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動物取扱業が本気で「ペットと地震(災害)に備えるについて」を語る

2022年4月6日

最近、地震が多いですね。

皆さん、ちゃんと備えていますか?

私は動物取扱業持ちですので、毎年、必ず、その研修を受けます。

ペットシッターしかり、ペットホテルしかり、皆さまの大切なお子さん達をお預かりする身なわけですから、結構ガッツリ目の設定で「その時の備え」を学びます。

皆さんも一度「ペット 災害 備え」でちょっと検索をしてみて下さい。

あっ、ゴリゴリのアフィリエイトサイトは見なくて良いですからね。

それらのほとんどは「キャッシュバック(還元率)が高い」商品を「お勧め」として紹介しているだけなので、特に何にもお勧めじゃなかったりしますんで。

見るべきは、環境省:「ペットの災害対策」一択なのですが、これがまた…

情報量が多すぎてうんざりされるかと思いますが、それは仕方が無いんです。

日本全国の、全ての動物種の、ペット飼い主さん達全員へ、向けてその情報を出さなきゃいけないのですから、あんなんなっちまうのは致し方が無い事です。

とはいえ、私もうんざりして全部なんて見ていません。

なので、せめて、ご自身がお住まいの地域を入れて「○○(地域)ペット 避難所」と検索して下さい。

そこに出てきた市区町村のホームページにある情報こそが、あなたがまず知っておかなければならない、あなたに最も必要な情報です。

災害時には必ず悪質なデマが出回るし、ちょっとした話でもすぐに大げさな噂話となって一気に広がって集団パニックを引き起こすのを皆さんも多かれ少なかれ目にしてきているんじゃありませんか?

ココがポイント

  • そうなる前に正しい情報を仕入れておく!
  • どんな時でも「まずは公式の情報(一次ソース)を自分で確認する」癖をつけておく!

を心掛けておくだけで違ってきますからね!

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ペット飼いとして災害に備えるとは?

まずは想像して下さい。

ご自身がお風呂に入っている時、寝ている時、仕事に行っている時、、、ありとあらゆる場面で「それが起きたら」をまずは自分で想像してみる事で、その先にある「あなたとあなたのペットを守る方法」がより具体的に考えられるようになってきます。

※被災経験による強いトラウマをお持ちの方は無理をしないで下さい。

これは、怖かった記憶を無理に掘り起こす作業ではないですからね。

『経験がある自分は「次もできる」「次はもっと落ち着いてできる」』って、まずは心を落ち着かせて次のステップに進めば良いですからね、ゆっくり、ゆっくり深呼吸をして、自分の時間を取り戻してから次の作業に移りましょう。

まず、基本的なおさらいとして首都圏では

災害が発生したら

  1. まずは自身の安全を確保しましょう
    飼い主が無事でなければペットの安全を守ることはできません。
  2. 自宅で安全に過ごせるか確認しましょう
    自宅が安全な場合、避難せず自宅にとどまり生活するという選択もあります。
  3. 避難が必要な場合、原則としてペットを連れて避難所へ避難しましょう(同行避難
  4. ※犬、猫等の一般的なペット以外の動物は、避難所での受入れが難しい場合もあります。万一のときの預かり先を確保しておきましょう。

のようになっているケースが多いのですが、当然、地域によって同行避難可能な場所が限られていたり色々なケースがありますので、先ほどお伝えした「○○(地域)ペット 避難所」で必ず、ご自身の地域のこの基本がどうなっているのかを調べて、知っておいて下さい。

ペットとの同行避難について

「自分の備え方シミュレーション」は自分にしかできない事!!

私は今でこそ、上記「4」でいう預かり先側の立場にいますが、ほんの数年前まではこんな感じでした。

防災訓練で疲れたフェレット
ペットとあなたの防災訓練!自治会長さんと消防の方に聞いてみた!本番で100%の力を出すために120%の練習をして備えましょう!!

地域のそういう活動に皆さんは参加していますか? 私…そういうの本当は大嫌いなんです。 普段から極力、誰とも会わずに暮らし ...

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もちろん、その当時はもうとっくに歴ある保護活動者でした、それどころか、災害ボラのお手伝いを経験しているのに、それでもこんな感じだったんです。

それは決して、喉元を過ぎて熱さを忘れてしまったという事ではなく…うーん、うまく表現できないから止めておきますが、とにかく、私はある時、自分なりにシミュレーションして出した答えがそれだったってだけなのですけど、これは皆さんに同じ事をして下さいって話ではないです。

私はたまたまそういう資格や諸々を持っていたし、周りの環境や条件的に「それが出来る」から、そうなだけ。あくまでも「私は」ってだけの話ですからね。

震災経験から同行避難で公的な場所は使わない事を決めて「ケージを入れても自分が横になるスペースがとれる車に買い替えた」というお話もよく耳にします。

このように、あなたにはあなたの立場があるし、あなたの環境、あなたの周囲、、、これは全員が違うから、何度もでしつこいですが、「自分の事は自分でしかシミュレーションできない」から、「自分の場合を想像してから」ってお話を一番最初にさせてもらいました。

「自分の場合を想像する」ためには、地域でのそれがどうなっているのかを知っておかなければいけません。

だから、「○○(地域)ペット 避難所」で検索です。

多分、そこにはこんなような事が書いてあると思います。

災害時のペットとの避難!(基本的なこと)

  1. 避難所にペット用の備蓄はありません
    最低2、3日分のエサと水を用意しておきましょう。持病がある場合は、お薬も忘れずに準備しましょう。
  2. 飼い主とペットは同じ居室で過ごせません
    ケージ、リード、ペットシートを必ず持参しましょう。ケージやキャリーバッグに入るのを嫌がらないよう普段からのしつけが大切です。
  3. 伝染病などが蔓延する可能性があります
    予防接種(狂犬病予防接種・混合ワクチン)を受けておきましょう。ノミ、ダニ、シラミなどの駆除・予防も大切です。
  4. 避難中にペットとはぐれる可能性があります
    鑑札や迷子札をつけておきましょう。マイクロチップも有効な手段です。動物病院にご相談ください。

先日、ツイッターを見ていて「同行避難」と「同伴避難」がゴッチャになって世間一般に広まってしまっている事に気が付きました。

環境省は東日本大震災を受け、震災時にペットと共に避難する「同行避難」を推進する「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定しています。

それが上記「2」の「避難所には一緒に行けるが過ごす場所は別」です。

もちろん、私だってそんなの「一緒に避難できるとは言わない」と思っているし、声もあげています。

動物の保護活動者としてこのままにしておくつもりなんて微塵もありませんが、残念ながら、これは「すぐ」には解決しません、絶対に。

だから、皆さん、それぞれが「自分の場合」をシミュレーションしておいて下さいと…本当にしつこいですけどこの後も何度もこのセリフは出しますよ。

で、話しを戻すと、その子のものは避難所にはありません。

ネットさえ繋がれば「助けて」の声は全国に届きますが、被災状況(道路状況その他)によっては何日も待っていなければならない場合も考えられます。

ペットの防災グッズ

  1. ペットの命や健康にかかわるものを優先に、すぐ持ち出せる場所に保管しておきます。
  2. 避難所に持っていくもの、と、後で取りに戻るものを分けておきます。

常備薬はもちろんなのですが、発作時などの頓服を忘れがちですから、必ず確認をして、予備の用意がない飼い主さんは次回の通院時に「非常時の持ち出し分が欲しい」と少し多めにもらっておくと良いかもしれません。

優先順位の考え方としては

1.命や健康にかかわるもの

その時、初めてキャリーに入れるのではなく前もって慣らしておいてあげて下さい。

参考
クリスマスフェレット
ペットキャリーは単なる移動手段の道具じゃない!安全で快適な空間なんだと覚えてもらってストレスフリーなお出掛けを!エルちゃんのお気に入り移動式要塞はこれ!

先日、「キャリーに入れるとものすごい勢いで出せ!出せ!ってやるからなんか可哀想で…」という相談を受けました。 「だから、 ...

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また、長時間になる事を考えたら、避難時はソフトキャリーではなく、ハードキャリーが適しています。

  • 移動用のキャリー(給水ボトルやフードディッシュ、ハンモックもトイレも全て装備した状態)
  • 薬、療法食
  • フード、水

あくまでも一般論です。

例えば、お薬を飲む時にはバイトが無いとダメな子ならバイトもここに入ります。

ご自身で「用意しておくべきもの」をしっかり想像して「一時避難時に持ち運べる量をその形にして」備えておいてあげて下さいね。

2.ペットと飼い主、動物病院の情報

鑑札や狂犬病予防注射済票を装着することが義務付けられているワンちゃんやマイクロチップの義務化が進んできているニャンコスとは違い、飼い主がすぐに分かるものを身に着けていないフェレットの場合、避難先で何かがあった時のための用意が必要です。

ニョロの写真(スマホにあるでも良いです)

ワクチン接種証明書(コピーでも構いません)

飼い主の特定ができるチラシや迷子ポスターを一枚作っておくと良いかもしれません。

そこには、かかりつけの動物病院の連絡先、ワクチン接種の状況、健康状態なども書いておくと良いかなって思います。

以前、私はフェレットにマイクロチップは「入っていないならわざわざいれる必要はないと思う」派でしたが、震災に備えてで考えたら「入れておいた方が安心」という考えに変わりました。

それでもわざわざいれるつもりは無いですが、猫の撫子には不妊手術の時に入れてもらってあります。

ちなみに、いたちのおうちは震災時、飼い主さんとはぐれた子達などのマイクロチップを読んで情報を繋げる係を担当しますので、リーダーを所有しています。

3.ペット用品(日用品)

ペットシーツや排泄物の処理道具など、日常で使用しているペット用品を震災用にきちんと備蓄しておきましょう。

「1」「2」は取り急ぎの一時(緊急)避難で持ち出すもの、これは落ち着いてから「取りに帰るもの」または自宅で過ごせていても「物流が止まってる」場合でシミュレーションすると考えやすくなるかなって思います。

  • ケージ(トイレやフードディッシュ、お水ボトル、ハンモック全て揃えた状態で)
  • ペットシーツや砂(普段使っているもの)
  • 排泄物の処理用具(ゴミ袋、ビニール袋やスコップ等です)
  • フード、お水
  • タオル(ペット用のウェットティッシュもあると良いです)
  • ハーネスとリード、洗濯ネットでも可(気晴らし可能な状態でケージから出してあげられる時に使います)
  • お気に入りのおもちゃ
  • など

これも最低限の一般論です。

あなたに必要なもの、シミュレーションして備えておいてあげて下さいね。

あ、唯一、これだけは「万人にお勧めします」「持ってて下さい」という品がこちらになります。

 

何がどうお勧めなのかはこちらの記事をお読み頂ければと思います。

詳細
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「備えておく」とは?

自治体で行われる避難訓練的なものに一度は「ペット飼い」として参加してみると良いです。

参加してみて初めて分かる事、より具体的に考えられるようになる事がたくさんありますから。

その時に、地域の方たちや(他動物でも)飼い主同士のコミュニケーションを図れるととても良いです。

震災時だけにかかわらず、もしも(例えば脱走させてしまった等)の時にも大きな助けになってもらえますから。

「困ったとき」に助け合えるのは、まずは「近くの人同士」ですからね。

避難所まで、ご自身で用意した防災グッズ(避難持ち出し袋)を持って実際に歩いてみるなどもしておくと良いです。

カバンに詰め込めるだけ詰め込んで、いざという時に持ち上げられないとかだったら何の意味も無いですからね。

シミュレーションはより具体的に

「電気が使えない」「ガスが止まっている」「断水している」を想定して一日過ごしてみて下さい。

お世話に何が足りないか、こういう時にはどうしたら良いのか、より具体的に見えてきますからね。

最近、ケージは不要という飼育方法がまた流行りだしていると聞きましたが、ここまでをお読み頂いている皆さまの中で「深夜(就寝時)大きな地震がきたとして、そのまま停電していたら」でシミュレーションしてそれでも「うちには必要ない」と言える環境の方がどれくらいおられるでしょうか…

この子達だって怖い思いをしたら逃げます。隠れます。

「いつも寝てる場所」にじっとそのままでいるなんて事は無いんです。

電気がつかない真っ暗闇の中で、転倒した家具をよけ、食器やガラスが割れて飛び散る上を歩きながら「どこにいるのか分からない」子を探しだせる自信がある人なんて多分そんなにいないんじゃないかなと思うのですよ。

ちょっともう長くなってあれなのですが、こちらもお時間がある時に読んでみて下さい。

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震災時に「ケージがない」という事、「ケージを正しく使っていないとどうなるのか」、知っておいて欲しいのです。

人用「備蓄ナビ」

「災害に備えた備蓄」と聞いてもピンと来ない方や興味はあるけど何をどのくらい備蓄すれば良いか分からない方向けに、備蓄のイロハや備えておくと良い品目などをご紹介するサイトです。としてこちらの東京都のサイトを貼っておきます。

東京備蓄ナビ
東京備蓄ナビ

「災害に備えた備蓄」と聞いてもピンと来ない方や興味はあるけど何をどのくらい備蓄すれば良いか分からない方向けに、備蓄のイロ ...

www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp

こちらは、ご家族(性別、人数)に合わせてシミュレーションできるようになっており、また、ハザードマップは災害種別に全国版として活用できますので皆さまご活用ください。

まだまだ注意喚起としてお話しさせて頂きたい事はたくさんあるのですが、今日は「あなたとその子の身を守るために自分できちんとシミュレーションする事の重要さ」だけお伝え出来ていたら良いなとして〆させて頂きます。

その子を守ってあげられるのはあなただけですから、ちゃんと考えてあげて下さい、備えておいてあげて下さいね。

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