ニョロ達がオメメにいっぱい涙をためている姿を見た事はないですか?
元々キュルルンとした可愛いオメメが更にウルウルウルルンなんてなっていたら、「どうしたの!?何でも言うこと聞いてあげるから!言ってごらん!」ってなりますよね?
何を隠そう、うちのさすけは、よく涙を流します。
目の大きさや形の問題なのかもしれませんが、「目に涙をためて」というよりは、目の周りがビチョビチョになるほど、目から涙が溢れてしまっている事が多いです。
それについて、この前の健康診断の時に、かかりつけの先生に「うちのさすけの涙の理由」をズバリ聞いてきましたので、今日はその結果をお話しさせて頂こうと思います。
まず初めに…
私は、一応、少しだけ動物たちの体の事などについて勉強をしていた事があるのですが、その中で学んだこと、いわゆる「教科書にかいてあること」はこうです。
動物たちにも「悲しい」という感情を持つ種はいるが、それによって涙を流すという体の構造にはなっていない。
これについては、色々な「え、でも、うちの子は~」というお話しがあるかとは思いますし、私もそういうエピソードは持っています。
チャールズ・ダーウィン先生は『Expression of Emotions in Man and Animals』で、人間のような感情を見せて泣いたとされるアジアゾウのお話しを記しています。
群れからはぐれて泣いていた子ザルの涙を分析した学者さんもいるそうです。
人間が感情を感じた時の脳の動きと数種類の動物たちのそれを調べて、同じような動きを見せた動物は何かなどの研究もされてきています。
それでも…それらの結果を用いたうえで、現段階での動物行動学・動物行動心理学では「動物たちが流す涙は感情的な反応ではない」とされているのが「教科書に書いてあること」なのです。
フェレットが涙を流してる!泣いてる理由は?原因は?
フェレットはとても感情が豊かな生き物です。
基本的には明るくて能天気で無邪気の塊みたいな子が多いから「楽しい♪」ばっかりかと錯覚しそうになる事もあるけれど、お家(飼い主)が変わった事で、自分は要らない子だと思い込み、何にも期待するのを止め、生きる気力を失くしかけてしまっていた子がいます。
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「悲しい」とか「寂しい」とか、この子達にだって、しっかりあるのですよ。
それだけは忘れないでいてあげて下さい。
ただ、それでもやっぱり、「悲しいから涙を流す」という体の構造ではないそうです。
フェレットが泣いてる(考えられる涙の原因)
フェレットに限らず(人間含め)動物たちの「涙」は「目を守る液体」というのが基本中の基本です。
その液体は、目の表面(角膜)を潤わせたり、酸素を送り届けたり、目に入ったゴミや表面の汚れを洗い流したりしてくれる役割を持つものです。
また、あくびをした時など、口を大きく開ける+目を閉じるという動作(=顔の筋肉が思い切り伸び縮みする)によって、涙腺(るいせん:涙を作る器官)が刺激されて涙が出るという、単なる「体の構造上の理由」で出てくる涙もあります。
ただ、気を付けなければいけないのは、病気やケガのサインである場合の「涙」もあるので、今日はちょっと、そんなお話しもさせて頂いておこうかなって思います。
異物混入(ゴミが入った)による涙
この子達は、低い所を歩いているので私たち人間が動き回る事によってたつ細かいホコリやゴミが舞うあたりがちょうどお顔近くになります。
そうじゃなくても、あっちこっちに顔を突っ込んでスンスンして回るので、そういった物が目に入ってしまう事は我々が思っている以上に多いです。
あと、シャンプーが目に入っちゃったとかかな(※シャンプー中に「目に入ってしまったかも」と思った時にはすぐにきれいなお水(水道水で構いません)で洗い流してあげて下さい。)
が、これらについては、そんなに神経質に心配しなくても大丈夫です。
涙がちゃんと仕事をしてくれていれば何も問題はありません。
ただ、涙がずっと出ていたり、目の辺りを引っ掻くような仕草が続いたら、病院へ連れていってあげて下さい。
赤ちゃんやワンちゃん用の目を拭くためのウェットティッシュなどもありますが、この子達の目は小さいです。
人間の裸眼では見えないような小さなゴミで、もしも間違ってゴシゴシこすって角膜を傷付けてしまうような事があってはいけないので、常に目の周りが濡れていたり、ポロポロポロポロ異常な量の涙を流していたり、目(顔)を触られるのを嫌がったり、目を開けられないような表情が続いたりしていたら、無理に何かをしようとはせず、すぐに病院の先生に診てもらってあげて下さいね。
時々、「アイウォッシュでどうのこうの」と勧めているサイトを見かけますが、それを常備している家ならいざ知らず(我が家にはありません)、そこから慌てて買いに行くくらいなら「いいから、病院へ行きなさい」です。
細菌感染や外傷による涙
細菌や寄生虫に感染した場合や、目の表面に外からの刺激(毛づくろいのポリポリで誤ってとか、遊んでる時にうっかり引っ掻いたとか)で傷がついた場合にも、涙が多くなります。
外でのお散歩の時には特に気を付けてあげて下さい、この子達は勢いよく草むらに顔を突っ込んだりしますが、その時に枝で目を傷つけたり、ただ歩いているだけでも生えている草が目に当たったりするので、帰宅後は注意深く観察しておいてあげて下さいね。
この時も「じゃあ心配だから」とウェットティッシュ等で目をこすったりはしないであげて下さい。
本人の涙で洗い流せるはずの(人間には見えない)ゴミで目を傷付けてしまっては大変ですからね。
あくまでも、「大丈夫かな」って見ていてあげる事が大切です。
もしも目の表面に傷を見つけても慌てず放っておかずです。
角膜の傷は涙によって傷口自体が保護されているので、そこからばい菌が入ったりする事は少ないとされていますが、傷自体が深かったりして悪化してしまうと「角膜潰瘍(角膜に穴が開きます)」になってしまう事があるので、なるべく急いで病院へ連れて行ってあげて下さいね。
病気・目の炎症による症状の涙
涙が病気を教えてくれているサインの時があります。
それは目の病気に限った事ではありません。
すぐに治療を開始する必要がある場合もありますので、くれぐれもそのサインを見逃してしまう事がないようにしていてあげて下さい。
角膜炎や結膜炎
目の炎症によって涙の量が増える事がありますので、その詳細はこちらなど
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アレルギーの症状
アレルギーの症状は、人間と同じように「放っておいてよくなる」事はありません。
アレルゲンの特定をして原因物質を日常から取り除いてあげるなど、してあげなければいけない事がありますから、こちらなどを参考にして頂けたらと思います。
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ジステンパーの初期症状
もしもジステンパー発症していたら、治療方法はありません。
治療法はありませんが、輸液や栄養管理などの対処療法をすぐに始めてあげなければ、どんどん命の時間が短くなってしまいます。
詳細はこちら、『いたちのおうちの覚書:フェレットがジステンパーウィルスに感染したら…』など参考にして下さい。
歯(歯茎)の炎症による症状
この子は歯(歯茎)に炎症を起こしていたのですが、治療中の間も片目だけしばらくの間はこうして涙目になっていました。
フェレットで一番多い理由は「そういう体質」
涙は目から鼻につながっている鼻涙管という管を通って、鼻に流れています。
我々も涙を流す時、一緒に鼻水も出るじゃないですか?あれの事です。
余談ですけど、「涙」はそれなりの市民権を得ているから、人前で流そうが拭おうが様になるのに、なんで鼻水だと途端にあんな感じの扱いになるんでしょうね?
さっきまで同じ場所にいたはずなのにただちょっと鼻から出てきたってだけで、人前で流すだなんてとんでもないし、拭おうにも「ちょっと失礼します」みたいにしなきゃならないから…もう全部、目からだけ出てくれれば良いのにね!!
って、余談どころか大脱線しました、すみません。
鼻涙管の異常による涙
ワンちゃんでは「鼻涙管が何らかの原因で詰まってしまうと、生成された涙が鼻のほうに流れず、目から溢れ出すことになります。」などと言われていて、それが先天性の疾患なのか後天的なものなのかを調べたりもするそうですけど、深刻な問題となるのは、その「詰まり」より、それの(常時、涙で目の周りが濡れている)せいで起きる「流涙症」いわゆる「涙焼け」の方みたいですね。
で、フェレットでもその「鼻涙管が」って事が「涙の理由」になっている場合が多いんだそうです。
ただ、「だからどう」って事では無く「異常」というほどの事は「あまり無い」との事で、フェレットの場合はこれも「体の構造」「そういう体質」という考え方で良いのだそうです。
ものすごく気になるなって時にはこの辺り(涙のツボと鼻のツボ)
を軽くマッサージしてあげると涙の通りがだいぶ違ってくるかと思いますので、ぜひ試してみてあげて下さい。
ワニの涙症候群
顔にはたくさんの神経が細かく通っているのですが、時々、それが誤作動を起こす事があります。
その一つに、唾液を分泌させる神経が涙腺の方へ伸びている場合には間違った信号を送ってしまいやすく、
ポイント
ごはんを食べる(唾液の分泌腺を刺激)
↓(間違った神経刺激)
涙が流れる(体の反応)
ってなるのだそうです。
この、食事などの唾液腺刺激に対して涙が出る現象の事を「ワニの涙症候群」って言うのですが、フェレットには多いそうです。
さすけもそうです。
との事でした。
点眼液を流して鼻涙管の詰り具合を調べる検査などもあるそうですが、さすけには、検査も処置も投薬も何も「今はまだそんな必要は無いです」ってこれは、将来的にその必要が出てくるかと言えば、「その心配もあまりない。持って生まれた体質だと思いますから。」って診断でした。
まとめ
ここまで何度も書いてきましたが、「心配な時」には必ず病院で診てもらってあげて下さい。
自己判断で何かをして良い結果になる事はあまり無いですからね。
たかが涙とは思わずに、もしかしたら「病気のサイン」である場合もありますし、目の周りがずっと濡れていると、皮膚がただれてしまったり、痒みを伴う皮膚炎の原因になる事もあります。
「どうなんだろう?」と思った時には、必ず、病院の先生に相談をして下さい。
「心配する事はありません。体質です。」って、一度でもそう診断を受けたら、安心できますからね。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡