フェレット

2022.12.01

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フェレットの病気

フェレットのリンパ腫 うまく付き合っていく(QOL)を最優先に考えて

リンパ腫というのは、白血球のうち「リンパ球」と呼ばれるものがガン化して起こる病気、いわゆる、「血液の癌(がん)」です。

リンパ腫はフェレットの腫瘍性疾患の中でも特に多い疾患ではありますが、発症年齢も経過も予後も、みんなバラバラで、「こうしたら治る」「これをしておけば防げる」みたいなものは2022年現在までまだありません。

これは、ガンだけに限った話ではないのでしょうが、我が子の闘病というのはどんなに気丈な人でも心が折れる時があります。

これは別に私が気丈な人間であるとかそういう事ではなく、例えば、誰かちゃんには効いたお薬が自分の子には効かなかったら誰でも親として当たり前に落ち込む瞬間があると思います。

かといって、誰かちゃんには効かなかったお薬が自分の子には効いていると分かったら、その誰かちゃんやそのパパやママの気持ちになって、心が苦しくなってしまう瞬間が少なからずあったりすると思うんです。

同じフェレ飼い仲間として、みんなが皆を思い合っているから、「みんな頑張れ!」の中には、そういう痛みや苦しみを乗り越えてやっと言える「頑張れ」がたくさんたくさんあるのをずっと見てきました。

私自身もそれを何度も経験して乗り越えて、「人と比べることじゃない」「焦らない」「我が子だけを見ている時だぞ」って、普段はこんなにも分かっているつもりでも、いざまたその時になったら、やっぱり比べちゃうし焦ります。

今回もそうやってジタバタして色々と比べてみたりしているうちに、私は自分が持っている「リンパ腫についての知識や考え方」が古くなっている事に気が付きまして…

もともとお薬の名前を覚えるのが苦手だという事もありますが、それでも「聞いた事もないお薬の名前」をネットでその治療に使ったと見た時、私の焦りにはさらに拍車がかかってしまい、「この薬を使ったほかの子の話はないか」「あの子はなんの薬を使ったって言ってたっけ」って、一晩中調べまくって「これは試した薬だ」「これは効かなかった薬だ」って落ち込んで、焦って、不安で、毎日毎日、どこかに安心できる話はないのか、ずっとスマホとパソコンを睨み付けてオロオロオロオロしていました。

そんな風に、同じ思いでこの記事にたどり着いたあなたへ

私は、お薬の名前を出しません。

最後までお読み頂いても、「なんという薬を使ってどれが効いたか」みたいなお話はしません。

親としてあなたの苦しい気持ちが分かります。

あなたに余計な焦りを与えてしまわないように、でも、不安が少しでも軽くなるように、心がぽきりと折れないように、この記事が少しでも力になれたら良いなと思っています。

「うちのえるの話」を聞いて下さい。

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フェレットのリンパ腫 えるの場合

えるに「ちょっとおかしいな」と思う症状が出始めて、出ている症状から考えられる病名は「脳腫瘍か認知症」と言われ、半年以上、あちこちの病院を回り、最初は「フェレットでは認知症というのはあまり聞かないから脳腫瘍じゃないか」と言われていたのが、「認知症かもしれませんね」と言われたお話がこちら

フェレット
フェレットにも認知症がある?ぐるぐる徘徊は脳の病気?神経症状?

今回は、半年くらいかけて経過観察を続けてきた事のお話なので、この記事だけには収まらず肝心な部分が抜けていたり、何かよく分からない表現があったらすみません。 いつか追記の記事を書くなり、きちんとしたまと ...

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これでやっと、えるの症状への向き合い方が決まったと思った矢先、ほんとうにそこから幾日も経たない間に、新しい症状が出るようになりました。

というより、その症状は前々から出ていた(ような気がする)のですが、えるはもともと発作持ちで、内耳からくるもの、気圧の影響ででるもの、低血糖症、などの発作を抑えるお薬(頓服)をもらっていたので、それが新たな症状だと気が付かず、症状もそのお薬で落ち着いていたので、「いつものこと」と、何も他の病気を疑いすらしていなかったという方が正しいです。

が、日に日に発作が出る間隔が短くなっていき、それはとうとう薬が切れたら発作が出るんじゃないかってくらい、一日に何度もでるようになって…こんな状態が日に何度も何度も

もう苦しそうで可哀想で見ていられなくて、薬がなくなったら(次の定期健診)までを待たず、すぐに病院へ行きました。

リンパ腫だと分からなかった

先生に動画を見てもらい、いつものように触診してもらおうと、先生がえるを抱いたと同時くらいに「えっ…あっ?」って言いました。

その後すぐ、間髪入れずに「リンパ腫ですね」って。

(え?リンパ腫って…あのリンパ腫…?そんなはずなくない?だってこんなに毎日、体を触って大切に大切に過ごしてきたのに気付かないわけないし、そうか、先生だから気が付いたってくらい小さいんだな、きっとそうだ)と思って「どれでしょうか?」と教えてもらった次の瞬間、血の気が引きました。

それは「どれですか?」なんて聞かなくても触れば誰でも分かる、直径1cm弱くらいの丸い固いシコリ。それが脇の下にも喉にも鼠径部にもボコボコとありました。

(なんで分からなかったんだろう…)

えるにはリンパ腫の一般的な

  • 元気がない
  • 食欲が無い
  • 体重が減る

などといった症状は一切まだ出ていませんでした。

そういうことはある(例)

先生も「前回にはなかった」とおっしゃっていたから本当にそれらは急に現れたものなのだとは思いますが、それでも気付いてあげられなかった事にショックを受けていたら知人が自身の体験談を話してくれました。

友達
友達
うちの子も腫瘍だったんだけど、ぜんぜん腫瘍ってわからなくて、ただ脚がすっと前に出てなくて。
おかしいと思って病院にいったら別になんともないけどっていわれてレントゲンをとったら足の骨の一部がほんのすこしとけてたのね。
それでそこを針をさして生検したんだけどさ、よく腫瘍って刺激するとあばれるっていうじゃん?はりとった数日後にありえないくらい腫れて、体の中に爪楊枝をたてたようなぶつぶつがたくさんできてて、全然そんなのなかったのに身体をさわるとそのぶつぶつ(結構かたい)がたくさんさわれるのね。潜在的に数ヶ月からだのなかにガンがあったんだとはおもうけど(その年の1日前の大晦日にぼうこうえんになってるんだけど、それもそうだったのかも)
本当に表面にでるのは数日だったよ。

何が言いたいかっていうと、「おかしいと思ったらすぐに病院へ」です。

こんな風に、いつも一緒にいる飼い主さんの「なんかおかしいぞ」は、当たっている事が多いです。

病院で「なんでもない」と言われても、「じゃあどうしてこうなっているのでしょうか」と詳しく検査をしてもらったり、「なんでもなくても(原因はわからなくても)症状が出ているんだから、せめてそれだけでもなんとかしてあげたい」って薬をだしてもらったり、してあげられる事があるうちはしつこいくらいに頑張ってそれを探してあげて欲しいって思うし、何より、治療が必要だった時には早くから始めてあげた方が良いですからね。

例えば、リンパ腫の場合、腫瘍ができた場所によってだったり、その腫瘍が大きくなっていったりする事で、呼吸や食事がうまくできなくなってしまったり、ちゃんとした睡眠がとれなくなってしまったりして、体力が落ちちゃうんです。

ガンと戦える体力があるうちに、副作用に負けない体力があるうちに、一日でも早くから治療をはじめてあげたら、それだけ、治療の選択肢も増えるし、その分、希望が持てますからね。

7才のえるが年齢を理由に治療を諦めるような事にならなくて済んだのは、あの時、病院に行ったから、あの時、先生が見付けてくれたから、だって私は思っています。

リンパ腫とは

フェレットのリンパ腫(リンパ肉腫、リンパ性白血病)ってどんな病気?その症状や治療法は?
フェレットのリンパ腫(リンパ肉腫、リンパ性白血病)ってどんな病気?その症状や治療法は?

まずはじめに、今日のアイキャッチ画像の説明となりますが、これは、大きく顔を腫らしたこの状態で病院へ行った時、「口腔内腫瘍である可能性があります。その場合には最悪の事態を覚悟して下さい」と言われた、うち

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えるが受けてるリンパ腫の治療(QOLの維持)

年齢的に判断してのことなのか、医学が進んで、今はこれが主流なのかは分かりませんが、えるは、積極的な化学療法(抗がん剤治療)ではなく、ほとんど副作用がないとされている薬(ステロイドと一部の抗がん剤)で、いわゆる「緩和的な化学療法」を先生から勧められました。

流石に7才というのは、体力の消耗が激しい副作用に耐えられる年齢ではないと私も分かっていますから、持病のあるシニアの体に大きな負担をかけるような急ぎ足での寛解(腫瘍が検査場検出できなくなる状態)を目指すのではなく、せめてあの苦しそうな発作だけでもなんとかしてあげられるなら…と。

「腫瘍があっても快適な生活ができる状態で穏やかに過ごせるよう(QOLの維持)」を最優先にお願いしました。

病院では二日続けて注射を、家では朝晩に二種類のお薬、で、一週間経ち、あの発作はおさまっています。

薬の種類を変えたり追加したりはありましたが、今回のお薬がえるにはあったようで、軽くむせたり、咳き込んだりはまだ少しありますが、あの苦しそうな発作はでていません。

シコリも徐々に素人でも分かるくらい「小さくなってきてる!」です。

脳腫瘍か認知症かと疑いをもった症状のいくつかがほぼ見られなくなってきました。

脳にはリンパ組織はありませんが、リンパ腫が発生することはあります。

もしかしたら、ガンが脳に飛んで悪さをしていたのかもしれない、それがお薬で消えたのかもしれない、あくまでもこれは、かもしれない、かもしれないでしかありませんが、えるが今とてもいい感じに過ごせているので私はそれで充分です。

まとめ

これはリンパ腫に限ったお話ではありませんが、治療の仕方(薬の種類など)がたくさんあればあるほど何を選択してあげたら良いのか迷うし、その子の年齢や体調によっては治療の先に求めているもの、何を優先して治療にあたるか、も変わってくるし、当然それは飼い主さん一人一人によっても違うだろうし…

そういった、「治療についての考え方」は、かかりつけの獣医さんと日頃からたくさん話をしていたら、いた分だけ、「その場」での迷いがなくなるような気がします。

いつも言っている事ですが、「獣医さんとの信頼関係を築いておく」これが一番大切なことだと私は思っています。

もちろん信頼関係は一朝一夕で作られるものではありませんから、若いうちから、元気な時から、定期的に健康診断を受けに行ったり、ちょっとした事でも診てもらいに行ったり、そうやって、「あなたとその子を知っておいてもらう」これだけで、その後や何かあった時が全然違ってきますから、必ず、健康診断は少なくとも一年に一度は受けさせてあげて下さいね。

えるの通院は今後も続きます。その都度また何かあったらお話させて頂きたいと思います。

今日のアイキャッチ画像が2022年12月1日のえるです。

久しぶりにこんな穏やかに眠っている姿を見ました…

健やかなニョロニョロ生活を☆彡

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