当ブログでは、これまでに何度か「フェレットの出生証明書」という表現を使ってきました。
その定義は定めていません。
でも、それで通じると思っているし、その定義を細かく言い出したら話が長くなるって思っているから、ただ漠然とそう表現してきました。
お読み頂く皆さまの中で「なんとなくなそれ」にあてはめて頂けていればそれで良いって思っています。
普通に常識あるペットを愛するだけの飼い主さん達には、これだけでこの言葉の意味はご理解頂けてると思います。
でも、ここへきて色々と思う事が増えてきたので、そろそろきちんと書いておいた方が良いのかなって思った事を書いてみようと思います。
私はペット販売士の資格を持っています。
そういう勉強をしてきました。
ですが、動物たちの販売に実際に携わった事は一度もありません。
だから、今日のお話しは、「ペット経営学の教科書に書いてある事+20年以上に渡ってフェレットが好きだというだけの+動物愛護の人が見てきた事・思ってきた事」がメインです。
今現在の日本における、実際の販売形態・流通ルートについて、どうのこうのと知ったかぶって話す事では無いって事だけ、最初にお伝えしておきます。
「フェレットの専門店」はまだ無く、「フェレット」というカテゴリーに特化しているそれさえまだハッキリと定まっていなかったあの当時、熱帯魚や爬虫類などの珍しい生き物が売られていた場所で「エキゾチックアニマル」として、この子達がいた頃から今日までに私が見聞きしてきて思っている事ってお話しです。
フェレットの証明書は何を証明している?誰のためのもの?そもそもどれの事?
その動物の種類によって、色々と細かい事は違ってきますが、大まかな話をすると
日本に動物を輸入する場合には、「輸出国政府機関発行の健康証明書」の添付が必要です。
健康証明書には、伝染性疾病の病原体を伝播する恐れがない旨の検査結果が記載されていなければいけません。
だから、フェレット達が日本へ来る時には必ず、「ジステンパー(伝染性疾病)のワクチン接種をしています」等の記載がされているその証明書が一緒に送られてきます。
さて、問題です。
これは一体、何でしょう?
「フェレットの出生証明書」って答えたあなた、50点!
これの正式名称は
生体販売証明書・動物販売管理台帳
などと呼び名はいくつかありますが、要するに「販売者側に必要とされる書類」です。
その詳細は、こちらの記事でもお話しさせて頂きましたが、
ペットショップからお迎えするフェレットの選び方を調べてみた結果(前編)
「フェレットを飼おう思うんだけど、どんな子が良いか分からないからペットショップに一緒に来てくれないか」という相談を受けま ...
「生体を販売する際には対面により必要な情報を、相手方に書面等を交付して説明しなければなりません。」という現行の動物愛護法で定められている文言に出てくる、その「書面」です。
このように
お店にいる時に某かの投薬をした場合などには、その事も「書面」を持って説明しなければいけない義務が販売する側にはあるのです。
単なるこの「生体販売証明書」の事を、販売員が知らずにそう言っているのか、お店の上の人が、そうしようと決めているのか、細かい事は気にするなの精神なのかは分かりませんが
「こちらがフェレットの出生証明書です」って扱いにしているお店もあります。
よく見て頂くと分かる通り、生年月日は「5月上旬」って書いてあります。
※パスバレーファーム出身の子で誕生「日」が分かる子は稀です。
誕生日の記載はなくてもこれが、「出生証明書」だとお店から言われば、そういう事になってしまうのですから仕方ありません。
でも、出生を証明している記述は何も無いので、「50点」なのです。
それよりももっと「出生証明書っぽい」書類は多分こちら
パスバレーファームから送られてきてる書類(生体証明書)
こちらのサイン、誰の何のサインなのかも分からないうえ、「印刷」です。
という、意見はさておき、こちらの書類は、こんな風に、これまで白だったり水色だったりピンクだったり、色々なカラーでのそれを見た事がありますが、
この紙の色の違いは、発行時期の違いなだけで他には何も意味はありません。
赤い紙の方を見てみましょう。
パスバレーの登録証って何?
全てが無記入
「No.」の記入がありますが、パスバレーフェレットはマイクロチップなどでの管理はされていませんので、この数字を個体識別番号として活かすには、飼い主になってからの作業が必要になります。
マイクロチップについてはこちらで詳しくお話ししていますが、
嘘ばっかり!【フェレットのマイクロチップ】その役目や意味・本当の使い方を正しく理解してますか?DRF、IFSさえ知らずにチップの説明とかヤバいレベルで「知ったか乙!」
これまでも散々「知ったかぶりサイトの適当な情報に振り回されないで下さいね。」と、お伝えしてきましたが、今回もその「いたち ...
要するにこれは、この子を表す何かでは無く、業者がその売買手続きで便宜上振っただけの数字であって、商品としての管理番号でしかないのです。
「空欄を埋めてパスバレー社に送ると登録されるらしいよ」ってネットで得た知識を元に、そう言う人に会う事はありますが、その人自身がそうして「実際に登録をしてる」という例には一度もあった事がありません。
この記事を書くにあたり、せっかくなので、実際にパスバレーフェレットを今日現在販売している店舗を調べ、そのうちの一店舗にこの事について問い合わせてみました。
「販売時にそのような説明を当店でした事はありませんので、そういった事実確認を当店がする必要も無いかと思われます。他店舗さんのお話しじゃないでしょうか…」と言われました。
そりゃそうだろうなと、ごもっともなお話しです。お手数をお掛けしました。お答え頂き、ありがとうございました。
ある時から急に出て来たこの「登録」云々の話は一体どこから出てきたのでしょうか?
私は自分で直接問い合わせて本当の事が知りたいので、是非、「このお店でそう言われた」という経験がある方は教えて下さい。
大体、これを返送して登録されたとして、それってば、一体、何の為にそうする必要があるものなのでしょうか…?
そもそもの個体識別をしていない業者の都合で振り分けられただけの「番号」に「飼い主の個人情報」が紐づけされるだけなんじゃないかなって私は思うのですが…
もし、ここをお読み頂いている方の中に実際に登録されている方がいらっしゃいましたら、その辺りの本当の事を詳しく教えて頂きたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
そんなこんなで、この2つの紙について私の中での認識はその程度の物でしか無いのですが…でも、お店でこれが「出生証明書」だと言われたら、やっぱり、これがそういう扱いになるんだろうなって事も理解はしています。
これらの紙が何て呼ばれる書類であっても、その子をお迎えした記念の品として大切に保管しておいてあげるのは、すごく素敵な事だと思います。
だからと言って、捨ててしまった(失くしてしまった)からといって、別に何も問題はありません。
その行為は、飼い主としてどーのこーのと言われる事もあるかもしれませんが、それはただの感情論です。
その子の飼育に一切関係無い赤の他人の感情論に耳を貸す必要はありませんからね。
誰に何を言われたのかは分かりませんが、「紛失しちゃったから再発行してもらわなきゃいけない。どこで手続きをしたら良いんでしょうか?」というお問合せが届く事がありますが、この紙の本来の意味というか、売買時の為に必要なそれだときちんとその役割を認識していたら、「そういう物では無い(飼い主が再発行しなきゃいけないなんて物では無い)」ってお分かり頂けるんじゃないかと思います。
どうしても再発行してもらおうとお考えの時はパスバレー社に直接、その旨お問合せしてみて下さい。
⇒パスバレーファーム株式会社
ちなみに、「販売店舗での再発行はありえません(出来ません)(しません)(無いです)」等というのが、複数のペットショップから頂いてきた回答です。
追記:調べました
噂の真相を調べました。
参考にして頂けたらと思います。
パスバレーフェレットの証明書・登録証について誤情報が錯綜している理由を調べた結果
前回の記事を公開したところ、数名の方からDMを頂きました。 私はそこで、 と書きました。 それは、「ネットに書いてあった ...
マーシャルファームから送られてきている書類(出生証明書)
こちらは約10年前の物ですが、20年前に私が実物を実際に見たあの時からすでにこのような感じのしっかりしたそれでした。
誕生日はもちろんのこと、個体識別番号もしっかり記入してあります。(※飼い主様の個人情報に繋がる為、モザイク処理をしています)
これがいわゆる「国際フェレット協会発行の手術保証書付き出生証明書」です。
正式に「これが出生証明書です」と発行側がそう言って作られている書類です。
その詳細は以前の記事でも散々既出なのでもう省きますが、この証明書通りにきちんと登録されている子に限り、不妊手術が不完全な時は無料で手術が受けられる等のBVJ(ビジネス ベンチャーズ ジャパン)の保証がついているという出生証明書です。
これは一番上であげた生体販売証明書の子の物です。
20年前には義務では無かった生体販売証明書の添付ですが、これらの条件がきちんと揃っているから、「マーシャルはブランド価値が高い」と販売業者でのその位置づけに今はあるように思います。
要するにこの「ブランド価値が高い」から、昔から変わらず「マーシャルフェレットの価格が高い」という事です。
「マーシャルフェレットという証明」は出来るんだろうけど…
ですが、上載リンク記事のお話しと、こちらの記事でお話しさせて頂いた子の例で、ちょっと「疑って」みましょう…
里親募集に応募して選ばれない人の特徴!「里親に決まりやすいポイント」って何?
これは保護活動をしている側からのお話しではありますが、あくまでも私個人の考えです。 今まで、経験してきた事の中からさせて ...
フェレットは成長過程でカラーが変わる生き物※ですから、あくまでもこれは「言い掛かりの域を出ない憶測」でしかありませんが、「一度に多くのニョロが輸入されてくる」+「証明書は証明書としてまとめて送られてくる」という現実を考えた時、
マイクロチップリーダーを置いていない店舗からお迎えの子に関しては、いくらマーシャルフェレットだったとしても、疑おうと思えばいくらでも疑う事が出来てしまうのが現状だったりするのです。
これまで、「マーシャルの証明書はあるのに、マイクロチップも刺青も無い子」に会った事が何度かあります。
この時の私にはそんな知識が無かったので、今となってはもう、何も調べようもありませんが
フェレットの寿命【平均寿命は?人間で言うと?】血統書の偽造?嘘からでたギネス記録タイ
いたぞうを死なせてしまった後悔と反省 から私は生き物を飼う資格がないと分かったのでペットと無縁の生活をしていたところに「 ...
ピョンちゃんには刺青があったからマーシャルっ子である事は間違い無いだろうけど、あの証明書はもしかしたら、違う子の物だったのかもしれないなぁって疑う事も出来ます。
実際に、「チップの番号とお店でもらった証明書の番号が違ってた」なんて話は、そんなに珍しい事では無かった時期もありました。
リアルカナディアンの証明書…でも
こちらがリアルカナディアンの証明書です。
この証明書のニョロではありませんが、「リアルカナディアンなのに、入れ墨が無い」というニョロも身近にいたりします。
カナディアンのニョロ達もマイクロチップなどは入っていないので(以下略)ですが、飼い主さんは「そんなところもうちの子らしい♡」と嬉しそうにいつも言っています。
その子は、カナディアンでもそうじゃ無くても愛されていたはずです。
紙があっても無くても、刺青があっても無くても、「飼い主の手元にきたその子」は、もう「その子の価値」としてそれは何も変わらないのです。
※フェレットのカラーが変わるお話はこちらです。
フェレットの毛色(レア種画像あり)性格が違う?!カラーで違う金額を命の値段だと錯覚しないで!!
私は「ペットショップでフェレットを購入した」経験が2回しかありません。 そのうち「選んだ」のは1度だけです。 それから今 ...
「ヨーロッパケナガイタチ」と「ポールキャット」は別種類
今でいう「ノーマルフェレット」が「フェレット」
今でいう「フェレット」が「スーパーフェレット」と呼ばれて販売されていたあの当時、(その辺りの詳しいお話はこちらの記事で)
ノーマルフェレット、スーパーフェレット【時代で変わる価値】人の価値観なんてやっぱり全然あてにならない!フェレットはフェレット!!
私は24年前(1993年)にフェレット飼いになりました。 その子は数ヶ月で死なせてしまいました。 だから、もう動物は飼っ ...
「フェレット(ヨーロッパケナガイタチ)」と書かれて売られていた子達がいました。
今でいう「アンゴラフェレットになるのかな…?」なニョロ達です。
ポールキャット=ケナガイタチ
こちらは「ポールキャット×アンゴラ」と説明されたというイギリス出身の男の子
個人輸入されてきて日本で暮らしてるたまぁ♡
一般には哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科のケナガイタチをさすが、同じ属に含まれるステップケナガイタチや、別属のマダライタチ、ゾリラ、スカンク類など、ネコほどの大きさのイタチ類のそれぞれにも使われる。ポールは家禽(かきん)の雛(ひな)を意味し、これを襲うことからポールキャットとよばれる。
コグマじゃないよ!ポルキャだたまぁ♡
ヨーロッパケナガイタチ≠ポールキャット
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科の動物。ポールキャットともいう。ヨーロッパから近東に分布する。中近東のステップケナガイタチM. eversmanniは別種で、この種と区別するときにはケナガイタチをヨーロッパケナガイタチとよぶ。
出典:同上「ケナガイタチ」
お分かり頂けますか?
簡単にいうと、「ポールキャットと呼ばれる子」は「野生にもいる」んです。
ポールキャットと呼ばれるケナガイタチはいるけど、ヨーロッパケナガイタチと呼ばれる子はポールキャットとは区別されるケナガイタチの事を言います。
そして、「ポールキャットと呼ばれるフェレット」はその全てのカラー種別は「セーブル」です。
逆かな…?
カラーで分ける必要がある場合に、その判断として、「セーブルはポールキャットみたいだからそう呼ぶ」…が正解なのかな?
これは、ポールキャットと呼ばれるフェレットが流通しているイギリスでのお話しなので、その辺の事情は曖昧です。
曖昧な理由は、「流通」と言ったところで、イギリスにはフェレットを扱う専門の卸問屋などが無く、生体を扱う人達がその辺の事を細かく「分類分けする」必要が無いからです。
って、優秀な狩猟用フェレットを両親に持つ、とっても可愛い双子のフェレットをペットとして譲り受け、かけがえのない娘として育てている友達がそう教えてくれました。
こちらがその、「ワイン二本で譲り受けた」という双子の「カリー&セリー」ちゃん。
フェレットの同意書(イギリス)
こちらはまた別の、今度はペット用ニョロのそれです
その子達の情報(生まれ、性別、カラー、セミアンゴラ等々)が書かれた、こちら、右上には「オーナーが持つ複製用」だと「手書き」で書かれた、その子達のものです。
3枚綴りのそれには、「飼育にかんする注意事項やブリーダーさんからの約束事、保証期間やその内容」と
「ネグレクトや虐待等を発見した場合には、ブリーダーがその飼育の権利を取り上げる」って、書いてありました。
当然、双方がサインをする欄もありました。
ちなみにこの子達(上下二枚のニョロです)は、きちんとしたブリーダーさんからの譲受なので同意書が「たまたまちゃんとある子なだけ」だそうです。
そもそも「ファーム」が無いイギリスでは、個人の繁殖家さんが…
って、この話はもう良いか。
とにかく、イギリスのニョロ達は、ちゃんとしたブリーダーさんからのお迎えでも誕生日は曖昧で、出生証明書なんてものはその概念さえありません。
「うちで生まれた子」の出生証明なんて必要無いのです。
紛れもなくフェレットなのですから「生体証明」も要りません。
ペット先進国と呼ばれるイギリスのペット事情はこちらでお話しさせて頂いた通りです。
ペットショップいらない!ブリーダーにしましょう!は誰が何を基準に言っているのか?ペットショップは諸悪の根源説をぶった切る!(後編)
ペットショップの話題を記事にすると必ず (略) 飼うために動物を手に入れるのにペットショップは必要ないのです。 犬猫はブ ...
「アンゴラフェレットは気性が荒い」と言われていたのは野生種に近い?…から?
「フェレット(ヨーロッパケナガイタチ)」と表記して販売しているお店があったあの当時、別のお店で「アンゴラフェレットは野生(原種)に近いから気性が荒くてペットには向かない。観賞用です」とも言われました。
今でも、「ケナガイタチ」と表記されるフェレットが日本へやってくる事があります。
そういう子達は大概が今のファーファーム出身です。
ファーファームとは、長毛種(アンゴラ)を主に産出しているファームです。
その辺りのお話しはこちらで詳しく説明させて頂いていますが
フェレットの種類 ファームによる特徴 【飼い主さん達の声とリアル画像】2024年度版(随時更新あり)
巷で「特徴」といわれる物を拾い集めて書き出してみました。 私は専門家でも何でもないのですが、サイトや本によって書いてある ...
ケナガイタチ本種は、少なくとも古代ローマ時代以降、ネズミ退治のために飼育されてきた。こうして成立したやや小形の種類、とくに白色系のものをフェレットM. p. furoとよんでいる。このフェレットはニュージーランドにも移入されて、やはりネズミ退治にある程度の効果をあげている。また、なれたフェレットはウサギ狩りにも使われたほか、インフルエンザウイルスに対する感受性が高いため、最近では実験動物としても飼育されている。ケナガイタチの毛皮はフィッチfitchとよばれ、とくに黒色系のものが価値が高い。
出典:同上
「ケナガイタチ」として日本で販売されるフェレットに黒い子が多いのはこの為ではないかと思ったりしています。
血が濃くなるのを防ぐためだけに、わざわざ野生のケナガイタチを捕まえてきて掛け合わせるよりも、毛皮用に繁殖させているケナガイタチと掛け合わせた方が話が早いですからね…
…って、なんだか、嫌な話になってきました。
私は毛皮云々の活動への参加はしませんが、金輪際、一生2度とリアルファーを購入する事はありません。
今、持っている物は大切にします。
フェレットの歴史【毛皮・動物実験】反対運動しましょう!みたいな話じゃなくってさ、ちょっと知っておいて欲しいこと
私の認識ではフェレットは愛玩動物(コンパニオンアニマル)です。 エルちゃんは娘も同然です。 私がバランスを崩しやすい人間 ...
話を戻して…
ファーファームから送られてきた証明書
小冊子タイプです。
中を見てみると…
やはり、すでに「印刷されている」ものです。
その子のために書き足された「その子の情報」はありません。
※ケナガイタチ=アンゴラ(長毛種)ではありません
「ケナガイタチ」として売られている子を見かけた事があります。
ここまで、お読み頂いて、「すごくスッキリした!」って方はいるのだろうか…
書いてる私はこんがらがってきました。
「血統書」では無く「母子手帳」的なもの
「こんがらがっている」っていうか、正直「どーでも良い」っていうのが率直な感想です。
もちろん、一人一人が個人的に大切に保管するに値する紙だとは思います。
購入時に得られる「その子の情報」として必要な物もありますし、こういうのがあった方が「なんとなく安心する購入者心理」としても分かります。
ペット経営学の授業でも、その心理は学びましたから。
っていうか、これが「血統書」だったら話は別なんですけどね…
血統書というのは、本来、飼い主のステータスを満たすための物では無く、繁殖の際に必要な情報が詰め込まれている大切な書類です。
こちらは、一般社団法人であるJKCにおいての「血統証明書の定義」です。
血統証明書とは、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)に血統登録された同一犬種の父母によって生まれた子犬に対して発行されるもので、人間に例えると「戸籍」のようなものにあたります。 純粋犬種は、この血統証明書によって、本犬、両親から祖先まですべて同一の犬種であるということが証明されなければなりません。
こちらは、とあるニャンコスの血統書
その子にまつわる情報が細かくビッシリ記載されています。
お分かり頂けるように、血統書というのは「繁殖する時」に必要な情報が記載された書類です。
でも、繁殖云々では無く、飼い主として、その子の血統を証明するだけのこの書類を大切に保管するのは、「この子の物を持っていたい」という親の愛情…母子手帳のような感覚でだと思うんです。
小さいお子さんを持つママさんに聞きました。
ほらねっ!
「親として持っていたい」なら分かるんですよ、私も。
…でも、いたちのおうちに来る子には、それが無い子の方が多いです。
だからっていうか、なんて言うか
「それが無いから何?」がこじれて、「そんな紙切れに振り回されなくて良いんじゃない?あなたのその子はその子なんだから」って思っているのです。
だって、本当に「ただの紙切れ」じゃないですか?
ここまで説明させて頂いた通り、血統書や母子手帳のように「その子の情報」がきちんと全て掲載されているわけでも無く、そんなに価値のある重要な書類では無いと思いませんか?
その紙があるか無いかってだけで、「その子の価値がどうのこうの」なんて話をされても、「あんたは業者か?」ってしか思えないんですよね…私。
必要なのは
ワクチン接種証明書
こちらは病院からのそれです。
ペットショップからのお迎えでも最初にもらえる書類に必ず「ワクチン接種証明書」はあります。
これは店舗によって違いますが、大体がこんな感じだと思います。
どこか、多くのフェレットが集まる場所やペットホテルにお泊りする時には、提示が必要とされる事もありますので、ワクチン接種証明書は大切に保管しておいてあげて下さいね。
とはいえ、ワクチン接種は義務なんかではありません。
「してないから証明書が無い」は別に恥ずかしい事でも、他人に責められるような事でも何でもありませんから、どうか安心して下さい。
フェレットにワクチン接種(予防薬)しなくたって良いんです!預かり施設の本音をぶっちゃけるから、もうそう決断した飼い主さんを責めるのは止めて!
私は過去に「某かの感染症による病気」でフェレットを死なせてしまった事があります。 だから、「予防できる病気は全部、予防し ...
まとめ
…っというわけで、いたちのおうちでは、そんな紙切れで「その子の価値」を決める事はありません。
そもそも、それが何を証明しているのかも分かっていないような人から「証明書あるんでいくらかにでもなりませんか(買い取ってもらえないか)?」とか言われても、「なめてんのか?この野郎?」としか言えません。
その紙で生体の価値を判断し、値段を付けるのは、それが販売業者のお仕事だからです。
あなたがそういう業者であるならば、それならそれで「対等に」話が出来る有資格者なんですよ、私。
細々とした保護活動者だからって、素人が中途半端な知識で金銭のやり取りを吹っかけて、どうにか出来る相手だと思わないで下さいね。
優しく教え諭すとか無くその場で怒鳴り付けますよ。
飼えなくなったペットを買い取って欲しい!は違法?【法律・条令】生体販売・転売について本当の話
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日 法律 第 105号)最終改正 平成26年5月30日 動物の愛護及び ...
いたちのおうちはそういう所です。
そうは言っても、分からない事、知らない事だって、たくさんあります。
今日のお話しは色んな皆に協力してもらいながら書きました。
色んな話を聞かせてもらったり、その子の紙や写真を貸してもらったり…ご協力に感謝します。
そんな皆を見ていて思ったのは、やっぱり、その紙を大事にするのは「その子を愛している飼い主さんだから」だって思いました。
皆、その子を愛してる大切な証拠の品として見せてくれました。
でも、その紙が無いからって、愛情が無いんだとか、そんな偏見を持つ事もありません。
その紙が存在しない子だっているし、それはただの紙でしか無いし…
今日のアイキャッチ画像のわさび君は、ファームも誕生日も分からない、彼の何かを証明する物は何も無い子です。
推定年齢8歳、分類分けするのであれば現行カラーはホワイトファーブラックアイ、出生については何も分からなくたって、わさびはわさびです。
私たちにとっては超貴重な価値ある可愛い可愛いフェレットなのです。
紙があっても無くてもその子はその子。
これからも、なんかそれ系の紙の話になったら、全部まとめて「証明書」って表現は便宜上使っていきます。
それが上記のどれであろうと、必要が無ければ、細かい使い分けはしません。
どこ生まれだ何だって、紙があっても無くっても、あなたのその子にはそんな事は関係無く、どの子もみんな大切な「その子」として生涯大切に育ててあげて下さいね。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡