被災された地域の各自治体では続々とペットに関する相談窓口が開設されてきています。
一般からの義援物資の受付け、災害ボランティアの受付けも始まります。
最初は必ず現場は混乱します。
混乱すればするほど一人一人の届けたい気持ちは遠くなってしまいますから、今日は少しでもスムーズに我々全員の気持ちが届くよう「我々皆が知っておいた方が良いこと」をお話しさせて頂こうと思います。
※1月11日現在開設されているペットに関する相談窓口は、被災されている方々へ向けての案内になります。
県外から「何かできることはありませんか」などのお問い合わせは現地職員さんの業務の手を止めてしまう行為になりますのでお控え下さい。
被災されているフェレット飼いさんへ
窓口は全て、今は犬・猫たちのことがメインになっている事は経験上こちらからも想像できています。
後回しにされているような気持ちになってしまうのは分かります。が、悲しい気持ちにならないで下さいね。
いたちのおうちが、全国のフェレ飼い仲間たちが、ついています。
お困りごとがそちらでは解消できない事があればこちらへ連絡を下さい。
すぐに出発できる動物ボラの大きな団体さんの車にフェレットフードとペットシートを乗せてもらえる交渉は通っています。
お引き取り(お預かり)が必要な場合でも数個ほどキャリーのスペースも確保してもらえていますので安心してくださいね。
預かりボラさんも続々とお声をあげて下さっています。
あなたが今どこにいて、何に困っているのかを教えて下さい。
こちらのサイトの問い合わせフォームを使うと送信までの工程が多く電池の消費が心配されます。また、Facebookやインスタその他は受信に気が付けない事が多いのでそれらはお使いにならず、Twitter(X)のDMもしくはお電話(090-4667-4257)で。
それも難しければ
- あなたのご連絡先
- 現在どこにいるか
- 何に困っているか
を紙に書いて写真を撮ってそれを送って頂くだけでも構いません。
もう少しですからね、頑張ってくださいね。
災害時「被災ペット」はどういう位置にあるのか
私たちペット飼いにとってこの子達は家族です。
※話の本筋がブレるので今は「自分の命より大切」という発言は控えて下さい。
あなたがいなければその子は「ペット」からすら外れて「野良/遺棄の疑い」「保護扱い」になってしまうんですから、まずはあなたという『人』がいなければダメだという事を分かっておいて下さい。
そしてこれは、大きな災害時には必ず論争となる事ですが、20年以上見てきてやっと「同行避難の受け入れも可能な避難所もある所にはある」くらいまで進んできた程度です。
そこを嘆き、憤りを感じているあなた、選挙に行きましょう。
SNSで怒っても、私やどこかに「なんとかしろ」と怒鳴りこんでも、何も解決にはなりません。
数か月後には忘れてしまう単発の感情にせず、確かな行動に移して「それが叶うまで」ずっとずっと一緒に続けていきましょう。
それは今後の大切な課題として今日ここではいったん終わりにしますが、さてここからは、今、直面している現実を見て下さい。
まずは現実を受け入れて下さい。
有事の際には「人命が最優先」です。
それはつまり、「動物たちの事は後になる」という事です。
今ここで悲しんでも怒っても、それは変わらない事実なんです。
だから、前回のお話でもしつこくお伝えしたように「備えて下さい」です。
国や自治体に動物たち用の備えはありません。
被災地外からの援助も「人命救助の後」「交通インフラが整備されてから」しか届けることは出来ませんから、それまで、あなたの家族はあなたが守らなければいけないのです。
災害時、大切なあなたの家族を守ってあげられるのはあなたしかいないんです。
「ペットを飼う」ということはそういう事だとしっかり分かっておいて下さいね。
災害時(被災していない場所で)ペット飼いの自分は何をするか何ができるか
新年明けて初めての更新となりますが、「おめでとうございます」とご挨拶する気持ちにはとてもとてもなる事ができませんので、誠 ...
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「義援金」「支援金」被災ペットのためになるのはどっち?
結論から言います。
あなたのお財布から出したお金を全額そのまま被災ペットたちだけに使ってあげてもらえる仕組みはありません。
それをしたければ、あなたが自分で用意した車にガソリンをいれて高速道路を走って直接その子達に届けるほかありません。
分かりますか?
「直接その子達に届けるまで」に車を用意するお金、ガソリン代、高速代、ご飯を食べるならその費用、全て「お金がかかる」ことです。
あなたのお金はそういう事にも使われるので、「全額そのまま被災ペットたちのためだけに直接使われる先を教えてください」と言われても、「ありません」としかお答えできません。し、「動物たちのため」になると国や自治体にそのような窓口が設置される事はほぼありませんので、それはそういった活動をされている団体あてに募金をするのが最善という事になるわけですが…こういう時には気を付けてください。
あなたの善意に付け込んだ詐欺師がかならず出てきます。
なんちゃら法人だNPOだなんだかんだって福祉団体や公的機関を名乗り「支援金の受付」としてお金をだまし取ろうとしたり、例え実体のある団体でも被災地への支援とはまるで関係のない活動資金にあてる「支援金のお願い」をだしている事もあります。
今回の震災でも早くも被災者を装ってスマホ決済での支援金詐欺が発生していますので、本当に本当にお気を付けくださいね。
「義援金」と「支援金」の違いについては今日のトップ画で一目瞭然かと思いますが、
義援金
県などの関係団体が設置した義援金配分委員会で配分基準等を決定し被災者の皆さんに配分される。被災者数などを把握したあとに配分されるため、使ってもらうまでには、時間がかかる。
支援金
寄付先の団体が判断し被災地の復旧をはじめとしたさまざまな活動に迅速に役立てられる。使いみちはその団体に委ねられ、活動レポートや収支報告書などで確認することができる。
引用:日本財団『支援金と義援金の違い』
支援金の「中抜き」と呼ばれるものについて
上記で説明した通り、支援したお金が「それだけ」に使われることはありません。
うちのような小さな団体では「病院代に充てさせて頂いています」というご報告とおり、皆さまから頂くご支援金は❝全て❞病院代の精算に充てさせて頂くだけで目一杯ですので「中抜きしてるんじゃないか」というご心配には及びませんが、例えば、多額の寄付金を集められている大きな団体などでは、いわゆる「経費」と呼ばれるものやその他諸々にもご支援金が使われています。
中には経費とはとても言えないような事に使っている不届き者の話なんかも聞いた事があるからこそ、そうなっちゃうのも分からなくはないのですが、なんでもかんでも一緒くたにして「中抜き」とするのはいかがなものかと思います。
本来「中抜き」というのは、『取引の間に仲介者が入って手数料を得ること、仲介者を省略して直接取引する行為』を指します。
取引の間に多くの中間業者や仲介者が関わり手数料が高額になることを非難する意味で「中抜き」という言葉が使われていますが、例えばこれが、仕事は他社に任せきりで報酬だけ「中抜き」するいわゆる一括下請けみたいな事になってくるとそれは、法律で禁止されている行為になります。
大切なお金ですから寄付した先では「きちんと使って欲しい」のは当然ですし、どう使われたのかを知る権利も当然あります。
が、後から「そんな所だとは知らなかった。そんなことなら寄付なんてしなければ良かった。」と後悔してもそのお金は決して戻ってくることはありませんので、寄付される時には、まず先に団体の活動状況や使いみちを確認するようにして下さいね。
「被災ペットへ」のお話からは外れますが、Twitter(X)で「こちらへの支援は今回の地震で被害を受けた地域での支援活動(災害救助犬出動派遣費用、その他)、被災した犬たちの一時預かりにかかる費用(預かり等にかかる費用、医療費、消耗品等)や被災地で活動する動物関連関係先への物資支援費用などなどにあててもらえます」とご紹介させて頂いた「認定NPO法人 日本レスキュー協会」さんですが、該当ツイートからのご支援はヤフーネット募金からでしたので現在は終了しております。
引き続きのご支援や活動内容の詳細は『日本レスキュー協会』で直接ご確認ください。
被災地へ「何か送りたい/何か届けたい」がNGの理由
何かできる事はないかといてもたってもいられない気持ちは分かりますが、「何か」ってなんでしょうか?
「困ってるだろうからとりあえず何か送る」って、実家からの仕送りでもあるまいし、他人から送られてくる「必要のないもの」は本当に要らないし迷惑になるのです。
詳しいことは後述しますが、被災地の方々がいくら物資に困っていたとしても、何でもかんでもただ送れば良いってわけではありません。
それはただの迷惑行為です。
ニーズに合わない支援物資は在庫として滞留して「ゴミ」となります。
「被災フェレットたちのために支援物資をさっさと送れば良いじゃないか」というお声も届いてますが、受け取り手のいない支援物資がどうなるか分かりますか?
受け取り手がそこに居なかったら、そのフードはゴミになるんです。
確実に受け取り手のあるペットフードを運ぶためのスペースを無理をいって開けてもらってゴミになるものを運んでもらうわけにはいかないです。
フェレットたちのためだけに車を用意してフェレット専用のボラ活動に行くことももちろん考え各所に連絡を取りましたが、今はどうやっても、大きな団体さんの力を借りるほうがスムーズだと判断しました。
その結果が冒頭のお話となりますので、ご理解ください。
話を戻します。
ゴミになるものを送ってはいけません。
第二の災害って知ってますか?
一般からの物資支援を受け入れることになったらすぐに「梱包材はゴミになるからいれないでください」とアナウンスが多分きっと今回も出ます。
送る側からしたらせっかくだから形が崩れないようになどの配慮でも、大したことのない量であっても、全国から送られてくる梱包材はものすごい量のゴミとなって被災地の方々に負担をかけます。
ゴミを処理するその費用は被災地行政の税金からです。
「被災された方々の税金を全国から届くゴミの処理に使う」って、こんなに不本意で本末転倒なことはないじゃないですか。
使用できる対象が限られている(フェレットのフードなど、○○しか使えない)ものは受け取り手がいる所へピンポイントで届けなければゴミになる。
必要以上に届いた物資は滞留してゴミになる。
必要とされていないのはそもそもゴミ。
それらのゴミを処理するのは現地の役場職員さんなどですが、忘れないで下さいそこにおられるのは全員が被災された方たちです、処理には被災地の税金が使われ被災地の経済を圧迫することになります。
「救援物資は被災地を襲う第2の災害」
そうならないよう、どうかどうか知っておいて下さいね。
まとめ
今日のお話は、お問い合わせの多い「義援金と支援金の違いが分らない」「募金はどこにしたら良いのか分からない」「とりあえず何か送りたい」「いたちのおうちは何してるんだ」にお答えする形で「取り急ぎでお伝えしたいこと」を書きました。
義援金は石川県だけでなく、富山県、新潟県、でも受付先が公開されています。
ご支援はボラ団体だけでなく、被災されている酒蔵さんや漁師さんの組合など、被災された組合員さん達へ直接ご支援が届く義援金口座もあちこちで開設されています。
そのほかにも、ふるさと納税の仲介サイトでも被災自治体支援の特設ページが開設されていたりしますので、皆さんそれぞれ、ご自身のお気持ちを一番届けたい先をお選び頂ければと思います。
この度の震災により、
被災された方々が一日も早く日常を取り戻せますよう、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。