先日、
これどっち信じたら良いの…?
この前ネロの1歳のお祝いしたんだけど、確認書での誕生日は3/14で店員さんも口頭でそう言ってて(生後月数も3月生まれの計算で言われた)、でもさっき書類整理で出てきたファームからの証明書には5/14って書いてある事に気付いた…。
どっち??
って書き込みを見つけました。
あっ!もしや…って、すぐにピンときました。
こちらが現物となります。
お分かり頂けますでしょうか?
確認書と書かれたお店からのそれには『生年月日 2018年3月14日』
Petersen Ferret と書かれたファームからのそれには『This ferret was born and bred in Minnesota, USA on May 14, 2018. 』
こちらの書類、二枚ともジステンパーワクチンの接種日は「2018年7月7日」として合致しています。
断言します。
おそらく最初の誰かがMay(五月)をMarch(三月)と間違えただけなんだと思います。
最初の誰かが間違えたそれを、そのまま申し送りして、お店全体に、ネロくんは「三月生まれ」と認識された。
そのまま店頭に並び、その後、誰もきちんと書類を確認する事なく、最初の間違った申し送り事項のまま、販売時お渡しのその時にさえ確認せず…
いや、、確認はしたんだと思います。
これはもう誰しもが経験ある事かとは思いますが、そう思い込んでいる時、「間違っているはずがない」という思い込みの元でされる確認は、そういう事になりがちなんですよね。
ですが、実はこの手のお話しはたまにあります。
日本全国全てのショップに、そういう事を無くす努力を早急に徹底して頂きたいとは思いますが、今日ここではショップに向けてのあれこれでは無く、ここをお読み頂いている皆様、
可愛い可愛いニョロをお迎えされたあなたが、もしもそういう事になった時、その時にはどう考えたら良いのか、どうしたら良いのか等を、何故そういう事が起きてしまうのか、と合わせてご説明させて頂きたいと思います。
困った時、まずは、その証明書が何を証明したい書類なのかを見て下さい
今、「証明したい書類」と書きました。
皆様は、フェレットの証明書と呼ばれる書類がいくつかある事はご存じでしょうか?
そうなんです。
この「証明書」と呼ばれるそれの定義が曖昧なのです。
その詳細はこちらで全て説明してありますので、一旦こちら『フェレットの「証明書」と呼ばれる書類について』をご確認頂けますでしょうか。
そちらの記事中にある言葉、せめて書類の名称だけでも正確にご理解頂いていないと、今日のお話しはほとんど伝わりませんので、復習の意味でサラっとでも是非ご一読下さい。
…お読み頂けましたでしょうか?
答えは全部ほぼほぼ書いてありましたね。
そうです、その通りです。
動物販売管理台帳(生体販売証明書、確認書、等※名称は複数)とは
ショップで生き物を購入する時、必ず、どこのお店ででも絶対に渡される書類があります。
それは、動物愛護法で「こういう書類を取り交わすこと」と、生体販売登録業者(ペットショップ等)に義務付けされている書類です。
私も一応、ペット販売士の資格を持っているので、その授業でそれ系の事は習いましたが、その書類の記入は誰がしなさい等の決まりは確か無かったはずです。
正確な事が思い出せなかったので、数店舗ほどではありますが、その事について直接、確認をとってみました。
その全ての回答に「昨日今日からのアルバイトみたいな立場の新人にそれをさせる事はない」とありました。
が、
という質問に対しては
「(対応にあたった人間が)必ずしもその生体に詳しいわけでは無いので…」
「書類を書くのはある程度以上の役職がある立場の人間ですが、例えばグループ企業からの社員さんなんかは、ショップでの立場は上の方でも、現場の事(動物たちの事)に詳しいというわけでは無いから…」
などと、ちょっと弱気な回答がありました。
そりゃそうです。
こちらは実際に間違っている証拠を持っているのだという事実をきちんと先にお話しさせて頂いたその後でこの質問をしているのですから、間違う事は絶対に無いだとは言わせません。
「間違う事もある」という確認を取ったうえで
とか言うわけないじゃん。
いや、ダメでしょ!という事で、「そんな事では困るんです。そういう事が無いように徹底して頂かないと、ほにゃほにゃほげほげ…」と、少々きつめにお話しだけはさせて頂きました。
あとはそれぞれのショップさんのやり方に任せます。
あんまりギャンギャン言わなかったのは、上記にもある通り、私はこれを知っちゃっているんです。
動物販売管理台帳(生体販売証明書)は「店のための」証明書でしかない
「証明書」って言い方をするから、ややこしくなっちゃうんだし、中には実際に「フェレットの証明書です」って言っちゃうお店もあるらしいんですけど、当ブログ内で何度も書いてきている通り…
その紙は「こういう動物を売りました」ってだけの証明書です。
お店によってその呼び方に多少の違いはありますが、それらの正式名称は、動物販売管理台帳、生体販売証明書、等々、っていうんです。
その名の通り、生き物を販売する時に必要な書類ってだけなのですから、同じお店で違う種類の生き物を購入しても全く同じ紙が出てきます。
でもって、その紙がなぜ必要で、何を証明する事になるものなのかと言いますと…
それは、動愛法にある
生体を販売する際には対面により必要な情報を、相手方に書面等を交付して説明しなければなりません。
という、これをちゃんとやってます(やりました)って証明するためだけの書類(書面)なんですよ。
そしてこの「必要な情報」というのは一応、環境省からはこのようなお達しがあるにはあるのですが、
どうやら、これ、「この項目が埋まってさえいれば良い」というのが、悲しいかな「現行の法の解釈」になっているように思います。
あくまでもそれは「間違っているそれがある事についてどう思うか?」と法律家に聞いてみたら、「そういう事ならこういう事じゃないか」という結果ありきでのお話しになるのですけど…
弁護士に聞いてみた
良い機会なので、「間違ったそれを渡されたらお店を訴える事が出来るのか」までを聞いてみました。
ちょっと軽い気持ちで聞いてみただけなので、それを見抜かれ(商売じゃない相談に本気で答えるわけないだろという感じで)「本気で訴えるというのなら答え(僕のやり方)はまた変わってくるけど」とハッキリ前置きをされた後、
「一般的な法の解釈上はこうなるであろうという今の僕の見解と予想だけでお話しします」ってこう言われました。
- 騙す目的で嘘を書いたのか単純に間違えただけなのかによって変わってくる
- ペットショップがお客さんを騙す目的でそれを詐称するメリットが無いと思われる項目が多い=間違えただけだと裁判所は判断するであろう
だから、それらの項目で訴えたいと言われても僕はその仕事を受けません。ただし、何個かは、
- それを間違えた事によって被る精神的被害が考えられるものがある
- それを間違えた事によって被る実害(金銭的被害等)が考えられるものがある
これについては、単純に間違えただけだとしても「いける」と考える弁護士はいるかと思うので、引き受ける弁護士を探して下さい。(あなた(私)からのそれであった場合)僕はやりませんけどって事でした。
あくまでも、その場で「じゃあこうなんじゃない?」という雑談中にでた、一弁護士の個人的な見解ですので、状況によってもその弁護士によっても変わってくるかとは思います。
それが「法の解釈」というものですからね。
なのでその詳細は書きませんし、あくまでもあくまでも参考程度にお考え頂けたらと思います。
いや、だからって、
間違っても良いって事じゃないんですけど…
そこを間違うか?普通?えぇっ?!って例をお見せしましょう…
間違っていても「生体販売証明書としては成立」しちゃっているとんでもない実例
性別に「おそらく」って何よ?
皆さんご存じの通り、フェレットというのは、性別の判断が付けづらい動物では決してありません。
フェレットを知ってる人なら「見たら」分かります。
こちらのお話しでも書きましたが、男の子のそれをおへそと間違えてしまう初心者飼い主さんはたまにいらっしゃいますが、男の子と女の子を見比べれば一目瞭然なのです。
去勢済でもオス特有フェレットの病気【前立腺肥大などの前立腺疾患】それはおへそでもニキビでも無く「陰茎(お〇ん〇ん)」です
生殖器以外にオスとメスがハッキリ区別できる(違いがハッキリしている)動物の現象を「性的二型(せいてきにけい)」と言います ...
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男の子も女の子もいるであろうショップですから、ちょっと見比べてみたら、分かるはずの事なんですけど、「おそらく」で出せてしまうのですよ。
単なる生体販売証明書ですから…
しかもですね…
この子なんですよ
どう見てもシルバーミットです。
セーブルではありません。
これも「見たら」分かる事なんですけどね…
「えー、セーブルかもよ」って思う方は、今ここをお読み頂いているニョロリストの中にはいないと思いますが、念のために、こちらの記事をご紹介させて頂きます。
この子はその後、数回の換毛を経て完全なるシルバーミットのその後のお姿までを華麗に見せてくれました。
ちなみに「ちゃんと女の子」です。どうぞご確認ください。
フェレットの毛色(レア種画像あり)性格が違う?!カラーで違う金額を命の値段だと錯覚しないで!!
私は「ペットショップでフェレットを購入した」経験が2回しかありません。 そのうち「選んだ」のは1度だけです。 それから今 ...
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そんなこんなで「生体販売証明書」というのは、「生体の事はよく分かってない人がその項目を埋めました」でも通るのです。
病気に関する項目だけはきっちり書いてありますから、事を荒立てる必要もないんでしょうけど…
モヤモヤイライラどうにも腑に落ちない事ばっかりではあるのですけど、これまで、いたちのおうちに直接「どういう事なのでしょうか」とご相談があった時には、
その大抵の場合は上記のように「そんな事もあるんですよ」ってなぜか、自分でもそれに何の意味があるのかは分かりませんが、ショップのミスを庇うような発言でお返事をさせて頂いています。
だが、しかーし!!
法律だの何だの関係あるかいっ!これだけは絶対に許せないよ!って例がこちら
私はこれだけは絶対に許さない!二度と間違えるな!
「フェレット」を販売する時に、これだけは絶対に間違ってはダメです。
「フェレット」を知っている人なら「こんな事を間違えるかね?プッ」って笑っていられますが、購入される方は、その子がファーストフェレットかもしれないんです。
ファーストフェレットだったとしても、セオリー通りに「お迎えしたらまず健康診断」ってフェレットに詳しい病院へ連れて行ってくれれば良いのですが、フェレットのそういう事情にあまり詳しくない動物病院へ「手術をして下さい」って連れて行ったら、どうなると思いますか?
過去に私は「お腹を開けてから不妊手術済だと分かった」って子の話しを知っているんですよ!
偶然全てが、(知っている人からしたら)考えられない方、考えられない方に「たまたま転がっていってしまっただけ」というにしてはあまりにも大きな代償(傷痕)を見て私は震えました。
でも、飼い主さんが「もっと早くいたちのおうちを知っていたらこの子にこんな事はしなくて済んだのに」って泣いておられたから、私はかろうじて正気を保っていられましたが、本当にしばらくは震えが止まりませんでした。
ちなみに、この写真、この時も「考えられない方へ」事態が進んだから、私がこの書類を持っているのです。
その時の私の怒りっぷりはこちら『知っておいて!大事なことだから!あなたは「一般の人」じゃないでしょう?』
まとめ
今日のお話しは、お分かり頂けているとは思いますが
「間違う事もあるそうだから許してあげて下さいね♪」とかそんな眠たい事が言いたくて書いているわけではありません。
もちろん、ちゃんと徹底してそれを管理しているお店の方が多いはずですから、皆がみんなに最初から疑ってかかって欲しいという話でもありません。
あれこれそれなりの事例を色々持ってきて、尚且つ、もうそういう諸々全部をひっくるめて「~だから、心配しないでね」って、言ってあげたい誰かに届けたいだけなんです。
不安になってしまっている飼い主さんを見かけたら、あなたからどうか「いたちのおうちにこう書いてあった。心配しなくて良いんだってさ」って届けてあげて下さいね。
いたちのおうちに来る子のほとんどは生体販売証明書すらありません。
でもみんな、ちゃんとフェレットです。
何も問題なくちゃんと一緒に暮らしていけますから、どうか安心して下さい。
冒頭の「ネロくん」の飼い主さんも、最初はあんなに不安そうでしたが、ちょっとお話しをさせて頂いたら「そうなんですね!」って、すぐに元気になってくれました。
見て下さい!!
このお顔が気に入り過ぎてしまって、強引に貸してもらってきちゃいました。
かわいすぎる♥
「不安」って知らないからそうなってしまう事が大半ですから、知っているあなたはどうかどうか、知らなくて不安になっているだけのニョロ仲間を見かけたら「こうだよ」って伝えてあげて下さいね。
皆でちゃんとした知識を共有していければ、知識がないだけだったり、うっかりだったりするショップのミスさえ笑い飛ばせる、この子達にとって良い環境が出来ていくはずですからね。
皆でそれが目指せたら良いなって思います。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡