何からどうお伝えしたら良いのか迷うのですが、考えている今この時間が長くなればなるほど、それはこの子たちにとっての貴重な時間を使ってしまう事になるなと思い、今日はこのお写真の子について一旦「今のこと(現状)」としてお話させて頂こうと思います。
通常であれば、この子はまだ「保管期間内のお預かり」ですので、私の勝手な判断であれこれする事はできません。
が、命にかかわることとして、警察署、動物病院、関係各所それぞれと相談して慎重に「事を進めていきましょう」というお話ですので、ぜひ最後までお読み頂ければと思います。
追記:
等々(記事参照)のことがあったため、動物病院で先生に立ち会ってもらい、無事に引継ぎが完了しました。
1つずつ、ちょっとずつでも、頑張って元気になっていこうね。 pic.twitter.com/pZcQ6MEj3G
— 滝川🌻いたちのおうちの中の人 (@MaikoTakigawa) May 16, 2023
保管期間内とはいえ、もう宙ぶらりん状態での探り探りの治療ではなく、「親になる覚悟を決めて預かりさんから担ってくださる方」とのご縁を頂いた事で、しっかりと今後を見据えた治療をしてあげられる事になりました。
こちらが引継ぎまでの医療費の明細書になります。
皆さまのご支援をありがたく使わせて頂いています。
今後も継続した治療が必要となりますが、保管期間内はそのままご支援を全て医療費に充てさせて頂きます。
いつも本当にありがとうございます。:追記ここまで
この子は路上に置かれたキャリーの中にいた子です。
発見された方が「飼い主さんが(例えば車で移動する時とかに)忘れちゃったのかも」と思い、近くの電柱に「ここに忘れていっちゃった子はキャリーごと私が預かっています。」と自身の連絡先を書いたメモを貼って一晩待ってくれていたそうです、が、さすがに、自分のペットを置き忘れて丸1日探さない飼い主さんなんているのだろうか?これはそんな話ではないのではないか?と思い、警察署に届け出て下さったそうです。
警察署でも「そういう(忘れていっちゃった)事もあるかもしれない」と数日そのまま待って下さっていたそうですが、「可愛い可愛いばっかりで、きちんとした飼養方法を誰も知らないここ(警察署内)でそんなに何日もはムリだ」という判断で、いたちのおうちに連絡をくださいました。
お引き受けのその場でもちろん「遺棄の可能性」を示唆はしましたが、実はこれ、とっても難しいんです。
遺棄事件として扱ってもらうためには、例えば、最初の現場に警察官に立ちあってもらって~、もしくは、タイムリーなその時の現場写真(これはその場所を特定出来ることも必要)が残してあるとか、または、利害なき第三者の立ち合いで~、などなどって何かしら「これは遺棄です」とその証明になるものをこちら側から提示できないと「遺棄事件として扱ってください」はなかなか、なかなか…
こちらは遺棄として扱ってもらえた時のお話しになります。
「捨てられていたフェレット」お引き受けの経緯と現状報告
「そちらで3匹、お引き受けをお願いできますか?」とボラ仲間から連絡がありました。 いたちのおうちはフェレット専用のペット ...
続きを見る
フェレットの里親さん募集を早めることに決めた理由
フェレ飼いさんなら皆さん誰でも一度は耳にする「副腎疾患」
「聞いたことはあるけど、ぶっちゃけよく分かってないんだよねぇ」な方は一度こちらの記事に目を通して下さい。
副腎疾患【フェレットの三大疾病】副腎腫瘍とは?
今日のアイキャッチ画像は「副腎腫瘍予備軍(グレー)」と診断された女の子の外陰部です。 すごく驚きました。 フェレットの三 ...
ferret.xn--n8jel7fkc2g.xyz
副腎についてのあれこれを少しだけでも知っておいて頂かないと今日のお話はチンプンカンプンとなってしまいますので、どうぞよろしくお願いします。
副腎疾患の様子見は見誤ると大変なことになる
警察署からお預かりしたその足でそのまま診てもらいに行った病院で「副腎が少し大きくなっているようです(5㎜~10㎜弱)」と診断されました。
が、それは「一時預かり保護期間に入るための健診」ですから、そこで即座に「じゃあこうします」という治療方針を決めてあげる事ができません。
副腎疾患という病気の特性+日本の法律(保管期間内の所有権は飼い主にある)で、その健診はあくまでも「私たちがお預かりする子は副腎が5㎜~10㎜弱程度大きくなっている状態の子です」という、本当にただそれだけのものです。
副腎疾患って例えば定期健診の触診で分かってもその場で「今すぐどうこう何かしらの治療を始めなければいけない」というものでは無いですからね。
副腎に異常が初めて見られた時というのは、今後、何かしらの治療をはじめることになる「心構えを始める」時です。
いつからそうだったのか分かってあげられない怖さはありましたが、この子も「ここから様子見を始めましょう」という事でその日はそれで終わりました。
この子の状態
引き受け時に「ケガをしている」ように見えた場所が数ヶ所ありました。
それらは病院で「肥満細胞腫」と診断されたのですが、搔き壊してしまったのか単純に破裂しただけなのかは分かりませんがそれがケガみたいに見えるほど大きかったし痛々しかったんです。
その後、預かりさんから「可哀想なくらいあちこちを痒がるんです」と報告がありました。
肥満細胞腫で”可哀想なくらい””あちこちを”痒がるということはあまりありません。
その「痒み」は多分、副腎疾患からきている症状ではないかなと…
痒みは生活の質を下げます。
我々人間で当てはめて考えたらすぐに分かることなのですが、ちょっと蚊に刺されただけでも眠れないしイライラするじゃないですか?
それが副腎疾患の症状だった場合はホルモンバランスの崩れによるものですから、四六時中です。
これはもう、きちんと知っておいてあげる必要がありますので、「病院の先生と相談して決めていきましょう」で、すぐに病気へ行ってもらいました。
「保管期間=様子見」としている時間はないかもしれない
5㎜~10㎜弱と診断されていた右副腎がエコーできちんと検査した結果、はっきり1㎝、しかもボコボコ(異形成)
左も5㎜
これは副腎に限ったお話ではありませんが、短期間で明らかに大きくなっている事が分かる症状というのは「放っておいてはダメ」な場合がほとんどです。
しかもボコボコした異形成は私の経験上、「石灰化」「悪性」などって検査の結果が「安心した」だった事ってあんまりありません。
手術で(全摘か一部かは今はおいておくとして)取り除いてあげるにしても、「右」、どこの病院ででも簡単に「切っちゃいましょう」とはなかなか難しい方で、更にこの子は男の子です。
オスの副腎疾患といえば、前立腺肥大、からの尿道閉塞…
「あの時(もっと早く)、決断してあげてたら」って、経験を語ってくれた飼い主さんたちの言葉を思い出します。
今日の本題
これまでの病歴も何にも分かってあげられない推定年齢4才の男の子
ひとまずリュープリンの処置で様子見に入りました(効いてくれるかどうかはまだ分かりません)。
「我が子ならどうする」をそれぞれに考え、数人の知人たちにも相談にのってもらった結果、意見は見事にバラバラです。
が、当たり前な結論「この子の体調を見ながらかかりつけ医と相談してその都度決めていくのが一番良いに決まってる」だけは一致しました。
副腎疾患というのは、なにがしかの処置をして、クリアにして、というものではなく、「一生上手く付き合っていく事を考えてあげる」病気です。
なので、「副腎疾患として治療を始めなければならない、手術に踏み切るのか投薬で様子を見て行くのか、一生を見据えたうえで、今、親になって、この子の親として考えてあげてくれる一時預かりさん」を募集します。
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この子の性格
好奇心旺盛
寝ているときは可愛いイビキをよくかきます
遊んでいる時は「クックック♪」歌っていることが多いそうですが、それが「ウホウホ♪」に聞こえると(笑)
わりとおっとりさんです
いたちのおうちが定めている里親さんの必要最低限の条件
- 先住ちゃんがいる場合、相性次第では別部屋飼育等のご配慮をいただけるお家。
- ペット可物件である事は当たり前ですが、ご同居されている方全員が「フェレットのお迎え」に賛成して下さっていること。
- この子に今後かかる「医療/医療費について」をご理解頂けていること。
- 「フェレットの適正飼育」についての考え方や価値観がいたちのおうちと同じであること(例:ケージはフェレットを守るために必要で大切な個室、等)
- こちらからご自宅までお伺いして、飼養環境の確認をさせて頂きます。
- 譲渡前健診とワクチン費用、譲渡の際にかかる往復の交通費(東京都内からになります)のご負担をお願いします。
この子の里親さまへ希望する条件
- 副腎疾患についての知識をもって、今後も継続して治療を続けてくれること
- 「かかりつけ医」がすでにあり、先生ときちんと相談ができる関係にあること
- すでに通院治療が始まっている子ですので、フェレットの飼育経験がない方からのご応募は不可とさせて頂きます
- 保管期間内(期間は預かりさんにのみお知らせします)に飼い主さんが現れた時にはお返しする子だとご理解頂けていること(一時預かりボランティアさんとして誓約書を交わして頂き、警察署へその書類を提出します)
ご応募について
大切な個人情報をお伺いします。
記事のコメント欄や、投稿先(Twitter、Facebook)のコメント(リプライ)欄のご利用はお控え頂き、必ず、当サイトのお問い合わせフォームまたはTwitterのDMよりお願いいたします。
その際、下記の必要事項をご記入下さい。
- ご住所(ご応募時には市区町村までで構いません)
- お名前
- SNSのアカウント名(やってない方、秘密のアカウントしかない等の場合は未記入で構いません)
- 年齢、ご職業 (平日、休日どのくらい遊んであげる時間がとれるか教えて下さい)
- お電話番号
- 同居ご家族について
- 先住フェレットの有無(匹頭数)
- 他にもペットがいる場合は、種類と匹頭数をお知らせください
- 「副腎疾患」について、簡単にで構いませんのでご自身の考え方を教えてください
- ご質問などあれば
※お問い合わせフォームよりご連絡頂く際には、お返事が届くよう、迷惑メールの設定を先に済ませてから、お送りください。
お受け取り頂けなかった(はじかれてしまった、返ってきてしまった)ご連絡に関しましては、こちらでその全てを把握する事ができませんので再送ができません。ご了承ください。
※「飼い主」なりすましはできません
冒頭でお伝えした通り、この子はキャリーに入った状態で保護された子なので「大体このあたりでいなくなりました」は通用しません。
キャリーの特徴はもちろん、どこに忘れてきたのかはピンポイントの住所でお聞きします。
また、病歴があることが明らかなので、かかりつけだった病院もお聞きして、直接そちらで確認をとらせて頂きます。
その他もろもろ、この子だけの特徴は他にもありますので、「可愛いから飼い主になりすまして引き取ろう」は出来ませんので、この子と一緒にいたいと思って下さいましたら、必ず、里親希望としてお問い合わせください。
ご支援のお願い
前回の記事の子、今回の子、リュープリン投薬が必要な子が数ニョロいます。
フィラリア予防のお薬の季節にもなりました。
一時預かりさん、里親さん、方にご負担頂く金額が少しでも軽くなりますよう、皆さまからご支援を賜りたく思います。
里親さんにご負担頂く金額は少なければ少ないほど、里親さんとしてこの子達の幸せを考えて頂ける機会が広がります。
【ゆうちょ銀行】
記号10110 番号58217451 イタチノオウチ
【店名】0一八(読み ゼロイチハチ)
【店番】018
【預金種目】普通預金
【口座番号】5821745
素敵なご縁がありますように
毎度の定型文ではありますが、いたちのおうちは「誰でもいいからもらってください」「困っているからもらってください」ではありません。
新しいお家をどんなに急いで探してあげたい子であっても、早い者順で決める事はありません。
「この子が一番幸せになれるお家」を探してあげるのが役目ですから、そこに手を抜く事はないです。
里親募集に応募して選ばれない人の特徴!「里親に決まりやすいポイント」って何?
これは保護活動をしている側からのお話しではありますが、あくまでも私個人の考えです。 今まで、経験してきた事の中からさせて ...
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どうぞよろしくお願いいたします。