで袋に入れるところまでお手伝いしてきたそうですが、その後は多分…一般的な処理として、上記の扱い(一般廃棄物)になったのでは無いかと思います。
それが、法律に則った行政での正式な対応です。
うっかりの脱走でも、見付けてあげられなければそういう事になってしまうかもしれないのです。
きちんとした脱走対策、脱走させてしまった時には「すぐにきちんとした探し方をしてあげる」事を忘れないでいて下さいね。
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賛否両論ありますが
ここからは、「そこまでする必要」なんか全然無いお話しです。
ただ、「こういう話しを聞いた事があります」の実例です。
「飼い主さんが現れた時に渡してあげられるように」また、一定期間現れなかった場合には、「きちんとした供養をしてあげる」ために、その子の体から綺麗な部分の「毛をカットして持ち帰る」という保護活動者のお話しはたまに耳にします。
その子を探している飼い主さんがおられるかもしれないという思いからです。
その現場とその子の写真と一緒に大事に保管されているのを実際に見た事もあります。
でも、もし、あなたがそこまで、その子のためにと思ってそうされた時には、撮影した写真やその行為を個人的なSNS等で拡散するのは止めた方が良いです。
そういう事は動物愛護団体などの公式アカウントからでも否定的なご意見が多数あります。
否定的というより、
「遺体を撮影するなんて!」とか
「死骸の写真なんか載せてんじゃねーよ!」とか
「遺体に手をくわえるなんて!」などの、ほぼ罵倒です。
宗教観や色々な思想や考え方、「死」に対するそれが違うのは当然の事なので、ご意見はもっともだとは思います。
ただ、話を載せただけでも「トラウマになった、慰謝料よこせ」というような意見が届いたりも結構あります。
個人として、それらを受け止めるのは正直怖いんじゃないかと、こういう活動をしている中の人でさえ、恐ろしく感じる勢いで届いたりするので、「拡散する時には十分に、ご配慮下さい」とだけは強くお伝えしておきます。
「こういう事を目撃しました」という事実を文章のみで淡々と告知し、飼い主さんと繋がった時に直接お渡ししてあげるのが一番良い方法だと思います。
おしまいに
長くなりましたが、一番良いのは…私がそうあって欲しいと願うのは
「そういう子が出ないペット社会」です。
交通事故に遭ってしまう子
寒空の下、一人ぼっちでお腹を空かせて寂しい思いで死んでいく子
そういう子がいないペット社会を目指せるのは、「ペットをお迎えした飼い主一人一人の心がけ」だけしかありません。
お散歩時にはリードを着ける、脱走させない、そういう日常のちょっとした当たり前の事から「皆が」心がけていってあげて欲しいって思っています。
動物たちにとっても安心で安全な社会になりますように☆彡