保護フェレット

幸せです

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星状硝子体症のフェレット正式譲渡決定のお知らせ「幸せになります」は通過点 がいちゃんのお話

アイキャッチで豚鼻のおちゃめなこちらのお坊ちゃま「がいちゃん」。

先日、無事に正式譲渡と相成りまして、今日はそのお話をさせて頂こうと思います。

がいちゃんは、私の娘のひまわりが急変したあの日、警察署から「ぐったりしていて体調が悪いっぽいフェレット」として緊急の保護依頼があった子です。

その日のことはこちらで

あの日の事
フェレット
虹の橋へ向かったひまわりのこと、ご支援4.5.6月分のご報告

ちょっとバタバタしています。 今現在、飼い主さんを待っている子たち(保護っ子)、里親さんのお家にお迎えしてもらうための準 ...

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ひまの事でオロオロしていたあの日、本当に多くの方に私が助けられました。

実際に動いて下さった、引き出しボラさん、運搬ボラさん、預かりボラさん達、里親さん、に心から感謝です。

がいちゃんが今こうしてノンビリ元気でいられているのは、いつも協力して下さる皆さまのお陰。

そんな皆さんとのご縁をくれたがいちゃんにも「ありがとう」を込めて。

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星状硝子体症(せいじょうしょうしたいしょう)のフェレットの話

星状硝子体症のフェレット

お引き受け当日

ちょっと見えづらいかもしれませんが、がいちゃんの目の白濁部分がキラキラと星を散りばめたような形状なことがお分かり頂けますでしょうか?

これが「星状硝子体(せいじょうしょうしたい)症」と呼ばれる目です。

ちょっとここで「人」の症例でお話させて頂きます。

星状硝子体の症状(ヒトの場合)

星状硝子体症は軽度であれば、自覚症状を認めることは少なく、他の目的で眼科を受診した際の眼底診察によって偶然発見されることが多くあります。
一方で、星状硝子体症の混濁が重度となった場合には、飛蚊症や視力低下などを自覚します。

【原因】

原因は不明です。糖尿病、高血圧、動脈硬化、痛風、遠視などに合併しておこりやすいと言われています。

キラキラ光る星状体の主成分は、カルシウムを含んだ脂質と言われています。星状体は硝子体のコラーゲン線維内に付着しています。似た疾患である閃輝性硝子体融解の場合は、キラキラ物質(=コレステロールの結晶)が硝子体線維に沈着しておらず、硝子体下方に沈殿してきます。

【治療】

基本的には無害ですので特に治療は必要ありません。経過観察で様子をみます。

視力低下をきたすほど混濁が強くなれば、硝子体切除術を行う場合がありますが、一般的には他の眼底疾患の治療で同時に除去する場合以外、単独で手術を行うことは稀です。

フェレットの視力について

フェレットという生き物は「単純に目が見えていないというだけ」の場合において、日常生活には何も支障が無いという判断+その奥に重大な疾患が隠れているというケースは少ない、とされているため、(もちろん獣医さんの考え方によりますが)『一般的な通常の検診の範囲内では「目が見えてるか見えていないか」だけを積極的に調べる事をしない』という場合が多いです。

こちら「白内障」のもずくちゃんは「目がほとんど見えていない」状態でした。

フェレット【目が見えなくなる病気】白内障・進行性網膜萎縮症(PRA)について
フェレット【目が見えなくなる病気】白内障・進行性網膜萎縮症(PRA)について

フェレットはもともと視力が弱い生き物です。 だから、「目が全く見えていない」事に、飼い主さんが気づかない事もあります。 ...

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そして、見えていないわけでは無さそうな、がいちゃんは「白内障というより星状硝子体症の方かな」と診断されました。

がいちゃんが保護された時

ひまの事があって急きょ病院から離れられなくなった私の代わりに警察署へ引出しに行ってくれたボラさんから引出し直後の状態は聞いていました。

「ぐったりしている子だそうです」と伝えておいたからか、応急処置(対策)をしてから運搬ボラさんに繋いでくださいました。

その応急処置が効いてくれていたのでしょう。

運搬ボラさんからも「キャリーでソワソワ動いています」と移動中にその報告をもらっていました。

病院について、さぁ、もう安心だ。

「先生が来る前にちょっとお顔を見せてね」

保護フェレット

長すぎる爪もさることながら

濡らしたタオルで拭いたくらいではとれなかった足の裏のベトベトした何か

保護フェレット

大変な思いをしたんだね…頑張って待っててくれてありがとう。

さぁ、もうすぐ先生が来るよって時に、急にストンと…

保護フェレット

大変!大変!先生!!急いでください!お願いします!!

血糖値28 危なかった。

引き出しボラさんが急いで向かって応急処置をしてくれていなかったら、運搬ボラさんがサッと最短ルートの大急ぎで移送してくれていなかったら、どうなっていた事やら…

急いで処置をしてもらいやっと本当に一安心。

保護フェレットの診断書

先生が説明を書いてくれました

生きててくれてありがとう。

頑張って元気になって飼い主さんを待っていようね。

預かりボラさんのこと

当初は運搬ボラさんが預かりボラさんも引き受けてくれるというお話だったのですが、骨格に対してあまりにも体重が軽すぎる(580g)こと、血糖値の不安定さ、等などから急変の心配があったため、その日はそのまま病院から一番近い預かりさんのお家でお願いすることになりました。

とここで、その日のやり取りを見返して抜粋しようと思ったのですが、つい先日、諸事情によりDMがパンクしまして、それ以前のものが遡れなくなってしまっているので(一時的なことなのか永久になのかは分かりません)記憶を頼りに書いてみ…詳細はいいか、このまま進めます。

お引き受けしてたったの3日で体重は700gまで増え、ガリッガリでフラつくようにしか歩けなかった足取りもだいぶしっかりしてきたところで「もう緊急性はないでしょう」と先生の許可が出たので、運搬ボラさんをつとめて下さった彼女に正式に預かりさんをお願いする事になりました。

今回の預かりさんは、以前から動物たちの保護というものに関心があったそうで、「犬や猫のそれらは少し勉強しているのですが、フェレット(預かりさんはフェレ飼いさんです)と保護というものがどうしても結びつかず、どうして保護が必要になるのか、本当にそんな(保護を必要とする)子がいるのだろうかと、想像すらできずにいました」とおっしゃっていました。

そうです。それが「普通」であるべき感覚です。

フェレットは、

欲しくて買った人が責任を持って最後まで飼う。飼えなくなったら責任を持って里親さんに繋げる。

ケージを正しく使って脱走させないよう飼養環境を徹底する。脱走させてしまった時は正しく探す。

これだけで、「保護」を必要とする子は0になります。

※いたちのおうちは「フェレットがいました」からの捜索は保護活動、「フェレットがいなくなりました」からの捜索は保護活動ではないと定義しています。

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里子(フェレット)
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いたちのおうちは、飼い主がいる子に関しての事はその全てを保護案件では無いと定義しています。 分かりやすい例で言うと 「フ ...

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なので「フェレットの保護活動がしたい」ではなく、「保護を必要とする子がでないペット社会になる活動をしたい」果ては「保護が必要なフェレットがいるなんて想像すらできないのが本来あるべき正しいペット社会になるようにしたい」と常に心から願っています。

脱線しましたが、とにかく、そういう方です。

「飼い主さんが見つかった時(返還時)には同席させて頂くことは可能でしょうか?」

「それはもちろん構いませんが、なぜですか?」

返還時というのはトラブルになる事もあるので、立ち会われるのならその前に心構えだけはしておいて頂かなければいけません。

実話
フェレット
フェレット「保護には感謝するけど個人の飼育方針に口出すのは違くない?そんな法律あるの?」と言われた話

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「あ、いえ、特に何かをあれしたいとかではなく…」と言葉を飲み込まれていましたが、私はもう長くこういう事をしていますから、何を思ってそう言ったのか、どうして、何を、飲み込んだのか、何となくですが分かりました。

「幸せになります」は通過点、「家族になれて幸せです」は結果論だという事を活動者は忘れてはいけない

こちらは、がいちゃんの保管期間中の医療費と移送費の一部です

保護っ子医療費

18,420円

保護っ子病院代

65,095円

お引き受けから預かりさんへ繋ぐまで数日分の費用(左)は皆さまからのご支援を有難くあてさせて頂きました。

いつも本当にありがとうございます。

緊急性はなくなったもののその後も定期的かつ継続的な通院が必要でしたため、右側は預かりさんのお家で落ち着いてからの医療費です。

こちらも皆さまからのご支援を一部あてさせて頂くつもりでしたが、「飼い主さんが現れなければ、お迎えさせてもらうつもりで今日まで過ごしました。これは私の子の医療費ですから。」と、預かりさんから里親さんになられた瞬間のその時に彼女がこんな風に言いました。

「我が家に来るからには命題は『幸せになる』ではなく、『幸せでいる』ことなので、生涯努力させて頂きます。」

いたちのおうちでは一時預かりさんをお願いする方には最初に「どんなにそう見えても勝手に遺棄だと決めつけてはいけません」「可哀想な子と思って接してはいけません」というお約束をしてもらいます。

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フェレット保護したフローチャート
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保護を必要とするフェレットがいる事を想像すらできなかったという彼女にとって、ドロドロに汚れた毛、ガリガリの体、弱弱しい足腰でフラフラしていたがいちゃんの姿はかなりショッキングだったのでしょう。

「遺棄だと決めつけてはいけません」と言った私に「このような状態の子が容易く脱走できる環境というのは例えばどのような状況なのでしょうか」と、とても真剣でした。

その後にがいちゃんは「見えていないわけでは無さそうなので」と診断を受けましたが、パッと見は白内障(見えていない状態)に見えますから「健康な子よりももっともっと慎重になってあげなければいけないはずなのに、なんで…」って、私たち活動者は自分たちが口に出してはいけない事だから言わないってだけで、当たり前に湧いてくる素直な感情をそのまま言葉にする彼女を遮る理由はありません。

その彼女からの「『幸せになる』ではなく『幸せでいる』こと」という言葉に改めて初心を思い出しながらまとめに入ろうと思います。

アルビノの背中が金色になるまで

いたちのおうちでは、保護っ子を「可哀想な子」とすることはありません。し、「そのような目で見ないで下さい」と結構強めにお伝えしてきています。

なので、「幸せになって良かった」だけにフォーカスが当たって見えてしまっている時があるようで、「それは違うんじゃないか」とお叱りの言葉が届く事があります。

これはもう本当に…ただの私の文章力の無さが原因ですので申し訳ないのですが、幸せに繋がる前にはその子にとって本来ならしなくて良い苦労や、しなくて良い怖い経験、があって、それらを無かったことにしているわけでは決して無いです。

外に遺棄された子は生きて保護してあげられるばかりではありません。

里親さん達がおっしゃる「家族になれて幸せです」はあくまでも結果論、その子が頑張って生きて待っていてくれたからこそ言える言葉ですから、能天気にただ喜んでいるわけでは無いという事を改めてご理解頂けたらと思います。

いたちのおうちが正式譲渡のお知らせでいう「幸せになります」は通過点でしかありません。

これからもフェレット達が「ずっと幸せでいる」ための通過点としてその役目を精一杯努めさせて頂きます。

ここで今のがいちゃんをご覧ください。

フェレット正式譲渡決定

1040g

フッカフカで黄金色の毛並み。

「アルビノのフェレットの背中の毛が金色になるまで育てると幸せになれる」ってお話を聞いたことがあるよって方おられますかね?

「ペットショップの店員さんがそう言ってた。俺は幸せになりました!」って、教えてくれた方がいたのですが、素敵なお話だなって思ったので、これからは、いたちのおうちでもそう言っていこうと思います。

きっかけはこちら

真っ白な子も黄金色の子もみんな幸せ。

ペットとしてたくさんの人に望まれて生まれてくるフェレット達

どの子もみんな、家族として望まれてお迎えされるのですから、その生涯は最初から最後まで、ずっと幸せであるよう、そういう活動にもっともっと力を注いでいきたいと思います。

一匹、一匹、全てのフェレットの幸せのために…

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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