昨年末、「フェレットを保護してるんですけど、ちょっと、どうしたら良いのか分からなくて…」と電話がありました。
聞くと、マンションの駐輪場でこちらを見ている可愛いがいた。
そのままそこに放っておいたら死んでしまうかもしれないと思って、いったんとりあえず部屋まで連れて帰った。
とても寒い真冬の夜中にポツンといた可愛いちゃんを無視できなかったという、とても優しい方です。
下半身がツルツルにハゲているから調べたら、それは病気だと書いてあった。
自分は今日もこれから仕事だしもうすぐ年末だし、「ちょっとどうしたら良いのか分からなくて」という事でした。
フェレットのためにありがとうございます。
ここから先はお任せください!!
「死んじゃうかも」「頑張れ!頑張れ!」を何度も繰り返しながらずっとの幸せまで繋がった保護っ子ゴマちゃんのお話
「警察署への届け出も病院も全てこちらでお引き受けします。お任せください」とは言ったものの、我が家から現地まで新幹線を使っても片道4時間以上の距離でしたので、彼が仕事を終えて帰宅するまでに現地へ向かえる引き取りボラさんを急きょ現場近くの方限定で募集させてもらいました。
すぐに「私、行けます!」とご連絡を頂き安堵したものの、一つとっても気掛かりな事がありまして…
捕獲保護して下さった彼が「帰った時、お渡しする前にもし死んじゃってたらどうなりますか?」って言っていたんです。
もちろん、「そういった場合でも届出などは必要ですし、その子については、どのような健康状態であってもこちらできちんと責任をもってお預かりさせて頂きますのでご安心ください」ではあるのですが、(そんなに衰弱しているのだろうか…)って、それだけがとっても気掛かりでした。
引取りに名乗り出てくれたボラさんにもその旨をお伝えして、「~という訳なのですが、お任せできますでしょうか?」
「保護という事にかかわらせてもらうのは初めての事で自分に務まるのかという思いと、副腎の子のお世話は経験がないのでそれだけはちょっと不安ではありますが、闘病の経験はありますから任せてもらえるならしっかり頑張ります。よろしくお願いします!」って、お引き受けしたらそのまま病院へ行ける段取りも先に済ませて下さって、とっても頼もしかったです。
諸々の手続きも済ませ、今か今かとその時を2人で待って、いざ
「では!行ってきます!」からの「今、お引き受けしました!生きてます!」
良かった。
その後も逐一ずっと丁寧に詳細を報告して下さり何も心配するような事はなかったのですが、病院からの報告LINE
健康状態の確認など詳細を細かくご報告下さった後
あぁ!!この方にお任せできて良かった。この子ちゃんも幸せ!本当に良かった。
保護直後というのは遺棄か脱走迷子か分からない状態ですから、私たち慣れている活動者は勝手な推測でものを言ったり、憶測を口にしたりはしません。
ですが、初めての現場ではどうしても感情が先行しますから、特に見て明らかに闘病中であろう子の場合は「病気で捨てられた可哀想な子」という存在に勝手にされてしまったりを時々見かけます。
それを今回のボラさんは「可愛いです」って、この子を私に紹介してくれました。
良かったね、かわい子ちゃん❤
「可愛い❤可愛い❤」って、甘やかされながら、安心して飼い主さんを待ってられるね。
「どうしよう…死んでしまうかもしれません…」震えながら頑張って繋げてくれた命
病気と闘う体で真冬に外にいた子ですから健康状態に問題があることは承知の上。
だから、ちゃんと病院へ行って先生に診てもらって、手厚い看護で献身的にお世話をしてもらい…ってしていても、どうしても安定しないのが保護っ子の怖いところ。
多少の上がり下がりはあっても献身的に明るくお世話を続けてくださっている様子はLineで報告をもらって知っていました。
だから、「すみません…どうしよう…」「すみません…どうしたら良いのか…」ってうろたえた涙声の電話がきた時には何事が起きたのか最初は分かりませんでした。
今、その時のやり取りを見返してみたのですが、明るい業務連絡からその電話までその間たったの30分。
いわゆる急変です。
「もう、力づくでも口を開けてくれません」
看取りの経験がある方には分かると思うのですが、急変してあれよあれよと口を開けなくなってしまうところまできたら、それはもう…な場合が多いです。
「体は温かいですか?」
「普段より冷たいです」
ダメだ、このままでは確実に死んでしまう。そう思ったので、申し訳ないけれど「試しにこれをやってみてあげてもらえませんか?」と一つのことをお願いしました。
多分、めちゃくちゃ怖かったと思います。
それでも「分かりました。やってみます。」って。
フワフワっとした可愛らしい若いお嬢さんなのですが、こういうところ最初からなんというか、芯のしっかり通った「何としてでも死なせない」って強い気持ちで向き合ってくれている方だなって思っていました。
即効性があることではないので、効いてくれるか待っている間、少しお話をしました。
保護日が土曜日、年末という事で彼女自身のお仕事も忙しいのに警察署の閉庁日の関係やらなにやらに合わせた急な日程変更やご自身の子の介護に通院って、その日までバッタバタで取り急ぎの業務連絡以外のお話しが実はあんまりゆっくり出来ていなかったんです。
自分からは何も口にしてくれない保護っ子ちゃんに毎回毎回シリンジで手を変え品を変え味を変えってお世話をしてくれていた、その日の朝、初めてバイトを「勢いよく舐めてくれたんです」って言っていました。
「味を思い出したのかな?って、これが好きなのかな?って嬉しくて、みんな(先住ちゃんたち)と一緒にクリスマスをしようと思ってバイトやジャーキーを買いに行ったんです」って、お話をしてくれて。
「ただ命を繋ぎたかったのに、こんな事になってしまって本当に不甲斐ない…。捕獲主さんにも申し訳なくて…。」って、私が泣いてしまいそうでした。
全然、不甲斐ないことなんてないし、それどころか、むしろ精一杯ありえないぐらい頑張って命を繋ごうと頑張ってやってくれていたのを知ってるから…
「大丈夫です。あとはその子の生命力に賭けましょう。」
彼女の気持ちが届くよう、頑張って!頑張って!戻っておいで!クリスマスの用意してくれてるって!帰っておいで!まだまだ楽しいことたくさんあるんだから魂まだ抜けないで!って、遠くから祈ることしかできない私の方がよっぽど不甲斐ないです。
お帰り!ゴマちゃん復活!
1時間ほど経ったころ立て続けにポンポンポンポンとLineがきました。
少しずつ意識を取り戻して、少しずつ回復してきている様子を「こうです!」「こうなってきました!」って、手に取るようにその様子が目に浮かぶほど細かい描写で教え続けてくれました。
ポンっと、バイトをペロペロ舐めている可愛い動画が届いて一安心。
お帰り、ゴマちゃん。
あ、このゴマちゃんというのは、「死んでしまうかもしれない」と連絡をもらった時、「名前を付けて、名前を呼んであげてください」って言ったら、「実は…」って、「本当は保護っ子だから勝手に名前をつけちゃいけないとは思っていたのですが、お鼻にゴマ模様だからゴマちゃんって…」って。
全然、全然、いけない事なんかないです。
可愛い名前をもらってたんだね、良かったね、ゴマちゃん。
ここまでちょっと勿体付けてしまいましたが、今回ご協力頂いた個人ボラさんはあの
ファンシーフェレット ころ&まる いたちごっこ
ふみさん
作家名「いたちごっこ」として、フェレットをモチーフにしたオリジナルキャラクター「ファンシーフェレット ころ&まる」のオリジナルグッズを製作・販売しています。
2018年にフェレットと暮らし始めてからその魅力にはまり、フェレットグッズが欲しくなったことがきっかけで活動を始めました。
現在は、「フェレットをもっと知ってもらいたい」という思いを中心に活動中です。
昭和レトロでファンシーなコンセプトのグッズの一部は、ハンドメイドでイチから製作している物もあり、懐かしさをより表現できるよう工夫しています。
「グッズになったころまるが、皆さんの毎日をもっと楽しくするためにそばでお手伝いする」そんな思いも込めています。
X(旧Twitter)や、Instagramでイラストや出展情報を掲載していますので、ぜひ覗いてみてくださいね!
(通販サイトは現在お休み中ですが、近々再開する予定です。お楽しみに★)
もっと詳しいご紹介&活動内容はこちらの可愛いころ&まるちゃんの画像クリックで
ゴマちゃんを預かって下さっている期間中にも作家さんとしてイベントもこなされていました。
闘病中の子のお世話、看取りも重なったそうです。
それらは全部、後から「実は」とお話して下さったことで、私は知りませんでした。
そんな中でなかなか安定しない体調の子の「保護」というのは心も体力も削られます。
「そんな大変な時に、気付きもせずあれしろこれしろとごめんなさい。」と言ったら
「先住っ子やごまちゃんのお世話をすることで、精神が保たれるというか…気持ちが切り替えられて逆に助かります。」と言ってくれました。
どこまでも明るく前向き、先住ちゃんも保護っ子もどちらの命にも同じように責任をもって真っ直ぐ向き合い続けて下さったふみさんに心から感謝です。
そんな、ふみさんに会いに行ってきました!のお話はこちら
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想像通り、フワフワっとした可愛らしい素敵な方でした。
いたちのおうちの活動にご協力頂き、何度も何度でも絶対に諦めない気持ちで命を繋いで下さり、本当に本当にありがとうございました!
後編へ続く