ある日、何気なく、えるちゃんのお尻を見たら、外陰部にカサブタのような出血したような、小さいけれどそれは明らかに血だと分かる何かがありました。
どこかを痛がる様子はなく、食欲も普通、トイレを確認してみましたが、そこにはいつも通りの排泄物がいつも通りにあるだけでした。
…こういう時なんですよね、
「これはどっちのだ?」って、その場ですぐに分かってあげられないから、そいういう時だけは、多頭飼いで同時放牧(我が家はほぼ放し飼い)している自分の飼育方法をもどかしく感じたりします。
緊急性は無いと判断して、翌日、病院へ行く時まで様子を見ようと決めたそこから、ストーキング開始です。
普段と変わった様子はないか、その部分を気にする様子はないか、排尿時に痛そうにしている様子はないか…無かったです、何も。
ですが…だから…
何もない事で私は逆にどんどん不安になっていきました。
痛がる様子も痒がる様子もないって事は、傷じゃない?
って事は?
内臓からの出血?
この子達でも「血尿」がみられる疾患はいくつかありますが、こんな風に鮮血がその状態でその場で固まっているという症例なんて聞いた事がありませんでした。
というか、これは我々人間の場合でもそうなのですが、「血尿」と呼ばれるそのほとんどは病院で尿検査をしてはじめて尿に血が混じっている状態を確認できる(顕微鏡的血尿)それを指します。
おしっこが赤い事を目で見て明らかに判断できてしまう(肉眼的血尿)は、進行した膀胱癌の症状などとして「とても重篤な病気のサイン」と言われています。
これは、血尿がその特徴といわれる腎盂腎炎を持病のようにもち、同じく血尿が特徴といわれる腎臓結石も経験済み、そして体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を受けたことがある私の個人的な感覚でしかありませんが、はっきり「尿に鮮血が混じっている」事を目視で確認できたのはESWLの術後のそれだけです。
ESWLとはその名の通り、体外から結石に向けて衝撃波を照射し結石を破砕する手術ですので、砕けた石が内臓の壁を傷付ける(いわゆる内臓を損傷した状態になる)事があります。
その時の出血が排泄される「血尿」は「鮮血」として明らかに血が混じっているのが分かりました。
が、それ以外の「血尿」は何度か経験してから「あ、今回もそうかな」と思う程度の「ちょっと赤みが強いオレンジ色っぽい尿」でしかありませんでした。
これについては、同じ持病を持つタレントさんがその症状として「トマトケチャップのようなおしっこが出る」とテレビでおっしゃっていたので、「個人差」があるのだとは思いますが、いずれにせよ、内臓に何かしらの損傷を負っていない限り、こんな「明らかなる鮮血」の状態で対外へ出てくる事はまず無いはずです。
考えたら考えるだけ不安は募りました。
やっぱり救急で連れて行くべきなんじゃないか…?
交尾排卵動物のフェレットには生理周期そのものがない
フェレットは交尾排卵動物といって、交尾刺激(膣や子宮頸管から脳に伝わり排卵を誘起するなど)によってのみ排卵が生じる生き物なので、いわゆる「生理周期」というものが存在しないのです。
人間をはじめワンちゃん等ほ乳類の多くは「自然排卵」といって、メスが排卵する前後のわずか数日のうちに運よく交尾があれば受精(妊娠)する仕組みとなっています。
これに対し、交尾をした刺激で排卵が起きる「交尾排卵」は、ほ乳類の中でも猫やウサギ、フェレット等のごく一部の動物しか行われないめずらしい妊娠形態なのです。
そして、これは余談となりますが、「一般的にお迎えできるフェレット」には「発情期」すらありません。
むしろ、あったら大問題なのです。
男の子ニョロでも女の子ニョロでもいわゆる「発情状態」が見られた場合には何かしらの処置をしてあげなければ、命にかかわります。
その詳細はこちらなどでご確認頂ければと思いますが、女の子の場合は特に「急いで」の処置が必要です。
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不妊手術をすでに終えている状態で日本へやってきてくれるこの子達の体で、発情に関する生理現象が起きるという事は、何かしらの「異常」が体に起きているという事ですから、思い当たる症状が見られた場合には、一刻も早く病院へ連れて行ってあげて下さいね。
男の子ニョロの「タマタマ取り残し」は過去に聞いた実例がありますので、男の子ニョロについては、こちらなんかも参考にして頂けたらと思います。
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出血が見られる病気って何?
一番に頭に浮かんだのはやはり、腎臓疾患です。
わさびの時の事を思い返していました。
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ですが、末期の腎不全を患った彼からでさえ「鮮血」が体に付着したまま残っていたなんて事は一度もなかったです。
食欲も普通、元気に遊び回っているえるに末期の腎不全よりも重篤な疾患があるとはとても思えなかったのですが、そんな事が安心材料になるほど私の肝は座っていません。
「えるちゃん…どこか痛いんじゃないの?大丈夫?」ってメソメソ話しかけたりなんかして、早く朝になってくれ!って夜中のうちからそそくさと通院の準備をして病院の受付開始時間を待ちました。
またやっちゃった!思い込み×大げさに考えすぎてただけだった
先生が患部をジーっと見てチョンチョンと何かを塗った…のか拭いたのかは聞きませんでしたが、とにかくチョンチョンとして
って言いました。
私が大げさに騒いで病院へ駆け込むのはそれが初めての事では無いので、先生ももう慣れているのか、ずっとニコニコ「うんうん」って聞いて下さっていました。
今だから笑える事ですが、一番ひどい人騒がせ事件としては、「野村先生がそこにいた」って、ただそれだけの理由で「えるちゃんは何か大きな病気なんだ」と思い込んで半ベソかいてましたからね、私…
詳細は『野村先生がいるって事は…』にて
でも、なんでこんなところをケガしたのか?
これについては、「分からない」とされていましたが、「えるさんの場合は場所的に目立つし心配になっちゃうのはよく分かるんですが、こういう事はよくあると言えばよくあるんですよ」って仰っていました。
えるは以前にお尻の中を手術していますので、その事と何か関係があるのではないかと心配になってお聞きしましたが、それは「関係ないでしょう」との事。
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先生の言った「よくある」は「(飼い主さんが気付かない)小さなケガ」を指していました。
先生が毛をめくりながら皮膚のチェックをしている時に小さな傷を見つけて、それについて尋ねると飼い主さんは「いつ出来たのか分からない」って事が多いのだそうです。
特に多頭飼いだとじゃれあいで噛み傷が出来ている事は「結構ある」って事でした。
明らかな取っ組み合いの時には「傷になっていないか」を確かめるから「気が付く」けど、普段のじゃれあいでもそういう傷は「普通にできることもある」んだって事でした。
じゃれあい取っ組み合い以外でも、どこかにぶつけたり、なんだりってケガは「ある」のだそうです。
それを痛いと思うか思わないかはもちろんケガの程度にもよりますが、「その子しだい」によるところも大きいと仰っていました。
人間でもそうですもんね。納得です。
「鮮血」といえば!トイレ砂にFRESHNEWS(フレッシュニュース)をお使いの飼い主さんへ
時々ですね、「トイレに鮮血があるんです!」って慌ててご連絡を頂く事があるのですけど、これまでほぼ100%こちらの
「フレッシュニュース」というトイレ砂を使用されている飼い主さんからでした。
写真はサンプル品なうえ、パッケージ紹介の一部がえるちゃんで隠れてしまっていますが、こういった形状のものです。
はい、もうお分かり頂けましたね。
新聞紙(リサイクルぺーパー)を利用して作られているためなんだと思いますけど、「何か赤い(真っ赤な)のが見えるんですけど…」って皆さんがおっしゃるその「赤い部分」は最初から混入しています。
※写真では分かりやすいように選んだそれを中央に置いてみただけなので、実際にはこんなに分かりやすくたくさんは混じっていません
慌てなくて大丈夫ですからね、もう一度よく見てみて下さい。
それはきっと血ではないかと思われますので、どうかご安心下さいね。
自分も散々慌てておいて、人には「慌てるな」とか、ちょっと恥ずかしくなってきたので今日のお話しはここまで!
健やかなニョロニョロ生活を☆彡