前回のお話で『いたちのおうち預かりのフェレットは7匹。そのうち「保護っ子」は4匹』と書きました。
「残りの3匹は何?」って思われた方もおられるんじゃないかと思いますので、今日はその子たちの事をお話しをさせて頂こうと思います。
お読み頂く際、表現的にややこしい(まどろっこしい)箇所が出てくるかも分かりませんが、今日のお話は「もし見てたら連絡を下さい」要素を含む内容となりますので、諸々、お察しいただけたら幸いです。
で、理由は後述しますが、今ここに私の電話番号を載せておきます。
090-4667-4257
私は非通知でもなんでも出られる時には必ずでます。
出られなくても番号とメッセージを残しておいてもらえたら折り返します。
番号通知であってもメッセージがない時には(こちらの都合でかけ直されては困る理由があるのかもという判断で)かけ直しませんので、ご都合が良い時にまたかけてきて下さい。
電話代が…みたいな事情がある場合には最初にそう言ってくれれば秒で切ってこちらからかけ直します。
私はかけ放題プランなので、それは気にせずおっしゃって頂いて大丈夫ですから何も気にせず、どんな内容でも構わないから困った時には勝手に最悪な結果を出さずに必ず連絡を下さいね。
里子に出して良いのか分からない宙ぶらりん状態のフェレットの経緯
12月の半ばに「来月の中旬までには引っ越さなければならなくなりまして…」という主旨のご相談を受けました。
プライバシーに関わる事なので、詳細は書きませんが、その引っ越し理由は誰が聞いても、「そんな状態ではとてもじゃないけどフェレット達は連れていけないでしょうね…。里子に出した方が良いですね…。」ってなる内容です。
実際、いつもなら「一緒にいられる方法があるかもしれないから一緒に考えましょう。ギリギリまでサポートしますから頑張りましょう!」と言う派のこの私でさえ「そういう事なら里子に出された方が良いと私も思います」と一秒でその答えに至りましたから…
なので、「里親さんは自分で決めたい。どうせ手放すくせにと怒られそうだけど、この子たちに相応しいお家は私が一番分かると思うから…」という彼女に「怒るだなんてとんでもない、それが当たり前の事ですよ。」と私の考えをお話しして、ただもうあまり時間がないから、その時にはサポートしますねとだけ言いました。
フェレットを里子に出す時【良い里親さんの選び方】相応しくない人の特徴と見極め方
某所の人気ランキングで不動の一位を何年もの間ずっと続けてきているペットがフェレットなのですが、その某所がどこか分かります ...
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愛してるからこそ里子に出すという決断に至った事、それは嘘じゃないと信じています
新年明けて早々に「退去前にハウスクリーニングなどをしなければいけない、その時には強い洗剤を使うし、引っ越しの準備でバタバタもする、里親さんはまだ決まっていないのだけれど、少しの間だけ、うちの子達を預かって欲しい」という連絡がありました。
引っ越しの期日まではもういよいよな事、我が家からもいたちのおうちの事務所からもちょっと距離がある事、少しでも預けた先に会いに行くのには近い方が良いだろうなと思ったのでご近所さんから一時預かりさんの募集という形をとりました。
いつも言っている事ですが、私たち保護活動者は無償の便利屋ではありません。
保護活動者は無料で使える都合の良い便利屋ではありません。それは全てフェレットをお迎えしたあなたの責任です。
いたちのおうちは、飼い主がいる子に関しての事はその全てを保護案件では無いと定義しています。 分かりやすい例で言うと 「フ ...
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そしてこれは保護案件でもなんでもないです。
彼女はそんなお話しをせずとも「取り急ぎの生活費として」って最初から現金の用意をされてきていました。
きれいにお掃除されたケージ、開封されたフード数種類+全く同じものの新品をそれぞれ一袋ずつ、病院の診察券に移動用のキャリー、箱にギュウギュウに詰められたお気に入りのオモチャやハンモック類などなど。
「里親さん候補はあと3名に絞れていて、それぞれの方ともう少し細かくお話しを詰めたいなって感じなので、それまでの間だけどうぞよろしくお願いします。」
細かい内容を詰めたいという理由も、一人の子の健康状態がちょっとグレーで、もしかしたらすぐに闘病生活が始まってしまうかもしれないからお金がかかる事をきちんと了承してくれているのか、とか、本当はみんなで一緒にが良いけど一人は介護経験がある方にお任せして、二つのお家に分けて里子に出した方が良いのか、それとも3匹別々が良いのか、などなどで考えているからと、疑う余地など微塵もないそれはそれはきちんとしたものでした。
宙ぶらりんにさせてしまったのは活動者の私のせい
そこまで本当に出来すぎなくらいに全てが完璧で、なんの不安もあるはずがなく、本来であればまずしなければいけない事を私は「後でまとめてで良いですね」って言いました。
…これがいけなかった。
本来であればまずしなければいけない事とは?
どんな時でもまずは「書類の取り交わし」は絶対です。
だから今回で言えば
一時預かりの同意書と一時預かりや里子に出すにあたっての飼育権利放棄の同意書
ご存知の方も多いかとは思いますが、同意書というのは後に起きうる事が想定できる全てにおいて「こう約束したよね?ここにサインしたんだからつべこべ言うなよ」って後から何も言わせないために交わすもの(語弊あり)なので、その文言はかなりキツイんです。
ここまでずっとこちらが言うより先に全ての事が完璧だった彼女と後から何らかのトラブルが起きるだなんて全く想像できず、むしろ「数日後には里親さんが決まるのだから、その時で良い」ってその判断が適切であるとさえ思っていました。
連絡がとれない…
その数日後、引っ越しをちょっと早める事になったとの報告と共に「~なので私はもう関東にはおりませんが、この方に里親さんをお願いする事に決まりました。お話はついておりますので、あとはいたちのおうちさんのやり方で譲渡の手続きをお願いします」ってLineがきました。
ちゃんと、その方とのやり取りのスクリーンショットも貼られていたので、書類の準備をしていざってその方に連絡をしたら何度かけても「お掛けになった電話番号へは、お客さまのご都合によりおつなぎできません。」でした。
調べてみたらそれは
- 緊急停止・一時中断 :携帯電話機を紛失した場合などに、お客さま側で設定している状態
- 着信規制 :当社の請求代金のお支払いが確認できない場合などに、当社側で設定している状態
- ナンバーブロック:迷惑電話を拒否する場合などに、お客さま側で設定している状態
のどれかだと公式サイトにありました。
その旨のご連絡を元親さんに入れたら、そちらも既読がつかない、電話も繋がらない(呼び出しはするけど留守電になる事もなく、コールしっぱなしの状態)。
そこから1ヶ月も経たないうちにLineは「メンバーがいません」となり、電話は「現在使われておりません」になってしまいました…
さて困った…
正式な同意書や契約書を誰とも交わしていないので、この子たちはいたちのおうちが預かっている間に飼い主さんがどこかへ行ってしまったという、いわゆる宙ぶらりんな状態です。
この宙ぶらりん状態というのが結構厄介でして、色んな事例がありますけれど、どれを見ても判例は「飼い主(だった証拠がある人間)が返せと言ったら返せ」と相場が決まっています。
こちらなんかが分かりやすい「え?それでも返さなきゃいけないの?」なお話かと思いますので興味がある方はお読み下さい。
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だから、どんな状況であっても一番最初に飼育権利放棄の同意書は巻いておかなきゃいけないんです…
それを私は「後でで良い」と判断を誤りました。
宙ぶらりん状態のままってわけにはいかないから
つい今「判例は」なんて言ったばかりでこんな事を言っても全然説得力はないかもだけど、何かあった時にはいたちのおうちとして「法的に」きっちりお話しができる準備だけは整えました。
でも私は何となくだけど、まだそんな事を言っているのか甘いと言われるかもだけれど、この件はそんなんじゃないって思っています。
もしもに備えて弁護士さんには一応、相談だけはしてはありますが、なんていうか、ちょっとずつ何かがかみ合わなくなってしまっただけなんじゃないかなって思うんです。
冒頭で「プライバシーにかかわる事なので」とお伝えした通り、彼女の引っ越しはポジティブな理由ではありません。
それを知っている私には、電話がつながらなくなってしまった理由も色々と想像が出来てしまいます。
もしかしたら、スマホが持てない、もしくはネットなどもあまり出来ない環境におられるんじゃないかとさえ思うんです、だから最初に私の電話番号を載せました。
そこだけ読んでネット回線を切ってサッと電話してきてくれたら…って、待っています。
現状報告と今後について
3ニョロ共まだいたちのおうち預かりとして、預かりさん宅でお世話をお願いしています。
一人は投薬が必要な状態となりました。
ので、その子は大々的な形では里子には出しません。
が、「とりあえずの生活費」として頂いたお金は病院代でとっくにマイナスとなっていますし、このままズルズルと”一時預かり”の状態を続ける事は出来ませんので、このまま連絡がなければ、最初にしたお約束通り、預かりっ子ではなく「遺棄された子」として、お預かりの日がその日という計算で3ヶ月後には元気な2ニョロは里子に出します。
その後にご連絡を頂いても、あなたには一切、何も教えられません。
そこに例外は無いです。
その辺の事はこちらのお話で詳しくご説明させて頂いておりますので、お時間ありましたらご参照ください。
安易な里親募集「飼えないから引き取って下さい」が増えたのは保護活動者のせいかもしれないと思ったフェレットの例
引っ越しシーズンのこの時期になると毎年、同じ事を言っているような気がしますが、今年もやっぱり、保護案件が増えてきています ...
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もしもですけど、ちょっと嘘をついちゃったとか、気まずいとか、そういう事で連絡しづらいのであれば、そんな事は全然、気にしなくて良いんですからね。
事情は分かっていますから、とにかく連絡ください。
待っていますからね。
おまけのお話
今日のアイキャッチ画像は「3ニョロ」のお話に合わせて、こちらのお家からお写真をお借りしました。
最初からここに来る予定だったんだね…フェレット里親様が決まりましたのご報告
保護活動なんてものを長くやっていると、本来であれば、とても素敵な表現であるはずの言葉なのに、「それは認められない」と変に ...
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