皆さんもご存じの通り、我々人間の心筋梗塞は寒くなるこの時期に発症しやすいことがわかっています。
厚生労働省の統計によると心臓病による死亡数は1月が最も多く、次いで2月、12月、3月と冬季に集中、夏季のおよそ1.5倍にものぼります。
冬に心筋梗塞が多いのは、気温の変化がストレスとなって心臓への負荷が増す(例えば、暖かい屋内から気温の低い屋外に移動する際などの『急激な血圧の上昇』)が理由として挙げられます。
また、寒さによって心臓の血管が過剰に収縮して『血流不全』に陥ることも要因の1つだと考えられています。
って、これ…
人間だけに起きることじゃないんです。
さすけが心臓の疾患で闘病中ということもあり、知っている限りの「気を付けてあげてください」を急いで書こうと思いました。
理由は分かっていませんが、フェレットは年齢とともに心臓が大きくなりやすい傾向がある生き物と言われているほど、シニアになるとその多くが実は心臓に❝も❞問題を抱えていたという例がとても多いです。
ただしそれは、それだけでは「加齢によるもの」として大きな問題とはされず、いわゆる経過観察で済む場合がほとんどです。
なので、4才以上になったら通常の定期健診だけでなく、一度しっかりと心臓エコーなどもお願いして、その子の心臓の状態を知っておいてあげるのが良いんじゃないかなって思います。
ヒートショックに気を付けて!フェレットを雪で遊ばせてあげたいけど大丈夫でしょうか?
関東でも広範囲で注意報や警報がでるほどの積雪があったあの日、「雪で遊ばせてあげたいのですが大丈夫でしょうか?」というお問合せが数件ほどありました。
全方に、「その子がまだ若く健康状態に問題の無い子であれば大丈夫だと思います。初めて見る雪にどんな表情を見せてくれるのか、冷たい感触、サクサク面白い音、きっと楽しんでくれると思いますので、事故やケガがないように注意深く見守りながら、ぜひ動画にも残してあげて下さいね」とアドバイスをさせて頂きました。
毛の色でお分かりのように、この時のえるちゃんは1才です。
小雪がちらつく中で出会ったさすけ…
そのさすけにも若い頃に一度ガッツリとした雪を見せましたが、さすけは全然興味がないどころか「冷たくて嫌です。寒いのは好きじゃありません。」だったので、それ以来さすけはもちろんですが、今いるひまちゃんも6才、もえちゃんはビックリするような事はさせない方が良いと診断を受けているので、今回の雪は我が家ではただの「そういう天気でした」でおしまい。
雪遊びで死んでしまったフェレットのお話
雪遊びをさせて
体が冷えただろうからお風呂にいれたら急に元気がなくなってそのまま死んでしまいました
雪に毒が混ざってたとしか考えられません
この辺りには野良猫が多くて猫対策に毒餌をまいてる人がいるんだと思います
その人を捕まえて警察に突き出したいんですが
というお電話がありました。
もちろん、調べたわけではありませんので毒の可能性も0ではないと思いますが、「もうすぐ6才だったのに」という事でしたので、私は「ヒートショックを起こしたか低体温症だったのではないでしょうか」とお伝えさせて頂きました。
ヒートショックとは
人の例
急激な寒暖の差が心臓・脳の血管や血液の流れに影響を及ぼすと『突然死』することがあります。
そのような温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害、温度差によって起こる重大な症状を『ヒートショック』と言います。
その症状は失神、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞。特に冬場に多く、高齢者に多いのが特徴です。
若い皆さんでも一度くらいは、「暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し浴槽に入るときなどにヒートショックを起こしやすいので、冬場は脱衣所にも暖房をつけて下さい」と耳にされた事があるのではないでしょうか?
令和3年に交通事故で亡くなった方が2,636人、浴室内での不慮の事故で亡くなられたご高齢者の数は4,750人(※ヒートショックはお風呂場だけでなくトイレやその他の場所でもその事例があがっていました。このデータはあくまでも浴室内でのものとなります。)いかに深刻な事態であるかはその数で一目瞭然です。
で、これは人間だけでなくフェレットでも起こります。
お電話があったあの子の例を上記のイラストにあてはめてみます。
暖かい室内⇒寒い外⇒冷たい雪の上⇒温かいお風呂
飼い主さんのお気持ちを考えると心が潰れそうでとても苦しい気持ちですが、毒餌と考えるよりやはりヒートショックが原因だったのではないかなと私は思います…
謹んでお悔やみ申し上げます。
加齢による体温の変化を知っておいてあげよう
我々、人間でもそうなのですが、年をとるにつれて起こる筋肉量の低下、相対的な脂肪量の増加、活動性の低下、これらに伴う代謝の低下などで、体温自体が低くなります。
参考
【高齢者は0.2℃以上低い】
ヒトの体温を腋窩(えきか:ワキの下)で測ると、乳幼児では平均37℃台と高いのですが、年齢が上がるごとに少しずつ下がり続け、10歳くらいで一定の値に落ち着きます。しかし、高齢になると再び低下してきます。
実際に50歳以下の人と65歳以上の高齢者に分けて腋窩温を測った日本の報告によると、50歳以下の平均が36.9±0.3℃なのに対し、高齢者では36.7±0.4℃でした。
高齢者は50歳以下の人より平均値で0.2°C低い値を示しています
テルモ体温研究所1)
入来ら:老人腋窩温の統計値.日老医誌12,172-177,1975
歴代のフェレット達でずっと体温測定を続けてきた知人が「大体こんな感じだったよ」って、データをくれました。
フェレットの平均体温
健康な子 38度台
シニア 37度台
老+心 36度台
死を意識する体温 34度以下
低体温症とは?冬場に気を付けてあげたいこと
この子達は「暑さに弱く、寒さには強い」とされています。
それはシニアになっても基本的には変わらないのですが、「暑い寒いだけでいうなら、暖房を効かせすぎた常夏みたいな部屋よりは寒いお部屋の方がまだマシくらいになってくるような感覚ですかね」と先生が言っていました。
伝わりますでしょうか?このニュアンス…
極端な言い方をすると、「その子が震えるような室温は避けてあげて下さい。」かな。
フェレットはよく震えていますから、これに関してはもう本当に、飼い主さんにしかその違いには気付けないかもレベルですが、飼い主さんなら分かります。
「寝起きなどに震えている」と「寒くて震えてる」と「シニアの体が冷えてしまって震えている」は飼い主さんが見たら分かります。
なので、その子を普段からよく見ていてあげて下さい。
上記でお伝えしたように、もともと体温が低くなっているシニアの体は低温環境に長時間いると、低体温の原因になります。(これはシニアじゃなくてもですけど)
低体温の初期症状には身体の震えや動きの鈍化、皮膚の感覚の麻痺などが挙げられます。
症状が進むとその震えは止まり、歩けなくなったり意識を失ったりして命の危険が生じます 。
シニアの雪遊びは避けてあげた方が良いです。(フェレットは体こうが低い(足が短い)ですから、シニアじゃなくても長い時間の雪遊びは気を付けてあげた方が良いと思います。)
シニアに寒すぎる室温もダメです。
心臓に何かしらのトラブルを抱えている子は寒い時期のお風呂も控えてあげて下さい。
お風呂に入らなくて死ぬことはありませんが、お風呂に入ったら死ぬことがあると頭の片隅に置いておいてもらえればと思います。
さすけはシニアで心臓にトラブルがあるから特にですが、「暖かい部屋と冷たい部屋の行き来もなるべくならさせない方が良い」と言われました。
急な温度変化はそれだけシニアの心臓に負担がかかるという事ですので、どうか同じ症状をもつニョロたち、そろそろ健康に気を付けてあげたいお年頃のシニアニョロ達、みんなみんな注意してあげて下さいね。
おしまいに
心臓の病気、胸水と闘ってるニョロたちへ
さすけは、病院のお薬とこちらのサプリで頑張っています。
良かったら参考にしてみて下さい。
フェレット胸水(心臓・リンパ腫)げんきいたちのサプリ買い方あげ方
まず初めに、私には「胸水の説明」は難しくて出来ません。 例えば心臓の病気から起こっている場合もリンパ腫などの腫瘍から起き ...
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健やかなニョロニョロ生活を☆彡