迷子犬ポスター

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ペットと暮らす

保健所はダメで愛護センターは良いって何?【ワンちゃんの飼い主さんが見つかりました】時系列順に見る「犬の保護」と、見せつけられた友人の覚悟

2018年1月22日

先日まで、ごく数日間だけですが、当サイトのトップページが、「ワンちゃんの飼い主さんを探しています」でした。

迷子犬のスクショ

この友人とはフェレットの保護活動を通じて知り合ったのですが、プライベートでも仲良くしてもらっているリアルに親しい友達です。

その彼女から「こういう時はどうしたら良いの?フェレットと同じなのかな?」って、その場から電話がありました。

「保護」というのは、とてもデリケートな問題をたくさん含んでいたりします。

「犬の場合は」を、ワンちゃんの現役保護活動者さん(こちらも親しくしてもらっている友人です)に確認を取りながら慎重に事を進めました。

「迷子のペットの保護」は基本的にはワンちゃんもニョロリンも「手続き」に、その差はありません。

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保護活動者だからこそ躊躇する「どこまでしてあげられるのか…」

お子さんと一緒の時に見付けた、そのワンちゃん。

「迷子かな」と、しばらく様子を見ていたそうです。

ウロウロしていたので、「一人で帰れるのかな?」との思いから、後を付いて行ったりしていたそうですが、ずっと同じ場所を行ったり来たりしていて、

「迷子なんじゃないかな」の思いが強まるとともに、その場所は車の交通量が結構多いという事で、それが心配で仕方が無かったそうです。

友達
友達
思い切って「おいで」って声を掛けたら、ちゃんと近寄ってきてくれたんだよ

いくら「犬は人の言葉を理解している」とは言ったって、激しく動揺している時などには通用しないものです。

突発的に迷子になってしまった直後の子は動揺している事が多々あります。

何日か放浪していたのだろうか…?

それとも元々、とてもとても穏やかな子なのかな…?

色々、思う事はありましたが、写真を見る限り、不安そうではあるけれど、動揺している様子ではありませんでした。

その証拠に、保護をお願いした警察署員の方が到着するまで、こんな風にずっと大人しく、お利口さんに、友人のソバで待っていたそうです。

迷子犬 情報

その後、警察署で手続きをするわけですが、友人は

「もし飼い主さんが見つからなかったら、どうなるのか…」

「施設に行くことになったら…」

「殺処分なんてイヤだよ…」

って、最悪の事態までを想定して、「飼い主さんが現れなかったら、私が引き取ります」って、その場で書類にサインをしたそうです。

この友人、普段はポーっとしていて、そんな決断力があるとは思わなかったので、後から聞いて驚きました。

友達
友達
だって、処分なんてイヤだったんだもん

…そんな物は皆、嫌に決まっています。

だけど、

だからって、「じゃあ、その時は、うちで引き取ります」とは、なかなか決断できる事ではありません。

「旦那になんて言おう…」って考えていた彼女に、「私が出来る事は全部、私が引き受けるよ!その為の有資格者だから!頼って良いよ」って言いました。

だから、飼い主さん探しも堂々とお手伝いさせて頂きました。

一番良いのは「お家に帰れること」

警察署にある保管施設のキャパシティーの問題でだとは思いますが、一晩の間に飼い主さんからの問合せが無かったその子は保護の翌日には市の動物愛護センターでの預かりとなりました。

迷子犬 公示情報

こちらが、その時の記録です。

「D-180119-01」が、この子の名前です。

その間、彼女は飼い主さんが正しい探し方を知らないのかもしれない!ネットとかやらない人なのかもしれない!と色んな事を考えて、

「近所のスーパーとかに貼らせてもらう」と言って、ポスターを作っていました。

今日のアイキャッチ画像がそのポスターです。

上記でも述べました通り、迷子における手続きはワンちゃんでもニョロリンでも変わりません。

その「正しい探し方」はこちらなど参考にして頂けると良いかと思いますが

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まずは「警察署への連絡(いなくなってしまった報告と相談)」ですからね。

「保健所」と「愛護センター」の違い

「保健所=動物の殺処分をする所」と思っている人が時々いますが、それってば大昔の昭和のイメージですから捨てて下さい。

2018年、今日現在の「保健所」のお仕事に「保護(引き取り)動物の殺処分」はありません。

それを担っているのは「動物愛護センター」です。

「愛護」という言葉に、何やら勝手にメルヘンチックな幻想を抱いて「愛護センターなら安心」とか眠たい事を抜かしている人があなたの周りに、もしいたとしたら、ひっぱたいて叩き起こしてやって下さい。

「飼えなくなっちゃったら、愛護センターに持ち込めば良い」は「飼えないから殺します」と同意語ですからね!!

かなり語弊がある表現ですが、私はこの言葉を引っ込めません。

「保健所は怖い所」「愛護センターは楽園」だなんて、間違った知識で勝手に思い込んでいないで下さい。

後述しますが、愛護センターの業務内容の注意事項には

飼い主から引き取った動物については、原則即日処分となります

と、はっきり明記してあります。

殺処分施設があるのは動物愛護センター」だって、知っていて欲しいのです。

厚生労働省の管轄である福祉保健局という部署に「保健所」も「愛護センター」もありますが、その二つは全く別の組織です。

保健所とは

何やらトンチンカンな事を言ってる人もいるようですが…

こちらが、東京都の保健所の業務内容です

都保健所の業務

東京都福祉保健局 都保健所の業務

昭和のあの頃から法改正が行われ、条例が増え、国の管轄する部署、その部署が管轄するそれぞれが、複雑化されたり枝分かれしたりしてきた2018年今日現在は「保健所」という所では、動物のことは「扱ってさえいない」のです。

動物愛護センターとは

東京都の愛護センターの業務案内には

当センターは
「狂犬病予防法」
「動物の愛護及び管理に関する法律」
「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」
「化製場等に関する法律」
などの法令に基づき、業務を行うことにより
・動物愛護精神と適正飼養の普及啓発
・動物の保護と管理
・人と動物との共通感染症の予防・調査等
をはじめとした
人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指しています。

とあります。

下から4行目の「動物の保護と管理」が、迷子や遺棄された子達に関係している部分です。

飼い主不明の動物を7日間は収容します。

負傷していたら、その7日の間に治療を受けさせ、その後は希望者を対象に、講習会を実施したうえで犬・猫等を譲渡したりもします。

命の「保護と管理」をしてくれる場所ではあります。が、

殺処分

以下の場合は譲渡対象とはせず、動物福祉の観点から殺処分することがあります。
・飼養管理が困難な生後間もない子犬や子猫
・治療が困難な著しい苦痛を伴った負傷動物
・著しい攻撃性等、問題行動を持ち矯正が困難な動物
・飼育管理が困難な高齢動物

という、文言もきちんと明記してあります。

尚、「○○が困難」の「困難」に対する明確な基準はありません。

⇒東京都福祉保健局 動物愛護相談センター 業務案内

一番良い結果で良かった

上記の事を知っていた彼女は、気が気じゃ無かったんだと思います。

保護した夜には、ご主人に「別に良いよ」って、家族が増える事になるかもしれないお許しをもらい、「ワンちゃんが来る事になったら」をたくさん勉強していました。

彼女は「犬を飼った経験が無い」のです。

それでも、だからこそ、一度、手を出した命の行く末をずっと真剣に考えていました。

「お家に帰れるのが一番良い」って思いはありながらも、「もしそうなったら」を常に考えていたのは、滅多に連絡を取り合う事が無い私(ドッグトレーナーの資格も持っています)への数回に及んだ電話からだって伝わってきていました。

土日を挟んだ月曜日、居ても立っても居られず、愛護センターへ「飼い主さんは見つかりましたか?」の電話をかけたら「飼い主さんが見つかって、もうお家に帰りました」と言われたそうです。

「お家に帰れたんだってー!良かったー!!」って、とても嬉しそうに連絡をくれた彼女から少し寂しそうな氣を感じ取ったのは、私の気のせいかなぁ…

何はともあれ、お家に帰れて良かった。

ご協力、ご心配頂いた皆さま、

この度は本当にありがとうございました。

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