前回のブログ記事を見たという方からお手紙が届きました。
便箋にして4枚、丁寧な文字で、私のやり方は間違っているというような事が書かれていました。
- なんやかんやと理由をつけて自分で里親に繋げる事もしない無責任な飼い主にあなた達が手を貸すから、無責任にペットを買う人が後を絶たないんですよ
- 保護活動者なんて人達がいるから、堂々とその活動報告なんかするから、じゃあ、保護してもらえば良いやと外に捨てる人が後を絶たないんですよ
- 保護した子を手術や何やらあれこれと介抱して元気な状態にして里子に出すなどと、いたちのおうちが書いてしまったら、じゃあ、病気になったら外へ遺棄して保護してもらえばこの子は幸せになれると思う飼い主は必ず出てくる、これから遺棄が増えるだけですよ
- あなた達、保護活動者が受け皿になってるから(以下省略)
「私だって、そうは思っているけど、じゃあ、どうしたら良いのよ?」って、その答えがずっと出せないままだから、だから結局ずっと、「このままで良いはずは無いけど、今はこれをするしかない」って毎日が、今のこの状況なわけで…
その受け皿みたいな活動がこれが私の保護活動ですだなんて思ってないけど、その受皿活動だけで金銭的にも人手的にももうパンクしそうで、助けて下さい、現状を知って下さいって話なのですよ、あれは。
もちろんそこには「この事態はどうしたら良い方向へ進んでいくのか、保護を必要とする子がでないペット社会にしていくにはどうしたら良いのか、もう一人一人が~」みたいな「助けて下さい」がメインにあるわけで…
ご丁寧にお電話番号まで記して下さっていたので、「じゃあ、どうしたら良いと思われますか?あなたの意見を聞かせて下さい」って、ご本人と直接お話しをさせて頂きました。
ちょっとした事故の後遺症で私は声が上手く出せません(ガサガサの低音でボソボソ一本調子にしかしゃべれません)、だから「感情が全く伝わらない=感情に訴える事が出来ない」という、とんでも無いハンデを背負ってのそれだったわけですが、2時間近くお付き合い頂き、結局、「あなた達のような人たちが現状として必要なのは分かりました。ただ、これからの事までをも考えたらやはり賛同は出来せん。」と、ご自身の立場はそこにあるとおっしゃり、
こちらからも「おっしゃる事はよく分かります。私もこれで良いとは思っていませんし、どうにかしなきゃと常に考えてはおりますが、今は目の前の事に一つずつ向き合う事で精一杯ですので」と、分かり合えたんだか合えなかったのか謎のまま終わりました。(そういう事があった話をSNSやブログに書いて良いという許可はその時に得ました)
保護活動者なんだから、保護活動者のくせに、…一体、何の話しをされてますか?な一日
Twitterにその時の気持ちを書きました。
外に捨てられるよりマシだなんて落としどころのままで良いはずはないのに
お前らみたいな受け皿があるからだろというご意見はごもっともで
でもそれでもその受け皿活動が保護だなんて思っていなくて
これからもずっとこのままで良いはずは無いし加速だけでも止めないと
何でもかんでもTwitterで全部を報告させて頂いているわけではありませんが、フォロワーさん達は勘が良い方が多いというか何と言いますか、私が言葉足らずであっても、その先を察して「こういう事なんだろうな」という優しい結論からのコメントを下さる方ばかりなので、いつも心が救われます。
そんな中で
「さっきのツイートなんですが あなたはその立場でフェレットの転売を容認してるという事ですか?外に捨てられるよりマシだからって、保護活動者のくせに里子の買い取りに応じてるんですね?」から始まり「はっきり言って失望しました。残念です。」で終わる、最後にはそこでブロックされたというお知らせが付いたDMが届きました。
何のことを言われているのか全く分からず、私は自分の過去ツイートを遡ってすぐに、数日前のこれを見つけました。
時々、本当に時々
名前も付けてもらっていない状態で真新しいケージやら何やらフルセットで「全部つけるから買い取ってくれ」って引取要請がくる事があります。
理由は大概「アレルギーになったから」なんだけどさ…
そうかそうか、これとセットで考えたら、「外に捨てられるよりはマシだから買い取ります」って、言ってるように見えるな。と思い、すぐに
私たちが引取り時に生体代をお渡しする事はありません。
「それは違いますよ」と、保護活動者としてきちんと「お金が発生するのだとしたらあなたから頂くのが筋なんですよ」と↓のように説明します。
って、「ペットの里子譲渡に際して謝礼などとして金銭のやり取りが発生する場合それは自身では飼いきれなくなった命を引き受けてもらうわけですから「よろしくお願いいたします。お引き受け頂きありがとうございます」と、元親さん側からのみです」として、その事について書いたこちらの記事を貼りました。
愛誤はこうして作られる~犬の譲渡トラブル~後編
今回のお話しは「前編」「中編」に続く「完結編」となります。 少し気が弱く、犬を飼うのは数十年ぶり、「譲渡」という形でのお ...
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すると今度はまた別の方から
「一連のツイート拝見しておりましたが、保護活動者という立場から、ひつこく飼い主さんを追い込むような事して楽しいですか?あなたがそう言う発言することで切羽詰まって追い詰められた飼い主さんが委縮したり面倒くさくなって外に捨てに行っちゃったらどうするんですか?フォロワーが多ければそれが正義なのですか?」(原文ママ)と、これまたそこでブロックされて終わっている事が分かる形でDMが届きました。
自分は何か根本的な事から間違えているのでは無いかと、そう言えば、その前に頂いたコメントの中に「あまり気分が良いとは思えないツイートを見た」というような内容のものがあったな、とその時にやっと、「Twitterでも何かあったのかしら?」と思いました。
保護活動者として言わせてもらうと
タイミングが悪かったのその一言でしか無いのですが、ちょうどその日(前日?)に、事情により飼育の継続が不可能になったため(お迎えしたばかりの)生体を買い取って欲しいというようなツイートがあがっていたそうです。
私の中での流れは上でお話しした通りで、それ以外の目的は何もありません。
でも、傍から見たら、私が、その方へ向けてのエアリプをしつこく投稿しているように見えなくもない、というかそう見えてやむなしですね、あのタイミングでは。
随分と底意地の悪い人間だと思われたのでしょう…
だから「元親さんを追い込んで楽しいですか?」などと、「保護活動者のくせに」と、そんな風に思われてもこれは仕方ないな…と、やっと私の中で全ての辻褄が合いました。
保護活動者だから
私達は保護活動をしています。
「その子」の安全、幸せが第一です。
それはダメだよという案件を見かけたら、その子が安全に幸せに繋がるように直接動きます。
エアリプを飛ばしてどうのこうのなんてまどろっこしい事はしません。
今回の件は知らなかったからあれですけれど、もしも直接、見かけていたら「私ならこうする案」はちゃんといくつも持っています。
私は確かに、底意地が良いか悪いかで言ったら、意地悪側にいるのかもは分かりませんが、フェレットが宙ぶらりんになる結果が予想されるような事は間違っても絶対にしません。
それだけ多くの事例を経験してきて、活動者たちは皆それぞれに「こういう時にはどう動けば良いか」「自分ならこうする」を条例に引っかからない範囲で自分のやれるやり方を持っているから、だからこそ自分を「保護活動者です」と名乗れるんです。
だから、どうか、その辺りの事だけは安心して見守っていて頂けたらなと思います。
保護活動者から見た今回の件
詳細は分かりませんが、とにかくもう「無事に解決してる」という報告が入ってきているので、少し私なりの見解をお話しさせて頂きますと…
基本的には、自分の都合で手放す命を引き受けてもらうわけですから「里親さんへの金銭要求は通らない"おかしい事だ"ともっとしっかり広まって欲しい」って、これが、命を軽んじる行為の一つである無許可での転売を阻止する大事な第一歩目だと私は考えているので、これは絶対です。
ただ、里子を無料でもらえるペットだと勘違いしている人(虐待目的の場合だってある)が多いのは事実ですし、そこで更に「お金を渡します」だなんて言ったら、どんな人が集まってくるか分からないから、不特定多数へ向けたネットでの公募の場合に限り、「お金をもらう事を前面に出せ!最初のそこでフルイにかけろ!」とアドバイスをする保護活動者がいる事も知っています。
彼らには彼らなりの信念があって「動物のため」にそうしているのは分かるから、あえて否定も何もしませんが、そういう人たちはちょっとまぁ…過激派と呼ばれる部類である事が多いので、そういう事を言う保護活動者はトラブルが多いかなって事だけは知っておいて下さい。
普通に里親さんを探す時にはこちらなど参考にして頂けたらなと思います。
フェレットを里子に出す時【良い里親さんの選び方】相応しくない人の特徴と見極め方
某所の人気ランキングで不動の一位を何年もの間ずっと続けてきているペットがフェレットなのですが、その某所がどこか分かります ...
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そんなこんなで、先程も言いましたように、私達は「色んな事例」を経験してきているから、色んな想像力が瞬時に働くのです。
だから、ちょっと「ん?」と思う何かを見つけた時には、ちょっと嫌な言い方になりますが、どうなっているのかを探るところから始めたりして、「自分はどう動くべきか」をじっくり考えるのです。
それが例えあまり繋がりのない活動者さんが指揮をとっている案件だったとしても、自分の迂闊な言動で「せっかく上手くいきかけていた事」を台無しにする事だけは避けなければいけないので、そういう時こそ黙ったりするのが活動者を名乗る人間同士の暗黙のルールにあったりするのですよ。
「なんであの人、急に黙ったんだろ?」みたいな時には、大概そういう事が裏で起きていたりするので、そういう感じで見守って頂けたらなって思います。
※今回の私のような「全然、分かってない」場合もあるので、まぁ、あれなんですけど…
まとめ
なんで私が今回こんなにも「どうしたら良いのだろうか…」と急に悩みだしたのか、多くの「あなたはそのままで」という温かいコメントやDM、ラインを頂き、その謎が解けました。
誠にお恥ずかしい話なのですけれど、やれもしない事をやらなくちゃと勝手にまた思い込んで、またもやパンクしかけてたってだけの事でした。
というのも…
ご支援を募らせて頂き、たくさんの善意にご協力頂き、コロナ自粛以降の引き取りで保管期間の明けた子達に関してだけでも、取り急ぎ、ボラさん達にはその期間内にご負担頂いていた全額をお渡しする事が出来ました。
まだ、保管期間内の子達もいるため、飼育費用の継続、治療の継続、保管期間明けの手術についてなど全てがクリアになったわけではありませんが、多くの皆さんのご協力のお陰でそちらも何とかなる目途が立ちました。
「~なので、これからも力を貸して下さい」ってまだ言える、ボラさん達に協力要請をまた出来る、まだお金を理由にやれなくなる事を考えなくて良いんだって、有難かったんです。
だから、ご恩返しというかなんと言いますか、皆さんからの一つでも多くのご意見を取り入れて、もっともっと、私は何かをしなくっちゃって、「皆さん全員に納得して頂くには私はどうしたらいいんだろう…」って、そんな事は絶対に叶わない不可能沼に自分からハマりに行ってしまっていたのです。
今日のお話し全体通してでお分かり頂けるように、私は自分がやるべき事をやっているつもりでも、見え方が違っていたりしたら「それは違うのでは無いか」「こうすべきでは無いか」とご意見を頂く事になります。
もちろんそれは大変にありがたい事ではあるのですが、そうしか出来ない事情があったり、あえてそうしていたりする事も多く、届いたご意見全てを聞き入れその通りに動く事は出来ません。
何をしてもどうしても、必ず、今日のアイキャッチ画像(ブログ記事の一番上)のような事になります。
コメントで「100人いれば100の意見があるので、その人はそういう考えなのね。あら、そう。でいいと思います。」と頂きました。
これはまさしく私達の現状をズバっと言い表しているかのような一言で、実は、根本は同じでもやっている事が違ったり、目指す所は同じでもそのやり方に違いがあったり、横の繋がりがある活動者同士でも「違う事」はたくさんあります。
そんな時、私達は「あ、そうなのね」で終わりです。
「もっとこうすれば良いのに」とか「私ならこうする」などと口を出す事はありません。
だから皆さんもそうして下さいとは言いません。
そんな事は言いませんけど、私はこれからも、自分一人では出来ないから、皆さんに「お願いします」とは言い続けます。
これからもずっと「保護を必要とする子がいないペット社会にするために」そこを目指している事だけはご理解頂き、その上で、いたちのおうちのやり方は「違う」とか「合わない」と思ったら、どうか、考えの合う活動者さんの応援をして下さい。
考えが合う活動者がいなければ、ご自身で思う事をして下さい。
もう今は、昔と違って、活動者同士のくだらない見栄の張り合いのような潰し合いみたいな事は無いです。
保護でも何でも無い好き勝手な事だけを適当にやって、それを「保護活動してます」みたいに言うから「いや違うだろ」って炎上するだけであって、本来であれば活動者だそうじゃないだなんて関係無く、皆で協力し合って、そういう社会にしていければそれで良いのですから…
「保護活動とか意味分かんなくね?そんな子どこにもいねぇじゃん?何にもやる事なくね?」って、ハナホジしながら皆といつか言い合いたいです。
鼻はほじらなくて良いけど…
皆で協力し合えば、絶対にそういうペット社会にしていけるんです。
だから、ベテラン飼い主さん達には「うちの子可愛い=だからこういう風に大切にしてあげれば良いんだよ」を、どんどん広めていって欲しいし、初心者飼い主さん達は何も臆する事なく「困った」を言える場所をそういう所から見つけていって欲しいって思います。
間違っても、困ったからって、その手を外で放したりは絶対にしないでください。
あなたのお悩み事を受け止められる人は思っているよりたくさんいるから、どうぞ安心して下さいね。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡