実はここだけの話ですが、いたちのおうちでは適正飼育の「相談」には乗りますが、適正飼育の「啓発」にはそんなに力をいれていません。
私が世でいうそれに準じていないんじゃないかと思われる杜撰な飼い主であると共に、割りと何に対してでも「楽しそうだから、まぁ、良いじゃん」が優先順位の上位にあったりする思考の持ち主だからです。
基本がそうなのですから、この子達の事に関してなんて
とか、自分の立場をわきまえずに、ウッカリこんな発言をしまくっちゃうので、そこら中で「またそんな事を言って!」みたいに怒られたりします。
年齢的に私が「若輩」になるという場はもう滅多にありませんので、そんな時は大体、自分より若い人にそう言われたりします。
こういう事って、年齢じゃないんですよね。
「いつもビシっとしてる人」というのは若くてもちゃんとそう出来ている人もいるし、いっくら年だけとっていてもからっきしの人もいます。
「ちゃんとしている人」というのは、いつだってとことんちゃんとしているから、そういう人を年齢なんか関係なく「立派な人」と言って良いと私は思うんですよね…
ここからちょっと関係ない、記事の初回公開時には旬だった話題を載せていたのですが、もうカビが生えたそれになってしまったのでカビキラー(削除)しました。
だから、ここで突然、いた家のノンビリ担当ラブリーわさび♡のドヤ顔を…
どや!!
普段のお顔も
これは、スタッフ(おっちゃん)とかくれんぼ中のわさびです♡
まあ、そんなこんなで、今日は、「あんな飼い方をしていたらフェレットが可哀想だ」と言われる現場のうち、果たしてどのくらいが本当にそうなのか、保護活動者として実際に見てきたお話しをさせて頂こうかと思います。
フェレットにとって「可哀想な飼育環境」とは?
これは実際に、いたちのおうちにきたヘルプ要請のSOSメールです
行くと異臭の原因はフェレットだけではなさそうでしたが、ご本人から「本当にもう無理なんです」とあったので、そのまま要請通りにお引き受けをしました。
お次も同じく、うちへきたメールです。
そこには、乱雑としたいわゆる汚部屋の写真が添付されていて、これはただ事では無いと判断して、取り急ぎで、お話しだけでもと思い駆けつけました。
ら、そこにいたのは、虐待している飼い主などではなく、単純に「お片づけが苦手なだけ」の女性でした。
手ぶらで帰るのも何なんで、その時はそのまま大掃除のお手伝いをしました。
彼女と一緒にお掃除をしていて分かったのですが、彼女は、ニョロ達が危なくないよう、常に神経をそちらへ向けていました。
(まあ、だから、なかなか片付けが進まないんだなという事も分かりましたが)
何かをする時、歩く時には必ず二匹の居場所を確認してから動く。
足の踏み場も無いそのお部屋は、2匹のニョロ達にとっては、常に障害物競争のようなそれで何だかとても楽しそうに見えました。
ただ、ちょっと度が過ぎる汚部屋だった事は、まあ、あれなのですけれど、それより何より、完全放し飼いでケージの用意が無いお家だったので、それだけ…
「この子達の為にケージを必ず用意します」という誓約書を書いてもらい、ケージを設置したら、そのお部屋の写真を送ってもらう約束だけして、その日は帰りました。
その数日後には「こんなお部屋になりました」って写真付きのメールを頂き、任務は無事に完了です。
参考
『いたちのおうちの覚書:フェレットの飼育【ケージの正しい使い方】「持ってない」が虐待行為になる理由』
あ、ちなみに
いたちのおうちではハウスクリーニング業務の請け負いとかはしていませんからね!
このお話の時は、スチームモップを買ったばかりで私がご機嫌だったから特別ってだけですからねっ!!
と、いたちのおうちでは考えています。
こんな環境では可哀想…の「こんな」の基準って何でしょう?
2015年のお話ですが、フランスで動物愛護団体がホームレスの方から飼い犬を取り上げるという騒動がありました
参考:ANIMALive
ただし、このお話しには何やら色々ときな臭い部分もありますので詳細はこちら『ねとらぼ』で。
そして、それより少し前のお話になりますが、2014年のブラジルでこんな『救急車で運ばれるホームレスの主人を必死で追いかける犬、やっと気付いてもらい救急車でともに病院へ』お話しがありました。
どちらも、海外のお話しですし、いずれも、ちょっと極端な例だとは思いますが、これらのお話しだけで考えると、やはり、例えそれがどんな状況であったとしても、飼育されている環境が劣悪だなんて他者が勝手に決めつけたり、ましてや「可哀想」だなんて本人(この場合は飼い主ではなくペット側が「本人」です)にとっては、大きなお世話って場合もあるんだよなぁ…って私は思うのです。
とはいえ、実際にそういう状況におかれてしまっている動物たちがいるのも事実です。
いたちのおうちでは、まだそういうニョロ達にあまり遭遇する機会が無いのは、「そういうフェレットがそんなにいないからだ」と思いたいですが、それは無理です。
残念ながら、「いる」事実を知っていますから…
実際にはですね、フェレットのような、完全室内飼いのペット達は外からでは分からない(見えない)ので、ご家族やその友人などからご連絡を頂いて、その事実が発覚する場合が多いのですが、そうして親しい誰かが教えてくれなければ私たちは気付いてあげる事すらできません。
それでも、ご連絡を頂いたからと言って気軽に状況を確認する事は困難な場合がほとんどなうえ、仮に確認が取れたからと言って、即座にそれをどうこうするなんて事は出来なかったりします。
簡単にパッパッとどうにか出来るような事ではないし、非常にセンシティブな問題が多いんです。
どうしたら良いんでしょうかね…
無茶苦茶な多頭飼育現場だとか崩壊ブリーディング場だとかっていうのならば、また別のお話しにはなりますが、もし仮にそういう所だったとしても、そこへズカズカと入っていけるような執行力は、残念ながら私たちのような単なる保護活動者にはありません。
そんな力があっても困りますけどね。
いたちのおうちには荷が重過ぎます。
そんな連絡がこようもんならそれはすぐにそういう機関に相談します。
閉じている扉をぶち壊して「動物のために」と働きかけるのはそういう専門家の方たちにお任せします。
いたちのおうちに出来る事はすごく小さな事だけですので。
それでも、その小さな事1つ1つには、ちゃんと向き合っていきたいのです。
例えばもし今、あなたが困っているのだとしたら、あなたの周りに困っている人がいたとしたら、
です。
だから、その連絡はすごく気軽にしてきてくれて構いません。
いつだって良いのです。
「こんな事くらいで…」
「こんな状態じゃ…」
って、そこで悩むのは止めて下さい。
困っていることを隠さないで下さい。
そこで悩むのなら、どうか、「汚部屋でもフェレット飼って良いじゃない」って開き直って愛してあげて下さい。
だって、私は思うんです…
「こんな環境ではかわいそう」という言葉で傷付くのが誰か分からない人たち
目の前で自分の親の事を悪く言われて喜ぶ子供は多分きっといません。
それが自分のせいで発せられている言葉だと感じて子供は傷付くのだと、いた家のスタッフ(元保育士)が言っていました。
それは動物たちだって同じなんです。
ペットというのは飼い主さんが大好きです。
「こんな飼い方をされてペットがかわいそう」の言葉で傷付くのは、そのペットちゃん達なのですよ…
「動物のためだ」というのならせめて飼い主さんの悪口はその子の前では言わないであげるべきだと思うんです。
(できれば陰でも言わない方が良いですけどね。)
動物たちはネガティブな感情も察しますから。
と動物病院の先生から聞きました。
脳天気に見えるフェレットだって飼い主さんが悲しい時にはちゃんと分かるんですよ。
そう感じる事はきっと皆さんにだってあるんじゃないかと思います。
「正しい」「普通は」に追い込まれなくて良い
いたちのおうちに届くメールのほとんどは上記の彼女のように全然「虐待」なんかじゃない例がほとんどです。
だから、
「こんな状態じゃ可哀想」
「虐待だ」
って思い込まないで下さい。
周りからのそういう情報に洗脳されて「飼育ノイローゼ」のような状態にあなた自身を追い込んでしまわないで下さい。
「飼い主とはこうあるべき」
「正しい飼育方法」
はあくまでも、そう言っているその誰かの中での理想であって、あなたとその子がそうじゃなくてもそれは「飼い主失格」なんかじゃないし、「間違ってる」って事では無いのです。
神経質になりすぎなくて良いんですよ。
大丈夫です。
あなたとその子が楽しくて安全で幸せな環境ならそれで良いのですからね。
正しい知識と楽しい気持ちでずっと幸せに暮らせるように
明らかに間違った飼い方をしている誰かを見かけたら、教えてあげて下さいね。
「このサイトには、こう書いてあったよ」って、いたちのおうちを使って頂いても構いません。
その時にはもちろん、ご自身の意見として「うちではこうしてる」を付け足してあげたら抜群に素敵なアドバイスになるかと思います。
そしてまた逆に、そういうお声がかかった時には、「なるほど」って一度は考えてみて下さい。
もちろん、そのお家そのお家でのやり方がありますから、アドバイスをもらったからといって、何でもかんでも一度はその通りにやってみなければいけないなんて事ではありません。
そんな中で、ちょっとでも不安に思う事があったら、遠慮なくいたちのおうちを頼って下さい。
いたちのおうちはフェレットを預かる場所でもあるけれど、あなたからその子を取り上げるような事はしません。
皆が楽しくニョロニョロしていられるのが何よりですからね。
今日のアイキャッチ画像
エルちゃんのお顔にくっついているのはキャベツの千切りです。
我が家では葉物野菜の外側の(捨ててしまう部分の)葉っぱをよく洗い千切りにして、カサカサ音がするビニール袋に入れて1回限りの砂場ならぬ葉っ場を作ります。
潜って遊ぶというより全部掻きだしてハッスルしています。
「クズ野菜で遊ばせるなんて虐待だわ」みたいな意見も含め、この遊ばせ方には色々と異論・反論はあるでしょう。
なにより、部屋がメシャメシャになりますので、私的にも、あまり胸を張って「オススメです!」とか言うつもりはありませんけど、えるちゃんがすごく楽しそうなので我が家ではこれからも続けるかなって、それだけです。
ちゃんと飼い主が付いて危なくないように
それでこの子達が楽しそうなら、それが一番だって私は思うんです。
健やかなニョロニョロ生活を☆彡