生殖器以外にオスとメスがハッキリ区別できる(違いがハッキリしている)動物の現象を「性的二型(せいてきにけい)」と言います。
例えば、
ミノムシ:オスは成虫になりますが、メスは一生蓑の中で幼虫として過ごします。
クジャク:オスが派手でメスが地味です。
アンコウ:
小さいウチにメス(オスの数十倍)に吸着出来た物はオスになります。
オスは血管までメスと同化し、寄生生活を行います。その後オスは成長しません。
ライオン:オスにはタテガミがあって、メスにはありません。
ライオンのように、そこまでハッキリした違いは無くても、哺乳類のほとんどは性的二型の動物です。
もちろん、フェレットを含むイタチ科の動物たちも、オスがメスよりも大きくなるという「性的二型」の動物です。
ただし、避妊去勢手術をしている子たちには外見上の「オスらしさ」「メスらしさ」と言った特徴はほとんど見られなくなるとされ、フェレットにおいてはその体格差もほとんど無いと言われています。
これは「体格差が無くなる」という事では無く、「大きい子」「小さい子」が雌雄の区別では無く「その個体差の範疇」という意味です。
前立腺は男の子にしか無い器官
フェレットの「お〇ん〇ん(陰茎)」がどこにあるか知っていますか?
アイキャッチ画像で、さすけが堂々と披露してるそれなのですけど…
時々、これを「おへそ」と思われる方がいるので、こうして、女の子と見比べて頂くと分かりやすいかなって思います。
わさび(♂)とえる(♀)
分かりますかね?
矢印のちょっと下辺りのポコっとなってるのがそうです。
以前、どこかのサイトで「タマタマ(か臭腺)の取り残しはニキビのような感触である」みたいに書いてあるのを見た事があります。それについては実物を見た事も触った事も無い私にはよく分かりませんが
未去勢の男の子の発情タマタマのお写真はこちらに掲載させて頂いております。
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フェレットの去勢手術において、陰茎は触りません。
人間のそれのように「玉とり」・「竿とり」(「あたしは全とり手術済みよ」って言う経験者の表現をそのまま使用しています)というような手術では無いのです。
オシッコを排泄する為の「お〇ん〇ん」はちゃんと残っています。それは知らない人が見たら「おへそ」だったり、「ニキビのような吹き出物」に見えるらしいです。
「気が付いたら、こんな風にお腹のところに吹き出物が出来ちゃて、ずっと治らないから病院に行こうと思う」って心配されてる新米ニョロリストさんがいました。
このポッコリです
このように、女の子のエルちゃんにはありません。
爆睡中です…
間違っても、勝手に皮膚炎のお薬などを塗ってはいけません!!!!

- 勝手な飼い主判断で病気を診断してはいけません!
- 勝手な投薬は絶対にしてはいけません!
肥満細胞腫についてはこちらを参考にして頂けたらと思います。
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そして、
前立腺とは、膀胱の前方で尿道を囲むように存在し、精子を活発にする働きを持つ前立腺液を分泌するための(生殖に関わる)器官なので、男の子にしか無く、その疾患は男の子特有のものとなります。
女の子特有の疾患についてはこちらなど参考にして下さい。
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前立腺疾患とは?
なんらかの原因で前立腺が腫れ、主に尿が出にくくなるなどの症状が起きる病気の総称です。
前立腺が腫れる(前立腺肥大)原因は、副腎疾患によって性ホルモンが過度に分泌されることによる場合が一番多いとされています。
尿道を取り囲む位置にあるため、それが腫れると尿道を圧迫したり、
性ホルモンによって増殖した細胞が尿道を狭めてしまったり塞いでしまったりします。
前立腺の一部に体液や血液が溜まった袋が出来たり(嚢胞)
感染症を起こして膿が溜まったり(膿瘍)する事もあります。
尿道が閉塞し、排尿されない状態が続けば、
腎不全を起こして死んでしまう
おそれがあります。
尿道だけでなく「腸管まで圧迫してしまっていた」という症例もあります。
3才(シニア期に入る前)頃から注意が必要とされるこの疾患。
この疾患である場合、副腎に問題がある場合が多いとされています。
どうか、この症状に早めに気付いてあげて下さい。
前立腺疾患の症状
排尿困難になります。
トイレへ行ってもなかなかオシッコが出なかったり、まったく出なかったりします。
一度に少しずつしか排出されないので頻尿(オシッコの回数が増える)になります。
尿漏れして、いつもお腹の辺りが濡れている事もあります。
排尿時に痛みから鳴き声が出る事もあります。
血尿が見られる事もあります。
排尿時になかなか出ないために、力むのでウンチが少し出る事があります。
※ウンチをする時にオシッコが一緒に出る(する)のは、(人間と同じで)よくある事です。そうでは無く「オシッコの時にちょっとウンチも出てしまう」という状態です。
その原因が副腎疾患である場合がほとんどであるため、その場合は副腎疾患の症状(脱毛など)が見られます。
治療方法
副腎疾患が原因なら、その治療(摘出手術、投薬治療など)を行います。
軽度の腫大なら、副腎の摘出手術で治ることが多いとされ、治らない場合またはその手術を行わない場合は、ホルモン抑制剤の投与でも効果が出るまで少し時間を要することがあります。
副腎の摘出手術をしない場合は、定期的なホルモン抑制剤の投与を生涯に渡って続ける必要があります。
前立腺に嚢胞(のうほう)や膿瘍(のうよう)ができている場合には、外科的に前立腺を切開して洗浄や排膿し、抗生物質を投与します。
いずれにせよ、尿が溜まっている場合には速やかに処置する必要があります。
急性腎不全は死に直結する本当に一刻を争う怖い症状なのです。
オシッコが完全に出なくなってしまっている時には、尿道に細い管を通して(カテーテル)尿を抜いたり、膀胱穿刺(せんし)や圧迫排尿などの処置となります。
それらの詳細はこちらの記事でもお話しさせて頂いていますが、
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「竿とってないから!骨があるのは当然よね!」(by.前述の手術済みの知人)※この表現が適切かどうかの判断はお読み頂くあなたの中でお願いいたします。
予防法
「副腎疾患の予防」というのが一番とされています。
それについては、成長期前の去勢手術が大きく関係していると言われていますが、それだからと言って、「仕方ない」で片付けてしまわないであげて下さい。
少しでも出来るんじゃないかとされる、予防を諦めてしまうのは違うと思うんです。
ホルモンバランスの異常には「日照時間が関係している」とも言われていますので、やはり、
昼は明るい中で遊び、夜は暗い所で眠らせてあげるという明暗差をきちんとつけた規則正しい生活を送らせてあげるのが良いんじゃないかと思います。
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1つ1つは、ちょっとした事かもしれませんが、それらは全部きちんと早期に気付いてあげられる事に繋がる確実なサインです。
「おかしいな」と思ったらすぐに病院へ連れて行ってあげて下さいね。
男の子ニョロリンと暮らしているあなた、
その子の大事なトコロがどこにあるか、どんな風なのか、これを機に一度ちゃんと見て、きちんと知っておいてあげて下さいね。
このお話しと関係ある…かな?
「取り残し」についてはこちらなど参考にして頂ければと思います。
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健やかなニョロニョロ生活を☆彡
追記:表現について
「病気」の事を書いている(卑猥な文章では無い)
「おへそ」や「ニキビ」とそれを間違えてしまう感覚の人もいる事について説明をする時に「陰茎」では伝わらない
という考えで、その名称をそのまま表記していました。
こういう場合、「伏字にする方が逆におかしいんじゃ無いか?!」というのが私の個人的な感覚ではあります。
でも、「さすがにそれはアウトだろ!社会的に」というご意見を頂き、「私の感覚」ではダメなんだと思い直し、全て伏字表記と致しました。
この件に関しては訂正とさせて頂くだけで謝罪の気持ちはありません。
が、ご指摘頂いた事には感謝しています。
ありがとうございました。
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