little patchさんの写真(フェレット)

もずくちゃん(little patch)

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フェレットの病気

フェレットのアレルギーとは?原因・症状・予防法

2017年11月20日

このお話しは「フェレットアレルギー」についてではありません。

「アレルギー」と言われる物については、人も動物たちもその定義は変わりません。

そういう意味では、少しは色々な方に参考にして頂けるかとは思いますが、あくまでもここは「いたちのおうち」です。

フェレットアレルギーを起こさせる原因その他についてのお話しです。

「ペットを飼ったらアレルギーになってしまった」みたいな方(人)は、お近くのアレルギー科がある病院でご相談下さい。

「動物アレルギーでも飼える動物」をお探しの方は爬虫類や熱帯魚や金魚などを扱う所で相談されると良いんじゃないかと思います。

「フェレットを飼い始めたら、アレルギーになってしまった。だからもう飼えない」という状態の方は、個別にご相談頂ければと思います。

間違っても、パッとその手を放したりしないで下さい。

この子達は人の手が無いと生きていけません。

きちんと相談に乗らせて頂きます。だから、絶対に、「誰か良い人にもらわれますように」だなんて公園やその他の適当な場所へ置いて来たりしないで下さい。

それだけは止めて下さい。お願いします。

天使のフェレット
動物の遺棄は犯罪だからじゃない!フェレットをその辺に置いていかないで!捨てないで!野生では生きていけないからでもない!この子達は人の手が無いと死んでしまう生き物だから!

買い物に行く途中公園の中心に小さな小さなキャリーバックを見つけました。まさかと思い開けてみると小さなフェレットが亡くなっていました。多分何日も独りぼっちで飼い主を待っていたのかと思うと涙が止まりません ...

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アレルギーとは?

どんな生き物(動物)でも、その体の仕組みとして

体内に異物が侵入したら、それを自力で排除しようとする「力」を持っています。

この「力」の事を「免疫(力またはシステム)」と言います。

本来であれば、それは、その「体を守るため」の仕組みなのですから、「病原体」や「外から入って来た異物」または「体内にできた異物」などを排除するためのシステムです。

ところが、これが、

「アレルギー反応を起こす」という状態の場合は、本来は無害であるはずのものに対して、それを排除しようと、過敏に、過剰にそのシステムが稼働してしまう事を言います。

アレルギーを引き起こす原因となるその物質の事を「アレルゲン」と言います。

アレルギーの仕組み

  1. アレルゲンが体内に侵入する
  2. 免疫システムが抗体IgEを作る
  3. IgEが白血球(肥満細胞など)に結合する
  4. 再び侵入してきたアレルゲンが「3.」とくっつく
  5. 「4.」が、かゆみなどを起こす物質を作りだす

アレルゲンに最初に接すると、免疫システムはIgEという抗体を作ります。

このIgE抗体がアレルギー症状を起こす原因の1つである肥満細胞や好塩基球と呼ばれる白血球に結合すると、次にアレルゲンが体内に入ってきた時に、これらの細胞が反応し、かゆみなどの症状が起こります。

これが、アレルギーの大まかな仕組みとされ、

食物アレルギーやアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などはⅠ型アレルギーに属し、接触性皮膚炎などはIV型アレルギーに属します。(IV型アレルギーとは、アレルゲンの情報を得て活性化されたT細胞とアレルゲンが結合して周囲の組織に炎症などを起こすものを言います。)

それらアレルギーの詳細なお話しはこちら(管理薬剤師.com:アレルギーの種類※人間用)など参考にして頂ければと思います。

同じく(人間用ですが)、T細胞についてはこちら(九州大学生体防御医学研究所 感染制御学分野 吉開 泰信先生の論文「免疫・アレルギーの理解のためのT細胞学」)をお読み頂ければと思います。

フェレットの肥満細胞については、こちらでもチラリとお話しさせて頂いた事がありますので、参考にして頂けたらと思います。

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この子達は、食物アレルギー、ノミアレルギー、接触性アレルギー、ワクチンによるアレルギーなどが「アレルギー症状」の症例として多くみられますが、これらは、原因物質を取り除くことで防いであげる事が可能な場合が多いです。

是非、しっかり覚えておいてあげて欲しいと思います。

※以下はあくまでも「そういう例が多い」と言われている物だけです。当然、これら以外にもその原因となるものはありますので、くれぐれも油断しないで見ていてあげて下さいね。
アタチはなこ
アタチはなこ

食物アレルギー

  • 大豆
  • 小麦や大麦などの麦類
  • トウモロコシ
  • 鳥肉

などが、フェレットの食物アレルギーの原因として「多い」と言われています。

「鳥肉」と一口で言っても、ある特定のメーカーのそれだったり、ある一種類のオヤツがそれだったり、とされる場合が多く、詳しく聞いてみると、「鳥肉が全部ダメって事では無い」ような感じを受けます。

原因特定の仕方

原因となる食材を見付けるには、まず、いつもと違う食材(フード)だけで食事メニューを構成して、約2ヶ月間くらいそれを続けます。

この子達の突然のフードの切り替えは難しいとされていますが、

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この場合は「徐々に」ではダメです。

頑張って、それまでに与えた事の無い食材(フード)に一気に切り替えてあげて下さい。

ラムやターキー、鹿肉やナマズなどを使ったアレルギー対応のフェレットフードはきちんと市販されています。

「鳥肉」が疑われる場合は「鶏肉(チキン)」は基本的に最初から避けてあげて下さい。

そうやって、2ヶ月程度の時間をかけてゆっくりと体内をリセットし、いったんアレルギー症状が完全におさまるのを待ってから、以前に与えていたフード(食材)を一種類ずつ与えてみて、どの食材(フード)でアレルギーが起こるかを確認します。

こうすれば、ご自宅でも、正確にアレルゲンとなっている食材(フード)を見付けてあげる事が出来ます。

そこでアレルゲンの特定が出来たら、それからはまた、それを含まないフード(食材)で色々なご飯を「美味しいね♪」って、楽しませてあげて下さいね。

原因の特定はしなくても

複数種類のフードをあげている場合などは2ヶ月単位くらいで一種類ずつ与える方法で「分かってあげる」でも良いと思います。

上記の方法は「体内をリセットさせて」「特定する」方法ですので、それぞれ飼い主様の考え方や、やり方で工夫して「美味しいご飯」を決めてあげて下さいね。

食物アレルギーのお話しに欠かせない「グルテンフリー」につきまして、その詳細は『グレインフリーとグルテンフリーの違いを正確に説明できますか?』など参考にして頂けたらと思います。

ノミアレルギー

「ノミに刺されて痒い」のは当たり前です。

それは「アレルギー」とは言いません。

ノミアレルギーとは、ノミの唾液などにアレルギー反応を起こしてしまう事を言います。

この場合、皮膚に噛み跡が残る以外の「発疹」をみます。激しく痒がり、脱毛してしまう事もあります。

すぐに病院へ連れて行き、ノミの駆除とともに、痒みや炎症を抑える治療(投薬)を開始してあげて下さい。

その後は定期的にノミの予防薬投与で、アレルギーの予防をしてあげて下さいね。

接触性アレルギー

アレルゲンとなるものが体に接触して起きる、皮膚に見られるアレルギーです。

  • カーペットの化学繊維
  • フローリングのワックス
  • ハンモックを洗った時の洗剤
  • シャンプー剤
  • 毛艶をよくするスプレー
  • 虫よけスプレー
  • 等々

実に様々なものが考えられます。

発症してしまった痒みや炎症は速やかに治療を受けさせてあげる(投薬で抑えてあげられます)とともに、1つずつ検証していき、アレルゲンの除去に努めてあげて下さい。

「洗剤」については、こちらなども参考にして頂ければと思います。

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ワクチン接種によるアナフィラキシー型アレルギー

ジステンパーワクチンの接種などで急性のアレルギー反応を起こす事があります。

その詳細はこちら『ジステンパーワクチンのアナフィラキシー・副作用とは』等を参考にして頂けたらと思います。

ワクチン接種後は、すぐに自宅へ帰らず、その場で少し様子を見てあげていて下さいね。

花粉症

こちらは、実例として、経験者さんからの生のお話しになります。

知り合いロゴ
知人
かつて我が家には、アレルギーの一つである「花粉症」のフェレットがいました。
鼻を真っ赤にして「ぶしゅん! ぶしゅん!」と、自分自身がぶっ飛びそうな勢いでクシャミしてるので、あまりに可哀想で獣医さんに連れて行ってあげたら、どうもヒノキ花粉にアレルギーがあるらしい、とかで、ニンゲンと一緒に抗ヒスタミン剤を飲むハメになりました。
フェレットにマスクをしてもらうわけにも行かず、空気清浄機を最強にして、どうにかこうにか乗り切った覚えがあります。この子たちのアレルギーにも、ほんとにいろいろありますね。

確かに「マスクで予防」は無理ですもんね(想像したら可愛いけど)

今は野生の動物たちでも花粉症になる時代ですからね。

しっかり気にしてあげていかなきゃって思います。

大変に参考になるお話しをありがとうございました。

治療法

なによりも、アレルゲンを取り除いてあげる事が最優先です。

病院での治療は、症状に合わせて、痒みを抑えるための抗ヒスタミン剤やステロイド剤の投与、

掻き傷や炎症からの二次感染を抑えるための抗生物質などの投与が一般的です。

予防法

何に対するアレルギーがあるのかを発症前に全て知っておくという事は出来ません。

これは、希望すればその検査が受けられる人間の場合も同じで、現在のアレルギー検査では、まだ、持っているアレルゲン全てを一度に特定する検査は無いのです。

今あるアレルギー検査というのは、「これに対するアレルゲンがあるんじゃないか?」という、あくまでも、疑わしい物質に対して、アレルギー反応を起こすか否かを判定する検査でしかありません。

特定できるまでには、それなりに時間がかかる場合もあるし、その分だけ費用も当然かかります。

人間でさえそうなのですから、この子たちに対するアレルギー検査というのはより困難な作業となります。

それは例えば、血液検査でリンパ球の比率などに異常があった、原因不明の体調不良が続く、などでアレルギーの疑いがでた場合、そこからは上記で述べたように、食べ物なのか接触性のものなのか、とにかく「一種類ずつ、その可能性を潰していく」しか現在(2020年)までまだその方法はありません。

「検査結果には責任は持ちません。正確性についてはもはや”する理由がない”検査ですので」とまで言われても、ワンちゃん用のアレルギー検査に回してもらったという飼い主さんのお話しを聞いた事がありますが、それくらい「(フェレットでの結果が)正確かどうかは分からない」血液検査ならあります。

その検査は2018年から猫ちゃんも対象になったようなので、動物病院で聞いて頂けたらと思いますが、どの子もいつでもその検査が可能であるとは限りません。

これはフェレットだけに限った話ではありませんが何度も書いているように「一度の血液検査でアレルゲン物質の特定をするのは不可能」です。

だから、アレルギー症状がみられないかは、日常生活の中で(突然の嘔吐や執拗に痒がったり、不自然な脱毛は無いかなど)を注意して見ていてあげて欲しいのですが、もし、アレルギーの症状が出ても、慌てずに!

獣医さんと相談して、その症状の治療にあたり、可能な限りアレルゲンとなるものの特定を日常生活の中で探しながら除去してあげられるよう努めてあげて下さいね。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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