ある日、床に血痕を見つけました。
すごく少量なのですが、よく見たら、家中のあっちこっちにそれはありました。
本当に小さな血のあとです
主人に「どこかケガしてない?」って、LINEを送るために写真を撮ったのですが、いざ、拭き掃除をはじめてすぐに、「これってば、人間からのそれじゃ無い!!」って気が付きました。
大慌てで調べたら、うちの可愛いえるちゃんのお尻に血が付いていました。
ご覧の通り、脱肛ではありません。
「単なる出血のあと」です。
今だから「単なる」だなんて簡単に書けちゃいますけど、可愛い娘のお尻から血が出ているのを見つけたその瞬間は「単なる」とは程遠い精神状態に陥って、そりゃあ、もう大騒ぎしました。
「鮮血だから内臓からの大量出血がにじみ出てるとかではないはず…」
「傷口は見えないけど、患部は肛門に近いはず…」
「もしかして…大きいウンチが出て切れちゃったのかな?」って、その原因となりそうな大きいウンチを探しました。
はなこのウンチク
動物に痔はある?ない?
「痔」は、重力と腹圧が肛門に作用する「直立歩行の人間だけの疾患」とする説があります。
また、便意を我慢することが便秘につながり、それが「痔の原因」とする説もあります。
よって、
四足歩行の「動物に痔はない」
排便の時と場所を選ばない(便意を我慢する必要がない)「動物に痔はない」
として、
「痔は人間だけの疾患だ」と断言されている方も結構多いようですが、大きい(硬い)ウンチや長引く下痢で肛門周辺の皮膚が切れてしまう、いわゆる人間でいうところの「切れ痔(裂肛)の症状」が出ている患畜ちゃんをこれまでに何度か見た事があります。
それを「痔と言うか言わないか」は、どうでも良いです。
獣医さんにも是非、聞いてみて下さい。
「四足歩行の動物たちにもそういう症状が出る事はあります」
※あえて「説」としましたが、これが「痔の定義」なのかもしれません。
それが「定義」なのだとしたら、動物の場合は「痔とは言わない」ってだけの事なんだと思います。
腫瘤が分かるまで、とその切除【大きな手術】を即決した理由
その瞬間は激しく動揺して散々、大騒ぎもしたんですけど、その時点で既に出血は止まっている状態でした。
これはカサブタではなく、ただ血が付いちゃってる(乾いた)状態で、ケアタオル(ウェットティッシュ)で清潔にしたら消えちゃいました。
食欲もあり、特にどこかを痛がる様子もなく、いつもと同じように遊び、排便の様子も、便自体にも変化なし…
エルは興奮すると少しお尻が出ちゃう子なので、もしかしたら「さすけと遊んでて内側をひっかいちゃったのかな」って可能性が一番ありえると考えて、「2~3日様子をみていよう」とノンキに思った、その翌日、友人宅のニョロが突然、亡くなりました。
今年で3歳、エルと同じ年の男の子です。
その子が少し前に「(ほんの些細な)気になる症状がある」って話は聞いていました。
もちろん、ちゃんと病院へ行って、その時は対症療法で「様子をみましょう」って言われた事、その後も、全然元気でいた事も知っています。
が、やっぱりどうしても気になるってことで、もう一度、時間を作って、ちゃんと病院で診てもらってくるんだって、検査に「これから行ってくるね」に私は「行ってらっしゃい」を言いました。
そこで、お腹にシコリがある事が分かり、「腫瘍かもしれないから後日もっとちゃんと詳しい検査をしてきちんと調べましょうってなったんだ。だから、検査の予約をして帰ってきたよ」と報告を受けた、その日の夜に、逝ってしまった…と。
そのシコリが腫瘍だったのかは分かりませんが、「(それが破れて)そこからの出血が止まらない」が、急患で行った病院で受けたその子の最後の診断でした。
何かは分からないけど…分からなくても…、突然に、そうなってしまう事があるんだ…。
止まっているとはいえ、何かは分からない出血があったエルを「様子見」で済ましてはいけないんじゃないかって、その子のお話しを聞いていて改めて「やっぱりちゃんと病院で診てもらおう」と決めました。
病院へ行く時には
急患ではない場合、せっかく受診するのですから「その子の資料」は1つでも多く揃えていきましょう。
私は「気になる」と思ったもの(行動その他)は出来る限り全てを記録していきます。
ウンチそのものでも、メモでも写真でも動画でも、とにかく何でも良いから「先生に分かりやすく伝えられるためのもの」を用意します。
先生に、より具体的に、「その子の体を知ってもらう為の資料」を揃えてあげられるのは、私たち飼い主にしか出来無い事ですからね。
って、語彙力が圧倒的に残念な私でも、上載のように写真があったからこそ、「こんな風に」だけで、それなりには伝える事ができたんじゃないかと思います。
話を聞きながらでも触診の手を止めることなく、「はい」「はい」って、既に何ともなっていないエルちゃんのお尻とそれらの写真を見比べて…
先生が、更にお尻をみゅうっと圧し出して診てくれました。
「あぁ、あったあった。これですね」って、先生が見せてくれたお尻の内側にあったその小さいイボみたいな茶色いものに、私は見覚えがありました。
うちの可愛いえるちゃんは、ちょっと興奮したりすると、お尻が出やすい(脱肛しやすい)体質で、お薬を処方されています。
⇒フェレットの脱肛・応急処置の正しいやり方(脱肛時の写真あり)
サスケが来てから…来たばかりの頃は特に、ハッスルして遊ぶ機会が増えて、お尻が出ている状態が多かったです。
その都度というか、しょっちゅう、お尻が出ちゃっていないか、とか、お薬を塗る必要があるか、とか、って、私はエルちゃんのお尻を事あるごとに見ているので、その頃に何回かそれと同じ物を見た覚えは確かにありました。
すぐにすぅっと引っ込んでしまう位置なので、まじまじと見れたわけでは無いけれど、その都度、ウンチの残りが付いちゃってたのかなくらいにしか思っていなくて…
でも、そうやって思う程度にでも、それを私は「何度か見た」事があると、そのまま先生に伝えました。
出血の原因はそれが何かの衝撃で破れたか何かだったようで、傷口も既にふさがっていて心配するような事は無いと言われました。
が、
- それは、いつくらいからあったか?
- それの大きさは変わってないか?
この2つが診察に大事なことだったみたいです。
腫瘤(しゅりゅう)とは
腫瘤とは、病気の種類が何にであれ、体や臓器の一部に塊が生じている状態である。
腫瘍によって腫瘤が生じることもあるが、腫瘍でない他の病気で塊が生じている状態も「腫瘤ができている」と表現する。
腫瘍と腫瘤とは同義語ではなく、腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に大別される~(略)
引用:知ってもらいたい医学用語の基本 腫瘤(1)
要するに、
医学的には、原因が(炎症性か腫瘍性かハッキリしなく)分からなくても、瘤(こぶ)やイボのような、腫物(はれもの)の事を腫瘤(しゅりゅう)と言います。
エルちゃんのお尻にそれを見たという、ハッキリとしたその日付を覚えているわけではありませんが、「サスケが来てから」見たのは確かなので、時期としては、この半年くらいの間の事です。
そして、「あっ、これ見たことある」って思ったのは「同じような場所に同じような大きさで同じような色だったから」そう思ったのです。
そのまま先生に伝えたら、
って、あくまでも可能性でしかありませんが、そう診断して下さいました。
こちら『細胞診という検査』でもお話しさせて頂きましたが、外側からちょっと見ただけで『良いもの』か『悪いもの』かを確実に判断する事は難しいのです。
「腫瘍(しゅよう)」について
それについては、こちらで詳しくお話しさせて頂いていますが
標準治療とは?フェレットに多い病気【腫瘍】癌(がん)について、正しい知識で冷静に普段から備えておいてあげよう!
「フェレットがかかりやすい」と言われる インスリノーマ(膵島細胞腫) 副腎疾患 リンパ腫 いわゆる 「フェレットの三大疾 ...
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「フェレットの腫瘍」というのは、この子達の体、ほぼ全身で見られるものだとされています。
良性か悪性かによってももちろん違いますが、それが腫瘍である場合、その多くが「大きくなったり」「色が濃くなったり」するなどして、形状が変わる事がその判断材料の1つになったりもします。
そして、「良性腫瘍がガン化する事がある」のは皆さんもご存じの通りです。
参考⇒細胞間の相互作用で良性腫瘍がガン化する仕組みを解明(共同発表:科学技術振興機構(JST)・神戸大学 大学院医学研究科)
「癌(がん)化」の可能性
私は昔、友人をメラノーマという、いわゆる「ほくろの癌」で失ったことがあります。
闘病中だった彼女はお見舞いに来た人に必ず、少なくても私がお見舞い行った時には「ほくろ毛を毛抜きで抜いちゃダメよ」って毎回、必ずそう言いました。
「(そういう因子があるかもしれない)ホクロを毛抜き(という行為)で刺激し続けた結果、私は自分で癌を作ってしまったんだから」って、それに医学的根拠があるのか無いのかは分からなかった※けれど、癌患者本人の口からそう何度も言われたその言葉は今でも戒めのように
「イボやホクロは刺激しちゃいけないんだ」
って、頭から離れません。
※医学的根拠につきましては、このままでは本当に色々と誤解を招きかねませんので、是非、こちら『メラノーマ(ほくろのがん)(日本皮膚科学会)』などできちんとご確認頂きますようお願い申し上げます。
エルちゃんのお尻にできたイボのような…ホクロのような…それ。
傷口もふさがっているし、「特に心配ない」と言われたけれど、それは毎日、確実に刺激を受ける場所にあって、既にもう、そこから血が出るという大きな「刺激」が実際にあったわけだし…
先生の「悪いものでは無いと思います」に、「それはずっとですか?このまま様子見していても、ずっと悪いものに変わる事はないですか?」って質問が、多少食い気味になってしまったのは、そういう諸々がグルグル出てきて、怖い気持ちが止まらなくなってしまったからです。
手術を即決~野村獣医にまつわる噂話のウソ・ホント~
リアル知人にはよく知られている事なのですが、私は、手術はおろか、例え検査であってもこの子達の体に針を刺したり、放射線をあてたり…は、本当は、なるべくなら「して欲しくない」って考え方がとても強い飼い主です。
本当にその採血は必要なのか、本当にそのレントゲン検査は必要なのか、いちいちしつこいくらいに聞きます。
私が先生側の立場だったらきっと、たかだか検査くらいで何をイチイチ不安がる必要があるんだ?って思うだろうなくらいには、すこぶる面倒くさい飼い主なんです。
そんな私が「手術を即決した」事で、巷にある噂話に拍車がかかるといけないなぁって少し思ったり…
これまでにも「それは違うぞ」って思いながら、あっちこっちで目にしてきた野村獣医にまつわる噂話について、今回、きちんと実体験としてお話しできる良い機会なので、まとめてお伝えしたいと思います。
野村先生は「すぐ切りたがる(手術したがる)」→ウソ
上記の通り、手術を決めたのは飼い主である私です。
「このまま様子見という形で放置していて良くなる(例えばポロリと取れたり、消滅したりする)事は無い」と、言われはしましたが、だからと言って、「切ってしまいましょう」と先生から言われたわけでは決してありません。
さっきも書いた通りに、持っていた不安を全部聞いて頂いたうえで「切った方が良いのか?」と、
私が聞いてから、
先生は「エルちゃんはまだ若いし、(体力がある今のうちに、これが大きくなったり何かある前に)取ってしまった方が良いと思います」とおっしゃいました。
「野村病院は飼い主の話しを聞いてくれない(治療方針を先生が独断で決めてしまう)」だなんて噂を聞く事もありますが、それは全くのデタラメです。
これまでにもお話ししてきた通り、ちゃんと親身になって全部を聞いて下さいます。
こんな雑談にも気軽に応じて下さいますよ。
フェレット「ベビーにはどれくらい食べさせれば良い?」中野の野村獣医先生に聞いてきた
我が家の子達がお世話になっている、かかりつけ獣医さんは、中野の「野村獣医科vセンター」です。 エルちゃんが私の娘になって ...
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野村獣医は「入院させたがる(入院が長い)」→ウソ
こちらは、手術をする事に決めた時点で渡された書類の1つです。
他の方への物を見た事が無いので、「全員が同じ物を渡されているのだとしたら」で推測しただけですが、
手術をする事に決めた時に渡されるこの書類に、こうして「入院」の事までが同じ一枚に記されているから、そのような誤解が噂話として広まっているのかな…?
ちょっと見えづらいかもしれませんが、「エルの場合を想定した」金額等は横にちゃんと「手書き」で説明してくれています。
もちろん、口頭でもきちんと説明して頂きました。
エルちゃんの場合は入院が必要になるかもしれません
お尻というのはとても大切な場所です。
エルの場合は患部が肛門に近い位置だという事もあって、「場合によっては術後の慎重な経過観察が必要・術後のケアがとても肝心になる」と説明されました。
同じだけの切除を、例えば背中の皮膚からしたのと、肛門付近からしたのとでは、わけが違うと。
極端な表現をすると、例えば、背中などの表面的な皮膚を切除したとして、それは治るし、生活にも支障は無いとします。
でも、それと同じ面積を肛門付近から切除した場合、下手をしたら、一生涯に渡り排便に支障をきたす(垂れ流しになってしまう等)後遺症が残る事だってあるし、表面的な物の切除とは言っても場所は内臓側になるわけですから、お家で「様子を見ていてあげる」事は出来ないのです。
だ・か・ら、
「手術の後には2・3日~一週間くらいの入院を要する場合があります。」
って、ちゃんと入院の必要がある事を分かりやすく説明してくれました。
「入院させたがる」だなんて事は全くありません。
もちろん、その入院期間中は、毎日、会いに来て良いって、むしろ、「ドンドン来てあげて下さい」って「その方が回復が早いんですよ」って、看護師さんも言ってました。
これは、
って、以前、先生本人が「僕の考え方」としておっしゃっていた野村獣医の方針です。
だからなんだと思います。
「手術の傷は出来るだけ小さく(早く回復するように)」っていうのがあるから、下記の「手術痕が綺麗」って噂話に繋がるのかなって、これはあくまでも私の推測ですけどね。
ちなみに…
外科手術の安心感なら野村先生→ホント
言わずと知れた「手術の様子を見ていられる」野村獣医科vセンター
黒い柱の奥に見えるガラス張りのお部屋が手術室です。
もちろん、素人ですから、手術の様子を見てたって、何がなんだかなんて事は分かりません。
だけど、頑張ってる我が子の姿がそこに見られるってだけで、飼い主としてこれほど安心できる事は無いと思います。
野村先生の手術痕は「綺麗」→さすがの噂話
上記の事は全て、ネットや何かで見てきた噂話です。
もちろん、リアルニョロ友に上記のような話を直接「どうなの?」って、聞かれる事も何度かありました。
それくらい、一般的に出回ってる「噂話」です。
そして、この「外科手術」に関しての噂話はその最たる例だと思います。
これはもう、野村先生を知らなくても、野村獣医にあまり良い印象を持っていなくても、多分、その全員が、「外科手術なら野村先生」って、これだけは確実に誰でもがそう言っている事だと思います。
手術を即決したとはいえ、当日が近づくにつれ、日に日に怖い気持ちが大きくなっている私に
って、どこかで見た事がある噂話だけど、サラっとリアルニョロ友が言ってくれました。
なんて、安心できる力強い言葉なんだろうって思いました。
また、「エルちゃん女の子だしね、野村先生なら、一番小さい傷で済むようにやってくれるね。」って、もうこれは、今になって考えてみたら、何の話しだかよく分からないけれど、この噂話にも根拠無く安心できたのは事実です。
「女の子だから傷跡は小さく」は娘を持つ飼い主として極当たり前の感情ではありますが、上記でも述べた通り、これってば、男の子、女の子は関係無く、術後の回復を考えたら、全ニョロにとって、とても大切なことですからね。
えるちゃんの事
切除しなければいけない部分が小さかったんだと思います。
なお且つ、出来るだけ小さく、必要最低限で済むように先生が手術して下さったんだと思います。
って、その日のうちに一緒に帰っても大丈夫だと言ってもらえました。
だから、これは単純に「手術にかかった当日の費用」です。
最初の診察費や後日の抜糸の時の診察代は含まれていません。
また、当初の予定では「必要であれば病理検査に回します」とされた生検も、先生の判断で「必要無し」とお墨付きを頂いたので、それも無し。
今日のアイキャッチ画像は抜糸前の状態なのですが、わざわざカメラマンさんに撮ってもらったのには理由があります。
…いつも通りのオロオロ飼い主ならではのエピソードです。
そんなこんななお話しや、明細にある細かい内訳、手術の時の様子などは、また日を改めて聞いて頂くとして、
とりあえず、
今日(7月18日)、えるちゃんは3回目のお誕生日を迎えました。
何にも心配する事なく、健やかに今日を迎えられたのは、
手術を執刀してくれた野村先生、いつも丁寧に診てくださる担当の先生、勇気や決断をくれたニョロ達、大丈夫だよって言ってくれたニョロ友達…
手術が決まってから抜糸が無事に済むまで約1ヵ月もの間、「えるちゃんに付いててあげて」「えるちゃんの事だけ考えてあげて」って、いたちのおうちの活動や業務その他全てを「頼って良いよ」って声をかけてくれた保護仲間達、実際に請け負ってくれた友達…
皆みんなのお陰です。
心から感謝しています。
本当にありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。
2018.7.18 えるちゃん3歳のお誕生日