フェレットのへそ天(寝姿)

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フェレット エストロゲン過剰症(誘発性貧血)とは【メス特有の病気】避妊手術済みだからこそ危ない!発情画像あり

2017年8月13日

エストロゲンとは副腎皮質や卵巣から分泌される性ホルモンです。

エストロゲン過剰症とは、このホルモンが過剰分泌されることによって起こるメス特有の病気です。

女性の皆さまには馴染み深いこの「エストロゲン」

人間の場合、40歳前後からその分泌量が減少するといわれ、それが更年期障害を引き起こすと言われています。

自分の体に起こる不具合は何でも全て更年期障害のせいにしたがる42歳というお年頃の私…

そんな私、実は、女の子のフェレットをちゃんと育てるのはエルちゃんが初めてです。

一番初めに出会った女の子「ピョンちゃん」は両親に任せっきりになってしまったうえ、そもそも、あの頃は、こんな病気(症状)がある事さえ知りませんでした。

ピョンちゃんは病気らしい病気をする事なく、最期まで本当に元気にいてくれたのです。

ピョンちゃんのお話し

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その後出会ってきた子たちは何故か全員、男の子だったので、「そういう病気があるらしい」くらいの知識のまんまで「女の子は大変だあ」って他人事みたいな感覚でいました。

※男の子ニョロにだって「オス特有の」病気は当然あります。

「性成熟したメスが繁殖期を迎えると卵巣からエストロゲンが分泌される。それがいわゆる発情期」

これは誰でもが知っている、義務教育の生物もしくは保健体育の授業で習う、超基礎的なお話しです。

そこに、「フェレットは避妊去勢手術が済んでいる※」という事実だけで、昔の私は「ホルモンの病気は、避妊去勢済のこの子達には関係無い」と誤認していたのです。

※その手術をしていないフェレットを「ノーマル」と言い、日本にもノーマルフェレットはいます。

そのお話しはこちらなど

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交尾による刺激があるまで排卵せず、発情が続く動物を「交尾刺激排卵動物」と言うのですが、フェレットはまさにその交尾刺激排卵動物です。

「ノーマルフェレットの女の子は発情したら、交尾をさせるか、それを抑える適切な処置をしてあげなければ死んでしまう」という知識はありました。

だから、手術済の体で発情しないこの子達には関係が無い病気と思い込んでいたのです。

間違ってはいけないのが、発情によってエストロゲンが分泌されるのは正常な生理現象で、病気ではありません。正しい処置さえすれば怖がるような事では無いのです。

その処置をしないと「エストロゲン過剰症」に至ってしまうというだけです。

だから、それらを当たり前の知識としてきちんと持っておられるノーマル飼いニョロリストさん達は、この病気を過剰に怖がる事はありません。

この事を知っているから、「そうならないように」がきちんとお世話の中にあるのです。

怖いのは、避妊手術を受けているからというだけの事で、この病気とは無縁だと安心してしまう事です。

イギリスに住むノーマルニョロ友も

友達
友達
こちらの獣医さんの見解ではアメリカなどのファームフェレットは早期避妊手術で副腎腫瘍のリスクが高いとイギリス獣医会ではいわれているそうです。避妊してるから安心ではなく、むしろ定期的に気にしてあげてほしいです。

と、助言をくれました。

女の子ニョロリンを飼っている皆様に、覚えていてあげて欲しいのは

ホルモンの分泌を担う臓器は卵巣だけじゃないという事

だから、
卵巣が無くても「発情状態」になる事があるという事

飼い主が気付かないまま
発情状態が続くと死んでしまう事があるという事

それを知らないで飼っているという事が一番「危ない」のだという事

です。

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エストロゲン過剰症とはどんな病気?

フェレットの三大疾病の1つとされる「副腎疾患」

メスのフェレットがこの副腎疾患を起こすと、その副腎からエストロゲンという性ホルモンの分泌が続きます。

(オスの場合はアンドロゲンといい、また、副腎疾患の際に分泌されるそれはエストロゲンだけではありません。が、今日はエストロゲン過剰症についてのお話しなので、その部分は端折(はしょ)ります)

エストロゲンが分泌されているという事は、体は「発情状態」になっているという事です。

が、避妊手術が済んでいる女の子が交尾刺激を受ける事はありません。

よって、その発情状態はずっと続き、その間中ずっとエストロゲンは分泌され続けています。

エストロゲンには「骨髄での造血機能を抑える」という働きもあるのですが、これが働きすぎると白血球や血小板を減少させてしまう事になり、その結果、「貧血(骨髄抑制や再生不良性貧血)」を起こしやすくなります。

これが、「エストロゲン過剰症」と呼ばれる症状です。

その状態で引き起こされる再生不良性貧血を「エストロゲン誘発性貧血」と言います。

もちろん、副腎疾患からのそれだけでなく、未手術の女の子が発情状態になったという正常な生理現象であっても、交尾刺激が無い場合、適切な処置を行わなければ、エストロゲン過剰症になるおそれがあります。

「交尾刺激による排卵が行われない場合、発情がおよそ4~6ヶ月間続く」という記述を見かけた事がありますが、発情状態が一ヶ月にも満たない時間にもかかわらず、

「エストロゲン過剰症になりかけている」という診断が下りた子のお話しを聞いた事があります。

交尾の予定が無いのであれば、この子達の体にとって負担になってしまうだけですので、最低でも2週間程度以内にはその処置をしてもらってあげた方が良いんじゃないかと思います。

貧血の状態が悪化すると手術などの対応ができなくなってしまう事もありますので、本当になるべく早く発見してあげて、出来るだけ早い治療または処置をしてもらってあげて下さい。

エストロゲン過剰症の症状

  • 発情した状態になる
  • 貧血を起こす

また、副腎疾患によるそれの場合は当然

  • 副腎疾患の症状

が見られます。

メスが発情した状態とは?

  • 外陰部が腫れる
  • 外陰部からの粘液の分泌
  • 乳頭や乳腺が目立つ
  • 皮脂が増えて被毛がべたつく
  • 体臭が強くなる
  • などの変化が見られます

こちらが、発情中(未手術)の女の子の外陰部です。

発情2日目

発情状態のメスのフェレット(外陰部)

「不要な手術はしない方が良い」という担当獣医さんの考えのもと、毎年、発情が来たら、その都度、「ホルモン注射で発情を抑える」という処置をとっておられるそうです。

このお写真を貸して欲しいとお願いしたところ、

この子は副腎疾患でのそれでは無く、毎年起こる生理現象である(だから読んで下さってる方には不安にならないで欲しいという配慮からだと思います)事を注釈としてきちんと記述するお約束で、

友達
友達
画像のおまたは膨らんで二日目のものです。
なので放っておくともっと紅く膨らみます。
副腎腫瘍で陰部が膨らむことがある際の参考程度にしてほしいです。
発情による陰部の腫れは陰部から分泌物がでて湿っております。
陰部が腫れたら早めに獣医にかかることとお股を清潔に保つのを心掛けてください。

という実体験からの言葉で、その色々を教えてくれました。

もちろん、これは「発情状態である」というだけで、エストロゲン過剰症は起こしていませんので、ご安心ください。

また、これ以外にも

友達
友達
外陰部が膨れ始める少し前から
いつもより少しやんちゃになり、興奮しがちになる気がする。
そして、
甘ったるいアーモンドのような、いつもとは少し変わった匂い(体臭)がする。

とも教えてくれました。

もちろんこれは、(香りの質など)飼い主様の個人的な感覚による部分もあるのかもしれませんが、その後に

友達
友達
他の子に比べて、匂いが変わってきてその匂いが強くなってきていたのに、皮脂の分泌はさほどなかったんですよ。

と、おっしゃっていたので、ピンときました。

これは、どんな時でも、どんな状態の場合でもあてはまるそれです。

「個体差がある」という事ですね
アタチはなこ
アタチはなこ

ありがとうございました。

いつも書いてきている事ですが、「こうだからこう」という一般論に安心して、その子の小さな変化を見逃してしまう事が無いように、くれぐれも、気を付けて毎日を一緒に過ごしてあげて欲しいと思います。

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見た目の症状としてシッポの根本から始まり、下半身から上半身に広がる左右対称の脱毛が見られます。

副腎疾患によるもの、そうではないもの、の脱毛のお話し(お写真)はこちらなどを参考にして頂けたらと思います。

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治療は?

エストロゲン誘発性貧血を起こしている場合「その30%が死亡する」というデータがあります。

早期発見の早期治療が一番です。

まずは、貧血を起こしている状況を改善し、発情が続くのを止める治療を行います。

貧血状態から回復するまでの支持療法としては、

  • 輸液
  • 強制給餌
  • 鉄剤や
  • ビタミンB群などを与える

二次感染を防ぐために

  • 抗生剤の投与

または

  • 輸血

する場合もあります。その間は、ケガなどで出血しないよう、飼育環境を徹底してあげる必要があります。

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骨髄機能が回復するまでには「数日から数週間かかる」と言われていますが、骨髄が完全にエストロゲンに抑制されてしまってからでは、有効な治療方法は現段階では確立されていません

一ヶ月以上その状態を続けさせるのは、とても危険だと言われているのはこの為です。

繁殖の予定が無いペットとしての飼育下にある女の子では

  • 避妊手術を受けさせる

のが一般的だとする獣医さんも多いようですが、上載させて頂いた子のお医者さんのように、その手術は「不要」として、注射での抑制を考えてくれるお医者さんも当然おられます。

この場合、もしくは、貧血が悪化して手術が出来ない場合などには、排卵を誘発する性腺刺激ホルモンまたはゴナドトロピンなどの

  • ホルモン注射(HCG)を投与

します。

副腎疾患によるものの場合には当然

  • 副腎疾患の治療

を行います。

予防方法は?

ノーマルフェレットの女の子の場合

  • 避妊手術を行う
  • 交尾をさせる

繁殖を望まない場合は

  • 繁殖能力が無いオスと交尾させる

という方法もあるそうですが、やはり一般的には

  • ホルモン注射による処置

になるかと思います。

このホルモン注射の内容ですが、日本では「その都度」が一般的とされていますが、海外では体にホルモン剤を「埋め込む」という手術もあるそうです。

これは、犬や猫の症例では2~4年ほど効果が持続するといわれているので、その都度注射を打たずに済むため、(特にシニアニョロの)体の負担が減らせるんじゃないかと思うのですが、日本ではまだその薬の認可が下りていないそうです。

そしてこれは、副腎疾患の治療にも海外では使用されているそうなので、日本でも導入されたら良いのになあって思います…

こちらが、上載のお写真(未手術)の女の子

未去勢(ノーマル)フェレット(メス)

Callyちゃん♡可愛い

避妊手術済の女の子の場合

  • ホルモン分泌の異常を防いであげる

しかありません。

これには、やはり、単純なようですが、人間のそれと同じように、日中は明るく、夜には明かりを落とし暗くして眠るという

  • 明暗をきちんとつけた規則正しい生活

が一番有効だと言われています。

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また、早期発見が何よりも大切な事となりますので、毎日のスキンシップで、少しの異常も見逃さないであげて下さいね。

ノーマルフェレット飼いさんが教えてくれた「発情」のお話し(日本国内)

ノーマルフェレットの事をいつも丁寧に教えて下さる知人が、今回もこんなお話しを聞かせてくれました!!

「女の子の発情」についてです。

知り合いロゴ
知人
我が家には一歳を過ぎてから避妊した女の子が二頭いますが、やはり女の子の発情期はとても気を遣います。
男の子の発情に輪をかけてリスクが大きいので、HCG 注射のタイミングを見計らいながら、ある意味「だましだまし」、大人の身体が出来るまで育ててあげて、十分成長してくれたと判断したら、速やかに手術! という流れです。
HCG も、発情期のフェレットの女の子に対して、適切な量を投与できるノウハウを持った獣医さんがとても少ないですし、そのために、注射一本のために、フェレ連れで新幹線で通院ということにもなります。それを発情中に二回やった子もいます。
それと、一度発情を経験した女の子は、子育て準備完了な身体になるからか、気性の荒くなる子も多いです。それと、避妊手術後には、性ホルモンのバランスが突然ひっくり返るので、偽妊娠状態になったり、同居フェレを自分のベビーのように扱い出したり、子育て中のママのように、物凄く警戒心が強くなったりすることもあります。
そういう意味で、未手術の女の子は、しっかりとした覚悟を持ってお迎えしないといけないです。
でも、その代わり物凄く可愛いんですけど(*^▽^*)

Y.B.さん!!大変に貴重なお話しをありがとうございました。

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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