いたちのおうちったら今めちゃくちゃ忙しいです。
前から分かっていた事でその全部を後回しにしてきた結果の自業自得だったりもしますが…いや、それしか無いんですけど、とにかくバタバタしています。
ですが、松竹梅ちゃん達のトライアルが無事に終了し、先日、正式譲渡となりましたので、今日はそのご報告をさせて頂こうと思います。
もう新しい名前をもらって、今はこんな風に過ごしています!の詳細は預かりさんのブログ記事:patch!『保護フェレット3匹里親決定!3匹そろって新しいおうちへ』で、ご確認頂けます。
なので、私は「その前」のお話しを…
Twitterでは毎日そのご報告をさせて頂いていたので、ご存じの方もおられるかとは思いますが、私は、コクシジウム症を発症した「たけちゃん」のお世話係を10日間ほど務めました。
その間の様子などはこちらにも記載済ですが、
コクシジウム発症フェレットお世話の仕方(多頭飼育でパンデミックを防ぐには)
前回、保護ニョロたけちゃんがコクシジウムを発症したため、里親募集を一時中断する旨をお知らせ致しました。 とても多くの「た ...
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このように、毎日、超順調に回復を見せてくれた、たけちゃんなので、やりがいもバッチリで嬉しい悲鳴でしかなかったのですけど、それについては今だからやっとそう言えるって話です。
最初の数日間は、はっきり言って大変でした。
便宜上「数時間おきに」という表現を使っていましたが、その時間はこちらの都合で決めて良い「数時間おき」ではありません。
あくまでも、たけちゃんに合わせてお世話をする時間が「数時間おきだった」ってだけです。
給水ボトルのボールを押す力もないくらい体力が落ち切っていたので、たけちゃんがそういう仕草を見せたら、その都度シリンジで少し温めたお水などを少しずつ少しずつ飲んでもらう。
これが1~2時間おきくらい。
さらに、3~4時間おきくらいに温かい療養食を少しずつ。
これは、首を持ち上げてお皿から食事をするのもしんどそうな事、一度にはたくさん食べられない事、などなどの理由からですが、ゆっくりゆっくり少しずつしか食べられないため、食事の途中で温め直しが必要です。
それまでうちの子達には「大体こんなもんよね!美味しくできた!さぁ、召し上がれっ♡」だったのですが、これを機会に料理用温度計を買い直しました。
コクシジウム症のお世話なので、ウンチの度にトイレを綺麗にするのはもちろんですが、ユルユル(または下痢)のため、シッポやお尻の周りについてしまうそれを温かい布で拭いとってあげて、何もついていないように見えても足の裏なども拭いてあげます。
拭いてあげる時は温かい濡れタオルでですが、水気が少しでも残ると体が冷えてしまうので、たけちゃんが眠るまでの間はふわふわの暖かい布で包んで抱っこしていました。
眠ったたけちゃんをケージに戻したら、その周りを熱々の雑巾(使い捨て)で拭いて、自分の服を熱湯につけて…
を、ケージ横でいつでもそれが出来るようにスタンバったまま、たけちゃんが眠っている間だけ私もソファで寝る。
「絶対、元気にしてあげるから!元気になろう!」って終始超気を張っていたので、少しの物音で起きる事はできました。
だから、お世話も含めそんな事は苦でも大変でも何でも無いです。
ただ、そんな生活を何日か続けるとそのうち、時計を見た時に、それが昼間なのか夜中なのかの判断がパっと出来なくなる程度には生活リズムがこんがらがります。
おかしな時間に事務作業に取り掛かったり、睡眠不足のせいで思考回路がとっ散らかって、とんちんかんな事を口走ったりして…
そういう事が大変だっただけです。
これでも大分おおざっぱに書きましたが、こうして書かずとも細かい事情を察してくれてる個人ボラさんから自宅に大量のレトルト食品が届いた事がありました。
寝てないんじゃないかと思って…
ご飯作るのもおっくうでしょ?
たまには手抜き!
って…
「離れて暮らす子供を思って田舎の母から届いた仕送り」みたいな感覚なのかな…ちょっと泣きました。
ありがたかったです。
ありがとう。
フェレットの「療養食」について
「フェレットの療養食」と聞いて、皆さんの頭に一番に思いつくものは何ですか?
多分、多くの方は「カケシア」と呼ばれるものを想像するのではないかなって思います。
多くの方がそう思うだろうなってくらい色々な所で、色々な使われ方をしているのを見る機会があるのですが、それについてどうこうと言うつもりはありません。
ですが、カケシアは「フェレット用に開発された総合栄養食ではない」という事が抜けてしまっているんじゃないかなって、それだけが少し怖いなって思っているので、今日はそこら辺の事についてお話しさせて頂こうと思います。
これは、そういう勉強をしてきた人なら知っている事なのですが、カケシアというのは、元来、「動物病院専用」として森乳サンワールドという会社から販売されている商品です。
そして、このように
森乳サンワールドは「一般のお客様への直接販売はしない」メーカーです。
ネットや何かで誰でもが簡単に買えてしまうのがそもそもの元凶かとは思いますが、最近、ちょっと、安易にカケシアが出回り過ぎている事態が本当に怖いんです。
私が知っている限り、カケシアというのは、本来ならばお薬と同じように「動物病院でしか買えないもの」であって、「獣医さんの指導を受けて」初めて使って良い商品だったはずなのですよ…
カケシアについて
カケシアとは「スーパー・ハイカロリー消化態経腸栄養食~チューブ・ダイエット~カケシアタイプ」が正式名称です。
経腸栄養食とは、経管栄養(チューブやカテーテルなどを使い胃や腸に直接注入する必要な栄養)のうちの1つで、「腸へ」送るそれを指します。
ちょっと硬い話
- 経腸栄養剤は窒素源(タンパク質)の分解の程度で分類される。その他にも、栄養剤の剤型(粉末状、液状)、医薬品か食品扱いなどを基準とした分類もある。栄養剤の種類は標準タイプ、高濃度・低濃度タイプ、病態別栄養剤、半固形化栄養剤などの項目も挙げられる。
- 経腸栄養剤は、天然食品を原料とした天然濃厚流動食と、天然食品を人工的に処理もしくは合成したものからなる人工濃厚流動食に分けられる。さらに人工濃厚流動食は、窒素源の違いにより、半消化態栄養剤(タンパク質)、消化態栄養剤(ペプチド)、成分栄養剤(アミノ酸)に分類される。
引用:NPO法人『PDN』 田無病院院長 丸山道生 「Chapter2 経腸栄養2.経腸栄養剤の分類」より
こんな難しい話は、そもそも私が理解していないので、さておき…なのですが、ここでご理解頂きたいのは、カケシアは要するに、(必要な栄養ではあるけれど)総合栄養食ではないという事です。
そしてこちらは、経管栄養で鼻からチューブを通した猫ちゃんの病院での処置の様子です。
カケシアとは本来こうやって使うためにあるものなのですよ…
栄養剤である事には間違い無いのですが、普段のオヤツ変わりに使うようなものではないし、ちょっと体調を崩した程度の「健康な子」にあげるような物では無いって事を知っておいて下さいね。
病院で言われたこと
「このまま衰弱死という事もありえる…」と言われたあの日、
というような会話がありました。
詳しくお話しを聞けば良かったのに、私ったら「あ、カケシアは下痢する子も多いからだな!」なんて勝手な経験則でそう思って納得して帰ってきちゃったんですけどね…
この会話でお分かり頂きたいのは、カケシアはごはんにはならないと病院の先生がおっしゃっていたという事です。
フェレットのための療養食を探した!
たけちゃんをお引き受けする時、療養中のシニアがいる預かりさんが、その子の分の療養食を分けて持たせてくれていました。
フード以外は預かりさんが直接ご支援頂いた物資を「たけちゃん用に」って持たせてくれたペットシーツです。
200枚+αありましたが、10日足らずで全て消費しました。
ご支援頂き、ありがとうございました。
イースター セレクションプラス 肉食小動物用クランブル
商品詳細
●肉食小動物の栄養補助食です。
●クランブルタイプなので、水やぬるま湯、ペット用ミルク等に溶けやすく、添加水量に応じて短時間で適切な硬さに調整できます。
●フェレットなどの肉食小動物の食性に合わせ、栄養価に優れた肉類が主原料
●初乳成分のヌクレオチドを配合、DHA・EPAを配合
原材料
肉類(チキンミール、ポークミール、フェザーミール)、小麦粉、コーングルテンミール、牛脂、豚脂、ビール酵母、菜種・大豆油、脱脂大豆、かつお・まぐろエキス、卵黄粉末、精製魚油(DHA・EPA源)、酵母エキス、大豆たん白、植物抽出発酵エキス、ゼオライト、オリゴ糖、酵母抽出物(ヌクレオチド源)、殺菌処理乳酸菌、ミネラル類(CL、Na、K、Zn、Cu、I)、ビタミン類(コリン、E、ナイアシン、B2、A、B6、B1、葉酸、パントテン酸、K、B12、D3)、香料(チキンフレーバー、バターオイル)、アミノ酸類(タウリン)、酸味料(クエン酸)
栄養成分
粗たんぱく質・・・38.0%以上
粗脂肪・・・18.5%以上
粗繊維・・・2.5%以下
粗灰分・・・8.5%以下
水分・・・10.0%以下
こちらを与えつつ、私はその頃ちょうど、「フェレットのための療養食」と謳う商品を頻繁に目にしていた事を思い出してそちらも購入してみました。
げんきいたち フェレットのための流動食
※商品リニューアルにより、記事の初回投稿時とはパッケージその他に変更がありました。下記リンクが最新のものとなります。
商品詳細
◆タンパク質補給のために消化吸収に優れたミルク由来の原料を追加
※ミルクアレルゲンの少ない乳製品を使用しています。
◆消化吸収がよくエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸を配合
◆AAFCO.NRC栄養基準をクリアするように設計
※フェレットには基準値がありませんので猫の基準値を元にしています。
◆必須アミノ酸を強化
◆必須脂肪酸を豊富に配合
◆初乳・ラクトフェリン・リゾチーム(天然殺菌成分)・豚血漿蛋白(抵抗力健康成分)を配合
◆骨髄抽出物・ビタミンB12・ビタミンK2・ビオチン・鉄分等の増血成分
◆消化酵素や微生物発酵生成物など消化を助ける成分
内容成分
鶏肉、チキンミール、 浸透膜処理乳成分(ミルク)、ミルクタンパク、 中鎖脂肪酸油(エネルギーMCT)、 BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)、 プロバイオティクス(生きて腸に届くもの) フェレット専用消化酵素 (アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ラクターゼ、セルラーゼ 、ベタイン、ブロメライン、パパイン、胆汁エキス、 すい臓濃縮物)、水溶性食物繊維、植物オイル、コラーゲン、 玄米、とうもろこし、麦、鶏脂、卵パウダー、鳥レバー、大豆、 乾燥ビートパルプ、ジャガイモペースト、フィッシュミール (オメガ3)、アルファルファ、チコリー(消化のため) ファイトケミカルパプリカ、ヌクレオチド(RNA核酸)、 フラックスシード、グルコサミン、キビパウダー、 にんじんパウダー、酵母発酵産物、有機えんどう、ケルプ、 アップル、クランベリー、パセリ、ローズマリー、パセリ、 ユッカエキス、アシドフィルス、乾燥ビフィズス乳酸菌作成物、 有機ビタミン・ミネラル(32種類)、必須アミノ酸、 制限アミノ酸、必須脂肪酸、αリノレン酸、タウリン、 アルギニン、DHA、酵母(バチルス、アシドフィルス)、 ローズマリー、ファイトケミカル(抗酸化ベジタブルパウダー)、 保存(ビタミンE、ビタミンC、ローズマリーEXTRACT
栄養成分
エネルギー 390kcal〜 たんぱく質 36.5%〜 脂質 9%〜 炭水化物3%未満 調整アミノ酸10%未満
使ってみた感想(私が選んだ理由)
まず初めにお伝えしたいのが、セレクションプラスさんのクランブルは「栄養補助食」と謳っています。
一方、げんきいたちさんの方は「介護食」とハッキリ言いきっています。(※現在は「流動食」と商品名が変更されています)
私、そういうの好きなんですよ…
それはあくまでも私個人の主観によるものだけなのかもしれませんが、でも、単なる消費者でしかないこちら側が「まず」信じて使ってみようと思うきっかけってそういう些細な事が決め手になったりしませんか…?
上項ではたくさん、成分とかモリモリ書き出してみましたけど、ぶっちゃけ私は全然そういう(栄養学的な)事が分からないんです。
恥ずかしながら、完全に専門外です。
だから、誰かが「これ良いよ」って教えてくれた物は必ず一回はそのまま素直に信じてみるようにしているし、その誰かが例え「中の人」だったとしても、信じてみようと思う気持ちが変わる事はありません。
ペットフードの表示に関する公正競争規約【フェレットフードは対象外】だからって高けりゃ良いって話じゃない!の巻
先日、とある所へ出掛けたら、エルちゃんのキャリーにつけたフードディッシュを見た方に 「ご飯、何をあげてるんですか?」って ...
続きを見る
そんな…使ってみようと思った矢先にげんきいたちさんがこうツイートされていました。
げんきいたちの介護食はその通り「介護」する時に、飼い主さんが楽なように作られた食事で長期に使う事を想定しています
長く使う程、体に筋肉がついたり、内臓を修復します。いわゆる「食事」です。
ふやかしと違う所は栄養のバランス設計で「痩せない」ように、たんぱく質や油脂の種類を工夫しました
検証結果(個人の感想)
「飼い主さんが楽なように」の言葉通り、クランブルより溶ける時間が圧倒的に早いです。
お皿から食べてもらう分には多少の溶け残りがあっても問題はありませんが、たけちゃんは最初、シリンジでの給餌だったので、完全に溶け切ってくれないと詰まってしまったり、それが空気銃の要領でドバっと出てしまっては困ります(※誤嚥の危険があるのでお気を付け下さいね)。
なので、すぐにサラサラになってくれたのは本当に助かりました。
また、「体に筋肉が~」が分かるほどの期間使用していたわけではないので、それについては何とも言えないのですが、380gまで落ちてしまっていたタケちゃんの体重は、10日で650gまで増えてくれました。
その10日の間、「ごはん」はこの『療養食』がメインです。
そこに、ミルクを足したり、サプリメントを足したりもしましたが、それについてはまた別の機会にお話しさせて頂くとして、とにもかくにも、今回はこちらの療養食に私は助けられたと思っています。
もちろん、セレクションプラスさんの補助食品も良い物だとは思うのですが、私は、げんきいたちさんの療養食をお勧めしたいと思っています。
そして、「カケシア」については、「それは総合栄養食では無いし、オヤツでもご飯でも無いよ」って事と、そもそも、「獣医さんの指導がない状態で使うべきものではありませんよ」って事を最後にもう一度お伝えしておきたいと思います。
すごく長くなってしまいましたが…
おしまいに
松竹梅ちゃん改め、コマツくん、まいたけちゃん、ショウメイちゃん
3ニョロ皆で幸せになるんだよ!!
「捨てられていたフェレット」お引き受けの経緯と現状報告
「そちらで3匹、お引き受けをお願いできますか?」とボラ仲間から連絡がありました。 いたちのおうちはフェレット専用のペット ...
続きを見る
いたちのおうちは、3ニョロに誓って、これからも「フェレットの遺棄」について絶対に許す事はありません。
捨ててしまおうなんて思わないで下さい。
いたちのおうちが力になります。
いつでも頼って下さいね。
みんな幸せに、健やかなニョロニョロ生活を☆彡