令和2年8月5日より、「善良な管理者の注意をもって、適切に保管(飼育)します」という契約の元で警察署より飼育委託を受けていた子の保管期間が満了しました。
それは、誰かの大切なお子さん(フェレット)を死なせないようにただ慎重にお預かりしているだけという立場から、この子の全ての権利と責任が私に移ったという事です。
保護に至る経緯などで最初からちょっと色々ありまして、それらのお話しはちょこちょことさせてもらってきているから、「あ、あの子の事ね」と、すぐにピンとくる方もおられるかもは分かりませんが、この子に関わる全ての事を公にして良い立場にやっと私がなりましたので、ご支援頂いているお金の事も含めて、今日はそのお話しをさせて頂きます。
小鳥レスキュー会という団体さんにご尽力頂き繋がったご縁の子なので、「こはねちゃん(仮)」としていましたが、今日から晴れて「こはねちゃん」です。
フェレットを3ヶ月「死なせないように預かる」飼育受託とは?
飼育受託とは読んでそのまま、警察署から預かり委託を受けるという事です。
法律では、警察署に届けられた落し物は3ヶ月間は保管しておかなければならない(その期間内の所有権は落とし主にある)と定められています。
(動物たちも法律上では、この落し物として扱われるのですが、対象が「命」という事で警察署でも臨機応変にその期間や色々を対応してくれる事もあり、ケースバイケースで「違う事」は多々あります。)
なので私たちは、その3ヶ月間は「飼い主さんがいるもの(落とし主さんの所有物)」として、その施設が整っていない警察署から「 命を繋いでおける場所」の信用を頂き、その命をお預かりするわけです。
例え、その子がどんな状態であろうとも法律上では飼い主さんがいるもの(自分たちはただ預かっているだけ)として扱わなければいけない期間なわけですから、明らかに遺棄だと思われる子でも、勝手な飼育を始める事は出来ません。
ここでいう「勝手な飼育」とは、緊急性の無い手術を受けさせたり、他の人へ譲ってしまう、等なのですが、「死なせないためにお預かりしている」「飼い主さんが出てきたら速やかに返還する義務がある」を基準にお考え頂くと、何をすべきか何をしたらいけないのかはお分かり頂けるかなと思います。
こはねちゃんの3ヶ月
小鳥レスキュー会さん【浦和西警察署から飼育受託】保護フェレットのお話し
いたちのおうちは、警察署からのお預かりっ子(遺棄か迷子か分からない状態の子)の写真を公開する事はありません。 正式な手続 ...
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「元気です」とは言ったものの、私達の基準はこれです。
私達が生体確保やその一発目の情報シェアで使う「元気です」の基準は
自力で立てる、歩ける、自力でお水が飲める、食べられる、危ない状態では無い、です
脱水の症状が見られても"とりあえず"元気です
健康診断の結果が出るまで分かりませんが"今は"元気です
ってそれが大前提にある「元気です」です— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) August 10, 2020
皆さんの想像にあるいわゆる「普通の元気な子」では無く、一目で「外にいたんだね」って分かる感じで、「この暑い中、頑張って待っててくれて、ありがとう」な子でした。
爪は長いには長いですが、そこまで「伸びきっている」というほどではありませんでした。
気になったのは、この、お顔の腫れ。
健康診断に連れて行ってもらって「ちょっと脱水がみられる」との事だったので、血液検査は後日、体調が回復してからにして、その日は糞便検査(異常なし)と耳チェック(耳ダニなし)をお願いして、お顔の腫れを抑える内服薬(抗生剤)やフィラリアのお薬を処方してもらって帰ってきました。
いつもならそのまま預かりボラさんにお願いするのですが、投薬の処置が必要なので元気になるまでは我が家でのお預かりです。
「飼い主さんを待ってる間にうーんと元気になっておこうね!」
って、毎日、お薬を頑張っていたのに、全然、その腫れは治まる様子がなく、数日後に突然「あれ?なんかちょっとぶり返して…ってか、悪化してない…?」って、前日までより元気が少し無くなっても見えたし、ご飯の減りもいまいちに感じたので
「念のために明日もう一回病院へ行こう!」って、その朝には、こんなに腫れ上がってしまっていて…
大急ぎで病院へ行って
フェレットというのは犬歯が折れたり、ちょっと口の中にケガをしていても割とへっちゃらでご飯を食べていたりするくらい、口の中の痛みには強い子が多いのですが、前日あまりご飯を食べなかった様子からすると、よほどの強い痛みがでてきていたのだと思います。
って事で、栄養剤や色々を入れた特性注射のスペシャル処置のお陰で、帰ってくるなりバクバクご飯を食べてくれたので一安心。
少し腫れがひいた翌日にも同じ注射を打ってもらいに行って
この様子見というのは、「腫れが引いたら抜歯も考えてあげなければいけないかもしれない状況ですが、今はとにもかくにも腫れを引かせてあげて体調が落ち着いてくれるのを待ちましょう」の「(それまで一先ずは)様子を見ましょう」です。
これは、こはねちゃんだけに限った事では決してなく、外にいた子というのは、こうして数日過ごして安心した頃に突然ブワっと色々と出てくる事があるから本当に気が抜けないのです。
外から保護した子はまず健康診断を受けます。
軽い脱水くらいで他には何も異常無しとみられても2-3日後に急に体調を崩す事があります。
「安心して気が抜けちゃう」とそれまで気を張って保っていた体のバランス(免疫力等)が崩れて常在菌や色々が一気に悪さしたりコクシジウムを発症したりするのです。— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) August 8, 2020
お金のご報告
交通費 6,260円
病院代 40,233円
フードやペットシートは他の子達の分とまとめて購入しているので(下記参照)、こはねちゃんの分としての精算は出していません。
さて、ここからだ
上記で書いた通り、これまでは「人様の子をお預かりしているだけ」の保護期間中でしたから、命にかかわるような緊急の手術以外を勝手にするわけにはいかなかったので、そうやって発症したものについてだけ「とりあえずの処置」しかしてあげられなかったわけですが、これからは違います。
お嫁に行く準備(手始めとしてジステンパーワクチンの接種などがあります)をしてあげなければいけませんからね。
600g弱だった体重は720~740gで安定してきているのできっともう全身麻酔をかけての手術にも耐えられるくらいまで体力は回復してくれているはずです。
近いうちに病院へ行って、きちんとその相談を…うーん…
すっかり治まったこの可愛いお顔を見て下さい。
今もう悪さをしていないなら…今とりあえず心配する事では無いのなら…
やっぱり、出来るだけ、歯は残してあげたいって思っちゃうんですよね…
他にも、持病という事では無いのですが、年齢的に色々とケアが必要な症状がいくつか出ています。
その辺りはこれからゆっくり様子を見ながら考えつつ、里親さんと直接のご相談になるかなって思います。
こはねちゃん以外のお金のご報告
皆さまからご支援頂いているお金、有難く活動資金に充てさせて頂いています。
上記、こはねちゃんの分の他に、9月10月にはレスキュー案件が続きました。
その詳細はまたお話しできる時がきたら改めて記事にする予定ですが、精神疾患や生活苦によるもので、里親さん探しのお手伝いなどと言っている余裕はなく、いずれも個人宅からの緊急レスキューでした。
このお話しの子もそのうちの一人です。
(発作を起こした等ペットの)写真・動画なんか撮ってる場合じゃないだろ!について
先日、 緊急レスキューした子がインスリでした 保護主さんはその経験がなく低血糖の発作に備えて心の準備もしておきたいとの事 ...
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一生涯に渡る投薬がすでに必要な子
様子見段階ではあるが同じくずっと付き合っていく可能性がある病気の疑いがある子
体調的に何度もお家が変わるストレス等を考えたら里親さんにお繋ぎというのはちょっと…と思われる子
等は保護主さん達が「うちの子にします」とお引き受け。
他の子達も既に里親さんにお繋ぎできているので、9・10月にいたちのおうちから「お願いします」としたレスキュー案件のうち、今現在、宙ぶらりんになっている子はいません。
「この子はもううちの子なので」と保護主さんから「だから受け取れません。その分は他の子に使って下さい。」と自己負担のお申し出を頂いたり、「細かい計算はしてないから」等と自身での負担のままでいて下さっている分がとても大きいのですが、ご支援頂いたお金より約7万円ほど交通費や病院代、フードやペットシートの購入、発送等々の費用に充てさせて頂きました。
全部が全部、その都度、必ずというわけではありませんが、Twitterではこういう感じでその報告をさせて頂いたりもしています。
ボクは今日
皆の所に配るご飯をブーンってするのを見守るお仕事を頑張りました!
保護っ子ちゃん達!待っててね!! pic.twitter.com/RiN28s5O6U— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) September 12, 2020
6月からの預かり委託で9月に里子へ出た子の分は交通費、病院代、その他の実費 28,596円としてこちらの記事にその詳細は記してあります。
最初からここに来る予定だったんだね…フェレット里親様が決まりましたのご報告
保護活動なんてものを長くやっていると、本来であれば、とても素敵な表現であるはずの言葉なのに、「それは認められない」と変に ...
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本当にありがとうございました。
こはねちゃんのこと
今日こうして、一度大きい症状がでたお話しをした事によって勘違いされては困るのですが、こはねちゃんは体の弱い子ではありません。
むしろ逆です。
人間だって熱中症を起こすあの8月の炎天下の中を、ただの衰弱だけで生き延びてきました。
体が弱い子ならそのまま死んでしまうかもしれない状況に陥ってもたった数回の通院でケロっと回復しました。
この子は生命力が強いんです。
もちろん、「フェレットの寿命」を考えたら、ショップからベビニョロをお迎えするのと同じほどには一緒にいられる時間はありません。
でも、今、こはねちゃんは元気です。
今日のアイキャッチ画像通り、何にでも興味津々で、何にも物怖じしない無邪気の塊みたいな女の子。
放牧中は「クククッククククック♪」ずっと鼻歌を歌いながらスキップしています。
そして、何より、「人が好き」です。
3ヶ月ほど一緒に暮らして、一番に思い浮かぶのは、この見上げてくるお顔です。
こはねちゃんは
人が歩くとずっとククククッ♪歌いながらピョコピョコ横をくっついて歩く
立ち止まると顔を見上げてくる…可愛い pic.twitter.com/Guf2EoOAI4
— 滝川(いたちのおうちの中の人) (@MaikoTakigawa) December 3, 2020
ずっと横をくっついて歩き、立ち止まると、前へ回り込んでこうして見上げてくるのです。
本当にとても可愛い子です。
里親募集について
いつも言っている通り、私は本当にフェレットのお世話しか「私にはこれが出来ます」と胸を張って言える事がありません。
ので、いつもお世話になっている個人ボラさんにお願いする事になります。
その時にはまた、当ブログでもお知らせさせて頂きますが、もしもその前に、こちらの記事から、こはねちゃんの里親さんにと思って下さる方がおられましたら、要項は今後、増えるかもしれませんが、以下をお読み頂き
里親募集が開始となりました!
素敵なご縁がつながっていますように。
私もお手伝いできることはしていきます。https://t.co/9Sd5wTqHwB— は る ◡̈ * (@sasa_8x) November 14, 2020
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