保護フェレット

里親さん決まりました

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フェレットの保護活動~いたちのおうちのボランティア「一時預かりさん」とは~

先日、いたちのおうちで初めて、一時預かりボラさんを募集しました。

今回は必要に迫られた緊急案件だったので地区の限定をしましたが、今後もし又どこか及び全国的に募集させてもらう事になった時のために一度きちんとお話ししておこうと思います。

というのも…

「いたちのおうち読んでます」とご挨拶下さったはずの方でも何だかいまいち話が通じていない方が数名おられたというか何というか…

たくさんの方とお話をさせて頂いて、これは今まできちんと明言する機会を持たなかったこちらが悪いと感じたので、これをその機会とさせて頂きます。

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一時預かりボランティアとは?

まず、フェレットは犬や猫とは「保護の目的も内容も根本からしてまったく違う」という事を分かっておいて下さい。

それについては、これまでにもあっちこっちでお話しているので、ここでは簡潔に『保護の対象になる子たちが「なぜいるのか?」』がこちら

犬・猫フェレット
  • 人間に捨てられた
  • 脱走してそのまま迷子になっちゃった
  • そこから野良になって繫殖し続けちゃった
  • 経営難やキャパオーバーなどによる崩壊した繫殖場からのレスキュー
  • 劣悪なブリーディング場からのレスキュー
  • 不妊手術が追い付かない、もしくは実施しない地域で増え続ける野良たち
  • 人間に捨てられた(脱走してそのまま探してもらえなかった含む)

フェレットは

  • 欲しくて買った人がきちんと最期まで責任を持って飼育する、飼えなくなったら飼ってくれる人(里親)を探して託す。
  • 飼い主になったら脱走対策をきちんとする、それでも脱走させちゃったらすぐに探す、見つかるまで探す。

このたった2つさえ徹底されれば「保護しなきゃいけない子」はいなくなります…って、このまま続けると話しが長くなるのでここまでにして、そう、だから、

「フェレットには必ず飼い主がいる」=「誰かの所有物である」

ここからは少し法律のお話しになりますが、日本の法律では今日現在まだ動物たちは「物」という表現で扱われます。

※「動物を物扱いしてる」という意味ではありません。

よって、人間と一緒にいないフェレットは「誰かの落とし物」として警察に届けなければいけないのです。

フェレット【実際の写真で比較】ハクビシン・野生のイタチ・ミンク・テンが見分けられないのは普通
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日本の自然に「野生のフェレット」という生き物はいません。 ペットのフェレットはそのほとんどが(すでにペットショップへ来る ...

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そして法律上では、届けられた落とし物は3ヶ月の間、警察署で適切に保管しておかなければならないとされています。

そうは言っても、フェレットは生き物ですから「適切な保管」がどこの警察署内でも可能なばかりではありません。

という時に、その間の(適切な保管)を「お引き受け致します。お任せください。」の私たち保護活動者がいるわけです。

で、それが今日これからお話する、「いたちのおうちの一時預かり」なんですけれども…

一時預かりボラをやるには

その期間は3ヶ月より短い事はあっても長くなる事は絶対にありません。

なので、その期間内に長期旅行の予定が入ってる方は預かりさんはできません。

また、いたちのおうちは支援金や寄付金で運営している組織では無いので基本的に「経費」というものはありません。

(ありがたい事にご支援を頂く事があります)ご支援を頂いた時にはその時の預かりさんにお渡しします。

一人のボラさんにかかる負担が大きすぎる時には、いたちのおうちとして募金のお願いをして、皆さんご協力頂いたお金は全額お渡ししてきています。

が、それはそれとして、預かりボラをする場合で想定できる全ての費用は最初から自己負担で賄える余裕があるという方にお願いをしています。

Q.「いたちのおうちの活動に協力してくださいって言うから協力してあげるのになんでこっちが身銭切らなきゃいけないんですか?」

いたちのおうちに限らず、フェレットの保護という名目のお金をどこかや誰かが用意してくれるシステムでは無いので

A.「誰かが身銭を切らなきゃ『保護』は出来ないからです」

目の前に保護を必要とするフェレットがいたら保護しますよね?いたちのおうち関係無く。

そういう時にご相談頂いたり、ご連絡頂いたりした時にはこれまでも募金を呼び掛けたり支援物資をお送りさせて頂いたりしてきているんですけど、いたちのおうちにボラ協力すると言ってから預かりを受けたか、警察署から直接預かりを受ける状況になったからいたちのおうちに相談をしたそれをボラと言うのか、どちらも「フェレットの保護」「協力関係」とした時、いたちのおうちがさせてもらう(出来る)事は同じです。

これは余談になるかもですが、ボラ活動を「頼まれたからやってる」と(無意識にでも)そういう風に捉えてる方って割と多いですし、「保護活動には興味があるけどそこで自分のお金を使わされるだなんて冗談じゃない、なんで身銭削ってあんたの協力しなきゃいけないんだよ、時給よこせとは言わないけどせめて交通費くらい出すのが普通じゃない?」って私個人としては分かるんです。

分かるどころか私自身が一番そう思っています。

でも、そう思いながらも、その”あんた”がどこにいるのか分からないままただもうずっと身銭を切って私財を投げうってここまで来ちゃった人たちが今あちらこちらでフェレットの保護ボラとして活動しているわけで…

例えば、「〇〇さんのために~をしてあげたい」と思った時、そのしてあげたい事をする費用を○○さんに請求したりしませんよね?

その費用が捻出できなければしない(出来ない)、捻出できる時にしてあげれば良いってだけじゃないですか?

「フェレットを助けてあげたい」って気持ちになった時もそれと同じ事だとお考え頂けたらなって思います。

一時預かりボラの基本

より適切な環境でお世話をしてあげられる自信があるから「うちが責任をもってお預かりします」っていうのが預かりボラの存在意義です。

だから当然、その適切な環境に必要な物は全て準備ができて当たり前。

それが基本です。

Q.「準備とかちょっと出来ないんですけどどうしたら良いですか?」

A.「出来る方にお願いをします」

で、フェレットが既にいるお家ならハンモックやフード、トイレシートなんかは心配する必要はありませんが、預かりっ子をお家の子と一緒にする事は出来ませんので、その子用のケージはきちんと別に用意が必要となります。

もちろんそこがペット可物件であるなんて事は基本中の基本で、ボラさんも里親さんの条件と同じく、同居されている方に説明済みであることとその全員の了承を得られている事、これも基本的な必要条件です。

Q.「預かる事になったら説得するんで大丈夫ですか?」

A.「現時点で条件を満たせてる方にお願いします」

預かり期間中にかかる費用について

いたちのおうちに届く支援物資は、その時にいる保護っ子の数で分けてそれぞれの預かりさんへお送りします。

が、それで丸っとまかなえた事は今まで一度もありませんのできっとこれからも無いと思います。

また、それまでは、お引き受けの子を引き出したらまずは健康診断に行って健康状態の確認がとれてから預かりさんのお家へという流れが主だったのですが、県をまたいでの移動に制限がかかるようになったコロナ禍ではそれがなかなか難しく、その頃からの保護っ子達はもうほとんどが皆、最初の引き出しから半ば強引に預かりさんをお願いする形でご協力頂いてきています。

(その節は皆さんありがとうございました。)

その時の皆さんは預かりボラの協力をするだなんて一言も言っていないのに、それこそ「いたちのおうちに頼まれたから」なわけですが、全方がこれ以降お話する「いたちのおうちの預かりさんとして」いて下さいました。

(本当にありがとうございました。)

具体的に言うと、警察署へお迎えに行って病院へ行って健康診断を受けさせてあげる。この費用は交通費も病院代も全て預かりさんに一時的にご負担頂きます。

Q.「急に言われもその時に交通費とか病院代とか無かったらどうすれば良いんですか?」

A.「ある方にお願いします」

それらのお金は本来であれば、お返しの時に飼い主さんにお支払い頂ける(請求して良いとされている)お金ですので、だから、「一時的に」と言ったわけなのですが、今のこの「本来であれば」という言葉に対して、「普通は請求される前に払うものだから」と思ったあなたは純粋な人。

かくいう私も以前はそう思っていました。前にもお話したあの脱走させちゃった時の事…

自分の不注意で脱走させて、もしかしたら死んでいたかもしれない我が子を預かってまでお世話して下さった方には感謝しかなくて、かけて頂いた医療費はもちろん謝礼は断られたから菓子折りを持って後日改めてお礼に伺いました。それでも足りない感謝の気持ちを…ってこれは皆がそうだと思ってたんです、保護活動を始めるまでは。

いざ、保護活動はじめてみたら…

「勝手に病院なんか連れてっといて金よこせだと?なめてんのか?ああ?」ってキレられたり、「いつもの事だから平気なのにわざわざ警察だなんて大げさにしていい迷惑だわ」ってわざわざ取りにくる事になったその交通費を払えと言われたり、今手元にないから後日振り込みますってもう10年くらい経つけどいまだに振り込まれてないみたいな…

っで、だ、きっとそういうトラブルが多くて大変な思いをされてきたのでしょう…

「かかった費用を飼い主さんに請求する事はありません」って文言が預かり委託契約書に最初から入ってる警察署もあったりして、心中お察し致しますでしかないみたいな(笑)

※私が知っている限りでは「飼い主に請求する権利はありますがそれで払わないと言われたら引きます。私はトラブルを起こしません」みたいな書類が多いように感じます。

話しを戻しますが、飼い主さんが現れなかった場合には、健康診断の費用やワクチン代、その子のために用意した物は里親さんへの請求とします。

これはあくまでも「誰か一人だけが頑張る保護活動はもうやめる」「保護をなくすために皆を巻き込む」という、いたちのおうちの考えでそうしようと決めたことなので…まぁ、そんなにスムーズにいく事ばかりではないのが現状ですが、形式的には、一時預かりさんにご負担頂くお金は「飼い主さんに請求できるお金」であり、「里親さんにご負担頂くお金」です。

その一時的な出費が捻出できない方は一時預かりボランティアは出来ないとご理解下さい。

ボランティア活動という活動の中には他にも色々とありますので、それ以外の事でご協力頂ければと思います。

そんなこんなで、預かりさんというのはあくまでも「飼い主さんのお迎えを待っている子を自宅でお世話するボランティアさん」だという事だけでも、ご理解頂けましたでしょうか?

気が付いたら、こんなに長くなっているのでいったんここで締めるのですが、大切なお話しは実はここからでして…

「預かり期間中のお約束事」これを守って頂けない方には何にもお手伝いを頼めません。

近いうちにそのお話しもさせて頂くので、預かりボランティアに興味を持たれている方はぜひそちらをお読み頂けたらと思います。

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