人間と同じように、この子達の「肥満」は「だから病気」という事ではありません。
ただ、正常の範囲を超えた肥満状態は、さまざまな病気の要因になったり、時には、某か(病気やケガの時など)の治療に支障をきたす事があります。
ポッチャリニョロリンも可愛いけれど、少し気を付けてあげた方が良いかなって思うニョロリンに何度か出会った事があります。
この子達は、自分で満足したら食べるのを止める事が出来る賢い生き物なので、「フードのあげすぎ(食べすぎ)」で太る事はあまりありません。
いつでも食べられるようにフード皿には美味しいご飯をたっぷり用意しておいてあげて下さいね。
主な肥満の原因は
- オヤツのあげすぎ
- 運動不足
- 体質に合わないフードを与えている
などとされています。
市販のフェレットフードを適切に与えていれば問題は無いはずなのですが、時々、耳にする
「シニアのニョロリンに若い時と同じフードを与えている」
実は、これが、あまり良い事では無いのです。
「それまであげていた、食べなれたフードを好むから」という気持ちも分かりますが、シニアになってくると、運動量も減ってきますし、人間と同じように代謝も落ちます。
成長期のニョロリンに合わせて作られたフードはシニアニョロにはカロリーオーバーになってしまいます。
歯や顎も老化で弱くなりますので、カリカリの硬さの事など、色々な面から考えても、年齢に合わせたフードの切り替えは、なるべくなら適正に行ってあげて欲しいと思います。
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フェレットの肥満「おでぶニョロリン」
肥満は心肺機能への大きな負担となります。
メタボ検診で引っかかった人間と同じで、糖尿病や肝臓疾患などその他の疾病を引き起こしやすくなると言われています。
※フェレットが糖尿病を自然発生する事はほとんどありません。
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軽度の肥満でも運動能力が低下してケガをしやすくなります。
お腹がつかえて歩くのを面倒臭がったり、お腹が床に擦れるのを嫌がってまったく動かなくなってしまっては、そのままどんどん太っていってしまいます。
ちょっと動くだけでも関節への負担も増えてきます。
毛づくろいがしにくくなるから毛並みが悪くなったり、痒いところに足が届かなくなったら、ポリポリも出来ません。
人間だって痒いのに掻けなかったら、それは相当なストレスです。
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私は、若い頃ちょっとした軽い事故が原因で、後にきちんとした病名がつくまで約5年以上もの間、病院を何度も変えて、その都度、 ...
そうならないように、気を付けてあげなければいけません。
また、某かの検査でエコーが見えなかったり、手術で麻酔を使う時(これは適正体重であっても心肺機能には充分な注意が必要ではありますが)「肥満体は麻酔にかかりにくく、覚めにくい」等という、我々人間と全く同じ理由で
太っちょニョロリンは「リスクが高い」とされています。
「適正体重」を意識してあげて欲しいと思います。
肥満(太っちょ)の見きわめと適正な体型
そんな事を言ったって「適正体重ってなんやねん?」ってなりません?
私はなります。
人間用にはこんなサイトがあるようです。
ちょっやってみましたらば…私は「BMI 21.77」で普通体重でした。
本当に?!
私、どう見ても、かなりのポッチャリ系ですけど?!
まあ良いか。
人間でいうこのBMI(ボディー・マス・インデックス)とは、体重と身長の関係から人の肥満度を示す体格指数です。
動物たちには、そのように人で行われるような計算方法は適用できません。
ニョロリンが肥満かどうかは、体重の数値だけでなく実際の体格や筋肉、脂肪のつき具合で判断します。
同じ体重だったとしても、
筋肉質でガッチリしているニョロリンは「良い体格」ですし、
皮下脂肪が多くてブヨブヨしていたら「おデブちゃん」という事になります。
動物達には、
その、目で見た状態と手で触った状態によって脂肪のつき具合(肥満度)を評価する「BCS」という指標があります。
BCS(ボディコンディションスコア)
こちら
⇒環境省:動物の愛護と適切な管理(パンフレット等)「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」
よりお借りしてきました。
猫のBCS表です
フェレットのそれをみる時には、動物病院などでも、こちらが参考とされる場合が多いです。
ちなみに、
ロイヤルカナンの公式サイトでは9段階に分けていました。
こちら
出典⇒ロイヤルカナン:猫と冬の肥満の基礎知識
細かいし詳しくて良いかな。っとも思いますが、授業で習ったのも研修で使われるのも上の5段階の指標が一般的なので、参考にされる方は、どちらでもお好きな方をご確認下さい。
それは本当に、どちらでも構わないと思いますが、ご家庭でも是非、こういった事を少し日常のお世話の参考には、なさって頂きたいと思います。
見てあげて欲しいところ
- 顔や四肢に脂肪が付きすぎていないか
- 脇腹にヒダが出来ていないか
- 腹部が垂れ下がっていないか
- 肋骨に触れるか
これらのチェックで「あやしいなぁ」が1つでもあれば、「肥満傾向」を疑って、検診の時などにでも先生に相談してみてあげて下さいね。
おデブちゃんを解消してあげよう!肥満への対応と注意点
適切な食生活と充分な運動で普段から、「太らせない」ように気を付けておいてあげて欲しいと思います。
ちょっとポッチャリが気になるという飼い主さんは、ダイエットを始める前に、まずは、病院で健康診断を受けさせてあげて下さい。
「お腹がポッコリ」の裏には、脾臓の腫大があったり、腹水が溜まっているなど、治療が必要な病気がひそんでいる可能性があります。
くれぐれも勝手な自己判断はしないであげて下さいね。
食生活の見直し
絶対にやってはいけないのは、食事の回数を減らすなど
「絶食によるダイエット」です。
この子達は体質的に胃が空っぽの状態が長く続くと胃炎を起こしやすくなります。
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今日のお話しは きちんとした獣医学に基づくものに私がアニマルコミュニケーションを勉強している中で 少しずつ教えてもらって ...
また、低血糖を起こしたり、脂肪肝になってしまう恐れもあります。
⇒『飢餓状態は脂肪肝を作る』
低血糖の状態が長く続くのは命の危険があったり、後遺症が残る場合だってあるんです。
絶対にダメです。
食事の回数を減らす事と同じくらい、止めてあげて欲しいのは
「食べ物の質を落とす事」です。
良質の動物性たんぱく質と脂質を含むフードをきちんと与える事は守ってあげて下さい。
大体はオヤツのあげ過ぎだったりしますので、そういう「フード以外の物」での改善で充分だったりします。
ローカロリーのダイエットフードも今は簡単に手に入りますし、かかりつけの獣医さんにそういう事も含めて相談されると良いんじゃないかと思います。
もちろん、シニアにはシニア用のフードをあげて下さいね。
放牧時間の見直し
充分な放牧時間を作ってあげて下さい。
ゆっくりスンスン散策をして回るのが好きなニョロリンもいるし、ヒャホーイとひと暴れして満足してしまうニョロリンもいます。
それは、その子に合わせた自由な時間で全然構わないのですが、ダイエット目的の放牧の時には是非とも、
あなたが一緒に遊んであげて
強制的に楽しく運動量を増やしてあげるのが一番良いんじゃないかと思います。
多頭飼育のお家でも、「いつもニョロ同士で遊んでるから」とか言わないで、普段通りの運動量では、その子の消費カロリーが足りていない(摂取カロリーに対して少なすぎる状態)という事を頭にいれて、率先して、あなたが強制的に楽しんで遊んであげて下さいね。
たくさん遊ぶという事はそれだけ体力にも余裕が出来てくるという事なので良い事尽くめなんですよ♡
季節によって変わる体重の変化を知っておこう!
定期的に体重測定をしてあげていると、何かの時にも安心です。
病院へ行く時などに体重の変化を伝えると問診の参考にもなりますからね。
ベビ太り時期を過ぎて大人痩せして落ち着いた体重も、一年を通して、「冬よりも夏の方が落ちる」ニョロリンが多いです。
去勢手術をしていない男の子の中には、「冬は夏よりも40%近く体重が増加する」事もあるそうですが、それも正常な体重の変化とされています。
避妊去勢手術をしているフェレット達では、そこまで劇的に変化をする事はあまり聞かれませんが、それでも5~20%くらいの増減が「一般的な正常の範囲」とされています。
個体差を知っておこう
とは言っても、
「ほとんど変わらない」という話を聞いた事もあるし、
「夏の方が太る」というニョロリンがいる事も知っています。
「一般的な正常の範囲」から外れてしまっていても、どちらも「健康」なニョロリンです。
それは、それぞれのかかりつけの獣医さんに、きちんとお墨付きを頂いている事です。
その子達は、それで良いんです。
「その子の体質」なのですから。
夜ごはんをちょっと軽めにしただけでも翌朝には1kgくらい体重が落ちるという人もいれば
ひどい風邪をひいて一週間くらいまともに食事がとれなかったのに1kgも減っていない私もいます。
それぞれなのです。
だから、「その子」を知っておいてあげる為にも一か月に一回くらいは体重測定をしてあげて欲しいと思います。
今日のアイキャッチ画像
いたちのおうちの看板息子のワサビ君です。
こちらも先日の撮影会の時に、カメラマンさんがフィルター加工なる仕様で撮ってくれました。
可愛いでしょう♡
実は、このワサビ君は、お腹がポッコリしていてマヨネーズみたいな体型です。
ぽてっ
1320g~1280gの間を行き来しています。
加齢に伴い「脾臓が少し腫れている(脾腫)」との診断を受けてはいますが、それも「正常の範囲」です。
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脾臓とは、胃の下側に隣接する三日月型の臓器です。 この子達の 血液をろ過し、老化した赤血球を破壊して除去する 血液(特に ...
健やかなニョロニョロ生活を☆彡