アイキャッチで誇らしげなこちらの子
この子は約一年ちょっと前にお迎えしてもらっていたのですが、ちょっと訳アリでブログ記事にはしていませんでした。
「訳アリ」と言っても、何も後ろめたい事があるような「わけ」では無かったはずなのですが、「公表していない」という事でおかしな噂が流れていると聞きましたので、今日はきちんとお話させて頂こうと思います。
まず初めに、お問合せ(噂)への返信からさせて頂きます。
いくつかありましたが、総合すると
「いたちのおうちは忙しくてちゃんと面倒を見られないからという理由で疾患のあるフェレットを他の活動者に丸投げした」
「いたちのおうちは心臓病のフェレットは経験がないからという理由で先天性心疾患のフェレットを他の活動者に丸投げした」
というような内容でした。
いたちのおうちは「忙しくて面倒を見られないから/経験のない病気のフェレットだから」などを理由にする事はありません。
保護っ子をどこかへ「丸投げ」する事もありません。
この子に先天性の疾患などありません。健康状態に問題なしときちんと診断を受けた健康なフェレットです。
保護っ子の丸投げではなく、保管期間満了後の正式な里子譲渡です。
「訳アリ」の詳細は後述しますが、ざっくり言うと、本来であれば里親さんにご負担頂く医療費や交通費を私が個人として全額負担したからです。(※ご支援頂いているお金はこの子には1円も充てていません)
公表していないというだけで、なぜそんなおかしな噂になるのか理解に苦しみますが、この子はそんな憶測を持たれるような背景を持つ子では全くありませんので、今ここできっちり全てを否定させて頂きます。
里子になっていきなり大きな任務をこなした立派なチビフェレットのお話
この子は我が家のすぐ目と鼻の先いわゆる私の地元で保護されました。
お散歩中のワンちゃん達が「何かいる!遊ぼう♪遊ぼう♪」って見つけてくれたと言っていました。
そのワンちゃん達も元保護犬だそうで、捕獲主さんはそういう方です。
なのでそのまま「自分が預かれます」と警察署から一度は連れて帰ってくれたのですが、「犬がいるからでしょうか、興奮しちゃってるみたいで、ケージの中でお水や餌をひっくり返したり、トイレシートにもぐっちゃったりでずっと落ち着かないみたいなんです。どうしてあげたら良いのか…リラックスできないみたいで可哀想で…」って。
ピンときました。
この子が保護された場所は、「脱走してきたフェレット」がいるような場所ではありません。
こんな言い方はしたくないけど、わざわざ連れて行かないと、その場所にフェレットが1人で行くことは常識的に考にくい場所なんです。
(元気いっぱいすぎて持て余した遺棄かな…)
「その子、若くないですか?」
「いやちょっと…フェレットに詳しくないんで若いかは分からないけど元気そうには見えます。」
「そうでしたね。保護直後で多少は落ち着かないなどあるかと思いますが、その子の行動はフェレットのデフォルトです。ワンちゃんのせいではないですから安心してください。」とまずは保護してくださった事に感謝を伝え、預かり代行をこちらから申しでました。
彼の家まで我が家から車で数分の距離です。
「やっぱり、フェレットに詳しい人に見てもらっていた方がこの子も安心ですもんね」って、必要な手続きがあればそれは全部自分がやりますとも言ってくれた捕獲主さんは何とも好青年でした。
またか…買ったばかりの若い健康なフェレット
この子が保護された時、世はコロナ禍、あの空前のペットお迎えブームの最中でした。
その当時にはちょうどこのようなブログ記事をあげています。
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フェレットは飼いやすいの嘘 コロナ禍で変わった保護っ子の特徴 手放す人の特徴
これはあくまでも、いたちのおうちのデータでしかないのですが、少し前までは「引き取って欲しいと持ち込まれる子」も「外から保 ...
続きを見る
写真でお分かりの通り、この記事のトップ写真も記事中の写真も今日のこの子です。
記事にもあるように、この当時はとにかく「若いフェレット」の保護が続きました。
例にもれずこの子も保護した時点で生後約半年(※この子はマーシャルフェレットなので、見た目からの推定年齢ではなく、お誕生日は正確な日付です)。
私はそのために里子にしたんじゃない/僕はそのために里子になったんだ!
譲渡前の健康診断で「心臓にちょっと雑音が聞こえるけど、これは無害性雑⾳(※若齢の動物では血流速度が速いため、生理的な雑⾳がきこえることがあります)だろう」と言われました。
里親候補者さんにその旨をお伝えしたら、「こちらでしっかり検査をするのでそれ以降の精密検査は必要ありません」と何とも頼もしい一言を頂き、それでは精密検査以降をお願いするので、それまでにかかった医療費は私が負担しますね。で、あとはお引き渡しの日を待つばかり。
譲渡が決まったお話をしたら最後に捕獲主さんも「良かったね、元気でね」って会いに来てくれました。
その捕獲主さんのお名前をもらって「なると」としていたこの子の名前はお迎え後すぐに「うちの子として也(ナリ)にしました」って報告をもらいました。
保管期間満了まで心待ちにしてあれこれ前もって準備をしてくれていたのでしょう、マーシャルフェレットの登録など譲渡後に「今から手続きにかかります」と伝えた時には「こちらでもう済ませました」って、どれほどその日を待ちわびて過ごしてくれていたのか分かります。
これは本当に偶然というか奇跡のようなタイミングなのですが、保管期間満了日から数日後は里親さんのお誕生日で、「我が子として迎えるのはどうしてもその日にしたかった」との事でしたので…まさに運命だったんだなぁって思います。
事務的な諸々の手続きも早かったのですが、「精密検査してきました」の報告もすぐでした。
その時には「動的右心流速路閉塞による機能的な心雑音だったのではないか」とされたそうです。
この動的右心流速路閉塞とは生体が過剰なストレスを受けた際や、心拍数増加効果のある薬を使うなどして交換の緊張が亢進されると左心の収縮率が上がってしまうことにより、右心から肺大動脈への流速が阻害されてしまうために生じる雑音のことです。
これは心拍数が落ち着いている時には聞こえないというのがその特徴で(例:家では聞こえなくても病院で緊張している時には聞こえる等)、獣医さんはそういう点に注意して聞いているんだって私も以前さすけの心臓のことで獣医さんにそう教えてもらった事があります。
この子も長距離の移動、まだ環境の変化から数日である事などからそう言われたうえで「心臓エコーなどでも異常なしのお墨付きをもらいました」とそれはそれは嬉しい報告でした。
保護っ子ちゃんの輸血に協力(供血)!
精密検査の報告をもらったわずか数日後、突然「謝らなきゃいけないことがある」と深刻そうな声で電話がきた時には何も予想がつかずただ心臓が(私の)バクバクなりました。
「ナリをあsdffhjfgに使った」
「え?なんですか?」
「ナリを供血に使わせてもらった。そんなつもりで里子にお迎えしたわけじゃないけど、お迎えしてこんなすぐにそういうことに使って申し訳なくて…」って、ちょっと泣いているようでした。
なんで泣いてるのか、何が申し訳ないのか意味が分からず、もしかしてそれでナリくんの体に何かあったのでは?と思い、黙って詳しく聞いていると、
ずっと闘病中だった彼女の家の保護っ子ちゃんが急変して輸血が必要になった。
だから、ナリの血を使った。
私に申し訳ない。
と…。
その子の容態が安定している事とナリくんは元気にピンピンしている事を確認してから、「使ったなんて言い方はしないで下さい、ナリくんが可哀想です。ナリくんはお母ちゃんの、その子の、役に立てて嬉しいと思ってるはずです。私に申し訳ないの意味も分からないです。闘病中の子の急変で動揺して気弱になってるだけだと思いますが、考え方がおかしな方にいってますよ、しっかりして下さい」って、私は言いました。
なるととして我が家にいた時のナリくんは誰よりも元気なヤンチャ坊主。
一番若くてチビ助だけど赤ちゃん扱いするとムっとして、何でも体の大きな他の子と同じ事をしたがる勇敢な子。
そんなナリ君だもの、「僕はこのために来たんだぞ!」って可愛いドヤ顔で誇らしげに言っているに決まってますからね。
供血とは
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フェレットの輸血【供血に協力】何をする?条件は?犬・猫の場合を参考にしてはいけない理由
まだまだ一般的には馴染みの浅い「フェレットの供血」について多くの経験談を募集し実際のお話をまとめました。輸血が必要になる ...
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まとめ
というわけで、こちらの子に関するお話は以上とさせて頂きますが、この子は彼女から「ナリは私にとって人生最後の誕生日が分かる健康な若い子、大切にします」と嬉しい言葉をもらっています。そうやって、望まれて望まれてお迎えされた子/「お母ちゃんのお手伝いをしたんだ!」って(きっと誇らしげに)元気に過ごしている子、だとご安心頂けましたでしょうか?
今日(12月5日)はこの子が正式にずっとのお家へお迎えしてもらってから2回目(2才)のお誕生日です。
お読み頂いている皆さま、どうぞ「おめでとう」と祝福をお願いします。
いたちのおうちはこれまでもこれからも、いかなる理由があろうとも「丸投げ」なんてしません。
保護されるフェレットがでないペット社会を目指し、一つ一つの活動に真摯に向き合っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡