前回、前々回と「ダイエット」という題材で、この子達の体についての事を巷によくある勘違いや誤解なんかと絡めてお話しさせて頂いたのですが、
「ずっと勘違いしてた」
「成分を見て、何がダイエット(肥満対策)なんだろ?って不思議に思ってた」
等のコメントを頂きました。
あぁ、やっぱりそうだったんだ…
それこそが、私の最も言いたかった事と言いますか、世の中には、私も含め多くの方が「なんとなくしか理解していない事」って、意外とたくさんあるんですよね。
でも、それはそれで、別に構わないって私は思っているんです。
大概の事は「なんとなく理解してれば」それで良かったりもしますから。
ただ、私が怖いのは、それを「もっともらしく適当な話にこじつけて話す人がいる」+「その適当な話を鵜呑みにしてしまう人がいる」って事の方なのです。
「なぜ人はフェイクニュースに踊らされるのか」みたいな実験と検証が、どこかの研究であったのですけど、人の脳というのは「受動的に与えられた情報より、自分で「調べる」という動作を行った後に目に入った情報の方を『正しいと思い込みたがる』ように出来ている」んだそうです。
この「調べるという動作」というのが実に厄介で、図書館へ行ってとかそんな仰々しい動作ではなく、スマホでちょっと検索をかけてみる、いやそれどころか、Twitterを開いてちょっとスクロールしてみたただけでも、「手を動かした」事を脳的には「調べる動作」と認識するんですって。
まぁ、テレビや何かが必ずしも正しい情報を提供しているという訳でもなくなってきている昨今ですから、余計に「自分で調べたからこれが正しいに決まってる」フィルターがかかるのは致し方が無い事なのかなぁ…なんて思ったりもしますが、それじゃダメなんですよ。
なんとなくな理解でボンヤリと上手くいっていた事
と
間違った情報を正しいと誤認して上手くいかそうとしている事
では、まったく意味が違ってきますからね。
なので今日は、間違った情報を一生懸命仕入れるくらいなら、なんとなくでいた方が「正しい飼い方に近い」場合が多々あるってお話しをさせて頂こうかと思います。
もちろん、色んな事を調べて参考にするのはとても良い事です。
ただ、そもそものそれがあやふや(適当な情報)だと、正しい答えにたどり着かないんですよ。
それなのに、そっちを信用したがるのは危険ですよ!なんとなくで選択している事の方に自信を持って良いんですよ!って、自信を持って子育て(飼育)を続けて下さいってお話しです。
フェレットに炭水化物はダメって何が?「炭水化物」が何か分かって言ってますか?~生兵法は大怪我の基~
生兵法(なまびょうほう)は大怪我(おおけが)の基(もと) 少しばかりの知識や技術は、それに頼ったり自負したりして、かえって大失敗をすることのたとえ。 生兵法は大疵(おおきず)のもと。
つい先日、「ペットフード」のお話しの場で、狂信的且つペラッペラなグレインフリー教の信者というに相応しき方の有り難い説法(?)を耳にする機会があったので、今日はそこから持ち帰り本物の方々から教えて頂いた「炭水化物」についてお話しをさせて頂こうと思います。
フェレットにも「炭水化物の摂らせ過ぎはよくない」とされています。
確かに、このブログ記事内のどこかで私も、インスリノーマや尿石症の原因の1つとしてそれを避けている飼い主さんもいますというようなお話しをさせて頂いた覚えがあります。
そこでの表現で誤解を招いているとは思いませんが、それらは「炭水化物を0にしろ」という話しではない事だけ今ここで改めて加筆しておきます。
そしてまた、私自身も、それらが多く使用されているフードの時にはなるべくグレインフリーのフードと合わせて与えるようにはしています。
ただしそれは、炭水化物0を目指しての事ではありません。
この子達に炭水化物を全く摂らせてあげない食生活を続けると下痢の原因になるという事(下痢は体力を奪うし脱水症状を起こすなどするので下痢が続く状態はなるべく避けてあげなければいけません⇒脱水状態から急性腎不全を引き起こしてそのまま多臓器不全で亡くなってしまった子のお話し)
また、炭水化物を単なる糖質とだけ捉えて、糖質は悪でしかないとするのは正解ではない事などをペラッペラなりにでも多少は心得ているからです。
そんなこんなな「考え方」の参考にして頂けたらってお話しですから、どうぞ気軽に「あぁ、そういう考え方もあるのね」ってくらいにお読み頂けたらと思います。
グレインフリーとグルテンフリーの違いを正確に説明できますか?
一般的に「グレイン」とは、広い意味での穀物を指す言葉ではありますが、ペットフードにおいてのグレインとは主に「イネ科穀物(米や大麦、小麦、トウモロコシなど)」を指します。
すなわち、「グレインフリー(穀物不使用)フード」といのは、そのイネ科穀物を使っていないというだけで、「イネ科穀物を他の穀物・穀類に置き換えたフード」の事をいうのです。
ちょっとこちらをご覧下さい。
このイモ類、例えば「じゃがいも」は食品として分類すると「穀物に準ずる主食となる農産物」として、野菜でも穀類でも無いっていうややこしいポジションではあるのですが、
さきほど言ったように「広い意味での穀物」とした場合は、豆類もイモ類も穀類です。
が、「グレインフリーとしたときのグレイン」には含まれないんです。
ん?どういう事?何が基準でそうなってんの?ってなりません?
昔の私はなっていたんですよ。
だから今でも「ややこしいなぁ、知らんがな」って平気でそんな風に言いきって話を終わらせたりしています。
そして、多分なんですけど、私と同じように、この辺りの事が、こんがらがってるまま(私より)分かってないんだろうな…って状態で話をされている方を時々(上記のような現場では特に)見かけるのですが、
これってね、日本の農業的な分類と食品としての分類とか、その成分と栄養素なんかも分かってないまま、そこに「海外では」を持ってきてゴチャゴチャにしたまま
適当に「ペットフードでは~」だなんてもっともらしく語っちゃってる人がまき散らしまくってるペッラペラな情報が氾濫してるからそうなっちゃってるってだけなんですけど、だからその
って、冒頭の件になるわけで…
要するに、巷でよくある誤解「グレインフリー=穀物の一切が不使用(=炭水化物0)」ではないって事です。
イネ科穀物ではないってだけで、イモ類やマメ類などを使うって言ってるんですから、「はじめっから炭水化物0だなんて誰も言ってませんけど?」って大前提からズレちゃってる人がいるから驚いちゃいますよ、いや本当に…
でもってお次は、「グルテンフリー」についてのお話しをさせて頂くわけですが、このグルテンというのは、小麦などの麦類に含まれているたんぱく質の一種を指す呼び名です。
その説明をするのには、「なぜグルテンフリーと呼ばれるフードが開発されたか」をご説明させて頂くと分かりやすいかなって思うので、ちょっとそちらをお話しさせて頂きますと…
グルテンフリーのフードが開発された背景
昔は、我々人間に対してもそうでしたが、「アレルギー」というものにとても無頓着でいられました(語弊あり)
でもって、ペット(動物たち)の消化の仕組み等の研究もそんなには進んでいませんでした(語弊あり)
それらをきちんと専門の研究者たちが研究を進めてきてくれた結果
- 元々が肉食動物であるペット達には肉食獣特有の消化が苦手な成分があることが分かった
- 動物たちにも皮膚疾患や下痢などの症状を伴う食物アレルギーがあることが分かった
- 人間と同じように血糖値に作用する物質があり、それらが肥満や糖尿病の原因になる場合があることが分かった
- などなどが分かった
から、それらを「代替する必要性がある事が分かった」からです。
要するにそれら対策として、グルテンフリーのフードが開発されたのです。
「炭水化物」イモ類の栄養成分の話し…プロにかかるとこうなる
グレインフリーとグルテンフリーがゴチャゴチャになってるままでも、その大半が「叩きたい」その矛先にあるのが「炭水化物」なわけですが、その炭水化物についてのお話しをちょっと、プロらの会話をそのままお聞き頂こうと思います。
私のとんちんかんっぷりも合わせてご覧下さい。
お分かり頂けますでしょうか?
これペットフードにイモ類が使われているってただ「じゃがいも」の話しをしているだけですからね?
この会話を全て瞬時に理解できたという方には「さすがですね」と言わせて頂くにとどめますが、2回読み直した、ちょっと意味が分からないなどのあなた!あなたに言いたいのは「それで良いんですよ」です。
この会話をそのまま載せたのは、全てのそれらを「炭水化物」とひとまとめにしてその全部を悪者扱いする事の危険性(浅はかさ)をお分かり頂きたかっただけなので、全部をスッキリ理解して下さいって事では無いですからね。
一応…糖質についてのお話しや、肝臓を使いっぱなしにするとどうなるかみたいなお話しはこちらの記事の中盤くらいにありますので、その詳細はそちらでご確認頂けたらと思います。
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まあ、とにかく、こういう…我々一般人には「ちょっとよく分からない」会話を平気でしている人達がこの子達が口にするもの、いわゆるペットフードやサプリメントを開発をしてくれているんです。
言ってる事はよく分からなくても、そういう人達が開発を手掛けたそれを信じて手にするのは何も間違っていないって事がお伝えしたいだけなんですけども…
まとめ
冒頭でもお伝えした通り、「もっともらしく語る」人というのはたくさんいます。
ネットで調べた結果の「それが正しいと思い込んでしまう事」は日常にあふれているんだと思います。
ですが、そのせいで、せっかく目の前にある「プロが作ってくれた良い物」を疑って避けて、よく分からないまま自己流に走ってしまう状態が私は実に怖い事だなって思うんです。
分からない事はきちんと調べる。
これは正しいです。
ただ、その時、片っ端からいちいちその全部の専門家や研究者のようになる必要はないんです。
っていうか、そんな簡単に誰でもがそんな風にはなれないんです。
だから、その道のプロがちゃんと存在しているのですよ。
この子達の体に関わる事を、なんとなくな生兵法で行ってはいけません。
なんとなくな理解ででも「正しいものを選べる」飼い主さんでいて下さい。
なんとなく分かった気になってあみだした自己流で間違った答えの方へ進んでいってしまう事がないように、何か困った事や分からない事は「きちんとした専門家に任せる」を選ぶようにして下さいね。
どんな時でも「その子の体を見る」あなたのその目を惑わせるよく分からない多すぎる情報をシャットアウトする事も必要だって知っておいて下さいね。
※「お肉だけ」は栄養不足です
「肉食動物にはお肉をあげれば良い」と簡単に言う方がいますが、人間用に精製されたお肉だけでは全く栄養が足りません。
そのお話しの続きはこちら
健やかなニョロニョロ生活を☆彡