今日のアイキャッチ画像の写真が「野良フェレットが居て草」という文言と共に回ってきました。
「いやいやいや野良とか居ないから、てか、場所どこよ?」って投稿者さんのプロフィールを調べに行ったら「TOKYO」って…うわ、東京のどこだっ!?!?
投稿時間は13:03
すでに5時間以上も経っていましたが、投稿者さんに詳しい場所を教えて頂き、捜索に行ってきました。
緊急事態宣言は解除されていますが、いまだコロナ禍である事には変わりなく、それどころか、解除後のリバウンド防止に努めて下さいと毎日言われている中で「近くの皆さんお願いします」等と多くの方に呼びかける声をあげるわけにはいかず…って、その辺りの事情はこの時から何も変わっていないので、今日ここでは省略。
迷子・脱走フェレット【保護活動者たちが今してる事】緊急事態宣言発令中に私達にできる事はない
ここへきて、「フェレットを見かけました」の情報がとても増えました。 いつもなら、その近くの保護活動者にまずは連絡をとり、 ...
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「現着しました、私はここから始めます」の連絡を取り合って、各々でスタート。
辺りは薄暗く川を挟んでむこうとこっちとでのやり取りが多かったので「スカイツリーを背にして左側に○○」「スカイツリーを正面に見て○○」って、便利な目印として大活躍してくれました。
フェレットの捜索時に大切な事(考え方・心得)
飲食店はまだ時短営業の要請が続いているため、この辺りではほとんどのお店が21時に閉店します。
飲食店のそれに合わせて「21時には撤収しましょう」と私は最初に言いました。
今回の現場は特に誰かが指揮を執って回っているというわけではありませんでしたが、こういう事は誰かが決めないといけないので、自分はそれなりに場数を踏んでると思い込んでる私がしゃしゃらせてもらいました。
時間を決める(区切りをつける)
最後に目撃されたのが「ついさっき」なら話しは別ですが、何時間も経過している事、その後の目撃情報が一切ないこと、等々から考えて、「とにかくただ探す」のにそこから深夜にまで及ぶような何時間をも費やす事はあまり得策ではありません。
それでころか、近隣住民の皆さんのご迷惑になる事を考えたら、常識的な時間帯で撤収にベストな時間を決める事は「早すぎない?」では決して無いのです。
そしてこの「近隣住民の皆さん」からは、捜索に協力して下さる強力な助っ人が現れてくれる事が多いので、最初に迷惑をかけたり嫌われたりするような事は絶対に避けなければいけません。
またその時間の決定についてですが、捜索を開始してからだと、どうしても諦めがつけられなくなって「あとちょっと、あとちょっと」ってズルズルになるので、「最初に決めておく」のが現場での鉄則ですから覚えておいて下さいね。
で、捜索慣れしていない、特に初めて現場に出た方は「見つかってないのに帰れません」って絶対に言います。
分かります、私もそうでしたから。
でも、「区切りをつける」の意味を間違わないで欲しいんです。
だから、皆さんも決まった解散時間はきちんと守って下さいね。
「自分に」できる事、やるべき事、を「自分で」考える
同じ捜索でも「飼い主さんに頼まれて脱走した子の捜索をする」のと、「目撃情報があった子の捜索をする」のとでは全然違う事はお分かり頂けますよね?
まず、依頼主がいる時には「ここまで」を決めてくれる人がいるので、自分がそれを出来るならやれば良いし、出来ないなら断れば良い、「そこまでは無理だけどここまでなら」だってハッキリします。
飼い主さんじゃなくても誰かが取り仕切っている現場ならその人の指示に従えば良いんですけど、こういう突発的な現場って役割分担がハッキリしていないんですよ、当たり前ですけど。
で、活動者を名乗る人間が一人でもいると必然的にその人に白羽の矢が立つ事になるのですが、私はそれを受けません。
有り難い事に私の身近には丸投げでおんぶに抱っこみたいな人はいないから成立するんですけど、とある事情があって、私は…というか、いたちのおうちは「捜索は活動主旨にいれていないというスタンス」でいます。
だから捜索に出る時には「協力する側」もしくは「勝手にやってる」をアピールします。
いたちのおうちが「捜索はしないスタンス」でいる理由
ちょっとキツい言い方になりますが、良くも悪くも「いたちのおうちが動いてるなら」を誰かのやらない理由にされたくないからです。
これまでに
「いたちのおうちさんが動いてるなら自分にできる事はないかと思って」って、捜索に不参加の理由をおっしゃった方がいました。
「なんでいたちのおうちに協力しなきゃいけないの?馬鹿馬鹿しい」って、「フェレットは心配だけど、いたちのおうちがいるなら行かない」ってLINEのスクショが届いた事があります。
捜索というのは一人でも多くの方の力を必要とします。
その場所へ行かない理由にうちが使われるのは本当に不本意なので、これからも未来永劫ずっといたちのおうちがどこかの捜索現場での中心となる事はありません。
今まで通り、「連絡網の中継地点として使って下さい」がメインです。
やるべき事を全力で全てやる
当日、捜索へ出る時に連絡をしたら「ケージのスタンバイは任せて」と言ってくれたボラさんがいます。
「今日保護できたら明日なら病院連れて行ける」と言ってくれました。
有り難い事です。
翌日、私のツイートを見て朝から捜索に行って下さった方が何人かおられました。
有り難い事です。
前日の捜索時に、お声がけさせて頂き連絡先を交換していたあの辺りをお散歩コースにしているワンちゃん飼い主さん達(8名)からも「今朝は気を付けて見てみたんだけどそれらしき動物はいなかった」「他の飼い主さんにも伝えておいたから何かあったらまた連絡しますね」というような連絡が続々と届きました。
有り難い事です。
その流れで、地域猫の活動をされている方とのご縁を頂けたので、「こういう子が地域猫ちゃん達の餌場にくる事があるかもしれないので、その時にはこうして下さい」と写真を見せて直接お願いをさせて頂きました。
その後、私は現場へは向かわず、「ここで保護したとしたら」で考えられる全ての警察署へお話しをさせてもらいに行ってきました。
落し物として届いた動物は「会計課」で扱われるのですが、その会計課は土日がお休みです。
その日は土曜日だったので、電話での説明では「月曜日にかけ直して下さい」と言われてしまう(経験則)から、直接、行って「遺失物届けは出されていないか」「生体は届いていないか」の確認と「もし届いたらこうしてあげて欲しいんです」のお願いをさせてもらってきました。
※これは私が「ほぼ地元民」だったから出来た事です。
一日経った状況から分析、今後の方針を決める
発見の投稿から丸一日が経過して
- 遺失物届けが出されていない
- 生体も届いていない
- 次の目撃情報が一切でてこない
事から考えられるのは
遺失物届けが出されていない→遺棄の可能性
生体が届いていない→連れ去られてしまった、川に落ちてしまった、等でその子は「捕獲できる状況にもうない」可能性
目撃情報が途絶えた→連れ去られてしまった、川に落ちて流されてしまった、等でその子は「そこにはもういない」可能性
って、考えたら、なんとも絶望的な事ばかりにはなるのですが、ここで唯一、希望が持てる「これかも」があります。
脱走に気が付いた飼い主さんが慌てて探しに来て、もう(写真が撮られた後)すでにお家に帰っている
※脱走に気が付いてすぐ、届出を出したりSNSに投稿したり、そういう事をする前に「まず捜索へ向かう」のは正しい捜索方法です。
詳細はこちらで
フェレットを逃がしちゃった【迷子・脱走】警察・他への届け出はいつ?探す時そうした方が良い理由と問い合わせ方
まずはじめに、今日のお話しは「こうしたら確実に見つかります」というものではありません。 ただ、「こうした方が発見に繋がり ...
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二日目をもって捜索へはもう出ない事を決めました
以上の事から、いたちのおうちは捜索へは「もう出なくて良い」と判断しました。
詳細はあれですが、捜索に出ていたボラさん達それぞれから、地域のボラさん(この時期なのであの周辺をお掃除をされている地域ボラさん達がおられたそうです)や近くの会社の警備員さんや24時間営業のお店の方、学生さんなどと繋がりを持って「お願いしてきました」と報告を受けているので、「何かあったら」いつでも私も動ける体制は崩しませんが、ボラさん達にも「進展があるまで私はもう現場へは行きません」と伝えました。
「自分はあと数日は通ってみます」「そうだね、もうお家に帰れてる可能性が高いなら私も今日までにします」って皆それぞれに指針を決めていましたが、それでこそ「個々人のボラ活動」ですから、とても良いなって思います。
この件に関してTwitterへも場所の事などを投稿した責任が私にはありますので、この記事を持って「いたちのおうちはこうします」とTwitterでも伝えます。
これを読んで、あとは皆さんがそれぞれで「自分はどうするか」を考えて頂けたらなって思いますし、もちろん、現場で分からない事や困った事があったら、「いつでも私に連絡を下さい」はずっと変わりませんので、安心して電話をしてきて頂けたらと思います。
「皆で協力しあってこその保護」が実感できて嬉しいです
今回のように、それらしい投稿を見ただけで「さっき一時間ほど見に行ってきました」とか「今、現場にいるんですけど土地勘がなくてあってるのか分からないんで確認をお願いします」って、保護活動者ではない方々から連絡をもらう度に「他人事にしない」「皆でフェレットの事を考える」がきちんと深く広がっているんだって実感できて嬉しい気持ちになります。
※だからって、外でのフェレット目撃情報は無いに越したことはないですが
この子だけに限らず、現在、フェレットの目撃情報が全国的に増えてきています。
春先には毎年の事ですが、今のところ「捕獲器にいた子」は
各地のボラさんから「捕獲器に何か分からない長い動物が入っていたので」とご連絡を頂く季節になりました
今季は今のところ全匹野生の子たち
ただ、フェレットだった事も過去にはあるし確認前に野生の子と思って山に放してしまった話しもあります
今一度、全ご家庭で脱走させない確認をお願いします! pic.twitter.com/KfTOchJ1ax— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) March 25, 2021
といった感じですが、今回のように「フェレットが」目撃されている例は確実にあります。
その時、「自分はどうするか」の参考に今日の記事をして頂けたらなって思います。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡