「動物の保護活動に携わっている」と言うと
「何とかしてあげて下さい。私には何も出来ないので。」という奇怪なお願い事をされる事があります。
- 「こうしてあげたいけどそのやり方が分からない」
- 「ここまでやったけどその後が出来ないから力を貸してくれ」
- 「こうしてあげるにはどうしたら良い?」
こう言われれば、経験と資格だけはそれなりにあるのでボランティアとして何かしらのお手伝いはさせてもらえるかなって思うんですけど…
「何とか」ってなんですか?
先日、保護が必要なんじゃないかと思われるフェレットの相談を受けました。
某箇所でもプチ炎上みたいになっていたそうですね。
その辺の事はよく知らないし、どうでも良いのですが…
連絡をくれたその子は「こういう状態のフェレットがいる。これではフェレットが可哀想だ」と悲しんでいました。
怒っていました。
だから、一生懸命、自分なりに情報を集めて状況をきちんと把握して、「こうしてあげたい、でも自分はそう出来る状況にないから頼って申し訳ないけど」って言っていました。
「経験も知識もないから頼るしかなくて情けない」というような事も言っていました。
これは正解のうちの一つだと思います。
私も若かりし頃には随分と年長者を良いように使ってきました。
若輩な私ではダメな事がちょっと肩書きのある人だったら即o.k.だったりする事を山ほど味わってきました。
それと同じじゃないかと思うんです。
「プレゼン資料は揃えました、あとは鶴の一声的なのだけお願いします。」って言われたら、お調子者の上司ならご機嫌でやってくれます。
それで事が運べばwin&winというものです。使えるものは使えば良いのです。
出来ない事を出来るようになるまで頑張る、自分で解決しようと試行錯誤する。
これが基本です。
ただそうとばかりも言っていられない状況だってあるのです。
そういう時には出来る誰かにお願いをする。
その代わり自分の出来る事を一生懸命やる。
何も間違っていないんじゃないかと思います。
同じ件なのかは分かりませんが「こういう状況っぽいんで何とかしてあげられませんか?」みたいな連絡もきていました。
どんな状況かも分からないうえに「何とか」って…
「詳細が分からないので私に何とか出来る出来ないの判断も出来ませんが、まず、あなたがどうされたいのかを教えて下さい。」と返信をしたら、それっきりになってしまいました。
大丈夫だったのかなあってちょっと気がかりではあるのですが、こういうお話しが実は一番、困るんです。
保護団体はあなたのママではありません
困っているあなたのお手伝いは出来るかもしれません。
「こういう方法もあるよ」って案を私たちはたくさん持っています。
相談にはいくらでも乗ります。どんどん頼って欲しいと思います。
でも、あなたが思う「他人の何とか」をどうにかする術はありません。
あなたがまず何とかってやつをしてあげて下さい。
それが出来なくて困った時に「どうしたら良い?」なら私たちは力を出し惜しむ事なく発揮できるというものです。
どこか遠くで起きてるであろう事を相談という形で丸投げされても私はフルスイングで打ち返す事しかできません。
大体どこの団体でもそうだと思うんですけど、 保護団体に通報しただけで何かをやり遂げた気になってる人が一番、厄介なんです。
ちょっときつい言い方をしますけど…気軽に動物遺棄や転売を考えてる人よりたちが悪かったりするんです。
動物愛護の人って別に何かが優遇されてるとか特別な力があるとかじゃないんですよ、あなたと同じ一般人なんです
動物遺棄や無許可無資格の転売は犯罪です。
動物の愛護及び管理に関する法律 最終改正 平成26年5月30日 法律第46号
第六章 罰則
第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
改正ごとにどんどん厳しくなってるんです、動物に関する罰則って。
罰則なんてなくたってそんな事しないよって思うんですけど、そういう考えの人ばかりではないですからね。
何かトラブルが起きた時
「法律で定められてるんだよ」っていうのは
「一番分かりやすい答え」ですから、そういう時のためにも必要なんだと思います。
でも、それを知らないって人が結構いるんです。
某フリマサイトでも一時期「もう飼えなくなったペットをどなたか買って下さい。半額にします。」みたいな書き込みをよく見かけました。
最近ではサイト側がどこでも「それは違法です」と利用制限をするようになっているので安心ですが、「知らなかった」とか言っても罰金刑に処されますからね、これ。
だから少し前まで見付けると地道に「それはダメだよ」って余計なお世話をしてきていたのですが、そういう時、最初は「うるせーよ。黙れ、偽善者」と罵られたりします。
「保護活動をしている」って名乗ると必ずこう言われるので、もうその言葉には何の感情も抱きません。
「法律で~」ってきちんとお話しさせて頂くと、大体の方は「知らなかったです」ってなります。
たまーに、最後までキレてるのもいますけど、そんなのは放っておいても勝手に炎上騒ぎになったりしてるので、天誅的な事を率先して行う誰かがいるんでしょうね。
それはそれでそういう方にお任せします。
知ったこっちゃありません。
※炎上して被害が動物に及ばないかって事だけは危惧します。いかなる場合でも。
知らなかった人は「それはいけない事なんだよ」と教えたら改めてくれます。
一件落着です。
飼えなくなったペットを買い取って欲しい!は違法?【法律・条令】生体販売・転売について本当の話
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年10月1日 法律 第 105号)最終改正 平成26年5月30日 動物の愛護及び ...
さて、ここからが問題です
「あの人、いけない事してるからあなたが何とかしてあげて下さい。動物のために」
って言われた私は何をしたら良いのでしょうか???
いけない事をしてるって分かったなら、あなたがその場でそう教えてあげたら良いじゃないですか?
何で私が…?って話なんですよ。
あなたがそうした後の「動物のために」が私の出る場所なんです。
私は動物の保護活動をしているのです。
悪い子に「こら!」って言って回る活動なんかしていません。
そういう事はナマハゲさんにでもお願いしてみたら良いんじゃないかと思うんです。知らんけど。
上記の子は「自分には知識も経験もないから自分では何もできない(何の力もない)」って私に連絡をくれました。
私の方が知識も経験もあるのは当人同士が一番よく分かってます。
「だからお願いします」ってちゃんと資料を作って「あとはこうするだけ」ってお膳立てまでされたら断る理由はありません。
私に出来る事をしますよ、そういう時は。
その為の有資格者・経験者ですから。
保護活動者は善人でも世直し団でもなんでも屋でもありません
ただ、動物の保護活動をしているってだけの人達です。
自分には何も出来ないって案件を
「何とか」なんて無茶ぶりしておいて
「何にもしてくれない」とか言われても…
それはあんまりじゃないですか?って話なんですよ、これ。
動物の保護じゃない事を頼まれても出来ないのはあなたと一緒なんです。
私たちは一般人ですから。
炎上覚悟でぶっちゃけちゃうと、「その分にかかるお金(実費)をあなたが負担してくれるなら、やりましょうか?」って事も実は結構あります。
一般人とはいえ伊達に年食ってるだけではありませんから、知識と経験が活かせる事はあるにはあるんです。
今回のようにそれが主たる活動内容になくても。
ただ、そう言うとすごく驚かれます。
ドン引きされたりするんですけど、当たり前じゃないですか?これって。
ボランティア団体にはお金が無限に湧き出る泉があるわけでも、自由な時間を持て余している人が大勢いるわけでもありません
それぞれの団体さんや個人さんは皆、ギリギリの活動費だったり、それぞれが身銭を削って、時間の都合をつけてやっているのです。
駆け付けるために仕事を休む人はあまりいませんが、その分、個人の時間をそこにあててるわけです。
電車に乗れば電車賃だってかかります。
「保護活動だから」と言ったところで無賃で乗せてもらえるわけではありません。
その後の病院代だって、「保護した子」だと言えば多少の融通を利かせてくれる病院はありますが、検査費用から治療費まで全額無料でなんて事にはならないのです。
「何とかしてくれ」「はい了解」なんて簡単に出来ると思われている事のほうが、こちら側からしたら驚きなんですけどね。
いたちのおうちはこれまで募金を募った事はありません。
もちろんスポンサーがいるわけでもありません。
活動費は全て私たちのお財布から出ているのです。
だからそんなに無茶な事は出来ません。
ご理解頂ければと思います。
今日のアイキャッチ画像
ぴたパン♡エルちゃん可愛い
こちらのピタパンは画像からナルーズ!さんの公式通販サイトへ飛べますので、そちらからすぐにご購入頂けます。
ナルーズ!さん、ありがとうございます♡
追記
動物愛護・保護活動をされてる中にはいつでも何でもすぐにあなたのお願いを無償で聞いてくれる活動者さんもいるかもしれません。
会った事はありませんけど。
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