ケガをした保護フェレット

思った通り「フェレットにかまれて人が死んだ」にまで飛躍した話で今起きていること、私たち保護活動者にできること

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最初からずーっと言ってきている事なので、今さらもう「知ってるよ」って呆れ顔の皆様の顔が目に浮かびますが、私は保護活動なんか全然っしたくない活動者です。

いたちのおうちがその活動主旨として掲げる一番の基本にあるのは「保護を必要とする子がいないペット社会にしたい」です。

だからそうだとは言いませんが、いつも協力してくれる個人活動者さん達、横の繋がりがある活動者さん達、皆さんだいたいその基本にある考えは同じです。

「保護しなきゃいけないフェレットがいないペット社会」を理想としたうえで

捜索メンバーさん達は「フェレットが自分でお家に帰れる生き物なら捜索なんか行かない」

預かりさん達は「外では生きていけない生き物が外にいるって言うんだもん。とっ捕まえてきてどうにかしてあげなきゃしょうがないじゃん」

身銭をきって時間を使って、足を動かし、お金を使って、皆さん「だって仕方ないじゃん」だからなのですよ…

だって、フェレットって、そういう生き物なんだもの。

誰か人の手がないと、本当にすぐ死んじゃう生き物なんだもの。

誰かが「すぐ」動かないと死んじゃうから、四の五の言ってないで、うちらは動く!ってだけなんですよ。

本当にただそれだけなんですけどね…

いい加減な報道から生まれた「フェレットに咬まれて死んだ人がいる」という誤解が一人歩きし始めた結果

詳細は前回の記事でお話しした通りなので

前回のお話
フェレットは怖くない
フェレットにかまれて感染症(蜂窩織炎ほうかしきえん)で警官が死亡というニュースについて

公務中の警官が動物に噛まれ、感染症の蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症し、17年にも及ぶ闘病の末、亡くなったという大変にいたましいニュースがありました。 謹んでお悔やみを申し上げるとともに亡くなられた方 ...

続きを見る

今日ここでは簡単な説明だけとしますが

  • 動物に咬まれた傷から感染症を起こし
  • 本来であれば速やかな回復が望めるはずの治療が効かず
  • 何年もの闘病の末、亡くなられた方がいる

それは、

  • フェレットがいると通報があって駆け付けた警察官に起きたお話し
  • その動物が本当にフェレットだったかどうかは資料が残っていないため真相は分からない

です。

ネットニュースでもテレビのニュースでも「フェレットに咬まれた警官が感染症で死亡」という表現を繰り返し使っていました。

私は昭和の人間だから「テレビ」「新聞」が持つ恐ろしいまでの影響力を嫌ってほど知っているんです。

インターネットという、報道関係者以外でも「発信できる場」を与えられた今の時代でも、それは覆らない…というか、その場で発言する人間がそうであれば、やっぱり「大手」に飲み込まれるんだと、今回、改めて痛感しました。

フェレットを少しは知ってくれていたはずの人でさえ「だってテレビで言ってたから」

この後、ショッキングな写真を載せます。

多くの方の目に偶然にでも入ってしまうSNSでは、濃い目のボカシ加工を施した今日のアイキャッチ画像を載せましたが、ここでは傷口をそのまま掲載します。

かなり痛々しい姿なので、苦手な方はこの項を読み飛ばして下さい。

でも、これが今、現実に起きている事です。

保護活動者として、「知っておいて下さい」という現実のお話をさせて頂くだけなので、ご理解下さい。

「フェレットに咬まれたら死ぬ」と思っていたらそりゃ怖いよ…

その場所でフェレットが保護されるのは、今回が初めてのことではありません。

それまで、フェレットはそういう生き物だと知って、そういう場合(外にいた)フェレットはすぐに病院でみてもらった方が良い、専門的な知識がないと死なせてしまうかもしれない、って分かってくれていて、そういう子が来たらフェレットの保護活動者に連絡をしてくれる。

そこは、そういう、「命を繋いでくれる場所」です。

あの報道があって、連絡をもらってお迎えに行った子がこちら。

ケガをしているフェレット

その場所では、この子がケガをしている事には「気が付かなかった」そうです。

体を丸めたら内側になる場所の傷。

血で毛が固まっているので、ちょうどそれが蓋のようになって見えなかったのかもしれません。

立ち上がったり、伸びたり、が普通の動作にあるフェレット。

もしかしたら、お腹が痛くてギュッと傷を隠すように丸くなって大人しくしているしか出来なかったのかもしれません。

でも、少しでも体に触ってくれていたら、少しでも異常はないかとちゃんと体を見ようとしてくれていたら…

「咬まれたらと思うと怖くて触れなかった」

…そうですか。

そうですよね。

「フェレットに咬まれて死んだ人がいる」と頭にあったら、そりゃ、フェレットが怖いと思うのは当然ですよ。

触れなくなってしまうのは仕方がないです。

だけど真相は「フェレットに咬まれたから亡くなった」じゃないから

繰り返しになりますが、何度でも言います。

  • フェレットに噛まれたら必ず感染症になるというわけではありません
  • 報道にあった方の感染症の原因がフェレットだったという事実はありません

事実をきちんと丁寧に説明するという作業を省いた報道のせいで、色んな大切な情報が抜けて、「フェレットに咬まれたから亡くなった」かのように受け取られ一人歩きし始めたあの話。

もう止める事はできません。

1つずつ、「そうじゃないんです」とコツコツ淡々と説明していく事しか私たちには出来ません。

引き出してきたこの子、病院で、血で固まった毛を取り除いたら

お腹に穴(ケガ)フェレット

こんなに大きな傷でした。

頑張ってお迎えを待っていてくれてありがとう。

生きて待っていてくれてありがとう。

先生がちゃんと治してくれるから、もう安心して良いよ。

大丈夫だからね!!

小動物には「ちょっとの遅れ」が命取りになるから

冒頭でも言ったように、私たち保護活動者は仕方が無いからだのなんだのかんだの普段は言っていますが、その時には「四の五の言っていないでまず動く」んです。

じゃないと、この子達は死ぬから。

フェレットって変に頑丈なところもあるけれど、本当に弱い弱い生き物なんです。

言ったって、小動物ですからね。

こんなに小さな体で、人間の都合や時間に合わせて生きて下さいったって無理なんです。

こちらが合わせないとすぐに死んでしまうんです。

先ほども言ったように、その場所は「命を繋いでくれる」場所です。

こんなに大きな傷がある事が分かっていたら、きっともっと早くすぐに連絡をくれていたと思います。

でも、そうじゃなかったのは気が付かなかったから。

気が付かなかったのは、フェレットが怖いと思ってしまったから。

怖いと思ってしまったのは、あっちこっちが欠けたいい加減な情報が間違った情報となって広まってしまっているから。

悔しいけど、

本当に本当に悔しいし、これがこのまま続いていったらどうなってしまうんだと怖くて不安でたまらなくなるけど、この子はちゃんと生きて待っていてくれました。

保護活動者を名乗っているならしっかりしなさい!と言ってくれてるような気がします。

コツコツやっていくしかないから

さあっ!!

さっきも言った通り、この子達を相手に四の五の言ってる時間の余裕はありません。

少しの遅れが命取りになる現場に携わる人間として、いつまでもいつまでも何かを悔んだり、責めようとしている時間は無いのです。

見て下さい!

連日の通院を終えて病院からやっと「もう大丈夫」のお墨付きをもらった、これからはもう元気になるだけですの証拠がこちら!

フェレットの傷跡

頑張れ!あともう少しで綺麗にふさがる!!頑張れ!頑張れ!

この子のこと

体重は400gとちょっとしかない小さな小さな女の子

引き出してそのまま連れて行った病院で、「壊死した傷口の一部を切開する」手術を受けました。

もっと早くに気付いてあげていたら、しなくて済んだかもしれない手術です。

頑張って手術に耐えてくれたその後はもう消毒の度にシャーシャー威嚇ができるまでに回復してくれてきています。

まだ若いと思われます。

元気になったら里親様を募集する事になるかと思います。

何はともあれ、まずは一日でも早く元気になってくれますように☆彡

おしまいに~「保護活動者」として~

私は、数あるSNSの中ではTwitterをメインに利用しているのですが、今回のこの事があってから、いわゆる「今までだったら公開しなかったような話」を「今までだったらそんな風にはしない形」で何件か投稿しました。

それらは、事実とはいえ、捉えようによっては「可哀想」な「悲惨」なお話、それをその状態の写真を付けてまでの投稿です。

それは、私たちが「してこなかった」事。

何度も言っているように、この子達には”そんな事をしている”時間はないのです。

どんなに頑張っても15年も20年も一緒にいられる生き物ではありません。

生きている間中ずっと、「楽しいね!」ってだけで幸せに生きていって欲しいと私たちが愛してやまない『フェレット』

ただでさえ、「遺棄されたと思われる子」として里親様を募集する事になるのに、その私たちが最初から「こんなに悲惨でこんなに可哀想な子なんです」と印象付けてしまったら、「楽しいね!」までに時間がかかってしまうかもしれません。

私たち保護活動者は次へお繋ぎするご縁に「可哀想だから」を理由にしたくもされたくもないのです。

ずっと幸せであって欲しいから保護活動をしているのに、遠回りになってしまうかもしれない”そんな事”は本当は今だって出来たらしたくは無いのです。

でも、もう、”そんな話”を持ってしなければ、「人が亡くなってるのに小動物のことなんかどうでも良いだろ」という一般的な認識の上に成り立つ今もう起きている様々な事態に「そうじゃないんです」と言えなくなってしまったから…

私たちは「フェレットの本当のこと」を一人でも多くの方に「現実として」知ってもらう事を優先する方に選びました。

もうすでに、フェレットの本当の事を知っている皆さんはどうかそのまま、どうかどうかそのままで「楽しいね!」ってだけでお願いします!!!

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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