「不動産屋から連絡がきてペットをどっかにやるか出て行ってくれって言われたんです!そんな事を急に言われても、そんなお金ないし、どうしたら良いでしょうか」
みたいな連絡がきた事がありました。
話しを聞くと、そこはもともとペット不可の物件だそうで、「でも事情を話したら、まあそれなら…仕方ないですねって、前に良いって言われたんです!」との事でした。
その時、話した事情というのは「入院した母親の代わりに祖父母と父親のお世話をしに実家へ帰っている友達のペットを預かってるだけ」としたって言っていました。
万が一にでも、どこかやどなたかに迷惑がかかってはいけないので、今日は色々な事例を混ぜ合わせて(想像からの創作という意味ではなく)少し加工したお話しをさせて頂きます。
「色々な」とか言ったって私は別に不動産の賃貸契約に詳しいわけでは無いし、びっくりする程たくさんの事例を知っているわけではありません。
ただ、そんな私が知る限りのたった数例ではありますが、多分それらは決して極端な話しでは無いかと思いますので、どなたかの今後の何かのお役に立てたら良いなと思います。
ペット不可物件で「内緒で飼える」という考えは止めた方がいい、特にフェレットは!
私はフェレットの事しか知らないので、「特にフェレットは」とわざわざ付けましたが、どの子たちでも「内緒で」は止めた方が良いって基本的には思っています(理由は後述しています)。

買ったばかりのソファ@pino12012さんより

ラグの裏ホリホリ@kuuuuuuuuuunosuさんより
まず、賃貸物件に「ペット不可」が多いのにはれっきとした理由がちゃんとあります。
ペットの鳴き声や臭いなどが原因で起きる「住人トラブルを避けたい」というのが第一だと、これは大家さん業を営む知人や不動産業界に携わっていた事があるという知人たちが全員そう言います。
まず、トラブル(を解決させなければいけないという業務内容)自体が面倒。
そして、家賃収入が減るような事になっては困る。
この言い方には多少の語弊もあるかとは思いますが、「平気で近隣トラブルを起こす人は自分からは退去しない、普通に暮らしている側(何も問題ない人たち)が出ていってしまう」と。
一軒の(トラブルを起こしがちな)ペット飼育者さんがそこで暮らしている事で両隣や上下の入居者さん達が全員退去してしまったら大損害を被る事になりますから、トラブルになりそうな因子を予め避けるのは至極当然の事なのだと。
また、ペット(動物)がいる物件というのは、汚れや傷み、臭いが残りやすいです。
「猫のように爪とぎをする動物ではないから」とか言われているフェレットだって普通にこんなんしますよ。

爪とぎしないけど壁紙は破ります@fruitu_to_ayumuさんより

襖も破ります♪@shiratan_latteさんより
最初からペットと暮らす事を考慮して建てられた最近の物件と、それを想定していない古い物件というのは「そもそも」が違うので、これはオフレコになりますが(仮に交渉でokを出したとしても)本音を言えば「良くは思っていない」と言った大家業の人もいます。
退去後(次の入居者さんを募集する時)の清掃など原状回復にかかる費用が桁違いなのだそうです。
トータルして(それ専用に建てた物件でなければ)大家さん的には、「費用がかさむだけだから嫌」って、極々単純明快かつ当たり前の理由がそこにはあるのです。
中には大家さん自体が動物が好きじゃないからという場合もあるのでしょうけれど、私の知人達は「動物は好きだけどそれとこれとは別」との事でした。
だから、ペット可物件は初期費用(敷金等)もそれなりだし、家賃も同じ条件の所より少し高い金額設定になっていたりするのだそうですよ。

楽しく掘りました!@francoismomotaさんより

絨毯も掘ります♪@eyk__さんより
ペットを飼いたい!交渉の仕方
動物が嫌いなどの理由でペット不可にしている大家さんの場合は100%無理なので諦めて下さい。
交渉の余地があるかどうかは仲介業者さんが把握していたりしますし、実際に大家さんとの交渉は不動産屋さんがしてくれたりする場合もあります。
いずれにせよ必ず「契約書を交わす前」に、そのお話しはしなければダメです。
契約を交わしてから「実は」と相談しても、入居は断られてお金は返ってこない(最初から契約違反を確信したうえで判を捺したのは悪質だとして一部のお金が返金されなかったという実例を知っています)みたいな事にもなりますから、必ず、契約をする前に!が鉄則ですからね。
ここからは、地域によって様々なので一概に全てがこうですとは言えませんが、少子高齢化や人口減少など昨今の事情により賃貸物件の空室率が全国的に高くなっているのは事実です。
大家さんとしても、そのまま空室にして遊ばせているよりは借り手がついた方が良いのは間違いないわけですから空室を埋めるために(大っぴらには言っていなくても)交渉次第では「ペット可にしても良い物件」を抱えていたりするのだそうです。
交渉しやすい物件
- 大家さんが直接、経営もしくは管理している物件
- 部屋数が少ない建物
- 築年数が古い
- 同じ建物内に他にも空室がいくつかある
- 駅から極端に遠い等、人気物件から外れる条件がある
- など
なんかが比較的、「そうだったりする」事が多いそうです。
交渉する内容
これは上記でも書いたそのまんま「お金の話し」がまず第一です。
そして、なんて言いますか裏技みたいな感じになりますが、もともと「交渉されたら考えても良いかな」と思っているところに
- 敷金を多く支払う
- 退出時にペットによる破損は全額負担する
等と、誠意をもってこちらからそういう話を振る事で、大家さんとしては「まぁ、小動物なら…」みたいに、そして不動産屋(仲介業者)さんも「まあ、小動物ですもんね、大家さんに交渉してみましょうか」と言い出しやすいのだそうです。
もちろん、その時には
- ご近所さんには絶対に迷惑をかけません
と、これは具体的にその例を伝える事が大切です。
例えば「匂いの対策はこうします」「散歩が必要な動物ではないから室外にペットを連れて行くことはありません(共有部分などで他の入居者さんと会うことはありません)」「鳴き声はこれくらいです」等々です。
実際にあった例

なんて届いたお話しからも分かるように「お金」なのですよ、全てが。
本来「敷金」とは大家さんに預ける保証金のことで、もしも万が一、家賃を滞納した場合の補填にあてがわれたり、一番は、「退去したあとの修繕費」に充てられる名目のものです。
先ほども言ったように、大家さんとしては物件の傷みや汚れが嫌なわけですし、退去後にかかるハウスクリーニングの経費がネックになっているのですから、この知人のように後から全額を請求される事もありますが、契約時に(敷金家賃1ヶ月分の物件で)「3ヶ月分払います」と申し出たら、あっさりオッケーが出たというお話しもあります。
若い世代の方にはよく分からない感覚かもしれませんが、私たち昭和生まれは「敷金3・礼金3+前家賃」みたいな賃貸契約が普通だった時代を過ごしてきたので、あの頃から生きている私たち世代からしたらこれは、そんなにびっくりするような交渉内容では無かったりするのですよ。
また、「家賃を月々2,000円上乗せ」する事で、ペットを飼う事を認めてもらったというお話しもあります。
が、それについては更新の時に大家さんから「もう良いですよ」と最初の金額に戻す提案があったと聞きました。
これは、その契約期間中の実績(家賃の滞納一度もなし、近隣の方に迷惑をかけない(トラブルを起こさない)、等々)で「これからも住み続けて欲しい」と大家さんに思ってもらえたからこそなのだと思います。
先ほども言いましたが、飼育の許可を出したとはいえ、本音を言えば、あまり良くは思っていないという大家さんも少なからずいる中で、そう思ってもらえるのは実にラッキーな事だと思います。
ペット不可物件である事を忘れてはいけない
当たり前の事になりますがペット不可物件には
- 動物が嫌い
- 動物アレルギー
- 等々
の理由で「ペット不可物件だからそこに決めた」という入居者さんだって当然いるのです。
だから、「内緒で」はダメなんです。
「動物がいない事」を第一条件にして、そこに住まわれている方からしたら、それは大問題です。
重大な契約違反ですから、不動産屋さんや大家さんに契約した時に支払ったお金の全額返金はもちろん、引っ越すための費用だって請求します。
「動物はいないって事だから契約したのに、動物いるじゃん、知ってたら最初から契約してません。お金を返して下さい。引っ越しにかかった費用とこれから引っ越すのにかかるお金の負担も全部お願いしますね」
って、なった時、この責任は「内緒で飼ってた」人に当然いくのですよ…
内緒で飼ってたのがバレた!どうなる?
ただバレただけなのと、上記のように、すでにトラブルが起きている場合とではまた少し違ってはきますが、ここではかなり厳しめな方のお話しをします。
- ペットはダメです(手放すように)と言われる
- 強制退去を求められる
- 罰金を求められる
これらは、複合してそうされる場合ももちろんあります。
例)強制退去のうえで、原状回復費用と契約違反としての罰金(相場は家賃の1~2か月分)両方を請求される。など
また、「(退去などの)通知は1ヶ月以上の猶予を持って」と大体の契約書はそうなっているかとは思いますが、このように明らかな入居者側の違反が原因でのそれは、「1週間以内に」等とかなり問答無用で突き付けられたりもします。
「契約違反」ですから、致し方がない事ですしそこに拒否権は無いです。
その昔、裁判までしてどうのこうのというお話しを聞いた事もありますが、嘘をついて契約をして、そのせいで周りにさんざん迷惑をかけておきながら「出ていきたくないから裁判します」って、私にはその思考回路がまったく理解できないし、そのお金でペット可物件に引っ越してあげるのがペットたちの為なんじゃないか?としか思えなかったので、そこから先のお話しは追いませんでした。
だから、どうなったのかは知らないんですけど、ここで冒頭のお話しに続けます
解釈の違い?だって良いって言ったじゃん!で強制退去
いたちのおうちに連絡があったという時点で皆さんお分かりでしょうが、冒頭の「ペット」は「フェレット」です。
他にも小動物や爬虫類を飼育していたそうですが、最初に事情を話す事になったきっかけがまず「バレたから」との事で、そのバレたきっかけがフェレットだったそうです。
運悪く脱走させてしまった事があって、その時に、ベランダ伝いのどこかのお家にいるはずとして、同じ階の全てのお家に「預かってるペットが逃げました。捕獲したら教えて下さい」的なお手紙を入れたと。
ペット不可の物件で、でも探してあげるためには、そう言うしか仕方がなかったのは分かります。
で、案の定そこから管理会社に「動物がいるなんて聞いてない」と連絡があったらしく、管理会社の方が訪ねてこられた時には「急すぎて隠せなかった」という多くのペットたちがバレてしまったと。
きっと、つらかったんじゃないかなとは思うんです。
いくら仕方がない事情とはいえ、自分の大切な愛しい我が子たちをしかもその子たちの目の前で「預かってるだけ」「すぐに居なくなるから」と説明しなければいけないだなんて…
聞いているその子たちだって傷付くと思うんです。
だから、「内緒で」はダメなんですよ、って私は思うのです。
でも、まあ、それが功を奏して「そういう事情なら…まぁ、仕方ないですね」と言ってもらえたのですから良かったのかもはしれませんが、その後がまずかった…というか、言葉の認識の違いというか何と言いますか…
彼女はそう言われた事を「許可がでた」と解釈したらしく、
- 「そのうちまとめてやろうと思って」と汚れたケージをベランダにそのまま放置して、臭いとコバエの大発生で近隣の方からクレームが管理会社に入ったらしく共用スペースにそういう貼り紙をされた
- 換毛期のブラッシングをベランダでしたり、ハンモックなどの毛をベランダでパタパタして「動物の毛らしきものが洗濯物につく」というクレームがあったらしく共用スペースに貼り紙をされた事もあった
- 等々
で、何度かトラブルを起こしてきていたらしいのですが、彼女はそれを「飼って良いって言ったくせに!」とずっとそう思っていたらしく、なんなら、「担当者が変わったんだと思う!そうやって何も分かってない管理会社の人が勝手に騒いでるんだと思ってた」って…
何て言ったら良いのかなぁ…
普通に考えたらそうじゃ無いって分かりそうなものだけど…な私の気持ち
直接、確かめたわけではないので、これはあくまでも憶測でしかないのですが私の経験上でのお話しをしますと、多分、管理会社の方も最初から嘘だと分かっていたんじゃないかと思います。
「そうやって嘘をついてまで内緒でこっそり飼っている以上、目を瞑ります(嘘に騙されておきます)から気を付けて下さいね、くれぐれもよろしくお願いしますよ」の「そういう事情なら仕方ないですね」だったんだと思うのですよ。
だって、そうじゃ無ければ、「預かってるだけとはいつまでですか?」とか、そういう話になるじゃないですか?
下手したらその場で「いやダメです」って言われる場合も当然ありますからね、これ。
それでも、上記でも述べましたように、そこを空き室にしてしまうよりは居て欲しいと思う事情もあるわけですから…
だから、「貼り紙」という処置で「あなたの事ですよ!ダメですよ!」って穏便に済ませてくれようとしてたんじゃないかなって…
だって、「分かってる」んですから、他の入居者さんからクレームがあった時にすぐに退去して下さいって言いに来なかったって事はそういう事だと、私なんかはそう思うのですよ。
(これは、大家業の知人(一人だけですけど)に確認をとってみたら「多分そんなとこだと思うよ」って言っていました。)
「内緒で飼える」がバレた時の代償は大きいですよ

たくさん噛みました♪@shiratan_latteさんより

板材も補修の壁紙も全部上手に何度もビリビリしました♪@umechinsanさんより
なぜ今日このお話しをさせて頂いているかと言いますと
最近、「ずっと家に一人でいて寂しいあなたへ」と無責任にペットのお迎えを促すサイトやショップが増えてきていたり、「学校がお休みで子供が退屈してるから」という理由でペットを見に来るお客様がいるとペットショップ店員さんのお話しを聞く機会が尋常じゃない頻度でありまして…
私が聞く限り、その対象は「内緒で飼える小動物」が最も多いです。
ペット不可の物件で「内緒で飼える」とか、本当に止めておいた方が良いんですよ。
「どうしたら良いでしょうか」と相談のあった彼女は結局、退去を命ぜられ、違約金の請求をされ原状回復費用としてその全額の請求もされたそうです。
急な引っ越し費用に違約金、さらに清掃(原状回復)費用、全ての用意はできますか?
それらが用意出来いからと言って「じゃあ、手放します(里子に出します)」とか、そんな簡単な事では無いですからね。
ペットを飼うって、ただ生体を「買ってくる」じゃないんですよ。
「命をお迎えする」って事をもっと真剣に考えたら「内緒で」どうこうとか、本来であれば有り得ない事なのですよ。
だから、そういういい加減な事を平気でいうサイトや何やらの口車に乗って簡単に「内緒で飼えるのね」だなんて思わないで欲しいのです。
私だって別に、いきなり「ペット可物件に引っ越して下さい」とは言いません。
でも、せめて、「お迎えしたいと思ったその子のために」一度はきちんと動いてあげて欲しいんです。
「お迎え前に相談」は必ずです。
ダメ元ででも必ず今の物件で管理会社や大家さんに相談をしてみて下さい。
お金が発生する場合も当然ありますけれども、上記のような場合もあるのですから、お迎えしたいと思う気持ちはきちんと順序立てて誠実に実行して欲しいのです。
知っておいて下さいね、フェレットって思ってるより「うるさい」ですよ!

ガリガリしました♪@koko_mohuさんより

ドーン!としました♪@ai_yOneさんより
今日のお写真は全てTwitterで「ちょっと貸して下さい」とフェレ飼いさん達からお借りしてきたものです。
平日の昼間だというのにものの数分でめちゃくちゃ集まりました。
皆、その手のエピソードを「持っている」のですよwwww
まず、このすぐ上の2枚、これは多分「うるさい」です。
壁がこんなになるまでガリガリガリガリ遊んでいる音って、そういう造りじゃなければ隣近所に響くんです。
また、この子たちは猫ちゃん達とは違って「物をよけて歩く」という事をあまりしません。
邪魔な物はひっくり返したり、払い落としたりして歩くんです。
それはそれでその仕草はとても可愛らしいのですけど、しょっちゅうバリバリガリガリ、バタン、ガゴン、ドカンって、まぁ騒がしいです。
で、記事の一番上にあります(アイキャッチ)画像は「フェレットのプレイルームとして大きなサークルを用意したのに、ジャンプで脱走するからネズミ返しを段ボールで作ったけど…(略)」みたいなリアルいたちごっこの途中経過の様子です。
はぁん♡可愛い
最終形態も見せて頂きましたが、「家の景観がヤバくなりました」の言葉通り、どえらい事になっていました(フェレ飼いあるあるです)。
それだけやったって、なんとか脱走を企てて、出ていった部屋のあちらこちらで繰り広げられる「楽しいね♪」が記事中に散りばめてあるお写真たちです。
もう一度、言います。
これらは、この子たちが「楽しいなぁ♪」って遊んだ形跡です。
遊びでこれらをやるんです。
注釈もつけましたが、この子たちに「爪とぎ」の習性はありません。
でも、掘るんです。
「楽しいから」
剥がしたい、掘りたい、楽しい!!と思ったらずっとバリバリやりますからね。
一度でも目を付けられたら、そこは「終わった」と思って下さい。
力持ちのこの子たちは平気で「修繕費」がかかる壊し方をしますよ。
「じゃあ、ケージにいれておけば良い」なんて安易に考えていたらそれはそれでまた別の問題が発生したりしますからね。
こちらに、フェレットをお迎えしたばかりの方からくるお悩みベスト3に常に入るご相談を置いておきます。
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可愛い我が子のだす音ですから、飼い主である自分はうるさいなんて感じないかもしれません。
が、ご近所さんにはくっそ迷惑なただの騒音です。
ちょっと厳しい言い方をしますが、「内緒でこっそり」だなんて、フェレットの飼育は不可能だと思って下さい。
今のこの状況を受けて、「じゃあペットでも」ってなってしまう気持ちも分からなくはないのですが、それだけでお迎えするのは止めて下さい。
後々になって、人間の都合で振り回される事になる命が出ませんようにとフェレットの保護活動者として祈りを込めて記事を〆させて頂きます。
お話しを聞かせて下さった飼い主さんたち、登場してくれたニョロ達みんな
皆みんな、ありがとうございました!!